2010年02月05日

トヨタリコール問題とオバマ

トヨタのリコールで大騒ぎ中

品質のトヨタのイメージを凋落させているリコール問題。

前回のリコールは,社外品のマットを使う際にアクセルペダルがひっかかるかも。
というレベルでしたが,
今回のリコールは,マットなしでもアクセルペダルが戻らないかも。
という内容でした。

それに関する苦情がいくつかあるようで,
トヨタは早急に手を売った,ということです。

 ★米トヨタ またリコール230万台 アクセルに不具合


確かに,イメージ失墜は免れませんが,
大事に至らない前に大規模なリコールに踏み切ったことは,
リスク管理として見習うべきなんじゃないか,と私は思ったりします。

また,私のように評価する人も多いでしょう。

トヨタのリコールの背景?オバマの支持率激減

ただ,気になる点は,明らかにオバマ政権が内向きになってきた,
ということです。

ここ最近,オバマ政権は反中国的な政策が目立ちます。

 ★アメリカ政府、台湾に対し総額64億ドル相当の武器を輸出する方針 FNN
 ★米・オバマ大統領、ダライ・ラマと会談へ ロイター

これのきっかけは,新世紀のビッグブラザーへ三橋貴明氏によると,
【1月19日の民主党候補マサチューセッツ州上院補選敗北】
にあるそうで。

民主党のお膝元で,民主党候補が敗北したわけです。
岩手県で民主党候補が敗北するような,大事態です。

支持率激減のオバマがとった一手

国民のオバマ批判が危険水域に達している,と判断したオバマがとった政策が,
金融規制(1月21日)です。

民主党候補マサチューセッツ州上院補選敗北が19日。わずか2日後。

卵を一つの籠に盛るな,というわけですね。
あらかじめ敗北した時の用意をしていたのでしょう。

 ★オバマ米大統領が金融規制案を発表:識者こうみる ロイター


100年に一度の大不況を引き起こしたアメリカの金融業界。

そこに多額の税金を投与しながら,
金融業界の面々は罪にもとらわれず,
それどころか,いつの間にか息を吹き返し,
国民の税金を利用して
またもや活況を呈しています。

国民の多くが給料が下がり,失業し,家を手放し・・・
そりゃ,腹が立ちますよ。

その国民の最大の(おそらく唯一の)怒りの矛先が金融業界であることは,
世界中の人達が理解しております。

金融業界以外に,オバマはスケープゴートを用意し始めた?

さらに,オバマは金融業界以外にもう一つターゲットを定めたようです。
それが中国です。

中国は,ドルペグしてます。
しかも,アメリカよりも2%ほど金利が高いわけです。

ドルをそのまま中国へ持っていけば,為替リスクなしに2%が手に入る,
ということです。

せっせとアメリカが金融緩和をしても,
金融業界がそのドルを運用するのは,中国で。

オバマとしては,ドルをアメリカ国内で運用してもらわなきゃ困るわけです。


いや,そうは言ってもwと私は思うのですが。
だって,国内は不況,借り手も貸し手も増えないわけですから。

丁度,日本がバブルのはじけた当時と一緒。
国民や企業は,借金しない,借金を返す,貯金をする,
銀行は,危なっかしくて貸出できない。

しかし,銀行は政府からどんどん金融緩和され続けるわけです。
貸さなきゃいけない状況なんでしょう。

そんな状況の中,安全で有利な投資先があれば,
喜んで貸すでしょう。

中国にとっちゃ,感謝されて当然,なんで怒られるのか。


もっとも,中国は流入するドルをさばくのに四苦八苦してるかもしれません。
バブル当時の日本のように。

ただ,一旦中国に投資した資金はなかなか外国に持ち出せません。
バブルであろうとなかろうと,中国に投資する,というのは
日本に投資する,ということ以上に神経がいります。

そういう意味では中国も儲けているんですかね。


もう一つ中国に対する批判があります。
安すぎる中国元のために,中国はアメリカに大輸出攻勢をかけて,
アメリカの職を奪っている,という批判です。

これはかなり前からくすぶってきた批判です。


しかし,アメリカでは低価格・低付加価値品の生産工場はもうありません。

中国は,アメリカの職を奪っているんじゃなくて,
多くの後進国の職を奪っている,というべきでしょう。


これらの二つの批判がアメリカから中国になされたとしたのなら,
それは,若干やぶ蛇と私は思うのですが。


やぶ蛇かどうかはともかく,
オバナは反中国に舵を切ったように見えます。

というよりも,保護主義政策に舵を切った,と捉えるべきなんでしょう。

【アメリカの雇用を守る。】

これが実現しないと,オバマの支持はますます下がるでしょうから。


そういう観点から,ひょっとしたらトヨタへの不信も生まれているのかもしれません。
ご存知の通り,トヨタはGMなどよりもアメリカの雇用を大切にしております。

とても,不満の矛先が向かうような企業ではないのですが,
それでも,80年代の日本車排斥を忘れない人もいるでしょう。
GM信奉者もいるでしょう。

いろんな人がいますから,世界一に【一瞬だけ】なったトヨタに批判が集まった,
と考えられなくもありません。


つまり,オバマは金融業界以外に,手頃なスケープ・ゴートを必要としている,
ということです。

トヨタはともかくとしても,本当にアメリカで中国に対する批判が
広がっているのかどうかはわかりませんが,
批判しやすいところへ批判を転嫁するのは常道ですね。

単純な規制や不満転嫁では現状を脱するのは難しいのでは

ただ,金融業界を規制し,中国やトヨタを槍玉にあげ,
それでアメリカ国民の気持は若干すっきりするのかもしれません。

しかし,問題は【雇用を回復させる】ということです。

アメリカの代表的な産業は,ITとか金融。
雇用を回復させやすい工場はあんまりアメリカに残っていません。

それは,アメリカ自身が選択したものです。
トヨタがアメリカに工場を作る一方で,
GMはせっせとメキシコに工場を作ってきました。

IBMのパソコンはパーツも組み立ても海外で作られてきました。
果てには,パソコン事業自体を中国に売ってしまいました。

アメリカはあんまり輸出マインドのない国で,
輸出するくらいなら現地で工場立てて売ろう,
というのを選択する国です。

マクドナルドと共通した面がありますね。


ものづくりのノウハウというのはいかなるレベルにおいても,
簡単に回復させることはできないと言います。

日本ではもう低価格TVを作ることができません。

アメリカが工場を海外に移転した結果,
アメリカの国内にはものづくりのノウハウがどんどん失われていきました。

アメリカが中国に規制をかけて中国からの輸入は減るかもしれませんが,
しかし,今度はインドネシアやインドからの輸入が増えるかもしれない。


同様に,金融業界に規制をかけるそうですが,
規制によって押し出された事業は,他の業界や国がかっさらうかもしれない。

保護主義,と簡単に言いますが,言うほど簡単じゃないような気がするのですが。

一番なのは,次の成長エンジンを見つけることなんだが。

アメリカにしても日本にしても,過去にしがみつくことはできません。
いつまでも,高給取りでいたいのなら,人のしないことで先陣を切る必要があります。

 創業者利益⇒他が追いつく⇒他の創業者利益

アメリカも日本もこうして世界のGDPの数10%を独占してきたわけです。

言うは易しなんですが,これしかないでしょう。
安易な保護主義を掲げても,根本的な解決にはならんでしょう。

だいたい,金融業界が悪いといいながら,
それに踊らされて喜色満面だったのはアメリカ国民なんですから。


さて,アメリカは保護主義に向かいつつあるとして,
いかなる方策をとってくるんでしょうか。

日本の参考にもなりますから,注目ですね。


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posted by DEBUO at 00:00 | 世界の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする