2015年09月12日

BABYMETAL07 メギツネなど


◆メギツネ

私が一番最初に気にいった楽曲はメギツネ。
能楽堂をバックに,民謡,日本舞踏,歌舞伎
と日本の伝統舞踊を盛り込み,
メロにはサクラサクラを取り入れ,
伝統的に綿々と続く女のせつない心を歌う。

メイン部分のノリのいいリフも凄いし,
女の子の足をあげる振り付けもかわいいが,
なんといっても間奏がこの曲のハイライトだ。
特に間奏の,サクラサクラを奏でる
ホワイトノイズのようなサウンドだ。

女の複雑な心理,無意識下の葛藤,
それと,神社の持つ神聖な畏怖心というものが
表現されているように思える。

メインがダンサブルでキャッチーな分,
間奏の凶悪なメタルサウンドとの落差が
余計に強烈である。

BABYMETALはキツネを崇める。
最初は冗談で出したことかもしれないが,
稲荷さまは豊潤の象徴とともに,
祟り神としても有名だ。

この曲はキツネさまによって,一個人にとどまらず
普遍的な葛藤にまで昇華している,というのはうがち過ぎか。
ガチの和風メタルに仕上がっているこの作品,
相当なプロの仕事だと思う。



◆ギミチョコ

BABYMETALの出世作である。
個人的には,マッドの上田氏が作曲した点でポイントが高い。
マッドはかなりお気に入りのバンドなのだ。

元マッドが作曲しただけあって,
ヘビメタというよりもハードコアである。
アタタターズッキュンで世界中に論争を巻き起こした曲だが,
私の注目点は,そこに至る導入部分。

特にカナダ・モントリオールのバージョンが顕著だが,
リズムの安定感が半端ない。
かつ,その後のはっちゃけを予感させる非常にいい演奏だ。

この部分だけを聴いただけで,
神バンドが相当の手練れであることがわかる。



◆ROAD OF RESISTANCE

この曲の初演は,イギリスBRIXTONである。
携帯で撮られたと思われる映像で聴く分の段階では,
曲に対して賛否両論がまきおこった。

私は否定派だった。
私の印象では,80年ごろの戦隊ものの主題歌,であった。
懐かしさを覚えるメロディーだったのである。

ところが,クリアな音源が出回るや,評価は一転した。
神バンドが凄かったからである。

こういう例えを考えて見た。
神バンドは神社である。
伊勢神宮とかを想像していただきたい。

女の子たちは普段はただの可愛いすぎる女子高生である。
ところが,神社で巫女として活動した瞬間,
存在は神の使いとして昇華される。

ましてや,彼女たちは一流のパフォーマーであるから,
巫女といっても,卑弥呼クラスの巫女になりうる。

だが,神社を去ればいかな卑弥呼といえども,
ただの女子高生に戻ってしまう。

あんまり良いたとえではないかもしれないが,
神バンドのBABYMETALへの貢献度は,
多大なものがあることをこの曲が教えてくれた。



◆振り付け

振り付けはMIKIKO氏。
PERFUMEのときも印象的な振り付けであったが,
BABYMETALはさらに可愛い振り付けが多い。

  メギツネの足上げ
  CMIUCの足上げ
  ヘドバンの首横振り
  ギミチョコの両手を挙げてのダンス

この辺りは中毒性の高い振り付けだ。
MIKIKO氏の振り付けは非常にオリジナルティが高い。

アートの世界では,オリジナルティの高さがなくてはならない。
どれだけ上手かろうとも,
オリジナルティがないと尊重されない。
ただの楽器馬鹿とかせいぜい〜2世とか呼ばれるだけだ。

スーメタルはやたらオンリーワンということを口にする。
それはKOBAが日ごろから口を酸っぱくして強調しているのだろう。

BABYMETAL以外にも日本にはすばらしいロックバンドがいる。
だが,オンリーワンといえそうなのはDIR EN GREYほか数少ない。
優秀だがジャンル付けの可能なバンドが多いように思う。

なんにしても,60年代のビートルズから80年代のメタリカまで,
欧米のHR/HMは圧倒的だった。
欧米と邦楽とには明らかな差があった。

私の見立てでは,J-POPは90年代ころから,
世界有数のクォリティを持つに至ったと思っているのだが,
HR/HMはそういうわけにはいかなかった。

それが,HMの救世主か?と騒がれるようなアーチストを日本が生むとは,
数年前でもほとんど夢物語であった。
感慨深いオジサンはたくさんいるだろう。
もちろん,私もそうである。



BABYMETAL08に続く


posted by DEBUO at 00:00 | BABYMETAL | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする