2010年04月20日

地政学と沖縄その1

地政学


地政学という学問がある。
一国のとりうる外交・防衛政策はイデオロギーなどとは無関係に,
その国に与えられた地理的条件で
(ほぼ自動的に)決定されるはずであるという考えに基づく。

三国志ゲームとか国盗り合戦ゲームのようなのを思い浮かべてもらって,
ゲーム開始時にどこの陣地から始めるか。

信長を選ぶと,波乱万丈で面白そうだが,
生き残るのは大変だ。

孫権を選べば,地方領主の群れに囲まれ
大地も肥沃で
ぬくぬくと国力を強大にするのは楽そうだ。

それが地政学だ。

地政学,というと難しくなるが,
日本の地政学はかなりシンプルだと言われている。

左に大陸。右に海。どっちにつくか。或いはどうバランスをとるか。
これが日本の地政学だ。

だから,日本ではあまり地政学という学問が発達していない。
単純だから,発達しようがないのだ。

東アジアの地政学を学んだアメリカ

アチソンラインというのがかつてあって。
戦後,アメリカは日本・沖縄・フィリピン・アリューシャン列島を結んで,
大陸からの軍事侵略に断固として反撃するとした。

ところが,これは地政学を見誤った典型例とされる。
北朝鮮が半島に軍事的空白ができたと勘違いして
南朝鮮に攻めこんでしまったのだ。

これでアメリカ側にも多量の損害が出た。
朝鮮戦争のおかげで,アメリカは極東の地政学を身を持って体験した。
と共に,日本が背負うはずだった大陸からの圧迫を背負い込むハメになった。

第2次大戦で日本に勝ったのはいいが,
その後,アメリカが背負い込む軍事的経済的圧迫を考えると,
果たしてアメリカは日本と戦争すべきであったか,
という反省がアメリカの一部にある。

第2アチソンライン

このアチソン・ライン,実際は
日本海−半島−台湾海峡−南沙諸島あたりを通っている。
(ここでは『第2アチソンライン』と呼ぶことにする。)

この第2アチソンライン,
過去においては共産主義と自由主義のせめぎあうラインだったし,
現在においては,中国とアメリカ,
或いは大陸勢力と海洋勢力が衝突するラインとなる。


わかりやすいのが,中国の第一列島ライン。
中国は,現在できている『第2アチソンライン』をどうにか突破したい。
それが,この『第一列島ライン』だ。

第2アチソンライン.jpg


黒い線は,中国と日本・アメリカが向かい合う線。
半島は微妙なラインになっている。
台湾も経済的には中国に取り込まれかかっている。
フィリピンもかなり危ない。

赤い線が,中国の策定する戦略ライン。
第2アチソンラインを第一列島線にまで広げることが,
当面の中国の目標だ。


そして,このラインは日本にとってはシーレーンとも関係してくる。
軍事的・政治的・経済的に非常に大切なラインなのだ。

米軍は沖縄から撤退しない

そういう観点から沖縄を眺める。
沖縄がもの凄く重要であることがご理解頂けるだろう。

日本もアメリカも,この第2アチソンラインを中国に突破されるわけにはいかないのだ。


だから,沖縄基地をグアムに移転する,なんてことはありえない。
グアムに移転するときは,アメリカが世界戦略を大きく舵きった時。
つまり,第2アチソンラインを放棄したとき。
多分,その時はアメリカが相当衰退したとき。


その2に続く


posted by DEBUO at 12:13 | 普天間・沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする