2017年01月13日

オバマとトランプ

オバマ政権時の外交政策

まず、オバマの内政だがオバマは米国内については、
『強い』大統領である。
代表例が、医療保険改革法(オバマケア)、ウォール街規正法だ。
対してオバマの外交政策は、おおむね『ハト派』である。

キューバ国交回復、イラン核合意
はオバマの大きな実績としてあげられる。

しかし、
●中東の不安定化
⇒イラン核合意やイスラエルと疎遠になったことは、
中東のバランスを崩した。
⇒シリアには中途半端な関わり方となり、大量の難民を発生させた。
難民問題は欧州を不安定化させ、英ブレクジットの結果を生んだ。

●ロシアとの抗争と和解
⇒ウクライナ紛争は欧米vs露の構図となった。
後半は和解への取り組みが見られた。
(ケリー国務長官の訪露)

●南シナ海の放置
日本にとっては、南シナ海での中国の横暴が一番頭が痛い。
日本のシーレーンだからだ。

昨年スカボロー礁に関してのフィリピンとの争いは、国際司法裁判が
「法的根拠がなく、国際法に違反する」という判断を示した。
しかし、中国は受け入れていない。

オバマは途中から反中に切り替えて、『自由の航行作戦』を実施したりして
牽制しているが、ほとんど効果がない。

現在、中国はミスチーフ礁などの7つもの環礁に前方基地を展開。
基地には、滑走路やミサイル、レーダーなどの軍事施設はもちろん、
大規模リゾート施設の開発まで予定しているという。

こうなると、米軍もうかつに手を出せない。

困ったのはフィリピン・ドルテルテ大統領。親中志向が強い。
駆け引きなのかどうかはわからないが、アメリカを非難し、
中国の投資を引き込もうとしている。

その結果、中国のみならずロシアとの接近も観測されている。

南シナ海.jpg

TPP
議会の批准を得るのが難しい。
NAFTA・北米自由貿易協定は、アメリカに経済格差を生んだとして
アメリカには昔から強い反対がある。

アメリカだけではなく、メキシコ・カナダともに経済格差が広がった。
資本家のみが富を享受する仕組み、これがNAFTAであると思われている。

NAFTAを経験してきた庶民がTPPに反対するのは当然だ。
確かにメリットはあるだろう。
しかし庶民レベルではデメリットばかりではないか。

TPPは、日本にも大きな経済的メリットがあるのか疑問だ。
輸出産業の一部は若干競争力が生まれるかもしれない。
内向的な分野、例えば農業の改革・開放をTPPによって
行おうとしているのかもしれなし、TPPは効果があるかもしれない。

しかしTPPの一番の目的は、日米の大きな市場によって
南太平洋沿岸地域諸国を囲い込むこと、
つまり、中国包囲網の形成、これがTPPの最大の目的ではないのか。


トランプの外交政策は

●親露
ウクライナで対立した米露だが、
ケリー国務長官は2015年5月、訪露。
米露は、ウクライナの和平維持で合意。
⇒トランプはプーチン好きを公言、国務長官はプーチンの友達。
親露路線はパワーアップされそう。

●親イスラエル、反イラン?
2015年7月、「イラン核合意」
⇒オバマのイラン核合意は歴史的だったが、
トランプ政権になるとイランに関しては暗雲。
中近東政策は親イスラエルが軸になりそうだ。

●反IS
2016年2月、「シリア内戦停戦」に合意。(後日、崩壊)
⇒オバマの中途半端な姿勢でグダグダとなったシリア。
トランプ政権では反ISでアサド政権は安定しそうだ。

●アジア政策

オバマはアジアでも中途半端になり、
中国の横暴に対処できなかった。
⇒トランプ政権では中国とはタフな交渉になりそうだが、
アジア外交についてはそれ以外は不明。
政権の顔ぶれが明らかに中近東に軸足を置いている。

●TPP
⇒TPPというのは、経済的にアメリカに利があるのかわからない。
中国包囲網的な意味合いから見ないとわかりにくいように思う。
その視点がない限り、TPPには理解が得られないのではないか。
早めにTPP交渉から脱落か?


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2017年01月12日

トランプ政権

トランプはどう動く

トランプ氏については、特に大都市圏リベラル・マスコミからは
大変評判が悪かった。例えば、ニューヨークタイムスだ。
しかし、ブレクジットでもみられたとおり、
そうしたマスコミは民意を反映していなかったわけだ。

というよりも、そうしたマスコミの反トランプキャンペーンが酷くて、
正確なトランプ像が歪められているだろう。

言えるのは、反政治的正義(PC)や反グローバリズムが
アメリカにまきおこっている、ということである。


凄まじい経済格差

グローバリズムは多国籍企業の無国籍化や、
自由貿易および市場主義経済を全地球上に拡大させる思想などを表す。
主に新自由主義経済をさす。

その結果、ウォール街に代表される金持ちと
その他の層とのあまりの経済格差ができたわけだ。

下のグラフのオレンジ色に注目して欲しい。
収入ランクTOP1%に入る人たちがどれだけの富を占めているのか、
を表している。
なんとアメリカは上位1%だけで半分近くを占めるのだ。

経済格差.jpg


次のグラフは、上位1パーセントが持つ資産が、中央値(総データのうち、中央に来るデータ)の何倍かを示すグラフ。
1962⇒2010年では125⇒288倍になっている。
80年代に大きな盛り上がりがあるが、レーガノミクスつまり自由主義経済政策の影響、2010年は大規模な金融緩和の結果と思われる。

経済格差変遷.png


次は製造業従事者の実質所得の変遷である。
major sector productivity は
主要部門の生産性。
real wages of goods-producing workers は
製造部門の労働者の実質賃金。

70年代から実質賃金は増えていない。

実質賃金.jpg


世界一の経済大国といえども、
富を享受するのは摩天楼や超高級住宅地に住む人ばかりで、
大多数のアメリカ人には何の恩恵もなかったわけだ。


逆差別

或いは、反PC(ポリティカル・コレクトネス)
アメリカではレイシズムと言われると大変なダメージを負うという。
レイシズムでないことが知性の証、というわけで、
これがポリティカル・コレクトネスとなる。

このPCのために言いたいこともいえないばかりか、
黒人やセクシャルマイノリティ、移民といったマイナーグループを優遇するために逆差別のような状況も生まれた。

例えば、大学入試に関し、白人・アジア系は入学枠が狭く黒人系は広い、といったことである。結果として、優秀な白人・アジア系が入試に落ち、合格レベルに達しない黒人が合格する。


反移民

ポリティカル・コレクトネスの先にあるのは、移民問題である。
確かに、アメリカは移民によってなりたってきた。

しかし、メキシコからの不法移民はアメリカを英語の国からスペイン語の国にし始めている。
もちろん、911以来のイスラム系住民への警戒は続いている。

これら、反グローバリズム・反PC・反移民というのは、
イギリス・ブレクジットの原因とされるものだ。
世界の潮流となっているのだ。
今年、フランス、フランス、ドイツと立て続けに選挙が行われる。
ここではっきりと欧州の未来がわかる。


トランプ支持者は、アメリカで割を食っている者、
つまり、マイナーではない白人で貧乏な労働者階級が中心だと見られている。
ニューヨークの摩天楼からは、アメリカの真意が見通せなかったわけだ。

大統領選挙中、トランプ氏は言いたい放題であり、
マスコミも反トランプで言いたい放題であったから、
トランプの真意は何なのかは、蓋を開けてみなくてはわからない。

ただ、決定している閣僚の顔ぶれから、
ある程度の推測は可能である。


親露

国務長官レックス・ティラーソン氏
(エクソン・モービル会長兼CEO)

国務長官は、諸外国における外相よりも強力な権限を持ち
実務的には大統領に次ぐ事実上の行政府ナンバー2
ティラーソン氏はロシア(プーチン)と太いパイプを持つ親露派とされる。

トランプ氏はプーチン好きを公言しており、
親露路線は間違いない模様。
トランプ氏はプーチンのようなタフで飾り気のないタイプを好むような気がする。


反イラン、反イスラム、(反IS)

国家安全保障担当大統領補佐官マイケル・フリン氏
国防情報局出身。反イスラム。

国防長官ジェームズ・マティス氏
元海兵隊中将。元中央軍司令官。
イラン核合意反対の強硬派

中央情報局(CIA)長官マイク・ポンペオ氏
陸軍士官学校卒。航空企業経営後2010年に下院議員当選。
イラン核合意の反対を主導

トランプ氏の明らかな意思が伺われる。


反移民

国土安全保障長官ジョン・ケリー氏
米南方軍前司令官・元海兵隊大将
不法移民阻止の強硬派

司法長官:ジェフ・セッションズ氏
共和党上院議員。反不法移民強硬派。移民自体にも消極的。


親ウォール街?

大統領補佐官兼国家経済会議議長ゲーリー・コーン氏
(ゴールドマンサックス社長兼COO)

財務長官スティーブン・ムニューチン氏
(元ゴールドマンサックス幹部)

両者ともにウォール街出身者。反ウォール街はトーンダウン?


親ユダヤ(イスラエル)

ジャレッド・クシュナー氏
トランプ氏の娘婿。大統領選挙参謀で非常に優秀らしい。
縁故採用禁止法の定めにより、政権内では働くことができないが、
信頼できる側近としての立場を維持する見込み。
正統派ユダヤ教徒で、妻のイバンカさんも結婚前にユダヤ教に改宗済。

オバマ現政権はイスラエルにつれなかったが、
トランプ政権は、親イスラエルになるだろうと予測されている。
閣僚にも、金融界(ユダヤ資本)の大物や反イスラム・イラン・ISなど、
イスラエルに益となる布陣だ。


反中(特に経済面で)

大統領補佐官・通商産業政策部長:ピーター・ナバロ氏
(カリフォルニア大教授)
対中強硬派

米通商代表部(USTR)代表ロバート・ライトハイザー氏
(元USTR次席代表)
対中強硬派?

国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長:マシュー・ポッティンジャー氏
ウォール・ストリート・ジャーナルの中国特派員
中国政府によって逮捕され、暴行された経験がある。
その後、海兵隊へ情報将校として活躍。アフガン駐留経験あり。
退役後、コンサルティング会社を起業中国を含む軍事・政治情報の調査に邁進。

中国に関しては、通商関係に厚みをもたせているが、
積極的な反中に至るかどうかは不明。
現状だと、アジア政策が薄くなりそうではある。


「白人至上主義者」?「反ユダヤ主義者」?

反グローバリズム?

首席戦略官兼上級顧問スティーブン・バノン氏
(保守系メディア元最高責任者)

保守系のニュースサイト会長、軍歴あり。選挙対策最高責任者。
トランプ氏の信任はかなり厚いようだが、
彼の評判は、リベラル系マスコミからは極めて評判が悪い。
白人至上主義者、反ユダヤ主義者、反グローバリズム者などと言われる。

確かに、トランプ勝利の背景には、
政治的正義やグローバリズムへの反発があるといわれ、
トランプ勝利の象徴のような人物みたいだ。




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2017年01月11日

重要な日露関係

重要な日露関係

中韓朝VS日米、
ロシアはどちらの陣営につくか。
これは大きな問題である。
中国側につけば、勝敗はわからない。
日米側につけば、中国の負けだ。


安部内閣のロシア重視

安部内閣は当初からロシア重視を鮮明にしていた。
安部内閣の優先順位は、
1 日露平和条約
2 対中国包囲網
3 エネルギー
だろうと思われる。

北方四島は日露間に刺さった棘で、
積極的に取りに行く戦略的利益ではない。


ロシアのシベリア政策

プーチンの課題は
1 シベリア開発 対中国
2 経済制裁解除 対アメリカ

シベリアには豊富な資源がある。
しかし、あまりにも寒いうえ、資金不足で開発もままならず、
人口500万人が減る一方だ。

対して東北中国には1億人以上の人がいる。
中国は人海戦術で街に入り込み、コミュニティを作って、
経済活動で街を支配する。
それが世界中で行われている。
シベリアでもそれが進行中であった。
恐れをなしたロシアが中国人退去命令をだしてなんとか平穏を保っている。

が、何かの加減で中国人がシベリアにやってくるかもしれない。
例えば、北朝鮮動乱にまぎれてシベリアへ。
何しろ、シベリアは資源の宝庫だ。
ロシアはまずそれを一番に恐れている。

中国の人口圧力を跳ね返すため、シベリアで開発を促し、
人口を増やし、地域を安定させる必要がある。

経済制裁解除については、ロシアは日本を突破口にしたいのだが、
トランプの登場でその点での日本の重要性は下がるかもしれない。


オホーツク海の重要性(聖域化)

オホーツク海の軍事的重要性について説明する。

2重層.png

上の図はオホーツク海の2重層を説明したものだ。
表面は水深50m アムール川の淡水がなだれ込む。海流を形成する。
水深50m〜は、塩分が濃い。ほとんど動かない。

この二つの層は交わりにくく、熱も伝わりにくい。
オホーツク海は水深3000mもある海だが、
水深50m以下はいわば泥底のようなもので、
まるで水深50mの浅い海のように振舞う。

水深が浅いと凍りやすい。
オホーツク海の表面は塩分も薄いのでより凍りやすい。
そうして流氷が形成され、海流にのってオホーツク海を覆う。

オホーツク海流.gif
この2重の海で潜水艦が上下動を繰り返すと、
塩分の濃い層がレーダーをはじいてしまい、
探知が難しくなるという。
従って、潜水艦はオホーツク海ではより隠密に行動できる。

また、オホーツク海はアメリカ本土に近い。
もちろん、日本の米軍基地はもっと近い。

オホーツクの底では何隻ものロシア原潜が潜んでいる。
人知れず、戦略核ミサイル発射の命令を待っているわけだ。

オホーツク海はロシアにとって、軍事的『聖域』となっており、
バレンツ海とともに、軍事戦略上きわめて重要な地域である。


北方四島の軍事的重要性

〜国後水道の重要性

ロシアにとってのオホーツク海の戦略的重要性は上に述べた通りだが、
このオホーツク海に潜水艦が入り込むのはなかなか難しい。

間宮海峡は深度8mぐらいらしい(測定させてもらえない?)
宗谷海峡は水深30m〜でやはり浅い。
千島列島海域は水深が浅く、島の間が狭い。冬には凍結する。

オホーツク海.jpg

国後島と択捉島の間にある国後水道は、水深は約480m、幅22kmで
不凍海峡である。
水上艦艇の通行にも問題なく、潜水艦は探知されにくい。
オホーツク海〜太平洋の重要なシーレーンなのである。

北方四島を日本側に渡すと、この国後水道に蓋をされてしまい、
オホーツク海の聖域が無効化されるうえに、
シベリアの安全保障が脅かされる。


北方四島は戻ってくるか

上記がロシアが北方四島にこだわる理由である。
ロシアにとって国後水道は軍事戦略的に重要な水道であるから、
金を積まれても国後水道を日本に明け渡すわけには行かない。
つまり、国後島と択捉島の返還はありえない。

そこで、歯舞+色丹の2島返還論が出るわけだ。
ぎりぎり、国後島の西半分+2島という話になる。

よく金を積んで北方四島を返してもらおう、という話が出るが、
まるで能天気な話だということがおわかり頂けると思う。
繰り返すが、国後水道は金では買えない。


北方四島の経済的メリットはない

仮に国後島や択捉島を返してもらったとして、
経済的メリットはいかほどあろうか。
漁業権は得られるだろう。観光も多少盛んになるかもしれない。
しかし、2島には莫大なインフラ整備がなされるだろう。
それはカニの代金に見合うものなのか?

自称元島民も跋扈するだろう。
インフラ投資資金目当ての有象無象だ。
間違いなくネジれた黒い話になる。

北方四島の経済的利益は、明らかなマイナスである。


1956年日ソ共同宣言の2島返還

日ソ共同宣言は、1956年に発効した外交文書(条約)である。
これにより両国の国交が回復、関係も正常化したが、
国境確定問題は、ソ連が2島、日本が4島返還で譲らず、
  日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行い、
  条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡す
ということで先送りされた。

プーチンもこの日ソ共同宣言の2島返還を促したことがあるが、
基本的に、領土返還には厳しい態度を示している。


以上、北方四島の重要性を見ていけば、鈴木宗男氏などの北方領土問題やロシアに詳しい人たちが2島返還論を主張する理由がわかる。
残りの2島返還は将来への宿題とすればいいんじゃないのか。


ロシアの国境紛争解決例

21世紀、ロシアには3つの前例がある

トゥーズラ島:ケルチ海峡に浮かぶ同島を巡り、ウクライナとロシアとの間にトゥーズラ岬の紛争と呼ばれる領土・領海問題が発生した。2005年にロシアが同島と海域がウクライナに所属することを認めて解決した。

トゥズラ川.jpg

中ソ国境紛争:中華人民共和国とソビエト連邦の間を流れるウスリー川の中州である珍宝島(ロシア名は「ダマンスキー島」)及び黒瞎子島(ロシア名は「大ウスリー島」)などの領有をめぐる紛争。2008年に最終解決した。

ウスリー川.jpg

バレンツ海領海係争
1970年代よりソビエト連邦(現・ロシア)とノルウェーの間で海域をめぐる主張にズレが生じ、係争状態になっていた。
バレンツ海の天然ガスはロシアの産出量の約20%に相当する。
2010年4月27日に係争海域の面積をほぼ二等分する形で境界線を引くことで合意し、終止符が打たれた

バレンツ海.jpg

以上3例、重要性に多寡はあるが、領土問題は解決できるという例である。


日露平和条約

安部首相の最終目的は、当然、日露平和条約締結だろう。
第2次大戦の交戦国で、唯一ロシアのみが平和条約を締結していない。
平和条約を結ぶことができれば、飛躍的に北方の安全保障が高まる。
(締結すれば、ノーベル平和賞ものだ)

プーチンにしても、シベリア開発で日本を引き込むためには、
平和条約を締結する必要があるのは重々承知しているだろうが
日ソ共同宣言以来、棘となっているのが北方四島である。

上記に述べた通り、北方四島は経済的にはマイナスで、
軍事戦略的価値が大きすぎるために、棚上げになっているわけだ。
北方四島にこだわる日本側の感情的な意見もあり、
そこに群がる人々の反発もあるだろうが、
現状では四島返還は無理である。

昨年末、11年ぶりプーチンの公式訪問にあたって
日本のマスコミは『領土問題解決か』などと騒ぎ立てていた。
あれ、ソ連/ロシアとの交渉があるたびに、やってる気がする。
マスコミはただ新聞や雑誌を売りたいだけだ。

ウクライナ紛争以来の日欧米/露の関係悪化や
プーチン訪日前の択捉のミサイル配備ニュースなどを見れば、
領土問題解決の雰囲気が醸成されていないことは明白である。
ロシア側からも、領土交渉にはネガティブな話しか聞こえてこない。

アメリカとの交渉もあるだろう。
日ソ共同宣言では、アメリカの横槍(『ダレスの恫喝』)もあったという。
ウクライナ紛争に基づく欧米によるロシア経済制裁は続いている。

プーチン訪日の結果、日本の対露経済協力が発表された。
これをもって安部首相はプーチンにしてやられた、
などとのたまうマスコミが多かったが、これも
安部政権を貶めたい人たちのただの扇情である。

物事には順番がある。
ただ、北方領土問題は安部政権時代に解決されるかもしれない。
トランプがプーチン好きらしい。
米露関係が緩和すれば、解決の端緒もつくというもの。
私は期待しているのだが。


次回は、トランプ政権について


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2017年01月10日

破滅に向かう韓国


2017年、日本が問われる「韓国の見捨て方」

上記タイトルは、鈴置高史氏の早読み 深読み 朝鮮半島
からである。

嫌韓の私としては、うっとりするようなタイトルである(笑
なんにせよ、韓国に対して『見捨て方』なる実も蓋もないタイトルが
一流紙に載る、そういう時代になったということだ。

慰安婦問題の解決は日韓関係改善の第一歩であり、
一応は韓国がレッドチームを離れ、米国側に戻ってきたことを
意味した。
THAAD、日韓スワップ、GSOMIA交渉の一連の流れは
慰安婦合意が出発点である。

事態は間逆に向かい始めた。
パククネの業績はすべて否定される、
易姓革命が起きようとしているのである。

もし、現在の韓国経済が絶好調であったなら、
チェスンシルは絶賛されたに違いない。

しかし、現在の韓国は、苦しい経済状態、孤立した外交、迫り来る北朝鮮の核とまるでいいところがない。
『ヘル朝鮮』という言葉が韓国で流行している。


『ヘル朝鮮』

韓国人は小さいときから、早朝から真夜中まで勉強し、
場合によっては塾を3つもかけもちし、
大学に入ったら就職に向けて
複数の外国語(英会話必須)・資格取得も必要で、
それでも勝ち組といわれる大企業に合格できるのはごく一部、
ソウル大学ですら就職率は50%というありさまで、
男子は軍隊に行かなくてはならず、
30越えて就職浪人も珍しくない。
中小企業は大企業の半分の賃金しかもらえず、
運よく大企業に入社しても徹底したノルマに追われ、
弱肉強食の世界で神経をすり減らし、
勝ち残ったとしても下手すると40台で肩たたきに会い、
整備不十分な年金は当てにできず、
口をへの字に曲げた整形妻と教育費が半端ない子供を抱え
なけなしの退職金を起業にあてて食堂を開いてみるものの、
1年持てばいいほうで、
老人の自殺率はダントツで世界一。

韓国国民の56.9%、「生まれ変わっても、韓国人は嫌だ」
韓国人の8割が移民を希望、若年層でより顕著に
私は嫌韓だが、これには同情するしかない。

他にも、韓国では『甲乙論議』というのがある。
甲は力の強いもの。金持ち、企業経営者などを指す。
乙は力の弱いもの。主に一般庶民、つまり自分のことである。

韓国人の人間関係には平等はない。
あらゆる事柄に対して、『上か下か』判断される。
出身地、年齢、性別、親子、学力、学歴、職業、収入、身長、車、家・・・
価値観は固定されているから、韓国人は螺旋状にランク付けされていく。
そして、ポジションが強いものは威張るのが当然とされる。
弱いものはそれを甘んじて受けなくてはならない。

儒教・朱子学が現代にも生きているのだ。
韓国は差別社会を根本とする。
いい悪いではなく、それが伝統的価値観なのだ。

’97年のIMF時代以降、韓国の経済格差はアメリカ並みとなっている。
金持ち(企業経営者)はとことん金持ち、庶民との圧倒的な格差ができた。
 ■急拡大する韓国の所得格差、上位10%集中は米国に次ぐ水準 ソース

身分も固定され、上のクラス(金持ち)になかなか這い上がれない。
「世界の富豪400人ランキング」(2015年末基準ソース)では、
自力型・創業者が富豪になることが多いのに対して、
韓国の富豪はすべて相続によって富を得た財閥2〜3世。
韓国では金のスプーンをくわえていないと、金持ちにはなれない。
コリアン・ドリームは韓国では極めて難しい。

韓国では特に収入はクラスに直結する。
例えば外国人を見る目も、GDPで上下を決める。
つまり先進国は観光で大人しくしている国になり、
発展途上国は差別『すべき』国になり横柄に振舞う。

クラスに決定的な要因となる収入で
韓国では絶望的な格差があるのだ。


ローソク集会ー現代の魔女狩り

現在韓国で行われている『ローソク集会』は、
そういう韓国の現状への強烈な不満を下敷きにしている。
韓国は民主化を自賛するが、実質は、『アラブの春』に比較される。
格差社会への怨嗟が根底にあるのだ。

格差社会、甲乙の関係を覆すには、
乙が『被害者』になれば手っ取り早い
『被害者』のポジションを得ることができれば、
道徳的に甲を糾弾することができる。

その場合の乙の糾弾の仕方は常軌を逸する。
■慰安婦問題の韓国人⇒日本
■セウォル号の犠牲者遺族⇒政府
これが典型例で、法律を越えてしまう。

韓国では、憲法の上に『民族情緒法』があると言われ、
その根底に被害者意識のあることが多い。
釜山の慰安婦像についても、市長も政府も裁判所でさえ何も言えない。
慰安婦=韓国人=被害者が根底にあるからだ。
これが唯一の『コリアン・ドリーム』だとしたら、誠に惨めだ。

失政のすべての原因がチェスンシル/パククネにあるとされた。
警察の取り調べも裁判所の判決も済んでいないが関係ない。
民族情緒法により甲乙の逆転を韓国人は決めたのだ。
現代の魔女狩りである。

彼らは松明の替わりにローソクをもってデモを行う。
韓国人はこのデモを『最先端の民主主義』などと自慢しているが、
民主主義は法の支配を前提とする。
デモ隊の意思=法律、ではない。
法を無視した民主主義はありえない。

そもそも民族情緒法などというが、その実、
幼児がモールで物が欲しくて泣き喚いている、
そういうのと精神的には同じようなものだ。
現代国家でない理由が韓国にはいくつも見られる。

※デモで政権が崩壊した例(21世紀) 多くが非暴力デモ。
  アラブの春(2010〜12年)
   −チュニジア、エジプト、リビア、イエメン
  色の革命(2003〜05年)
   ーグルジア、ウクライナ、キルギス


次期大統領選挙ー易姓革命

次期政権はそうした韓国国民の感情を背景にする。
民族情緒法が憲法を上回る国だから、有無を言わさない。
大統領候補者はパククネの業績を全て否定する。
易姓革命である。

候補有力者を見てみよう。
 <慰安婦合意再交渉派>
■文在寅(ムン・ジェイン) パククネと大統領選挙を争った野党の大物。人権弁護士で従北派、盧武鉉の元側近。
<慰安婦合意破棄派>
■安哲秀(アン・チョルス)韓国最大のPCセキュリティ企業の創設者、元大学教授、医師免許所有の秀才。政治性向は中道右派。前回の大統領選挙に立候補、途中で離脱。
■李在明(イ・ジェミョン)城南市長、小卒の人権弁護士で苦労人。韓国のトランプといわれ、言葉激しく人気急上昇。
■朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長、弁護士、社会運動家。2000年12月の女性国際戦犯法廷(民衆法廷)で韓国代表の検事役を務めた従北派。
<不明>
■潘基文(パン・ギムン)国連歴代事務総長、無能のポピュリスト。

候補者に左翼系が目立つ。
パククネは韓国では親日保守と見られている(驚
従って、候補予定者には反日左派が多い。
いわゆる従北左派だ。従北とは北朝鮮シンパという意味。

有名な従北は『韓国挺身隊問題対策協議会』、略して挺対協。
従北の狙いは、韓国と日米の離反であることに注意が必要だ。

慰安婦合意は反中戦略が根底にあるが、対北朝鮮政策でもある。
アメリカは近い将来、北朝鮮に爆撃するか、
もしくは平和条約を結ぶ可能性がとり立たされている。

だからこそ、韓国は日米から『フラッグをはっきりせよ』、と
慰安婦合意を突きつけられたわけだ。反中だけではない。
この国・国民はいざとなると本当に腰が引けて混乱する。
歴史的にそうなのだ。

何にせよいずれの候補者も、慰安婦合意、GSOMIA、THAAD
破棄、或いは再交渉を目指すものと見られる。
それが次期政権の最低条件だからだ。
そうでない候補者は糾弾の憂き目にあうだろう。


「韓国の見捨て方」

現状のままいけば、韓国と日米関係は終了する。
慰安婦合意、GSOMIA、THAADは日米の対中国戦略の一環であり、
韓国はそこから離脱する、と見られるということだ。
いや戦略云々という前に、日米の信任を失うだろう。
馬鹿らしくて、つきあいきれない。

すでに識者の間ではそういう認識で一致するといってよい。
2017年、日本が問われる「韓国の見捨て方」
もそうした認識の中での論評だ。
(鈴置高史氏の早読み 深読み 朝鮮半島、日経ビジネスオンライン

慰安婦合意ではアメリカの仲介で日本は
しなくてもいい謝罪、払わなくてもいいお見舞金をする羽目になった。
その代わりに『不可逆的』の言質をとった。

慰安婦問題は情報戦である。対象は世界である。
欲を言えば、15年の3月にアメリカで合意文書を作りたかったが、
私の思っているよりもずっと早く、韓国がやらかした。

それにしても、日本政府の手際の良さが際立っている。
肉を切らして骨を絶つ、といったところか。
対半島外交では、小泉訪朝以来のヒットかもしれない。


なお、慰安婦合意からのアメリカの関わりについて、
『日本はアメリカの植民地云々』という人が出てくると思う。
そういうナイーブで頭の悪い発言はよしてもらいたい。

対中国に関して、日本は一国では対処できない。
それはアメリカも同様である。
もちつもたれつの関係の中で、
アメリカは揉め事を日vs中で、と考えている面があるはずだ。
(それは当然である。世界で代理戦争の如何に多いことか)
日本はできる限り矢おもてに立たない努力が必要となる。
日米間でも神経戦が繰り広げられていることを念頭に置く必要がある。


日米VS中韓朝?ロシアは

ようやく日本もこの幼児性の強い国と距離を置くことができそうな気配だ。
多くの日本国民の願いでもあろう。

このままの雰囲気で次期政権につなげていって欲しいものだ。
心配なのは、周辺諸国の圧迫に負けて、へたれることだ。
韓国人は強いものにはへつらい、弱いものには横柄にする。
日米中からの圧迫を受けて、韓国人はどう動くのか。
誰でもいいんだが、次期政権はきっちり慰安婦合意を破棄して欲しい。

このままの状況で次期韓国政権ができた場合、
いくつかの状況を勘案する必要がある。
特に、米韓関係だ。

従北左派政権ができた場合、北朝鮮や中国と強く結びつく。
韓国でクーデターが起きるのか。
在韓米軍はどうするのか。
米韓同盟は破棄されるか。
北朝鮮とアメリカの関係は。北爆か。平和条約か。
中国の動きはどうなるのか。

半島が日米から離れるのを前提とすると、
ロシアが今後いっそう重要なポジションを占めることになる。

中韓朝VS日米、
ロシアはどちらの陣営につくか。
これは大きな問題である。
中国側につけば、勝敗はわからない。
日米側につけば、中国の負けだ。

次回はロシアについて記したいと思う。




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2017年01月09日

バブル崩壊?の中国経済


中国経済

パククネの中国への傾斜と離脱を見るために、
中国経済の現状を概観してみたい。

1 中国株の大暴落 (2015年) 

2008年以降、中国がアメリカを抜いて世界一の経済大国になると目されていた。
それが明らかに揺らぎ始めたのが、2015年の中国株の大暴落だ。

shanghaistock.jpg
政府作バブル⇒不動産バブル⇒株バブルの終焉?

2 人口オーナス期

中国経済が2010年代に曲がり角を迎えるのは、
人口動態からも観測できる。
中国は2010年代に生産年齢人口が減り始める。

中国の人口ボーナス/オーナス期
人口ボーナス中国.gif

ちなみにアジアの人口ボーナス/オーナス期
アジア人口動態.jpg


3 中国の経済成長の推測指標

中国のGDPは酷いドンブリ勘定と言われている。
日本の大本営発表みたいなもので、信憑性が薄いとされる。
中国の経済状態を観察するのにいくつかの指標があげられている。

以下の指標を見ると、例えば2015年のGDP成長率が2〜3%、
或いはマイナス成長だったとしても不思議ではない。

3A 貿易統計

貿易統計は相手先の統計があるため、ごまかすのが難しい。
2015〜16にかけて中国貿易は下り坂にある。

中国貿易.jpg
chinaexport.pngchinaimport.png


3B 李克強指数

中国の首相李克強は鉄道貨物輸送量、銀行融資残高、電力消費量の3つで経済を判断するという。
そのうち、鉄道と電力を表したのが下グラフだ。
いずれも成長が下落傾向にある。

chinaelectro.jpgchinatrain.jpg


4 いびつな中国政府支出

下の表の紫色は、総固定資本形成を示す。おおむね、公共事業である。
中国は、その割合が著しく多い。

一般的に、伸びている発展途上国はインフラ整備のために公共事業が増える傾向にある。
それを勘案しても、中国は異常な数字だ。GDPの半分が公共事業である。
中国経済がバブルといわれる所以である。

GDP内訳.jpg


総固定資本形成の推移を以下に示す。

総固定資本形成.gif


5 中国の公共事業を支える鉄道建設

中国の鉄道部門は建国以来、非常に強い力を持ち、
鉄道建設債は政府債に準じると言われている。

すでに胡錦濤時代に鉄道債務問題が浮上しており、
その対策に頭を悩ましていた。
インフラであるから、多少の赤字は許容範囲であるが、
中国鉄道の赤字は天文学的と目されている。
中国鉄道が大きな力を持つゆえに、
おそらく日本の旧国鉄よりも事態は深刻だ。

train.jpg
中国高速鉄道網は、2009年に日本の総延長距離を越えて世界一となった。
その後も高速鉄道は建設を続け、
2016年現在での総延長距離1万9000キロを、
2030年までに4万5000キロに引き上げる計画。

中国がAIIBや鉄道の輸出に熱心なのは、
国内鉄道整備事業を海外で補填したいためもある。




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2017年01月08日

苦境に陥った韓国経済

日韓 経緯からの続き

1 韓国の中国傾斜の経済的理由

パククネは、確かに親中派である。
就任以前からそれは言われているところであるが、
それを超えて、パククネは中国に傾斜した。

その理由の一つは北朝鮮の核であり、
もう一つは、韓国の中国経済依存にある。

それは下の二つのグラフから明らかであろう。
まずは、

貿易割合国別韓国.jpg
2011年ごろで、対中貿易額が対日・対米貿易の2倍になっている。

次は、対中投資額の推移。
2014年頃、世界一の投資額となっている。しかも、2位の1.5倍。

●主要国の対中直接投資額の推移(単位 億ドル)
(注)2016年のデータは上半期の前年比を基に年率換算して算出。(資料 CEIC)
対中直接投資.jpg
韓国の企業は、自国に投資せず中国に雪崩のように投資をした。
中国に工場を作り、韓国から中間財を送って中国で組み立て、
世界への貿易拠点とする。そういう構図である。

韓国の中国へのオールインとも言える様な経済依存。
特に2008年の経済危機以降は、中国が韓国経済を救った、
とまで言われており、
これでは政冷経熱というわけにはいかないであろう。
実際、韓国人は憑かれたように、中国に傾斜していった。


ところが・・・
2 韓国、対中輸出が15カ月連続で減少

…貿易黒字は半減
中央日報

2016年7−9月期の対中貿易黒字は97億8781万ドルで、
黒字規模が大きかった2013年10−12月期の172億9628万ドルと
比較すると半分に近い水準まで減少した。

韓中貿易.jpg韓国の対中国輸出入額の推移
(資料:韓国貿易協会,関税庁、単位:億ドル、2016年は1~11月)

原因として、
 ●中国経済の悪化
 ●中国の猛烈な技術水準の追い上げ
 ●中国が中間財を作るようになってきた
などがあげられる。
 参考:日経 韓国の輸出、1〜3月2ケタ減 中国と技術格差縮小響く


3 将来性のない韓国経済

韓国経済の現状は相当に悪い。
IMF危機に陥ったのは1997年秋であるが、
現状は、その年の1月ぐらいの雰囲気がある。

この危機は一過性のものではなく、構造的な問題である。
一言で言えば、『高度な次元に移行できない。』

原因を挙げていけば
●貧相な内需と高い貿易依存度、その貿易に赤信号が。
●貧弱な技術力(パクリ体質)
●特定の企業に偏る、裾野の狭い経済体質
●債務体質
などであろうか。


3A 高い貿易依存度

貿易依存度韓国.jpg
出典 対GDP比貿易依存度

3B 貧相な技術力

特許収入.png
ジェトロ中国北アジア課
世界1位の技術、わずか1つ…危機のMade by Korea
技術力の低さ。ここが韓国最大の弱点だ。
人材しかソースのない国で高度な能力を発揮しない。
ノーベル賞ゼロ(平和賞除)に端的に現れている。

低い技術力と高い貿易依存。
パクリ経済、組み立て工場と韓国が揶揄される所以である。
核心技術をもたないから、他国に容易に追いつかれる。 

これは、産業だけではない。文化面でもそういう傾向がある。
創造性とか想像力とかに欠けるのだ。
民族的欠陥といえる。

その結果、


3C 減少する貿易

低い技術力と高い貿易依存⇒輸出の減少これは当然の結果であろう。
さらに、それ以上に輸入が減っているのも問題だ。
内需が外需以上に悲惨であるとことを意味する。
確かに、貿易黒字は増えているのだが、不況型貿易黒字と目されている。

韓国最近の貿易.jpg
最近の輸出入動向(単位:ドル)=資料:貿易協会



上記表の続きである。
 2016年9月 前年同月に比べ5.9%減少
 2016年10月 前年同月に比べ3.2%減少
 2016年11月 前年同月に比べ2.7%増加
 貿易収支は80億ドルで、58カ月連続の黒字(不況型黒字)

韓国の貿易縮小傾向はまだ続いている。


3D 特定の企業に偏った経済とゾンビ企業


韓国は大企業が非常に強い。いわゆる財閥経済と呼ばれるもので、
発展途上国型経済であり、裾野が狭い。

その大企業で破綻し始めている企業が増加している。
●韓国財閥破綻ラッシュ「ゾンビ企業」33社 産経ニュース
●韓国で実質的に破綻のゾンビ企業が増加、日本の約7倍 レコードチャイナ

ゾンビ企業とは、本業の儲けで利息も支払えない企業を言う。
「利子補償倍率」とは、営業利益が支払い利息をどの程度上回っているかを示す。
1倍未満の場合、本業の儲けで利息も支払えないということだ。
その状態が3年以上続く韓国大企業は2015年末で33社ある。
それは、今年に入って増加傾向にある。

ゾンビ企業.jpg

上記で有名なのは、韓進海運だろう。
2016年8月31日、韓進海運は日本の会社更生法に相当する
「法定管理」を裁判所に申請して破綻した。
これが私に1997年を思い起こさせるのだ。
あの当時、軒並み韓国大企業の債務超過が問題になっていた。

サムスンの『爆発するギャラクシー』も韓国人には衝撃だった。
サムスンはおそらく、韓国唯一の優良企業である。
第2位と思われる現代自動車を圧倒する財務内容を誇る。
韓国人唯一の誇り、と言ってよい。
そのサムスン社製のスマホが爆発騒ぎを世界中で起こしたのである。


3E 日本より多い国家債務

韓国の国家総負債、GDP比338%と推定 ソース
日本は230%程度 ソース

国家債務のうち、ポイントは
 ●外債の多さ
 ●短期債務の多さ
 ●インフレリスク
の3点である。
特に注目するのは、1年以内に返さなくてはいけない外債で、
流動債務と呼ばれる。

ところが流動外債規模は韓国銀行が2009年から発表を中断しているらしい。
サムスンが財務内容を公表しなくなったのと似ている。
私でさえも08年頃は韓国銀行やサムスンのHPを見に行っていたぐらいだ。
韓国が破綻するのでは、とWKTKしていたのである。

隠すだけではない。韓国政府の発表する数字にはごまかしが多い
世界基準で債務と呼ばれるものをはずしていたりするのだ。
こういう流れもある。


なかなか公表されなかったIMFストレステスト

 【韓国経済】 国際通貨基金(IMF)と世界銀行、韓国で銀行ストレステスト開始
--2013/07/05
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1373017035/

【韓国経済】 米財務省、IMF調査報告書の公表を拒む韓国を批判
--2014/04/07
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1399457590/

↓IMFが韓国の借金を公表

【韓国経済】 韓国の国家総負債が4835兆3000億ウォン(541兆円)でGDP比338%
--2015/06/22
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150622-00000049-cnippou-kr


IMFによるストレステストの結果がなかなか公表されず、みんな忘れていたのだが、どうやら公表されていたらしい。



3F 増加する家計債務

1997年の韓国破綻原因は、
韓国企業の借金により、流動性不足に陥ったからだ。
しかし、現状では、政府、企業だけでなく、家計も借金まるけになっている。
政府・企業・家計の3重苦である。

家計負債は『時限爆弾』とも言われている。
まず、パククネの経済対策が住宅ローン緩和に偏っていたこと。
従って、蛇口を締めればバブルはすぐに破綻する。

現在の低金利に乗っかったバブルであること。
アメリカ金利が高くなるのは確実であり、
変動金利の住宅ローン債務者には破綻する人が続出するであろうこと。

などがあげられる。

●拡大する韓国の家計債務残高
●韓国経済の「時限爆弾」!家計債務また増加、つぶせない住宅ローンバブル
●新興国「借金ランク」中韓ワースト1、2位 企業・家計の債務が急拡大
●韓国の対GDP比家計負債比率、13年連続で新興国1位


3G 人口ボーナス期の終わり

人口オーナス.jpg

韓国が低成長時代に入った決定的な証拠は、
人口動態にある。
生産年齢人口が増加する、人口ボーナス期が2015年に終了した、
と見られるからだ。
これ以降は、生産年齢人口が減少する、人口オーナス期に入る。


4 その他

以上の他にも韓国の脆弱なポイントはたくさんある。
たとえば、

見掛け倒しの外貨準備高

韓国は外貨準備高は3千700億ドルあり、世界有数だという。
しかし流動性のある、つまりすぐに支払いのできる現金性の強いものは
いったい幾らなのか、昔から疑念をもたれてきた。

たとえば、2015年4月末外貨準備高

■有価証券 約3395億ドル
■預金   約219億ドル
■金104.4t 約48億ドル
■SDR、IMF 約50億ドル

問題は、有価証券の内訳である。
米国債国別保有残高は2015年2月時点で国別ランキング22位。638億ドル。
残りの2757億ドル近い有価証券は質の悪いもの、クズ債権ではないかと推測されている。

また、ハードカレンシーである米ドル、ユーロ、英ポンド、日本円、スイスフラン、カナダドル以外の通貨、たとえば中国元を繰り込んでいるようだ。

さらに、通貨安定証券という韓国の必殺技(笑)やスワップ枠(ドル建てなし)も加えているらしいとあって、流動性の強いのは

■米国債 638億ドル
■預金  約210億ドル
■金   約50億ドル
■その他 SDRやIMF 約50億ドル

つまり、約940億ドルが韓国外貨準備高の真水部分となる。
まあ、世界一信用のある米国債や金の持分が、韓国の経済規模に比べて著しく低いのを見ても、この国の危機対処能力というか、感度の低さがわかるというもの。

だから、韓国はのどから手が出るほど、通貨スワップを渇望している。
ちなみに、韓国はいろいろな国と通貨スワップを結んでいる。
が、ローカル通貨ばかりで、USAドルのスワップはない。
しかも、そのローカル通貨スワップも続々と延長拒否されている模様。

  《韓国の締結しているスワップ》
  中国・人民元スワップ 今年の10月まで
  オージー・豪ドルスワップ 今年の2月まで
  インドネシア・ルピアスワップ 今年の3月まで
  UAE、マレーシアとのスワップは失効。

日本のスワップは、アメリカ・カナダ・ユーロ・ポンド・スイスと
無期限・無制限スワップを締結している。
韓国と円(ドル)/ウォンをスワップする意味がない。
日韓スワップが韓国への経済援助といわれる理由である。


データ


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2017年01月07日

日韓 経緯

祝 新日韓時代からの続き

さて、少し日韓(+中米)の経緯のおさらいをしよう。

イミョンバク〜パククネの反日

イミョンバク大統領時代、当初は新米、親日だった。
ところが、
『韓国が中韓軍事協定の締結を計画』
しつつも、日本に対しては、
『日韓の軍事情報共有協定、韓国が締結を再延期』
しかも、日本との署名直前1時間前にドタキャンしたという。
現在に至る日韓関係のターニングポイントといってよい。

さらに、イミョンバクの天皇卑下発言で日本側の世論が悪化、
パククネの1000年発言、告げ口外交で日本の嫌韓感情が定着。


韓国の中国傾斜


米中星取表〜「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか
(○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、
△は現時点での優勢を示す。2015年10月29日現在)
案件米国中国状況
日本の集団的自衛権
の行使容認
2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と
「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の
MDへの参加
中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD」を採用へ
在韓米軍への
THAAD配備
青瓦台は2015年3月11日「要請もなく協議もしておらず、
決定もしていない(3NO)」と事実上、米国との対話を拒否
日韓軍事情報保護協定
中国の圧力で署名直前に拒否。
米も入り「北朝鮮の核・ミサイル」に限定したうえ覚書に格下げ
米韓合同軍事演習
の中断
中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの
正式参加(注1)
正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの
反米宣言支持
2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの
加盟 (注2)
米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、
英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3)2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
中国の
南シナ海埋め立て
米国の対中批判要請を韓国は無視
抗日戦勝
70周年記念式典
米国の反対にも関わらず韓国は参加
(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。
(注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。
(注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

上の表でもわかるとおり、パククネは米中等距離外交といいながら、
明らかにアメリカよりも中国を重視してきた。
その頂点は中国抗日70周年記念式典である。

軍事パレード.jpg
写真は、天安門で軍事パレードを見学するパククネ、プーチン。後ろは習近平。
この3ショットは映像として世界中にばらまかれた。
世界中に、韓国がレッドチームに加わったことを喧伝するものだ。

その映像の破壊力たるやいかほどのものか。
アメリカはパククネに非常に厳しくあたったと見られる。
(当然である)
フラッグをはっきりしろ、日本との友好を拒むな、と。

慰安婦問題は日韓友好やTHAAD設置を拒む言い訳にも使われてきた。
さらに、中国の反日情報戦の先鋒を務めさせられた。
アメリカはそれらを封印しようとした。
米韓同盟破棄、ぐらいのことはいったんじゃないかと思う。
慰安婦合意がこうして得られたと見られている。


だが、パククネに本当の衝撃が走るのは、
慰安婦合意のわずか1週間後のことであった。


「ホットライン がつながらない!」 中国の冷たい対応に焦る韓国

韓国の中国傾斜の理由は、ひとつは経済的理由であるが、
もう一つは北朝鮮の核である。
頼りにならないアメリカに代わって、北朝鮮の面倒を中国に促したのだ。

慰安婦合意と時を同じくして、15年末に中韓はホットラインを開設した。
その1週間後に北朝鮮が核実験を行ったので、
パククネは中国にホットラインで電話した。

しかし、つながらなかったのである。
故障ではない。無視されたのだ。
パククネの失望感たるやいかほどのものがあろう。
パククネだけではない。韓国はパニックに陥ったと思われる。

北朝鮮の核は韓国に多大な不安を与えてきた。
誰かに頼りたいところだが、パククネ政権3年を経て、
日米からは不信を抱かれている。
ほぼオールインしてきた中国も当てにできないことが判明した。

自分たちは孤立している。
韓国人がそう実感し始めたのがこの頃である。
パククネの経済失政とともに無能外交が批判され始めていた。
外国には頼れない、そこで韓国人たちが議論しだしたのが、
核装備や原潜配備である。

核装備すれば韓国は世界中から叩かれる。
そんな当たり前のことが韓国人には理解できない。
北朝鮮は確かに核ひとつで大国と渡り合ってきた。
しかし、北朝鮮は毎年餓死者が出るような経済状態にある。
自由もない。
韓国人にはそういうことは目に入らない。
核を持てば、自分たちは北朝鮮のように強くなれる、
そう盲信しているわけだ。
それだけ、韓国人は精神的に追い詰めらている。

※原潜は、核ミサイルのためにある。
構造上、どうしても音が出るので浅瀬には使えない。
長期間海底にもぐって隠密に潜み、そのときがくれば戦略核ミサイルを発射する。
戦略的原潜というのはそういう意味だ。
韓国の近海は浅く、原潜はマッチしないし、核を持てば直ちに世界中から叩かれる。


THAAD合意

この事件を経て、韓国はTHAAD設置にまい進、合意する。
『米韓、最新鋭迎撃システム「サード」の韓国配備を正式決定』
ニューズウィーク(2016年7月8日)

THAAD設置合意は、韓国がレッドチームを離れ、
再び米国に頭をたれたものと見なされた。
その後の、日韓スワップやGSOMIAもその流れにある。

慰安婦合意は少なくともパククネ政権では守られるだろう、
スワップ協定もいつか結ばれるだろう、
そう私は考えていた。

しかし、チェスンシル登場で
一気に韓国状況はお笑いに変わってしまった。


に続く




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2017年01月06日

祝 新日韓時代

私は体調を悪くして、現在日本で療養している。
(たいしたことはありません)
ネットもほとんど見なくなっているが、
本日、日本政府の韓国制裁の報道を見て、
たまらずブログに記録することにした。

日本政府の対韓制裁とは、

 菅義偉官房長官は6日午前の記者会見で、韓国・釜山の日本総領事館前に
慰安婦を象徴する少女像が設置されたことに関し、

(1)長嶺安政駐韓大使、森本康敬釜山総領事の一時帰国
(2)在釜山総領事館職員の釜山市関連行事への参加見合わせ
(3)日韓通貨スワップ(交換)協議の中断
(4)日韓ハイレベル経済協議の延期

―の対抗措置を当面取ることを明らかにした。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170106-00000046-jij-pol

ポイントの一つは、日本政府の大使召還。
2012年に、丹羽大使が中国から「臨時召還」された。
尖閣諸島問題をめぐり日中関係が緊迫化する中で行われた。
あの当時と同じ関係が日韓にあるということだ。

さらに、この制裁がアメリカとの協議後に行われた
と推察できることだ。

アメリカは日韓に東アジアの安定を肩代わりして欲しいのだが、
パククネは『慰安婦問題があるから』と日韓の友好を拒んできた。
そこでアメリカは最後通告のような形でパククネに慰安婦合意を迫った、
と見られている。

にもかかわらず、ソウルばかりか釜山にまで慰安婦像を設置した。
日本総領事館前の公道にだ。
そして、韓国政府はそれに対してなすすべがない。
この問題はアメリカの面子に泥を塗ったばかりでなく、
慰安婦合意の先にある、
アメリカの軍事的戦略を踏みにじるものだ。

日本の制裁はアメリカの警告とも言える。
つまり、米韓軍事同盟の破棄や韓国への経済制裁を示唆している。
アメリカは韓国にはさほどの好意を抱いてはいない。
しかし、冷戦があったりしてなんとなく韓国を守ってきた。
それがようやくアメリカは韓国を見捨てようとしている。

しかし、韓国は慰安婦合意のみならず、
THAADやGSOMIA破棄に突き進んでいる。
その先にある大きな落とし穴に気づいている韓国人は
果たしてどれだけいるであろうか。


『祝 日韓関係』とタイトルでうたわせてもらった。
日本が韓国に対してこれほど厳しい態度をとるのは
戦後初めてだと思う。
そして、それは日本の単独行動ではなく、
アメリカの存在を背景にしていることに留意が必要である。

流れを見失っている韓国。
この日本の隣国が何度も国を危うくしてきた、
その伝統的行動を今われわれは目撃している。


続くかも


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