2013年02月16日

傀儡謡にはいつも脊髄をやられる



アニメソングにはとんでもない曲が結構ある。
上記『 傀儡謡(くぐつうた)』はその一つ。
押井守のアニメ映画『イノセンス』の挿入歌である。

攻殻機動隊の音楽はTV版のほうの菅野よう子もなかなかスグレモノであるが,
映画版は音楽を川井憲次が担当する。
上記『傀儡謡』はまず空間をたっぷりとった静寂の世界に
アクセント的に入るパーカッションが緊張を高める。

独特のハーモニーはおそらくブルガリア民謡からヒントを得たコードを使用,
メロディラインはアジアのどこかを思い出させる。
歌うお姐さん方は日本の民謡歌手。
日本的な陰鬱な情念のようなものを呼び起こさせる。

これに和太鼓が絡んでいく。
この和太鼓奏者もかなりの手だれで,タイム感覚が非常にシャープ。
音離れがいいだけじゃなく,かなりの力強さもあり,
また,うねりのようなグルーブを加えていくので,
ドライブ感が半端ない。

代表的なのが4分あたり。
一瞬のブレイクの後,和太鼓が切れ込んでいくのだが,
何度聞いてもシャープネスとドライブ感に脊髄をやられる。


アニメのほうはこれ以上ないんじゃないか,というぐらいの映像美が印象的だが,
小難しいセリフと哲学的な側面を単純にスルーすれば,ストーリー自体はシンプル。





ついでにもう一曲。
上記『傀儡謡』とは対照的なポップなチューンだ。

きゃりーぱみゅぱみゅはPERFUME中田ヤスタカのプロデュース。
去年の紅白にも出演したらしいが,
なぜか欧州方面でスマッシュな人気を獲得しており,
先日の欧州ツアーではロンドンでチケット予約が数秒でさばけたという。
YOUTUBEでも彼女のプロモにはHIT数が多い。

箱の大きさとかがわからないし,またやらせK-POPの事例もあるので,
(PSYのYOUTUBE・HIT数10億以上には大笑い)
この手の話題をすんなり受け取るわけにはいかないが,
昨年のフランスJAPANEXPOでは2ステージで1万人以上を集めたという。
そこそこの人気はあるのだろう。参考

ただ,音楽自体は別にどうってことない。
テクノ風味のロックといったところか。
出だしはジューシーフルーツだな。


欧州の産業音楽シーンは一般的に日本よりもレベルが低い。
特にアイドル歌謡的なジャンルはマーケットが狭い。

通常,歌い手は上手であることが当たり前である。
ところが,日本のアイドル歌手は下手な人が多い。
聴くに耐えない様な歌手でもそれを一級品のスタッフが支え,
商品としてまっとうなものにしてきた。

まさしく,日本のガラパゴス化を示す一つの典型例であるが,
その独特の進化に世界の人々も目をむけ始めているのかもしれない。


似た例としては,いわゆるビジュアル系がある。
ビジュアル系といっても,音楽性向はばらばらであり,
演奏力も一級品からそこそこまで玉石混交。
ただ,ビジュアル的に美しい,というのは共通している。

このビジュアルに欧州の人々(の一部)がくいついている。
きゃりーぱみゅぱみゅも音楽的なものよりも
そのファッションセンスに惹かれている人が多いかもしれない。
原宿というキーワードでくくれるような話である。


きゃりーぱみゅぱみゅのこの曲を取り上げたのは,
映像美から。
非常にごちゃごちゃしているし,ゴージャスで強い色が多く,
下品になりがちであるが,
すっきりと上品にまとめあげている。

この手の映像感覚は日本のPVでよく見かける。
ちなみに,演出は田向潤監督。
前作までのPOPでFANTASYな映像から一転している。
しかし,過剰なまでの映像美,という面では共通している。

振り付けはMAIKO(旦那はPOPPINで有名なカイト)。



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posted by DEBUO at 12:00 | 映像・音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする