2012年08月25日

尖閣騒動

尖閣上陸成功を宣言=中国国旗立てる−香港団体

このニュース,私は強い関心がなかった。
上陸した保釣行動委員会は,
いわくつきの活動家だからである。

2006年にもこの団体が尖閣を目指したことがある。
私の古いブログで恐縮だが,その時の投稿。
  中国政府,頭抱える 保釣二号

この団体,思想的な背景はない。
天安門事件に反対したり,
中国の国旗を焼いたりしたかと思えば,
尖閣に上陸する。

何を目的としているのか,よくわからない。
プロ活動家,という人もいるが,
騒動屋,という表現がぴったりくる。

2006年の尖閣突撃には北京はタッチしていない。
私はそう睨んでいるし,
今回の事件も北京の思惑の外で行われた,
と思っていた。


だが,今回の竹島騒動で尖閣関連ニュースを眺めていたら,
こんな記事に出くわした。

保釣行動委員会をバックアップするのは,
中国人民政治協商会議(政協)委員の劉夢熊氏。
中国人民政治協商会議とは
  中国政治協商会議全国委員会は各民主的党派や、
  人民団体、各民族及び各界の人々が政治に参加し、
  協力しあう重要な場所となっており、
  中国でレベルの最も高い協商諮問機関とされています。
  参考


つまり,保釣行動委員会は北京のお墨付きをもらっていた?
しかし,釈然としない。

時期的に,北京は書記長交代であまり揉め事を増やしたくないだろう。
2010年の尖閣騒動では,世界中の対中警戒心を煽りたて,
中国的には大失敗であった。

それに,この団体,中国の旗とともに台湾の旗も掲げている。
北京の回し者としては,おかしくないだろうか?

保釣国旗.jpg
保釣行動委員会,尖閣での逮捕時。中国と台湾の国旗がある。

北京の回し者としては,かなりお粗末だ。

で,考えてみた。反北京派の策動か?
少しググってみたが,よくわからない。


日本政府の反応

今回は2010年のような派手な行動は取らず,
運動家の上陸⇒逮捕⇒すぐリリース
という経緯をたどった。
昔の自民党と同じ対応である。

極力,騒動を起こさず,
最低限の日本の主権を行使(日本の法律により逮捕)した,
というところだろう。

民主党としては,上出来である。
尖閣で騒動を拡大せず,
国内法に従って粛々と処理する,というのは大切なことである。

そもそも相手は得体の知れない民間団体だ。
しかも,裁判処理などをしていると,
中国につけいる隙を与えるし,
また,共産党としてもあえて強気に出なくてはならない。

共産党は2010年と同じ結末を迎えたくないであろう。
アメリカからも,再度こんな発言を引き出してしまった。

  尖閣諸島「日米安保を適用」 米高官、日本の立場に理解


どうにも,中国側の意図がわからない。
石原氏の尖閣購入や政府の尖閣国有化の動きに対する牽制,
或いはそのことに対する中国民のガス抜きか何かというのは
背景として考えられる。
事を深刻にしないために,わざわざ胡散臭い団体をつかったのかもしれない。


相変わらず不整備,民主党の怠慢

ただ,日本側が問題にしなくてはならないのは,
2010年の反省を受けて,
法律的な整備と警備体制の強化が進んでいるか,
ということである。


海保は警備強化に務めている。
  海保、尖閣警備を強化 巡視船追加

だが,今回は香港の団体に上陸を許してしまった。
前原氏はこのような発言を行なっている。
  尖閣警備の強化検討 前原氏が言及

いや,その前に政府がしっかりしない限り,
海保は及び腰になるだろう。


政府は2010年以降,尖閣に関しては無策だったようだ。
  【尖閣上陸】無策のツケ 「領域警備法」不整備

東北震災とかは言い訳にならない。
震災前に政府が尖閣の法整備に邁進していた,
という記憶が私にはない。


こんな記事もある。
  「領域警備法」官邸は“及び腰” 中韓に配慮?藤村官房長官が否定

今回は,得体の知れない団体であったから,
昔の自民党のやり方を踏襲しても問題なかったかもしれない。

しかし,尖閣問題は昔とは違う。
中国が領土野心をむき出しにしている現在,
領域警備法のような法整備は是非とも必要だ。


法整備不備,という民主党の体たらくを見るにつけ,
中国が得体の知れない団体を送り込んだのは,
斥候という意味合いもあったのかもしれない。

2010年以後の日本側の対応の変化を見極めるためである。
その結果,やはり民主党政府は腰砕けしていたという。


確かに,尖閣に関してアメリカは日米安保の適用に言及する。
しかし,尖閣を守るのは第一に日本である,
という大前提がある。

日本が守る気がないのに,アメリカは正面切って口出しをできない。
いくら尖閣/沖縄防衛がアメリカの国益に沿うとしてもだ。
裏から手をまわすしかない。

石原氏の尖閣購入にしろ,議員や民間人の尖閣上陸にせよ,
政府からすれば『余計なことをするな』であろう。
波風をたてないのは基本であるし,
また,波風を収める技量は民主党にはない。

しかし,法整備を推進してこなかった民主党に,
石原氏や上陸しようとしている民間人に文句を言う資格はない。

尖閣は明らかに中国に狙われている現在,
無策の民主党に相当な焦燥感を覚えるのは当然である。
posted by DEBUO at 00:00 | 東アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする