2017年04月02日

日本の女性歌手

美空ひばり 『スターダスト』

戦後の日本歌謡界に君臨したレジェンド。
彼女の最高曲は『川の流れに』だと思っていたのだが,
最近この歌唱を知ってたまげた。


曲は『STARDUST』。有名なスタンダード・ナンバー。
ナッキンコールの持ち歌だ。
この曲で美空ひばりは様々なテクニックを駆使しつつも
それを上回る表現力で過ぎ去った美しき日々を歌い上げている。
とろけるような,ぐっとくる歌唱である。

私はジャズ好きで,ジャズボーカルもそれなりに聴いてきたが,
これほどの歌い手はなかなか見当たらない。

上記は1982年の作品と思われる。美空ひばりが45歳ぐらいのとき。

追記
上記歌唱でも顕著だが,彼女の歌は一字一句に意味を込め,
アクセント,テンポ,声音を変え,並外れた表現力を実現している。

しかも発声がやはり並外れて安定感があるため,
テクニックが決して嫌味にならない。

いや,表現したいものが先にあるというべきか。
彼女の歌には人生を感じさせる。


ちあきなおみ 『霧笛』


原曲はポルトガルの歌謡曲であるファド。
ファドは日本の演歌に似たべたつきが特徴。
この曲の歌詞はオリジナル。

ちあきなおみはテクニックにおいて美空ひばり以上,
との評価を受ける場合がある。
若いころに限定すれば,私はその意見に同意する。

ただ,上記『STARDUST』を聴いてしまうと,
どちらが上か,には意味がないと思う。

ちあきなおみはこの曲でまるで映画のワンシーンのような
迫真的な歌唱を披露している。
少しオカルトが入っているとさえ思うほどだ。

1988年,41歳前後の作品。


藤圭子 『無法松の一生』


藤圭子は宇多田ひかるのお母さんである。
『圭子の夢は夜ひらく』でデビュー,
第1回日本歌謡大賞大賞を受賞するなど一世を風靡した。

不幸を背負ったようなイメージで売り出したため,
新宿の夜に似合いそうな曲が多かったのだが,
この『無法松の一生』,とんでもない声の迫力と安定感に驚かされる。

戦後最高の女性歌手に彼女を推す声が強いのも納得の歌唱である。
1978年,彼女が27歳ぐらいのときの作品。



さて,現代の女性歌手も上げておく。

BABYMETAL SU-METAL 『AKATSUKI』


BABYMETALの魅力の中心はSU-METAL(V:中元すず香)であろう。
多様なテクニックがあるわけじゃないのだが,
声の浸透力が物理的にも精神的にも半端ない。

YUIMOAやバックの神バンドの実力にも支えられ,
世界中のいい年したオヤジたちが彼女の声に心震わせる。
私もBABYMETALにはまってから3年近く,いまだに色あせない。

この曲は,2014年彼女が16歳のときの作品。


URU『HEARTACHE』


URUはいろいろな曲をカバーしてユーチューブにアップしていて
世間に知られることになった歌手。プロフィールは不明。

澄んだ美声,安定感,丁寧な曲解釈とそれを可能にするテクニック,
現状若手邦人の女性歌手で彼女以上の実力の持ち主を探すのは難しいんじゃないか,と思わせるほど歌のうまさだと思う。


坂本真綾『GRAVITY』


作曲:菅野ようこ 歌:坂本真綾

『GRAVITY』はWOLF`S RAINというアニメのエンディング。
2003〜04年のもの。彼女が23歳のときの作品。

アニメも佳作と呼べるものだが,曲・歌唱ともに秀逸。
菅野ようこはこういう生活感のないメロディセンスが抜群だといつも思う。
歌い手もこの非現実的な曲にうまく感情をのせつつ,非凡だ。




posted by DEBUO at 00:00 | 映像・音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする