2012年11月30日

フィリピンの子供

私はマニラのカロオカンというところで,
フィリピン生活をスタートさせた。
カロオカンは,下町である。
観光客はほとんどやってこないし,
やってきてもベテラン以外は遊ぶところを見つけにくいと思う。

在住日本人はそこそこいるようだが,
5年住んでいて,3人しか見かけたことがないし,
しゃべったのは,その内の一人だけだ。

もっとも,日本人というだけで近づこうとは思っていなかったので,
マニラやマカティの日本食レストランやJ-KTVへ行っても,
何か別世界のような感じを受けていた。


フィリピンでの初めての日本人の友人は,
KIMURA・KTVの通称『親父さん』である。

ある日,日本食について検索していた時のことである。
偶然,『KIMURA・レストラン・KTV』という,
日本人経営のローカルKTVの存在を知った。

場所は,LAカフェ(現MBカフェ)のそば,
ある意味,マニラの一等地,激戦地区である。
そこで当時,8年もの長きにわたって店を構えているという。

非常に興味が湧き,話を聞きに行ったのがきっかけとなった。
フィリピンで商売を志す日本人はたくさんいるが,
たいていは失敗する。
ましてや,マニラの激戦地でローカル相手に8年間も続けているのだ。
並の話ではない。


経営者である親父さんに話を聞くと,
水商売の経験はなかったという。
それどころか,設備関連の職人さんだったのだ。

しかも,フィリピンに興味があったわけではなく,
たまたま訪れたフィリピンでフィリピンに嵌った。
というか,嵌められた(詳細省く)。

ネットも満足にない時代,
知合いもいない。
全くのゼロ,どころかマイナスの状態で商売を立ち上げられたわけだ。
苦労が容易に想像できるし,実際,非常に苦労された。

GROの引き抜きはしょっちゅう,
工事代金はふっかけられ,
売上はつまみ食いされ,
あげくの果てに持ち逃げされ,
昼は大使館で働いて赤字補てんに務める。

すごいガッツである。
このガッツを支えたのは,
当時まだ赤ん坊だった息子のS君の存在だったという。


S君はフィリピンで育った子供らしく,非常に素直な子である。
日本のど田舎に行かないと見かけることのできないような,
純朴な気質が,まだ比人の子供には残っている。

もう一つ,フィリピンで育った子供の特質がある。
S君と話していて気づいたのだが,
何時のまにか,年齢差を感じさせなくなってきたことである。

フィリピンでは,日比の年齢差カップルを良く見かける。
商売女のケースもあると思うが,
一般的なカップルでも,歳の差カップルは普通だと思う。

確かに,強欲ピーナにやられてしまっている場合もあるだろう。
しかし,比人は歳の差を気にしない。

私の場合だと,日本人で10歳離れると年齢差を感じる。
20歳離れると,明らかに世代の差を感じる。
フィリピンでは,男女問わずそういうことはあまり感じない。

アメリカンスタイルなんだろうか。
高校生ぐらいの女の子でも,結構堂々としている。
日本の女の子のようなぶりっ子は,フィリピンでは見かけない。

私はぶりっ子が昔から嫌いなのだが,
そういうシナを作ったようなところがフィリピン人女性にはない。
ここは私にとってポイントの高い点だ。


フィリピンでの子育てで色々と考えられる親御さんもいらっしゃると思う。
確かに,教育水準や就職とか難点はある。
或いは,甘やかされて成長したフィリピン人も多い。

そうした点はあるものの,
多くのフィリピン人が持つ素直さとか自然体は,
好ましいものに私には映る。


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2012年11月29日

フィリピンでの生活

フィリピンは,日本に比べればずっと治安が悪い。
治安の悪さを解決する一つの手段は,
フィリピーナと同居/結婚するなりして,
防御の壁を作ってもらうことだが,
今度は同居人やファミリー問題で悩まされる。

思わず,邦人社会で愚痴を言いたくなるのだが,
日本人にしたって,日本語を話し,フィリピンに住んでいる,
というだけで,
出身,経歴,学歴その他,いろんな面で違ってくる。
最悪の場合は,邦人に騙されることもある。


こうして並べていくと,フィリピンにはいいところがないように映る。
いや,不平不満を言えば,延々と続いていく。
それでも,私がフィリピンに住み始めてから7年経つ。

途中で,嫌になったりして日本に帰国したこともあるが,
そのたびに,フィリピンに帰りたくなった。
安全で整理整頓されて清潔な日本。
民度の高い住民たち。
しかし,私にはそういう世界に居心地の悪さを感じているのだ。

日本の街並みを歩いていても,何か空虚な思いに囚われる。
予定調和に満たされた世界。
街角を曲がっても何も起こらない世界。
そういう世界に満足できなくなっている。

道に穴が開いていないか,
汚物をふまないか,
ジープやトライシケルに轢かれやしないか,
ホールドアッパーはいないか,
部屋に戻ってきても,空き巣が潜んでいないか,
戸締りは大丈夫か,
そういう毎日が自分に活力を与えるのだ。



もう一つある。
人間関係が楽なのだ。
フィリピン人から見て,私は異邦人であり,
仮にフィリピンに階級とかがあったとしても,
私はそこから外れる。余計なしがらみがない。

フィリピン人とは積極的に交わるつもりがないから,
ますます,余計なしがらみがない。

日本人同士でも同じことが言える。
フィリピンでは,日本時代にどうだったか,
というのは話のネタぐらいにしかならない。

それは,例えば大学に進学した時とか,
企業戦士が退職した時とかの境遇と似ている。

高校時代に勉強ができたとか,
働いていた時のポジションとか会社名とか,
そういうものはまるで関係がない。

そこで問題になるのは,本人そのものである。
人間性そのものが問われてくるのだ。

キャリアはまっさらな状態になる。
利害関係もないから,余計なしがらみはない。
名刺を出せば済む,というわけにはいかない。
新たなルールにアジャストしていく必要がある。


怒る人もいない。
だから,毎日は自分で律する必要がある。
ルールは自分で決める。
他人にとやかく言われる筋合いはない。

私は,日本にいた時よりも生活態度が改善したと思う。
あくまで,自分の中では,という話で,
平均的な日本人と比べれば,随分と怠惰なのだが。



一言で言えば,フィリピンは『フリースタイル』である。

日本人は様々な制約に生きている。
それがフィリピンでは解き放たれる。
そこで活き活きとするタイプと,
まごついてしまう人がいると思う。

私は前者なのかもしれない。
フィリピンで足掛け7年過ごしてきた私にとっては,
フィリピンがいい具合に馴染んできている。
フィリピンでの生活は,私にとっては随分と気楽なのだ。


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2012年11月28日

フィリピンと在住邦人

フィリピンに関する危険は,邦人によるものもある。

フィリピンの在住邦人には気をつけろ。
とは昔から言われていることである。
多くの在住日本人は慎ましくて善良だ。
しかし,中には邪な輩がいることも確かだ。

私の友人のKTV経営者は,今までに何度も
支店を出さないか,とか共同経営をしないか,
とか言われてきたという。

中には信用に足る話もあるが,
たいていは口だけ出して金は出さないケースで,
随分お断りしてきたらしい。

或いは,ちょっと金を持っていると思われれば,
すぐに投資話を持ちかけてくる。
ネットでしか付き合いがないのに,
金を掘りに行こう,とか数千万円投資しろ,
とか,常識はずれも甚だしい輩がいる。

先日も,このような事件があったばかりだ。

  セブ市在住の日本人男性(64)が詐欺容疑で拘束される
  インクワイアー(英文)


確かに,フィリピンは詐欺/騙しの多い国である。
フィリピンに慣れない人の場合,
フィリピンでの商売の初期投資や家の建築費用は,
相場の3倍を覚悟する必要がある。

まだ現物が完成するだけマシ,であって,
そのままトンヅラ,というのもよく聞く話だ。
金銭トラブルが多いから,そのまま殺人に至ることもある。

フィリピンで殺される外国人はダントツでインド人だ。参考
原因は,インド人が金貸しをやっているからだという。

5・6(高利貸し)をやっている日本人で成功した,
という話を聞いたことがない。

既に帰国してしまった日本人の話だ。
彼はフィリピン超ベテランである。
タガログ語はベラベラ,昔からフィリピン絡みで商売をし,
フィリピン人のことも良く知っている。

その彼が地元で5・6に手を出した。
元はとれたみたいだが,回収するのが大変だった。
警官に応援を頼み,連日顧客の勤め先で張り込み,
それでも,何人かには開き直られた。

マニラにいた時にも,近所に高利貸しがいた。
彼は顔も怖かったが,回収部隊もあるという。
金貸しはどこでも同じだ。

この国は,金の感覚がルーズで,
借金はそのまま金の無心であったり,
返すつもりがあっても,額が大きくなって返すことができない,
そういう言い訳を作って,結局返さない。
しつこく催促すると,逆切れされることも多い。

庶民レベル,例えばサリサリストアなんかでは,
金をごまかす,ということはまずないのだが,
額が大きくなるにつれ,おそらく飛躍的に騙しが多くなる。

20pぐらいの話ならば,きっちりしていても,
桁が大きくなると,現実感がなくなるのかもしれない。

日本人も,長年フィリピンにいると,
かなりフィリピンスタイルに染まってくる。
ましてや困窮したりすれば,背に腹はかえられない。

相手が日本人であっても,迂闊に金の話ができないのである。


詐欺師とかは,極端な例であり,
当然,気をつけなければならない事例であるが,
もっと日常的な場面で注意を要する邦人もいる。

ある知り合ったばかりの日本人の話だ。
いきなり不動産の話をしてきて,それがしつこい。
『営業』とピンときて,すぐに心の扉を閉めてしまった。

ただ,それだけなら注意すべき人,程度であり,
さほど問題もなかったのだが,
その人物は,浅慮な発言・行動の目立つ人物だった。
しかも妙な自信家で,はた迷惑な自説を押し付けてくる。

当然ながら,周りに不快や不信を与え続け,
あっという間にその人物の周りから人がいなくなってしまった。


日本でもKYな人,というのは周りから敬遠されがちだ。
KYとは,空気を読めない,という意味で,
デリカシーのないタイプを言う。

こういう人は,言葉の裏や笑顔の隙間,
そうしたものに注意を払うスキルが不足している。
つまり,相手を見ることができない。
或いは,基本的に自己中で世界が狭い。

結果として,言動に配慮を欠き,
不用意に相手の尾を踏むことになる。

人間関係を築くのがうまくない,可哀想なタイプではある。
しかし,日常のそこかしこで精神衛生上にダメージを与えてくる。
困り者の日本人なのである。


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2012年11月27日

フィリピン女性を奥さんにもらうと

フィリピンは日本よりもずっと危険なところである。
しかし,おそらく日本でのイメージほど危険ではない。
アフリカや中南米のほうがずっと危険そうだ。
気をつけていれば,比でのたいていの犯罪は防ぐことができる。

日本人がフィリピンで抱える問題の多くは,
比人奥さん(彼女)絡みなんじゃないかと思う。
多分100%の在住日本人がこの問題から逃れられない。


信用ができるかどうか

  比人奥さんに騙されるケースは,はっきりとした犯罪である。
  或いは,強欲奥さんに囚われてしまった場合も
  ご愁傷様としかいいようがない。
  
  すぐに関係を絶って逃げることが最善だろうと思う。 
  命があるだけ,めっけもんである。

しっかりものかどうか

  たいていの日本人は,比のファミリー問題に悩まされる。
  ほぼ全てはお金の話になる。
  比人奥さんは,多くの場合,ファミリー寄りになる。
  フィリピンでは経済的な強者がファミリーの主導権を握るが,
  主導権は奥さんにあり,日本人は単なるATMとなる。
  
  こういう場合,日本人旦那には寂しいものがあるだろう。
  しかし,日本人旦那が次のようなタイプであったら。
    英語もタガログ語もダメ,
    日本人の常識を振りかざして五月蝿いだけ,
    何の生産的なこともしない

  比人から尊敬を受けるはずがない。
  日本人旦那はまるで無力だ。
  お金を運んでくることが唯一の存在価値なのだ。

  だが,偉そうなことを申し上げるようで申し訳ないのだが,
  そういうタイプの日本人はフィリピンに留まりたいのであれば,
  甘んじて受け入れるしか無い,と思う。
  クリポットに徹して,スモール・ビジネスなどに浪費せず,
  あまりにも癇癪がおこるようならば,日本に帰った方がいい。


  或いは,日本人旦那の気の良さが,
  自分のATM化を進めているかもしれない。
  比人は,あるところからもらうことに抵抗の無い人が多い。
  日本人旦那が気前が良ければ良いほど,
  比人はどんどん勘違いしていく。
  感謝もどんどん薄れていく。
  何しろ,お金持ちの日本人だからだ。
  
  これは,比初心者の多くが陥るケースだ。
  こうなると,ATMが側にいる限り,元の素朴な比人に戻すのは難しい。
  あなたが,比人を狂わしてしまったのだ。

  こういう場合も,すぐにそこを離れるべきではなかろうか。
  比人は,ATMがなくなればすぐに元通りになる。
  そばにATMがあるから依存してしまうのだ。

  ファミリーと旦那の板挟みになる比人奥さんも多い。
  離れて暮らそうとして,
  果たして奥さんが賛同してくれるか,
  そして,精神的にもファミリーと距離を置くことに頷いてくれるか。

  私が見聞きしてきた範囲では,
  理性的な比人女性は多いと思う。

  反対するような比人女性であれば,旦那次第であろう。
  あまり背負い込まないで楽になれば,とは思うのだが。

  
社交性

  フィリピン人は社交的な人が多いが,
  これも,日本人にとっては悩みのタネになる。

  日本女性も同じだと思うが,
  フィリピン人は噂話が大好きである。
  フィリピン最大の娯楽なのだ。
  お金がかからず,暇をつぶせるから。
  しかも,何故か噂話を信用する比人が多い。

  多くの比人は善良である。
  しかし,噂話は面白いほうがいいに決まっている。
  そして,中には善良でない人もいる。
  こうして,フィリピンのチスミスができあがり,
  フィリピン・コネクションに乗せられて,
  あっという間にチスミスが広まる。

  自分の奥さんがチスミス大好きの場合,
  かなり気をつける必要がある。
  チスミスの発信源になるからだ。
  周りの信用をなくす原因となろう。

  或いは,比人奥さん同士をくっつけると,
  チスミスが独り歩きすることがある。
  そうなると,誰が言った言わないで揉める。

  最悪なのは,旦那も一緒になって大騒ぎすることだ。
  そうなると,夫婦ともども,
  『三面記事大好き夫婦』の烙印を押され,
  より一層,周りの信用をなくすと思ったほうがいい。

  旦那は,チスミスに動じず,
  下手に騒がないことが望まれる。


社交性2.

  フィリピン女性は,日本人女性よりも気が強い人が多い。
  『自分が最高,自分が一番』
  そんな感じの自信家比人女性も珍しいタイプではない。
  フィリピン人は男女ともにナルシストが多い。
  ナルシストだから,自己顕示欲も強い。

  自信家に顕示欲が加わると,
  得てして目立ちたがり屋で仕切り屋になる。
  或いは,説教女と化す。
  自分を見習いなさい,というわけだ。

  この手の奥さんをもらうと,
  日本人社会では大変だろう。

  比人社会でもあまり好まれないと思う。
  比人というのは,あまり突出したものを好まない。
  確かに,子供のように感情の素直な人が多いが,
  それでも,周りに波風をたてない,という比人流の知恵がある。

  そういう奥さんをもらう旦那というのは,
  つまり,そういうタイプが好きなのだろう。
  目立ちたがり屋は,積極性に,
  仕切りたがり屋は,面倒見の良さに,
  プラスとして捉えられていると思う。

  それが周りに不興を買っているとは思わないかもしれない。
  だが,日本人の多くはそういう人物を嫌うし,
  おそらく,比人もそういうタイプを良くは思わない。

  もっとも,そんなことわかってるよ,余計なお世話。
  という場合は,確かにその通りで私も反省しつつ,
  『頑張ってください』
  と陰ながら応援申し上げるしか無い。
  
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2012年11月26日

マニラの思い出

私は当初インドネシア移住を目指したのだが,
言葉の問題とビザの問題で断念,
そこでフィリピンを試して見ることにした。
訪れたのはカロオカン。
私の友人の彼女の実家があるところだった。

当初,散々脅された。
出歩くとやられるよ,と。
だから,最初の1週間は一人で外出ができなかった。

おそるおそる外出してみると,なんてことはなかった。
少しずつ距離を伸ばしていき,
半年も経つと,一人で飲み歩くようになっていた。

しかし,日本よりも明らかに治安が悪いのは確かだった。
何度か置き引きにあったり,
飲み屋で喧嘩になったりした。

喧嘩するのは,いつも隣町の連中とだった。
向うから絡んでくるのである。

隣町,というのは,
通称パラダイスというマニラ有数のスラムだった。
私に言わせれば,マニラ中がスラムだと思ったが,
パラダイスはスクワッターエリア(不法居住地域)だった。
1km四方程度のエリアである。
何度か入り込んだことがあるが,
他の地域と比べて特別危険だとは思えなかった。

しかし,フィリピン人は隣町を悪く言いがちである。
スクワッターエリアとなれば,悪し様にいう。
何しろ,トンドの連中がパラダイスはトンドより怖い,
というぐらいだ(笑

実際にどうだかは関係ない。
貧乏人の集まりということでパラダイスは低く見られる。
だから,パラダイスと周囲の街とが反目しやすい。

私が飲んでいた場所はパラダイスと私の街との境目にあった。
まともな連中の来るところではない。
以前には,そこで殺人事件も起きたという。

そこで日本人が『金にあかして』女の子を口説いていたら,
腹が立つに決まっている。

私は普段は羊のように大人しい。
しかし,酔ってくるとそこは小人の悲しさ,応対してしまうことがある。

ちょっとした騒ぎになり,私も怪我をして1週間ほど寝ていた。
いや,蹴ろうとしたら何かにぶつけて怪我をしたのだが(泣
あたりどころが悪く,骨が見えるような怪我をしたのだ。
自爆もいいところである。

比人の友人が心配するので,一旦日本に帰り,
しばらく養生していた。


数ヶ月で舞い戻り,前と同じような生活に戻ったが,
こんなこともあった。
ある日,飲み屋のママに
 『あなた,命を狙われているよ』
と忠告されたのだ。

これはひどい話で,
私を狙う,と公言していた男の元妻の再婚相手が,
日本人だったのだ。
嫉妬にかられて日本人嫌いになっていたのである。

その男はジャンキーで暴れもの。
取り巻きも何人かいる。
酔っ払った時にその男と出くわすと喧嘩になる。

それでしばらくは夜間そのあたりを避けるようにした。


比人はシラフの時は大人しい人が多い。
日本人よりもずっとマイルドというか,小心者が多い。

しかし,酔うと急変する場合がある。
私の知合いでいつもは極めて大人しい男が,
酔って多人数相手に喧嘩になり,
青龍刀のような刃物を持ちだしてきたのに驚いたことがある。

フィリピンは命も安い。
ヒットマンの話を何度か聞かされたことがある。
話10分の一ぐらいで聞き流していたが,
日本のPP数件分ぐらいの値段だった。


カロオカンにいた時は,私は割合周囲に顔の効く比人と親しかった。
そいつは根が真面目なのだが,
かといってカタギとはいえないタイプだった。

割りと彼の面倒も見たし,その代わりに私は安全を彼からもらった。
ホールドアッパーと呼ばれる奴らも周囲に何人かいたが,
私がその友人と親しいことを知ると気安く私と接っするようになった。
私なりのリスクヘッジだった。


異邦人が見ず知らずの土地で暮らすのには注意が必要だ。
MLというSNSので知ったのが,
私の住んでいた街から2kmほど離れたところのできごとである。

ある若い日本人がその街に日本からやってきた。
そこで知り合った在住の日本人が,比人からたかられている。
その程度が酷くて,街ぐるみでその在住にたかっていたらしい。
若い日本人が一肌脱いで,在住日本人を日本に返して上げた。

おもしろくないのは,在住日本人を食い物にしていた連中である。
それ以来,道を歩けば彼らが殴りかかってくるようになった。
ある日,10分ほど家を留守にした。
その間に,現金とともに家財道具ごっそりやられたという。


もっとも,この日本人に同情しきれないのは,
そこまでされてまだフィリピンにしがみつこうとしたのだ。
すぐ帰ったほうがいい,と忠告を受けても,
全く理解しようとしなかった。

だから,彼の話がどこまで本当なのか,疑問も起こるし,
話が本当だとしても,判断が幼すぎる。


外国で日本人が一人で暮らそう,というのには,
いろいろと危険がつきまとうのである。


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2012年11月24日

肩こり,背中の痛み,冷え性

私は雨が好きではない。
フィリピンは汚い場所が多い。
排水口はゴミが浮き,ドブの臭いがしてくる。
道端は汚物が目立つ。
雨が降ると,すぐに冠水するから,
外を歩くには覚悟がいるのだ。

特に今年は台風のせいか,
6〜9月頃まで雨が振りっぱなしだった。
自然と私も外出しなくなる。

すると,体の節々がおかしくなり始めた。
運動不足である。


まずは,背中が急に痛くなった。
若いころ,知合いが背中が痛いとボヤいていたが,
検査してみたら腎臓の病気からくる痛みだった。

それで,私も内蔵がおかしいかも,と少しビビったが,
調べてみると,内蔵がおかしい場合,
安静にしていても背中が痛いという。

私の場合は,動かすと痛いのである。
じっとしていれば痛くない。
そういう場合は,背中の筋肉の痛みなのであった。


自己診断ではあるが,ホッとした。
しかし,なぜ背中が痛くなるのか。
おそらく,背中が肩こりのようになったのだと思う。

運動不足⇒血のめぐりが悪い⇒背中の筋肉が痛くなる
というわけだ。


背中の痛みは,ストレッチなどをしていたら2週間ぐらいで消えた。
しかし,今度は足の爪先が痛くなった。

以前から,就寝時に布団がつま先に触れるだけで痛みを感じていた。
調べても原因がわからない。

ただ,痛む場所の周囲に痺れるような感覚がある。
それでピンときて,冷え性で調べてみた。
ビンゴだった。


私は,何時の頃から寒さが苦手になった。
冬はもちろん,エアコンも避けがちになった。

日本にいた時は,不思議に思わなかったが,
ZAPPSの事務所で自分の体の異常に気づいた。

ZAPPSの事務所はガンガンにエアコンが効いている。
すると,手足の感覚がなくなるぐらいに体が冷えるのだ。
一旦冷えてしまうと,外に出て歩いたぐらいでは回復しない。

ところが,他の人達は寒がる様子がない。
ここに至って初めて私は自分が冷え性であることに気づいた。


冷え性は,血液の血の巡りが悪いことからくる。
原因はいろいろあるが,思い当たるのは,
加齢による筋力の低下と運動不足。

冷え性からくる手足の痺れ/痛みにはマッサージとある。
足の指をマッサージし続けてみたら,痛みは和らいだ。


眼精疲労,肩こり,背中の痛み,冷え性,
最近はこれらに悩まされることが多い。
運動不足による体力の低下が,
加齢による筋力の低下とともに露わになってきた。

気持ちは20の頃からさほど変わっていないような気がする。
しかし体がついていかない。
若いころできた動作が,今はさっぱりできない。
水たまりをジャンプして越えるようなときには,
飛び越えられなくてがっくりきたり。


私はフィリピンに来てから盛んに歩くようになったので,
日本にいた頃の肩こりが治った,と喜んでいたのだが,
ちょっとサボるとすぐに体のガタを覚える。

とはいうものの,最近は出歩くのが億劫なんだよなぁ。





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2012年11月23日

金は天下のまわりもの8 金融緩和・日銀批判2

アメリカとユーロの金融緩和は,
若干目的を異にしている。

アメリカの場合はデフレにはしない,というバーナンキの信念。

欧州の無制限供給オペは緊急避難に重きを置いている。
欧州の銀行は機能不全をおこしている。
ECBが金を供給していかなければ,銀行の脈が止まりかねない。

日本が参考にするのならば,FRBだろう。
デフレ脱却のための金融緩和だ。
インフレ・ターゲットである。


世界中の中央銀行は2〜3%程度のインタゲを設定し,
概ね,成功しているように見える。
日銀でも,一応1%の言い訳インタゲを設定している。

しかし,金融緩和をすればインフレになるというわけではない。
金融緩和とインフレには相関関係を見つけにくい。

物価と金融緩和.png
  資料はこちらのサイトからお借りしました。クリックで拡大。

消費・投資が活発化しなければ,
つまり金融緩和したお金を活用しなければ,
市場は冷えたままである。

小泉政権でゼロ金利政策をとったが,
銀行のバブルの後始末に役立っただけで,
日本でのデフレ脱却にはあまり効果がなかった。

預金で生活している人たちから利息を奪ってしまい,
むしろ消費活動が低迷した可能性もある。

また,円キャリーによりサブプライム・ローンを煽るという,
明らかな負の効果も発生した。


物価だけあがって景気は悪いままということもありうる。
それは,スタグフレーションと呼ばれる,悪質なインフレ状態だ。
例えば,輸入インフレ。
石油が暴騰したり,円安で輸入品が激高になったりすると,
景気が悪くても物価が上がりやすい。

緩やかなインフレを起こし,なおかつ景気も穏やかに回復させる。
それには,国内の資金需要を盛り立てる必要がある。
家計は消費を促進し,企業は投資のために借金に励む。
こういう姿が望まれるのだ。

金融緩和だけではそこまで経済をもり立てることができない。
金融緩和をする場合は,財政出動もセットにしなくてはならない。
アメリカが苦労しているのは,まさしくそこにある。
財政赤字のために,健全財政派が財政出動を許さないのだ。


安倍氏は財政出動+金融緩和を謳っている。
背景には,麻生氏,藤井京大教授,リチャード・クーと言った面々がいる。
現状では日銀を生かし切れないのだから,日銀法も改正する。

バブル崩壊後20年,橋本財政から15年,
ようやくまともな経済政策が出てきた,という感じだ。

90年代にリチャード・クーや植草一秀といった経済評論家が
公共事業の重要性を説いていたが,
当時は公共事業悪玉論の真っ最中であり,
大多数の国民が耳を貸さなかった。

しかし,そうした嫌悪感が薄れ,
公共事業復活論の正当性が広まるにつれ,
ようやく,冷静な議論のできる環境ができつつあるように思う。

もちろん,財政出動は公共事業のためとは限らない。
減税や子ども手当のような所得移転型の施策も対象となる。



さて,『金は天下のまわりもの』と題して1〜8で
私の拙い知識をまとめてみた。
理解不足の点もいろいろあるだろうが,お許し願いたい。

『金は天下のまわりもの』とは,
要するに,金の供給量の増減の話だ。

風呂桶をイメージしていただきたい。

gushurogama_kyousei.jpg

日銀は市場に金をばらまく(マネタリーベース)。
このままでは,お風呂の水は冷えたままである。

お風呂を沸かす(マネーサプライ)。
沸かすには,消費・投資,借入が必要である。
どんどん沸かして,満遍なく熱を対流させる。

それには,熱が必要である。景気のことだ。

公共事業(或いは減税)は,
【熱気】【景気】を湧きあがらせるのが目的である。
冷たい水のまま,誰も水を沸かさない,というのなら,
政府が公共事業で水を沸かし,
景気拡大のきっかけを作ろう,というわけだ。


残り湯を洗濯機で使ったり,
沸かしたつもりが隣家のお風呂が沸いてしまった,
などということもある。
なにしろ,グローバルな時代だ。

しかし,基本は単純なことなんじゃないのか。
デフレなのにデフレを促進させるような方法を取る。
それは,基本を大きく逸脱する。


運動不足によって体が弱ったのであれば,
安静にするのが根本治療ではない。
どうにかして体力をつけさせるのが大切である。

貧血に陥っているのに,
その本人から血を抜き,その本人に輸血する。
そんな馬鹿な物言いは根絶することを願うのである。


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posted by DEBUO at 00:00 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月22日

金は天下の回りもの その7 金融緩和・日銀批判

ここのところ,ずっと日銀批判が凄い。
特に白川総裁と言えば,
馬鹿アホの代名詞のようないわれようである。
円高,不景気はすべて日銀・白川のせい,というわけだ。

日銀の役割は,
紙幣発行,政府の銀行,銀行の銀行という業務を分担する他,
『物価の安定』と『金融システムの安定』という目的が,
1998年の日銀法によって定められた。

景気対策や円高対策は日銀の仕事ではない。
景気の悪いのを日銀のせいにされても日銀は困るわけだ。
景気対策や円高対策は政府の仕事だろう。

しかし,景気対策も円高対策も国債を発行することになる。
財務省はやりたがらない。
政府は及び腰になる。
そんな中,日銀だけが泥をかぶる云われはない。

小泉政権は健全財政を叫びながら,
日銀には金融緩和を求めた。
その反省は間違いなく日銀にあるだろう。


さらに不可思議なのは,『日銀の独立性』だ。
日銀の独立性が意味するのは,『目的の独立』ではなく,
『手法の独立』である,と経済学者の高橋洋一氏が述べている。

文末にバーナンキの講演和訳を載せたが,
高橋氏の言説はうなづける。
  目的は政府が示す:例えば,インフレを3%にしろ
  日銀はインフレ3%を達成するための方法を考える。
  その方法については,政府に口出しさせない。
こういうことだ。

日銀はあくまで政府の子会社,政府の金庫番である。
三権分立のような対等な立場ではない。

ところが,なぜか日銀の独立性が強く叫ばれる。
確かに中央銀行の独立性は,世界的な潮流である。
政治家が利権誘導をするのを嫌ったからだろう。

1998年に日銀法が改正された時は,
政治家は腐敗しきっている,と多くの人から思われていたし,
あまりに無駄な公共投資に批判が集まっていた時代だ。

さらに歴史を紐解けば,軍備増大により恐慌脱出⇒大戦,
という流れがトラウマになっているのかもしれない。

政治家が信じられないから日銀の独立性を強めたわけだが,
問題は,日銀の独立性が盲目的に信じられすぎていることだ。
日銀が独走したらどうするのか。
日銀の独立どころか,日銀の独裁,となってしまったらどうするのか。
日銀は決して天上の組織ではない。

また,専門家の間での議論はともかく,
反日マスコミが日銀の独立性を叫ぶのは,
単純に政府を批判したいからだと邪推している。
利権誘導を図る黒い政治家,という絵図を示したいわけである。



現状の白川批判・日銀批判は筋違いの面が多いと思う。
少なくとも,白川批判は行き過ぎている。
白川氏は官僚の仕事をしただけにすぎない,と私には映る。
批判するならば,日銀のシステムや法の不備に対してであろう。

行き過ぎた日銀信仰を引き戻す。
安倍氏の主張する日銀法改正にはそういう意味合いが込められている。

また,安倍氏の経済政策の根幹は財政出動であろう。
その財源は日銀の国債引受(買いオペ)としているらしい。
私は,国債引受だろうと,単純な国債発行だろうと,
どちらでもいいと思う。
民間銀行を迂回するかどうか,の違いぐらいでしかない。


ただ,政府が国債引受を日銀に強制させるとなると問題がある。
法的には国会の決議が必要だが,それ以上に,
単純な国債発行で済むところを政府が日銀に方法を強制させる,
となると,日銀の独立性/政府の倫理問題が浮上するだろう。
また,それほど日本が困っているのかと外国が誤解するかもしれない。

中央銀行が【手段の】独立性を求められるのは,
政府の恣意的な介入を防ぐためだ。
政治家に手当たり次第に国債を発行されたら目も当てられない。



安倍氏の政策は,財務省の激烈な抵抗が予想される。
日銀法改正と日銀人事はその前哨戦だ。
前哨戦にしたって,同様に激烈な抵抗がある。
マスコミも狂ったようにパッシングするかもしれない。

どうねじ伏せていくのか。

もっとも,白川総裁は民主党の横槍により総裁に就任した。
民主党があの体たらくになり,腹を切ったのだから,
それなりの批判を浴びるのは世の流れであり,
すっぱり辞任してもらいたい,とは思うのだが。


バーナンキ議長講演 資料
『政府がインフレの数値目標を設定し,その目標の達成は中央銀行の責任とする』

グーグルマン 資料
『日銀が重い腰をあげないというなら、銃殺に処すべきです。』


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2012年11月21日

金は天下のまわりもの6 金融緩和・ユーロ

欧州銀行総裁ドラギは,無制限供給オペを実施した。

これにより,ECBの信用は落ちることになる。
しかし,そのぐらい欧州は危なかった,ということだ。
欧州の銀行が機能不全を起こしていて,金の調達が難しくなっている。
動脈硬化を起こしていたのだ。

だから,ECBは緊急避難として,無制限供給オペを行う。
そうしないと,欧州は死ぬ。


ユーロの根本的欠陥は,財政と金融を分離したことにある。
ユーロは歴史的な大実験である。
国から金融機能を取り上げたのだ。

各国は,日本の都道府県やアメリカの州のような存在になる。
だから,財政赤字に弱い
金利調節も為替調節も通貨発行もできないからである。
財政赤字には健全財政で対応するしかない。

ユーロは設立当初から,財政赤字に関しては厳しい制限をつけていた。
ところが,
  財政赤字になった場合の罰則規定
  財政赤字になった場合の保障機構
をユーロは欠いていいた。

財政赤字の制限は単なるお飾りだったのだ。
ユーロ加盟国でこの制限を守れた国はなかったと言われている。
ユーロはあまりにお粗末な通貨同盟なのだ。

ユーロ危機になって初めて,
保障機構をもたもたと作り上げようとしている。
EFSF,EMSといった機構だ。


ユーロの将来は,
  解体
  分裂
  金融・財政の統合
この3つにある。

自ら解体を選ぶとは思えない。
結果として解体ということはあっても。つまり,自滅することはあっても。

分裂はあるかもしれない。南と北に分けるのだ。
或いは,第一欧州と第2欧州に分けるのだ。
しかし,これも現実的かどうかわからない。
ギリシャを切り捨てるのはありうる話ではあるが。

ざっと,見渡すとドイツ・オランダといった北欧が比較的元気で,
地中海の沿岸国がやられている。
地域格差があり,北欧は南欧に輸出ドライブをかける代わりに,
銀行がその赤字を支えてきた。

つまり,ユーロはドイツの信用を南に与えるかわりに,
ドイツは南欧の血を吸ってきた。
その結果が南北の明暗の差だ。

ドイツがユーロを一抜けするのはありえないと私は見ている。
ドイツ国民がユーロを抜け出したいと願っても。

仮にドイツがユーロを脱退したら,
ユーロは分裂,大衝撃が欧州や世界に走る。
ドイツマルクは上昇し,輸出産業は困難を極め,
安い輸入品により国内脆弱産業は壊滅,
デフレにより国民経済も地を這う。
そこまで見据える必要がある。

しかし,ドイツがユーロにとどまる限り,
ドイツは南欧にどんどん金を献上しなくてはならない。

まるで底なし沼だ。ドイツはどうするのか。
行くも帰るも茨の道,蟻地獄である。
ドイツはユーロに絡み取られている。


メルケルはドイツ国民の支持よりも,
ユーロに身を捧げるような素振りをしているFT

私はそれが正しいと思う。
東京都は交付金をもらえない。東京都の税金は全国にばらまかれる。
ドイツはユーロで東京都のような役割を担う必要がある。

ドイツがユーロから受けている恩恵は計り知れない。
ドイツはギリシャを踏みつけて成長している,
とギリシャの元首相が言いがかりをつけていたことがあるが,
決して根拠のない話ではないのだ。


ドイツがユーロにとどまる決心をすれば,
残る道は,財政と金融の統合である。
ユーロが欧州合衆国に近づくわけだ。
その一例がユーロ共同債である。

だが,財金統合に至るまでには長い歳月が必要である。
ドイツが永遠に血を抜かれ続けることを覚悟しなくてはならない。
いくらドイツの指導者が決心したとしても,
やはり多くのドイツ国民はなかなか納得しないだろう。
ドイツの指導者は,ドイツ国民の選挙で選ばれるのだ。


現在話し合われている銀行同盟は,財金統合過程の一里塚だ。

ユーロ内の競争力不均衡により銀行は南欧の赤字を埋めてきた。
南北格差による金融(銀行)恐慌,それが直接的なユーロ危機である。

銀行の機能不全を修復するために,ECBは無制限供給オペをし,
さらに,各国の銀行を直接ECBが監督するはずだった。

EFSF・EMSの次にユーロ共同債を目指すと考えられてきたが,
銀行同盟は共同債よりも実現可能性が高いと見られている。

もっとも,銀行同盟は骨抜きにされたようでもある。


まだ楽観を許さない状況ではあるが,
欧州はほんの少しずつ前進しているのが慰めか。


参考:FT

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2012年11月20日

金は天下のまわりもの その5 金融緩和・USA

リーマン・ショックを受けて,バーナンキFRB議長は3度にわたって
金融緩和を実施した。

MB各国.jpg

リーマン・ショック前に比べて,3.5倍以上のマネタリーベースになっている。
このグラフには反映されていないが,
QE3に至っては,効果が出るまで無制限緩和,などとも言っている。
前例のないような金融緩和を行っているのだ。

目的は次のものが考えられる。

  1 デフレ克服
  2 ドル安誘導,輸出振興
  3 景気回復


デフレ克服


アメリカの金融緩和はデフレ克服を最大の眼目とする。
バーナンキは日本のバブル崩壊後を随分と研究したらしい。

アメリカの物価上昇率は次のとおりだ。

インフレ率各国2.jpg



あれだけの金融緩和をしても,むしろデフレ気味である。
金融緩和とインフレは比例するわけではない。

それは,日本のゼロ金利政策でも同様だ。
小泉政権下のゼロ金利政策により金融緩和を実施したが,
物価はデフレ気味である。

いくら銀行に金をつぎ込んでも,
それを活用しなければ,世の中に金は回らない。

或いは,安い中国製品が流入して物価を押し下げていたのかもしれない。
金利生活者は消費を抑制しただろう。
いろいろな因子が考えられるのだろうが,
だからといって,金融緩和をしなくてはアメリカはデフレに突入しただろう。

公共投資や減税といった積極策も活用したいところだが,
財政赤字が問題となっているため,
アメリカでは公共投資や減税に縛りがかかっている(財政の崖問題)。

現状では,景気回復のために金融緩和しか思い切った手を打てないのが
アメリカの痛いところである。


ドル安誘導・輸出振興

例えば,ドル円を見た場合,
リーマン・ショック前は1ドル120円前後だったのに,
現在は80円前後。凄まじい円高が進行したのだが,
一つには,欧米ともに政策金利が日本並になったことが大きい。

以前ならば,日本で円を調達,それを高金利国に持っていけば,
その差額だけで簡単に儲けることができた(円キャリー)。

ところが,現在では日欧米に金利差がなく,
物価上昇分を加味した実質金利では,
日本は欧米よりも高金利になりがちである。

以前ならば,円キャリーにより円安になったが,
今は逆に世界の金が円を目指しやすい。

また,ドルを大量にすればドルの価値が希薄化する。
ドル安圧力がかかるわけだ。

さて,アメリカの輸出振興は結果を出しているようだ。

                    2009     2010     2011
輸出額 - ドル(単位:100万)     1,056,043     1,278,263     1,480,646

ドル安が輸出増を生んだのかどうかは,私にはわからない。
そもそも,アメリカ企業は輸出をするなら相手国で現地生産をする。
米企業は多国籍企業になりやすい。
だからアメリカには,輸出マインドの少ない企業が残ることになりがちだ。

ドル安というだけでなく,そうした米国内企業も輸出振興策を受けて,
慣れない輸出努力をしたのかもしれない。



3 景気回復

民間が借金しやすいように資金を市中に流す。
それにより,景気回復を目指すということである。
日銀のゼロ金利政策と同じなのだが,
しかし,日本では民間需要が生まれたとは言えなかった。

先行き不透明なのに,ギャンブルする経営者はいない。
むしろ,日本の金融緩和は世界を目指した。
金利差だけで簡単に儲けることができたのだから(円キャリー),
何もわざわざ日本に投資する必要はなかったのである。


現在のアメリカでも状況は同じであるが,日本とアメリカが違うのは,
アメリカは日本よりもずっと金融業が発達しているということだ。

アメリカの製造業も輸出業界も,
金融緩和をしようとドル安になろうと敏感には反応できないかもしれない。

しかし,金融業界は違う。市場は世界中にあるのだ。
投資資金は国境を瞬時に大量に飛び越える。

アメリカ国内もビッグな金融市場であるが,
他にも,欧州という巨大市場がある。
欧州は死にかけているが,
死にかけているなら死にかけているなりの商売の方法がある。

例えば,現在スペインが融資申請をするかどうかが注目を浴びているが,
スペインを買い支えているのがアメリカだという観測もある。

或いは,ドルは新興国になだれこんで景気を活性化させているかもしれない。
バブル懸念がつきまとうと言えども,新興国にとってはありがたいであろう。

つまり,アメリカの量的緩和は世界経済を支えている。
ここにUSAドル基軸通貨の特殊性がある。

アメリカのドルはアメリカ国内のみに影響を与える通貨ではない。
世界標準の通貨である。
つまり,世界はアメリカ経済に組み込まれている。

ドルが世界を駆け巡れば,アメリカの金融産業の活況につながる。
実際,リーマン・ショックで瀕死になった金融業界であったが,
金融緩和のお陰ですぐに生き返り,
史上最高益をだしたりしたのだ(ゴールドマン・サックスなど)。


ただ,金融業界特に投資の世界は逃げ足も速い。
実物経済に比べて額が圧倒的に大きいから,
いびつな経済になりがちである。

また,最近投資状況が悪いらしくて,
アメリカの金融業界に元気がないというのも気がかりだ。



最後に,欧米が必死に金融緩和したのに比べて,
日本の努力は足りない,という声がある。

次は,マネタリーベースのGDP比だ。
欧米は,元々日本よりもマネタリーベースが低かった。

mbgdp比.jpg

あれだけ欧米が金融緩和をしても,
GDP比から眺めれば,まだ日本のほうがマネタリーベースが多い。

ただ,日本は現金決済が主流で欧米はカード社会であるから,
元々,中央銀行の発行する紙幣が多い,という事情がある。

GDP比で見るならば,そのあたりの事情を考慮する必要がある。
金融緩和の変化の度合いこそが大切である,ということだ。
GDP比で各国比較するだけでは見誤る可能性がある。


金融緩和をすれば投資が増える,という直接的な効果は望み薄である。
しかし,円安効果はかなりあるんじゃないのか。

ただ,企業側は急激な為替変動を望まないだろう。
極端な円安になっても困る。貿易には輸入もあるのだ。

また,欧米のような無制限緩和というのは考えにくい。
資金は十分供給されている。資金需要がないのだ。
欧米と金融緩和競争をしても,
いたずらに市場を混乱させるだけではないか。

おそらく,金融緩和自体は適宜・適切な量,というところに
おさまるんじゃないかと思う。


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