2017年04月29日

北朝鮮問題の現況と課題 中国

中国

北朝鮮の死活を握っているのが中国。
石油パイプによる北朝鮮への石油援助等,
政治的・経済的な繋がりが非常に深い。

北朝鮮制裁の国連決議にも関わらず,
中国が北朝鮮を見捨てることのできないのは,
北朝鮮が崩壊すると中国が困るからだ。

少なくとも次の3点は中国が無視できない事項と思われる。
  ■北朝鮮権益死守
  ■米軍との緩衝地帯死守
  ■北朝鮮からの難民阻止


上記に代表される中国の事情は米中会談でも議題にのぼっただろう。
そのうえで北朝鮮に対して現在は中国のターンとなっており,
中国は北朝鮮を説得している模様。

中国が北朝鮮を説得できるとは思えないが,
少なくとも時間稼ぎには中国・北朝鮮ともに利がある。
5月9日の韓国の大統領選挙があるからだ。
反日・反米・親北・従中のムンジェインが当選する確率が高いようだ。

少し待てば,韓国はレッド陣営に転がり込んでくる。
その大事な選挙の前に核実験によって半島をさらに不安定化させれば,
不安に思った韓国人がムンジェインではなく,
より保守的な候補者に投票してしまうかもしれない。

(そもそも,この状況下において反日・反米・親北・従中の候補が
  支持率1位というのは誠におかしなことではあるが)

韓国候補者.jpg
韓国大統領候補。ムンジェインが本命,対抗はアンチョルス。


韓国の選挙は蓋をあけるまでわからない。
まず,韓国の支持率調査があてにならない。
当日の選挙出口調査でさえも相当な誤差が出るのが韓国だ。
ムンジェインの支持率の高さには100%の信頼をおけない。

さらに,劣勢をひっくり返した例もある。
2002年のノムヒョンだ。
大統領選直前に米軍が女子中学生を戦車でひき殺してしまい,
あっという間に韓国全土に反米デモが頻発,
本命である保守派のイフェチャンではなく
反米闘志ノムヒョンが当選してしまった。

そんな前例もあり,韓国人は扇動に弱いので
選挙前の派手な動きは自重したいのである。

中国の望みは,
北朝鮮でアメリカの影響が強まるのを阻止すること。
できれば,半島から米軍が撤退し,米韓同盟は破棄。

大統領選挙の結果,半島が赤化することになれば
その望みがかなえられるかもしれない。
つまり,最悪でも北朝鮮に中国の傀儡政権誕生,
さらには中国が後見となって韓国による半島統一が
見えてくるのだ。

選挙前の蒙昧な振る舞いは避けたいと中国は当然考えているであろうし,
いくらなんでも金正恩もそう考えているだろう(と思う)。

ノムヒョン.jpg
画像は訪米時のノムヒョン。懐かしい。ある意味,ノムヒョンの『絶頂期』。


ただ,どうであろうと中国は半島の非核化を望むはず。
安全保障>その他の利益,である。
安全保障は全てのものに優先する。
北朝鮮から北京まで最短だと800km程度だ。
東京から函館/広島程度の距離である。
核ミサイルの完成について,アメリカ以上に中国は恐怖を感じるだろう。

核の排除について,トランプと習は原則合意をみたようであるが,
それは当然であろう。
ただし,中国は相変わらず話し合いで,などと言っている。

それは,上記の
  ■北朝鮮権益死守
  ■米軍との緩衝地帯死守
  ■北朝鮮からの難民阻止
が頭をよぎるからだ。
突出した米軍の攻撃があると,中国は後手に回ってしまう。


この点についても当然米中で話し合いがなされただろう。
どこまで話し合いが進んでいるのかはわからないが,
ポイントは戦後半島のあり方である。
韓国を含めて北朝鮮をどのように運営していくのか。

  ■北朝鮮独自かつ中国の傀儡政権
  ■米中後見による韓国主導の半島統一
  ■中国後見による韓国主導の半島統一

ありそうなのは上記3つであろうか。
もう少しポイントを絞れば,
米軍が韓国を撤退するのか,
米韓同盟は破棄されるのか,だろう。
この点が戦後の半島情勢を決定的に左右させる。


だが,そこまでの話し合いはなされていないのではないか。
そもそも,トランプにそんな情勢理解があるのだろうか。
確かに,大統領当選後トランプは急速に学習を重ねている。
しかし,スタッフも満足に揃わない現状では,
総身に智恵は回りかね,というところだろうと思う。

そういう意味においても,北朝鮮攻撃が夏以降という話はしっくりくる。
現在,北朝鮮を攻撃できないのは準備に時間がかかることもあるが,
攻撃方法・戦後の体制のデザインにも時間がかかりそうだからだ。

トランプ習.jpg
米中会談。両者とも,笑顔がよそよそしく見える。


posted by DEBUO at 00:00 | 半島有事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする