2016年01月07日

サウジアラビア

サウジアラビアで聖職者の処刑以降,
激しいデモ,国交断絶,イラン大使館空爆?と
サウジアラビアとイランの関係がどんどん悪くなっている。

まず,聖職者の処刑はいかにも悪手に見える。
国際社会からは間違いなく,野蛮国サウジ,と見られるだろう。
いくらなんでも,それぐらいは想像できるはずだ。

それにもかかわらず,処刑を執行した。
断固たる決意,が伺われる。

考えられるのは,

1 イランへの恐れ

イランとサウジはかつてはイスラム帝国を主導した。
中近東の二大大国である。

イランはペルシャ人でイスラム教のシーア派,
サウジはアラブ人でイスラム教のスンニ派。
イスラムの正統争いから発した宗派であるため,
お互い非常に仲が悪い。

そういうこともあり,中近東の覇を求めて
歴史的に争ってきた。

今までは,サウジは欧米側で,
イランはロシア側,テロ支援国に指定されている。
サウジが立場が良かった。

しかし,半年ほど前に,イランで核協議が行われ,
アメリカとの関係が好転してきた。
それはサウジとしては飲めない話である。

さらに,イランは革命によって王政を倒した。
サウジは旧来たる王政である。
イランの株が上がれば,イラン(革命)にならおうとする
勢力がサウジに生まれるかもしれない。

サウジとイランは中近東の2大勢力であるが,
サウジから見れば,イランの国のあり方は,
現政権にとっては脅威であることは容易に想像できる。

2 アメリカへの抗議

アメリカはイランとの核協議合意に続き,
経済制裁解除をも視野に入れていると言われている。
背景にはシェール革命により,
アメリカが世界最大級の石油・天然ガスの国になったことがある。
中東に依存しなくてもよくなったのだ。

さらに,アメリカは40年ぶりに石油輸出を解禁した。
これがサウジ等の産油国を直撃している。
WTI(NY原油先物価格)は,最高150ドル近く,
1年半前でも100ドル近くあったのが,
現在では30ドル台。

crude10yr.png

サウジの収入はほぼ石油に頼っている。
1年前に比べると,収入が半分以下に落ちたということになる。
当然,サウジの財政に直撃している。

サウジでは公共料金や税金が無料か極めて低価格である。
超高福祉国家なのだ。
その代わりにイスラムの教えにのっとって,
国民の様々な権利を認めていない。

そういう国家運営ができるのも,
潤沢な石油収入があるからだ。
その前提が崩れかかっている。

原油価格の低迷は,その他の原因もあるが,
アメリカ(とカナダ)が引き起こしたシェール革命が主因だ。
そこに加えてアメリカの石油輸出解禁。

アメリカにイラつかないほうがおかしい。

3 アメリカの中近東への関心の薄れ

原油とイスラエル。
これがアメリカが中近東に気を配る要因であった。
しかし,原油のほうは自前で賄えるため,
中近東に接近する理由が薄れてきた。

つまり,アメリカの押さえが中近東では低下している。
少なくとも,イランーシーア派の動きは勢いをつけているだろう。
超高福祉政策で国内の不満を押さえ込んでいたサウジ,
今後は隠れていた不満が噴出するかもしれない。

4 国内引き締め

原油価格の低迷により,サウジでは今までのような
超高福祉政策の質を落とす必要に迫られている。

サウジでは国民の人権は抑制されてきたが,
超高福祉政策により,あまり国民に不満がたまらなかった。
それが,今後は表面に現れてくるかもしれない。

近隣国では,『アラブの春』により,政権が転覆したところもある。
その前に,国内引き締めのために,
つまり不満を外に向けるため,
聖職者を処刑したということかもしれない。

国内過激派への見せしめという線もある。
アメリカーイランの雪解けを受けて,
アラブ世界のシーア派が勢いを得ているのは間違いないだろう。
そうした動きへの断固たる決意を示したことになる。

しかし,かえって火に油を注ぐ結果になるんじゃなかろうか。
ニムル師は死刑に値するほどの危険な存在だったのか。
世界的には,どちらかというと穏健派のように見えるのだが。

5 原油価格を吊り上げるため。

収入が下がるのを防ぐため,
サウジは原油減産をして価格を維持したいところだ。
しかし,サウジは石油減産をしなかった。

シェール石油はサウジのより原価が高い。
サウジは価格の低下によって,
シェールオイル会社の体力をそぐほうに賭けたわけだ。


しかし,流石にサウジも底沼のような石油価格の下落に
恐れをなしたのかもしれない。
下のチャートは2014.9月〜現在のものである。

wti.jpg

まるで歯止めの効かない原油価格の低下である。
普通ならば,サウジとイラクが喧嘩すれば原油価格は上昇する。

ところが,一連の事件は価格に対して殆ど効果がなかった。
当日は原油価格少し上昇しただけで,すぐに行って来い。
その後は,中国株の衝撃で低下の一途。

以下は2016年のWTI原油価格。

wti2016.JPG


6 戦争までもつれるか?

サウジ国内の雰囲気は,国際社会の目線とは
かなり違うようだ。
近視的になっているようにも思える。
なにか,サウジは精神的に追い込まれている,
外野の目としてはそう思える。
こうなると武力衝突まで突き進んでもおかしくない。

聞くところによると,サウジの実質的な指導者は,
副皇太子らしい。
彼は,衝動的な性格だという。
なんとなく,人物像が浮かび上がってくる。


posted by DEBUO at 23:14 | 世界の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月04日

見捨てられたウクライナ その2 AIIB


歴史の転換点ーAIIBと仏テロ事件

実りの少ないウクライナ問題が忘れ去られる事件が起こった。
AIIBと仏テロ事件だ。
いずれも,アメリカ・欧州に歴史の転換点となる可能性がある。

特に,AIIBは衝撃的であった。
アメリカ側と考えられている西側諸国,
イギリス,ドイツ,フランス,イタリア,スペインを含む,
57国がAIIBに参加表明をしたからだ。
アメリカ一極時代の終焉を世界中に意識させたのである。

私でさえ,ニュースを見たとき震撼したくらいだ。
敵は中国,アメリカは相当な危機感を覚えたことだろう。
米中はついたり離れたりの繰り返しであったが,
ここにきて,対中強硬手段をとるようになった。

具体的には,『航行の自由作戦』であろう。


ただ,アメリカは南シナ海での中国の横暴を2年間も見逃していた。
遅きに失した感はある。
すでに,島はコンクリートで固められているのだ。

外交は弱いところからこぼれ出す。
押しても引くとは限らないが,引けば必ず押される。
それが外交の歴史であり,特に中国はそれが顕著だ。

南シナ海の中国進出の歴史を見れば歴然としている。
  1974年 ベトナム戦争の隙をついた西沙諸島占領
  1988年 孤立していたベトナムとの隙をついた南沙諸島の実効支配
  1995年 駐比米軍撤退の隙をついたミスチーフ礁での施設建設

古来より,中国は戦争下手と知られる。
真正面からぶち当たると,中国軍はすぐに逃げてしまう。
そういう作戦なのではなくて,肝が据わっていないからだ。

しかし,弱さを見せると,どんどんと侵食していく。
気づいたら,中国人で埋まっていた,
昔からこのパターンが非常に多い。

オバマ政権末期での航行の自由作戦,
当面は効果があったように見える。
中国包囲網もせばまった感がある。

が,今後はどういう展開になるのか。
この地域で戦争をおっぱじめられるわけはないのは,
どの国にも共通している。
だからこそ,包囲網に向けていかなる努力が進められるのか。

相手が強行に出たらいなして,裏でコソコソやるのが中国だ。
島はコンクリートで固められている。焦ることはない。
そう中国は考えているんじゃないのか。

オバマは外交では全世界的にいいところがあまりなかった。
外交オンチと言われるだけのことはあった。
今年は大統領選挙だ。2月1日から始まる。
  民主党 本命 ヒラリー・クリントン 穴 サンダース 
  共和党 本命不在 トランプ,カーソン,ルビオ
が候補予定といわれている。

さて,誰が当選してどういう外交戦略をとるのか。


その3につづく


posted by DEBUO at 22:45 | 世界の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月02日

見捨てられたウクライナ その1


ウクライナがロシア国債に対してデフォルトしたらしい。
上記は12月19日付,年末の31日に確定だと(参照)。

しかし,そのことに目を向ける人々は以前に比べると
世界規模で激減していると思う。

ウクライナ騒動は,国際政治を概観するうえで
私にはわかりやすい事例だ。
騒動も終わったと見てよいこの機会に私の感想を投稿する。

結論を言えば,ウクライナ紛争の中心は
クリミア半島の帰属問題にある。
もっといえば,クリミアあるに露西亜の軍港をめぐる争いである。

ウクライナ.jpg


歴史的にクリミアはロシア

ロシア人には,クリミアは歴史的にロシアのもの,という想いがあるという。

  クリミアの歴史
  13c クリミア,モンゴル帝国に征服される
  15c クリミア・ハン国がオスマン帝国の属国となる
  1783年 クリミア・ハン国がロシア帝国に併合される
        クリミア戦争、第一次大戦の混乱を経て
  1917年 クリミアはソ連の一部となる

ロシアは楽してクリミアを自分のものにしたわけではないだろうし,
その後何度も他国に軍事占領されては取り返している。
クリミアは血の歴史をくぐり抜けてきたわけで,
ロシア人のクリミアへの想いは深いと言われている。


ボタンのかけ違い

そのクリミア,1954年にロシア・ソ連からウクライナ・ソ連に移管される。
ウクライナは当時ソ連領で,単なる行政上の問題に過ぎなかったし,
ソ連の崩壊など想像もできなかった。
ソ連はイケイケドンドンの国で,
アメリカが山口組ならソ連は住吉会ぐらいの存在感があったのだ。

実際,1962年のキューバ危機では,第3次大戦が起きるところだった。
核戦争だ。
1980年ごろでさえ,欧州とソ連は短距離核ミサイルを並べて向き合い,
核戦争前夜と言われていたものだ。

ところが,1991年に雪崩のようにソ連崩壊。
ウクライナが独立するときに,クリミアも込みということになってしまった。
混乱していたとはいえ,ロシアにとっては痛恨の事態であった。


プーチンの登場ーアメリカとの死闘

ソ連崩壊後,ロシアは転がる石のように崩壊していった。
それを立て直したのがプーチンである。

russiaGDP.PNG

上記はロシアのGDPの推移。
90年代の転落ぶりと,プーチン政権の右肩あがりの対比がすごい。
原油値上がりに救われたとはいえ,プーチンがロシアで絶大な人気を誇る
その理由の一端がわかる。

これだけの劇的な転換をプロデュースしたプーチンの手腕,
ただの豪腕ではない。
プーチンの前では白熊も正座するほどの豪腕である。

権力を確立する途上で,豪腕プーチンは
ロシアの石油マフィアを追い出すことに成功した。

資源関係の業界は世界的に非常に荒っぽい。
ましてや,ロシアだ。
相手もちっぽけな存在ではない。
ロシアの主力産業である石油でのしてきた相手だ。
プーチンがKGB出身だとしても、簡単なことだったとは思えない。

プーチンは何度も暗殺されかけているらしいが,
上記の件は原因の一つである。

この追い出した石油マフィア,
利権を石油メジャーに売ろうとしていた。
背後にはアメリカがいる。
プーチンはアメリカの一極集中を激しく批判していたこともあり,
アメリカ対プーチンの死闘が始まる。


バラ革命とウクライナ危機

2004年にウクライナでオレンジ革命勃発。
ロシア側のヤヌコヴィッチとEU加盟派のユシチェンコの一騎打ちの末,
親西側政権が誕生した。CIAが関与したとされる。

しかし,ユシチェンコ政権は内部対立が相次ぎ
(有名なのは,綺麗過ぎる政治家ティモシェンコ),
EU側からも思ったような援助が受けられなく,民意が離反。

ティモシェンコ.jpg
ティモシェンコ。裏の顔はかなりえぐいようだ。

2010年,今度はロシア派のヤヌコヴィッチが大統領に就任。
2014年2月EU加盟をめぐって野党が反発,全国規模の騒乱となった。
そこへロシア軍を背景にプーチンが介入。
3月21日,クリミアはロシアへの編入条約を批准した。
(但し,国際社会はこれを認めていない。)
欧米はこれに反発,ロシアに経済制裁を続行中である。

クリミア編入

表面上,欧米対ロシアは,民主主義対プーチン独裁になぞらえる。
しかし,そうした欧米の主張は錦の旗,建前である(大事なことではあるが)。
実際は,すっきりしない国益の争いだ。

国益は主に経済的利益と安全保障から眺めることができる。
ウクライナ問題において,
欧米・ロシアともに,クリミアの軍港に関心があるだけで,
ウクライナはいらない。経済的にデメリットばかりだからだ。
だから,クリミア以外のウクライナについてはグダグダになっている。


クリミアの軍事的意義 セヴァストポリ軍港

セヴァストポリ軍港は露西亜の黒海艦隊の本拠地である。
『戦艦ポチョムキン』の舞台となったのは,この軍港の周辺である。

ソ連崩壊後,クリミアはウクライナに編入されたが,
戦略的価値から,セヴァストポリ軍港をウクライナから租借している。
露西亜はこの軍港から地中海に出る。
地中海にはシリアの露西亜基地がある。
この軍港を失うと,シリアの露西亜基地は孤立する。
地中海への影響力も大きく損なわれる。

さらに,軍港の周囲にある旧ソ連領の国々への
軍事的影響力も低下する。

欧米,特にアメリカが強い関心を示したのは,
上記のような状況がある。
ロシアをクリミアから追い出したいわけだ。

つまり,
  侵略・攻撃側は欧米,特にアメリカ
  防衛側がロシア
そういう構図のほうが正しいと思う。

ウクライナ02.jpg


ウクライナの経済的利益

クリミアの軍事的利益に対して,
ウクライナには経済的な魅力がない。

ウクライナの周辺国家には石油・天然ガスの産地が広がっている。
しかし,ウクライナには有力な資源がない。
鉄鉱石がとれる程度である。

農業国であり,工業は盛んではない。
ウクライナは貧乏で,大消費地もそばにないから,
外国から工場を引っ張ってこれない。
シンガポールのような交通の要所でもない。

一言でいえば,ウクライナは立地が悪い。
経済的なポテンシャルの低い場所だ。
当然のように,ソ連崩壊後,GDPは低迷している。

ウクライナGDP.jpg

ソ連時代はまがりなりにも,食・医・教・職がなんとかなった。
ソ連から独立したいま,それらの補償がほぼ失われている。

こういう国を援助する,というような場合,大変難しいだろうと思う。
北朝鮮であれば,パンのみでも満足してもらえるかもしれない。
しかし,ウクライナはパンだけでは駄目だ。
工場を建て,保険を充実させ,年金を与える。
そうして初めてウクライナの人たちは納得する。

つまり,ウクライナにかかわるには,
北朝鮮以上にお金がかかる。
経済的に疲弊しているロシアや欧州はもとより,
アメリカでさえ,そんな余裕はない。

ウクライナ騒動において,経済的利益がないばかりか,
下手すると毟りとられて援助側が疲弊する。
できれば,経済的にウクライナに関わりたくない。
欧米露に共通する本音だろうと思う。


欧州

欧州にはプーチン嫌いが多いといわれている。
しかし,エネルギーの多くの部分を露西亜の天然ガスに依存する。
EUは天然ガスの3割をロシアに依存するといわれている。

また,ウクライナ騒動がヨーロッパにまで飛び火しても困る。
ウクライナの経済状態も相俟って,
欧州はウクライナ騒動に本腰を入れられない。

パイプライン.jpg
画像はこちらのサイトから


アメリカ

アメリカはウクライナに強い利害関係がない。
アメリカを動かしたのは,
プーチン嫌いという強い感情ゆえではないか。

先述したように,
前プーチン時代,権力を確立するうえで,
ロシアの石油マフィアを追い出したことがある。
マフィアの背後にいたのが西側の石油メジャーであった。

さらに,プーチンはアメリカ一極に異を唱え,
ドルの追い落としを図っている。

アメリカはプーチンに対抗して,
旧ソ連の国々の色の革命を裏で画策したといわれている。

color.jpg

ウクライナ紛争は経済的利益がまことに薄いばかりか,
下手に勝利してしまうと,戦後処理が面倒だ。
アメリカはウクライナの再建にはタッチしたくない。

そこで,『独裁者プーチン打倒』というプロパガンダや
色革命のように,親西側政権を樹立させる,
ということが西側の戦略の中心となる。

もし,オバマがロシアとの徹底抗戦に出たら。
ロシアは死に物狂いで抵抗するだろう。
戦線は拡大してヨーロッパまで巻き込みかねない。
戦費も膨大,当然戦死者も多くなる。
勝ったとしても,ウクライナの戦後処理も面倒。
オバマも口は勇ましくとも,あくまで黒子に徹するしかなかったのだ。

もっとも,上記事情をさしおいても,
オバマには強い指導力はないと,個人的に思う。


日本

安部政権は親プーチンである。
安部政権発足時から,強い関心を露西亜に向けていた。
実際,プーチンは安部総理と何度も会談を重ねている。
背景には,中国問題とエネルギー,領土問題がある。

ロシアからしても,シベリア開発,対中国へのカウンター,
ウクライナ紛争に起因する経済制裁の突破口として,
日本は重要な相手である。


その2に続く



posted by DEBUO at 22:32 | 世界の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月15日

600億ドル拠出、正式合意=日本、欧州危機でIMF支援

麻生政権時代に,IMFに1000億ドル拠出したことがあった。
私は大変高く評価したが,
マスコミや野党は一斉にこけおろしの材料とした。

  バラマキだ
  国民の血税をつぎ込むな
  そんな余裕があるのなら日本を何とかしろ

これはそのまま当時の大多数の日本国民の意見だったと思う。


だが,麻生氏は米国債でIMFに拠出したのだ。
日本政府は,米国債を血税で買っているわけではない。
米国債は概ねこのような経路で日本政府が保有することになる。

  円売りドル買介入

  政府短期証券(FB)を発行。
  ▼
  円を調達。
  ▼
  その円で為替市場で売却,ドルを買い入れる。
  ▼
  ドルを運用するために,米国債を買い付ける。

発行するときの財源は,外国為替資金特別会計からとされるが,
実質的には新たな国債を発行して財源を確保する。
それが政府短期証券と呼ばれるものであり,
140兆円まで認められているという。
日本政府は通貨発行権を持つ。
短期証券も一種の通貨であろう。


日本政府の保有する米国債,多くが塩漬けとなる。
米国債は世界で最も安定した金融商品であり,
しかも利息がついてくる。
(為替リスクはあるが)

麻生氏は,塩漬けになっている米国債をIMFに拠出した。
何も贈与したわけではない。
IMFを通じて困っている国に貸し出すわけだ。
つまり,米国債の利息と,貸し出した国からの利息の二重取りができる。
しかも,世界貢献の意味合いも重要だ。

IMFは世界で最も取り立てのしっかりした組織である。
国の主権を取り上げるようなことさえする。
トリッパグレの少ない機関なのだ。


その麻生氏の貢献である,IMF拠出の1000億ドルの半分が
今年の秋に戻ってくるという。
そこで,民主党(財務省)は春から以下のような検討を進めていた。

  IMFに600億ドル・4・8兆円の拠出検討 政府、資金強化で
  資料

 

麻生政権の頃,民主党は1000億ドルの拠出について
『バラマキだ』と批判していたではないか,
と突っ込みたい向きもおられようが,
まあ,民主党にいろいろ言っても虚しいだけだ。


ちなみに,他国の追加拠出金は次のとおり。

IMF拠出.jpg
   資料:ニッセイアセットマネジメント
  
もちろん,今回は欧州危機,特にスペインが山場を迎えつつあり,
その対処の意味合いが強い。

IMF欧州危機.jpg

韓国も150億ドル出す,とか言っているが,
そんな余裕あるのか,pgrという感じはする。
例によって,韓国らしい振る舞いを期待する人も多いだろう(笑


posted by DEBUO at 13:12 | 世界の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月18日

野田内閣の外交姿勢

野田内閣が相変わらずの経済音痴ぶりなのは折込済みである。
気になるのは,政府の外交姿勢だ。

典型的なのは,防衛相
一川氏から田中直樹氏へとバトンタッチしたのだが,
ご存知の通り,両者とも防衛については,誠に知識が薄いようである。

いくら大臣はお飾りといえども,
見識のない人物を二人要職につける。
野田氏は防衛については,一家言あるという話であったが,
防衛軽視ではないのか?


ただ,菅内閣の時の北沢氏は当初芳しくない大臣であったが,
よく勉強されたようで,
半年ほどで防衛についてかなりの見識を持つに至った。

田中氏はどうなんだろうか。



不安点は他にもある。アメリカとの関係だ。
TPPでアメリカに顔を向けながら,
中国や韓国にも目配せをしている。

例えばTPPに対する中国の警戒に対しては,
  「中国を含むAPEC参加国と連携していきたい。
  TPPはAPEC参加国に開かれている」と強調した。
とされる。(日経)

おそらく,アメリカは中国のTPP参加を嫌がると思う。


また,韓国との通貨スワップを700億ドル相当の円・ドルにまで拡大した。
(300億ドルが円,400億ドルがドル貨)

  ※中韓とは,570億ドルのスワップ協定を結んだ。

これは,宮沢氏のアジア通貨基金構想の延長線上にある。
東アジアの金融安定のためには,評価できる。

ネットでは,5兆円を韓国にあげた,とかいうので,
かなりの反対が渦巻いている。

勿論,あげたわけではない。
貸すのだ。

第一の狙いは韓国の円建て債務への手当であろう。

つまり,日本の金融機関保護のためである。

仮に円をドルに替えた場合は,円安誘導となる。
また,一種の根抵当みたいなもので,
借金であるから,韓国は返す必要がある。

踏み倒すことはまずない。
韓国がデフォルトしかかったら,日本政府が助けるだろうから。

日本や東アジア,世界経済の安定のためだ。

以前にも当ブログで投稿したことがあるが,
韓国は東アジアでもっともデフォルトに近い。
世界経済に非常に敏感な体質であるのと,
借金を海外に依存しているからだ。

だから,ユーロが危なくなればなるほど,
韓国には増幅して影響が現れる,と私は考えている。

具体的に言えば,
欧米の銀行が一斉に韓国から投資を引き上げたらどうなるのか。
韓国はあっという間に,デフォルト騒ぎに発展するだろう。


私も感情的には韓国を助けるのには反対である。
しかし,それはただの感情。
このスワップ協定は,日本の金融安全保証だ。

半島はただ日本に嫌がらせをするためだけに存在する。
そして,日本は嫌々ながらもそれに耐えなくてはならない。
盲腸のように簡単に切り捨てることはできないのだ。



さらに気になるニュースは,
  中国国債購入で合意=円・人民元の貿易決済も促進
  http://www.jiji.com/jc/zc?k=201112/2011122500149

日本政府の保有するドルを活用して,中国国債を買う。
不安はあるが,ドルの有効活用とリスク分散という点から
評価できるのではないかと思う。

しかし,
  貿易取引で、円と人民元による決済を促す方針でも一致。 
とある。

この点に関しては,アメリカが神経を逆撫でされる可能性がある。

アメリカの第一命題は,ドルの基軸通貨である。
ドルが世界中で流通しなくては困るわけだ。

ところが,野田氏はドルをスルーしようとしている。
果たして,その意味を野田首相は理解しているのか。
おそらく,考えなしに口に出しているのでは,と思われる。

或いは,チャイナ寄りの党内政治家や官僚に
言いくるめられたのかもしれない。


この方針がアメリカに打撃を与える可能性以外にも,
ハードカレンシーではない人民元をなぜ取引通貨に使うのか,
という疑問もある。

日本円で決済しましょう,というのならわかる。
円経済圏が広がるからだ。


昨日,野田氏は八方美人的な性格,と投稿した。
軸足の一つは中国だ。
菅内閣で毀損された日中外交を修復しようとしているのか,
財界の要請があるのか。

米中の間を取り持つ,などという認識は彼にはないだろう。
あっても,取り持つだけの能力がない。

この民主党という政権の怖さは,
ここにある。
免許取りたてドライバーがF1を運転するようなものだ。

早く,解散総選挙してもらいたいものである。




posted by DEBUO at 17:34 | 世界の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月12日

中国

中国を概観する。簡単なことではない。

広大な土地,多様な民族,13億人の人口。
政府の発表する各種データには信用がなく,
中国を捉えるのは非常に難しい。


視点はいろいろある。

まず,中国は1枚岩ではない。
どこの国でも1枚岩ではないが,
中国はその程度がひどい。

共産党には,北京と上海の対立がある。
軍部も無視できない。
共産党は,地方との対立がある。
共産党及び地方は,民衆との対立がある。
さらに,漢民族は少数民族との対立がある。

中国には様々な視点がある,
ということを忘れてはならないだろう。


では,最初に中国経済を少し考えてみる。

とは言うものの,
中国の出すデータはかなりいい加減と言われている。

例えば,地方の出すGDPを足し算すると,
政府の発表するGDPを大幅に越えるという。

だから,成長率とかGDP世界2位とかに
どれほどの意味があるのかわからない。

ただ,中国は成長する必要がある。

現在,中国をまとめ上げる唯一の方策は成長だ。
ひょっとすると,アメリカよりも資本主義である中国では,
拝金主義がはびこっていると言われている。

中国の成長は,国民福祉を犠牲にして成り立っている。
例えば,中国では病院代が非常に高い。
しかし,保険がきかない。

年金もないから,多くの老人が路頭に迷う。

中国では,道端にお年寄りが倒れていても,助けないという。
倒れている老人が助けた人にタカルことが横行しているからだという。

実際,倒れていた老人が助けた人を訴えて,
助けた人が敗訴する,という事例が出ている。

中国はそこまで人心が堕落している。


金が全てである中国を支える唯一の方策は経済成長である。
金持ちに金をばらまき,
貧乏人にも,死なない程度のおこぼれを授ける。
これで中国の不満を押さえつけている。

唯一の方策である経済成長が止まれば,
中国で不満が爆発するのは目に見えている。

その一つの目安が経済成長率である。
現在,中国は外国から金を借りる時の金利が8%程度だと言う。
つまり,中国は8%以上の経済成長を必要とする。


では,中国のバブル具合はどうなんだろうか。
中国のバブルの原因は,2008年より続く,
政府のバラマキ行政にある。

日米独では,GDPに占める政府支出の割合が20%前後である。
ところが,中国は45%に達する。

個人消費は日独で55%程度,アメリアで70%である。
ところが,中国は35%に過ぎない。

中国経済はいびつすぎる。
明日にでも中国バブルが崩壊しても不思議ではない。


では,バブル崩壊の兆候は見られるのだろうか。
中国に関する経済統計で一番信用できるのは,
貿易統計である。

貿易は他国の数字がでているからだ。
中国税関総署によると,
  11年の輸出、20%増=貿易黒字、3年連続減−中国
ということだ。

中国は,欧州危機や金融引き締めを受け,
2011年の後半,成長が少し停滞した,と言われている。

この流れは2012年も続くと見られている。
確かに,中国にはバブルが頭打ちになっている兆候がある。

  「超高層ビルの呪い」で中国バブル崩壊?
  中国の銀行、ついに不良債権処理へ
  地下金融業者による融資が拡大、最高300%の年利も
  貸し渋りにあえぐ中国の中小企業

  
中国では賃金が上昇し,旨みがなくなってきたとは良く聞かれる話だ。
付加価値の低い産業が淘汰される場面は今後も出てくるだろう。


では,中国経済は今年どうなるのだろうか。
好況,というのは想像しにくい。
欧州があんな状態だからだ。

中国はインフレがひどいので,
金融を引き締め気味にしていることもある。


ただ,中国は世界経済に対して,
さほど開放的ではない。

外国から,或いは外国への資本の流れが制限されている。

  中国株式市場が外国人投資家に向けて開放へ?
  マカオのカジノ産業に見る中国本土事情

つまり,世界経済に与える影響,或いは世界経済からの影響は,
フィルターがかかる,ということである。

そのフィルターがどの程度のショックアブソーバーの役割をするのか,
私にはわからない。

バブルは崩壊するだろうし,
ひょっとしたらもう崩壊しているのかもしれない。
崩壊したとして,その影響は限定的かもしれない。

そうだとしても,バブル崩壊の衝撃波は
無視できない規模になるのは間違いない。



さて,中国の指導者は,習 近平で決まりだという。
小沢氏が,中国へのおべっかのために天皇陛下を担ぎだして,
かなりの批判を受けたことがあったが,
その時に来日したのが,習氏である。

Xi_Jinping.jpg習氏の評価としては,謹厳,質素,リベラル,
腐敗嫌い,対米日強硬派,などとされている。

どのようなタイプかはわからないが,
顔を見ると,大物感が漂う。

確かに悪人面ではあるが,
小沢氏の悪人面とは違い,
凛としたものを感じさせる。


ただ,気になる指摘は,
習氏が中国共産党中央軍事委員会副主席になってからは,
日米との対決姿勢が顕著になってきた,ということだろう。

特に軍部の突出ぶりはかえって周辺諸国の警戒感をあおり,
中国が孤立する結果を招いている。

この経緯に習氏がどのように関わってきたのかは,不明であるが,
難しさを増す中国経済と共に,対外姿勢がどうなのかは,
世界中が注目している。





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2012年01月11日

北朝鮮

半島というのは,地政学的に見ると,
海洋勢力と大陸勢力のぶつかるところとされる。

現在の朝鮮半島で言えば,
中国と米軍のぶつかる地点である。

冷戦時代であれば,アメリカには半島防衛に意味があった。
しかし,現在では中国・アメリカ両国にとって,
盲腸のような存在になりつつある。

あっても役に立たないし,
むしろ,盲腸炎をひきおこしたりするので,
無いほうが好都合,という地域である。


特に北朝鮮には経済的な旨みがない。
経済が破綻しており,
立ち直らせるのには,相当の時間と資金が必要である。

鉱山や港湾などの数少ない資産は,
中国が押さえている,と言われている。

政治的には,誠にうざったい民族だ。
統治するのはさほど難しくない。
権力に非常に弱い民族だからだ。

しかし,気を緩めると途端に裏切ることを忘れてはならない。
朝鮮人にとって,
裏切るというのは日本ほど非難されることではない。
むしろ,推奨されている。

日本人から見れば,
その身代わりの速さは誠に浅ましいと感じたとしても,
力を失ったものにはそれ相当の扱いをする,
というのが彼らの伝統的な考え方なのである。



中国から眺めても同じだ。
直接統治の経済的メリットがない。

しかも,直接統治した場合,在韓米軍と直接向き合うことになる。
高くつくことになるので,北朝鮮の意義は,米軍との緩衝地帯


また,半島に動乱が起きれば,
北朝鮮難民が東北中国に溢れ出る。

東北中国には1千万人という朝鮮系中国人がいる。
そこに大量の難民が紛れ込むのは,
中国としてはなんとしても避けたい。

独立騒ぎに発展しかねないからだ。



北朝鮮難民を嫌っているのは,
ロシアも同じである。

シベリアに住むロシア人は数百万人程度である。
ただでさえ中国からの人口圧力に悩まされているのに,
そこに何百万人もの北朝鮮がなだれ込むのは勘弁して欲しいだろう。

  ※北朝鮮難民はほとんど日本にはこない。
    船が無い。あっても燃料が無い。
    半島動乱時には,むしろ韓国人が日本に逃れてくるだろう。



そうした事情は,金正恩体制になっても変わらない。
周辺国にとって半島は,積極的に関わるにはメリットがなく,
かといって,ネガティブな要素が噴出するのを抑える必要がある。

北朝鮮を生かさず殺さず,
中国・ロシア・アメリカの観点
はそういうことだろう。



では,金正恩の統治はどういう風になるだろうか。

まず,金正日体制を否定するような政策は取らないだろう。
つまり,先軍政治を続ける,ということである。

金正恩は国内基板がしっかりしていない。
金正恩が若いということもある。

金正日の威光にすがるしかないし,
そもそも親を否定する,というのは北朝鮮の伝統ではない。

また,北朝鮮の変革は北朝鮮軍部が嫌がるだろう。
北朝鮮のエリートは軍部である。
そのポジションを経済エリートに取って代わられるのを,
軍部は好まないだろう。


ただ,金は誰でも欲しい。
軍部も巻き込んで,開放政策に乗り出す,ということも考えられる。

しかし,私は北朝鮮が開放政策に乗り出した時が,
北朝鮮の終焉
ではないか,と考えている。

現状では,北朝鮮は軍部が民衆を押さえつけている。
外国との接点も,できる限り排除されている。

ところが,開放政策をとり,経済が曲がりなりにも育ち始めると,
軍部の抑えつける力が弱くなり,
民衆は外国の,特に韓国の成長ぶりに目を開かせることになる。

アラブの春が,北朝鮮にも起こりうるのだ。
金正恩が開放政策を取ったとすると,
彼は北朝鮮のゴルバチョフになりかねない。




posted by DEBUO at 00:08 | 世界の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月10日

韓国大統領選挙

歴代韓国の大統領は,任期の末期に入ると,レームダックに入る。
レームダックに入ると,
選挙に勝てなくなり,大統領の身内が逮捕されたり,
反日を叫び始めたりする。

李明博大統領も,任期1年を残して,レームダック状態に入った。

 選挙に勝てない
   11年5月の韓国再・補欠選挙での与党ハンナラ党惨敗 
   12月のソウル市長選ハンナラ党候補敗北
 大統領の身内が逮捕される
   韓国大統領夫人のいとこを逮捕
   李明博大統領の従兄弟とその息子二人が詐欺容疑で告訴
 反日を叫び始める
   最近の日本での慰安婦騒動


李大統領の分水嶺は,
10年6月の国統一地方選:与党敗北だったかもしれない。

同年3月に,韓国の軍艦『天安』が沈没した。
北朝鮮からの攻撃と考えられる。

李明博は強い態度を表明していたのだが,
統一地方選で,与党ハンナラ党が敗北。

背景には,戦争に刈り出されるのを嫌がる大勢の若者が,
ツィッターなどで反ハンナラを呼びかけたこと,と言われている。

その後,
  10年11月北朝鮮による延坪島砲撃事件
  11年12月中国漁船員による韓国係官殺害事件
が起きているが,李政権は強い態度に出ることができなかった。


高い物価上昇率,経済格差の広まり,
韓国にかなりの不利益をもたらす米韓FTA締結なども,
李大統領への強い不満の原因となっている。


2012年,李明博のレームダック状態はますますひどくなる。
特に,李大統領の経済政策への失望から,
親北政権の人気が高まる可能性がある。

韓国の新大統領は親北であるかもしれない,ということだ。


金大中,ノムヒョンと続いた韓国の左翼系政権は,
アメリカとの関係をかなり不安定にさせた。

特にノムヒョン時代,
アメリカは米韓同盟破棄をも覚悟していたかもしれない。

ノムヒョンは,日本の民主党を遥かに上回る
韓米関係の不安定さをもたらしたのだ。

象徴的な事件は,『軍事統制権の返還』。

韓国軍は,有事には米韓が軍をコントロールする。
事実上は,アメリカの指揮下に入る。

ノムヒョンはそれを(見栄で)嫌がり,
呆れたアメリカが,じゃあ勝手にすれば,とばかりに,
韓国軍の指揮権を韓国に渡すことにしたのだ。

それが2012年になる予定であった。


韓国軍は歴史的に大変弱い。

何しろ,外国と戦った経験が殆どなく,
北朝鮮が攻めてきた時など,民衆よりも,
真っ先にイ・スンマン大統領が逃げ,次に韓国軍が逃げ,
北朝鮮軍の侵攻を遅らせるために,
民衆の逃げ惑う橋を爆破した,などという体たらくだったのである。

北朝鮮と比べて装備が貧弱だったから,という話もあるが,
韓国軍は米軍の一般的な部隊よりも最新式の装備を備えていた,
という話もある。

イ・スンマンが最新装備を米軍に要求したからだ。

北朝鮮が攻めてくると,その最新装備を放り出して逃げ出し,
北朝鮮・中国軍は捕獲武器でアメリカ軍を悩ますことになった,
という説もある。


つまり,韓国(軍)の伝統的な弱点は,精神の貧弱さにある。
そもそも,彼らには国を守ろう,という気概がないのではないか,
と思う。

韓国人は愛国心の固まり,のように見えるが,
それは上辺だけで,いざとなると韓国を逃げ出すのでは,
というのは,我々韓国ウォッチャーに共通する見解だ。

韓国人が敵を前にして逃亡するのは,
伝統的な姿である。


韓国軍は精神の貧弱さだけではない。
様々な問題点がある。

その一つが後方の酷さだ。
整備や補給が酷い,ということである。

ここ1年ほどの間に韓国軍で起きた事件である。

  500MDヘリ、またも墜落 
  韓国軍:T59練習機が墜落、2人殉職
  韓国軍:無人偵察機、操縦ミスで3機が墜落
  韓国空軍がミサイル発射するも直後に落下
  韓国、K1戦車の砲身破裂事故が9件発生、整備不良が原因か
  韓国が戦車国産化で挫折!生産ラインの半数が既に停止
  「水に浮く装甲車」沈没「未来型小銃」不良率5割「最新鋭高速艦」直進できず

まだ他にもある。
そもそもが米軍ありきの韓国軍が,
いきなり主導的に動こうとしても無理がある。

2012年の統制権委譲については,
保守派や軍関係が危機感を感じており,
李明博大統領は,真っ先にオバマと交渉,
2015年まで延長してもらうことになった。


だが,次の政権が親北政権だったら?

ノムヒョンの魂は,ポッポ⇒菅へと受け継がれた。
再度,朝鮮海峡を渡り,韓国が赤化へと傾いたとすると,
韓国の軍事的ポジションは相当危うくなる。


米韓関係の破棄にまでは至らないかもしれないが,
そもそも,アメリカは半島で血を流すつもりはない。

半島での米軍は,海と空中心になる。
地上戦は韓国人にまかせて,
遠方からの支援をメインにするのだ。

韓国に左翼政権が誕生し,
再び米韓関係が揺れるようなことがあれば,
米軍はますます韓国に関心をもたなくなるかもしれない。

米軍の半島での役割は,
北朝鮮・中国との軍事的均衡である。

それさえ守ることができれば,
アメリカは積極的に韓国と関わろう,とは思わないかもしれない。


posted by DEBUO at 21:49 | 世界の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月09日

ロシア大統領選挙

今年の政治で注目すべき事柄は,
主要国で続々とTOPの選挙があることだ。

  台  湾 1月  大統領選挙
  ロシア  3月  大統領選挙
  フランス 4月  大統領選挙
  中  国 後半 総書記の交代
  アメリカ 11月 大統領選挙
  韓  国 12月 大統領選挙
  日  本 解散総選挙(切なる願い)

去年の話だが,北朝鮮やリビアの独裁者もあの世へと旅立った。
ユーロ発の世界恐慌が起こるかもしれず,
2012年は節目となるかもしれない。

今回は,ロシアを概観してみたいと思う。


過酷なロシアのTOP

ロシアの大統領は,皇帝である。
ロシアには強いトップを望む風土があるという。
そして,実際にロシアの大統領には強い権限が与えられているという。

しかし,強い権限が与えられている代わりに,
大統領の座から滑り落ちると,
新大統領から政治的に抹殺されることが多い。


 歴代ロシア・ソ連のトップ

  ニコライ2世 在任
    レーニンにより処刑
  レーニン   在任 7年
    スターリンにより強制引退
  スターリン  在任 26年
   暗殺?フルシチョフによりスターリン批判
  マレンコフ  在任 1週間
   不遇な晩年
  フルシチョフ 在任 11年 
   政権内クーデターにより失脚,老後は実質軟禁生活であったらしい。
  ブレジネフ  在任 18年
   在任中に死亡。
   晩年は老害に,死後の評価はかなり低い。
  アンドロポフ 在任 1年半
   任期中に死去。
  チェルネンコ 在任 1年
   任期中に死去。
  ゴルバチョフ 在任 6年
   ソ連を崩壊させたとして,国内では不人気。
   共産党を離脱したエリツィンに座を明け渡す。
  エリツィン  在任 8年
   首相であったプーチンを大統領にして引退。
   しかし,子飼いと思われたプーチンにより
   監視下に置かれた生活であったという。


プーチンは2000年に大統領になる。

ロシア経済はガタガタ,1998年にはデフォルトしている状態での就任だった。
しかし,プーチンはどん底であったロシア経済を立て直したのである。

確かに,石油の暴騰,という幸運はあった。
(ロシアは石油輸出国)

何しろ,原油は2000年当時1ガロン10〜20ドル程度であった。
ところが,2007年には100ドルを大きく越え,
200ドルを突破する,と予想する人も現れたぐらいだ。

それでも,プーチンの評価は揺るがない。
それは,プーチンが政敵を豪腕でふるい落としたからである。

最大の難敵は,エリツィン時代に政府と癒着した政商。
マフィアのような存在である。
しかし,プーチンは元KGBの影響力をフルに行使して,政商を排除。

政商だけではない。
政敵を何人も暗殺しているのでは,という噂がある。

チェチェンなどの独立派にも厳しく対応。
豪腕ぶりから,何度も暗殺未遂にあったという。

アメリカとも激しく対立。
ルーブルの基軸通貨を宣言するなど,
アメリカの神経を逆なでしてきた。


ロシア人は強い指導者を望む。
プーチンは理想的な指導者のようだ。
実際,プーチンは経済だけでなく,強いロシアを復活させた。

在任中は80%前後の高い支持率を維持,
その勢いを持ってプーチンが目指すのは終身大統領である。

08年に任期の切れたプーチンは,
子飼いのメドベージェフを後継者とし,自らは首相に就任。


ロシアの大統領は,非常に強い権限を持つ。
子飼いとは言っても,メドベーフェフが裏切る可能性もある。
上述の通り,ロシアの大統領は次の大統領によって否定されてきた。

メドベージェフを大統領にしたのは,
彼に後ろ盾がいない,特に軍やKGBに影響力がないからだという。

メドベージェフが裏切ったら,すぐに反撃できる体制にあるのだ。


で,今回の大統領選挙。
プーチンが大統領に復帰するのは既定路線である。

メドベージェフは首相になる。


プーチンが大統領になると,
メドベージェフとはどういう違いが出るのだろうか。

メドベージェフは,親米路線で日本とはほぼ没交渉。

プーチンが再選されれば,反米に走る可能性はある。
プーチンの大統領時代,プーチンは強いロシアを再建するため,
アメリカとは第2の冷戦を繰り広げたのだ。

そうなると,ロシアは再び中国に接近するか。
しかし,中国人のシベリアへの進出ぶりは,
ロシア側は相当頭を痛めていると言われている。

まだら模様の露中関係が今後も続くということだろう。


日本との関係であるが,
メドベージェフ時代は,日露関係が後退したというか,
関係が途切れているように見えた。

それは,民主党の外交音痴ぶりも影響があるだろう。
何しろ,ポッポがロシア交渉の窓口らしいから。
(ポッポは以前からロシアと面識があるらしい)

メドベージェフも日本に興味がないのかもしれない。
通常,ロシア人はシベリア方面に関心を持たない。
モスクワからシベリアは遠すぎる。


しかし,プーチンは親日としても有名である。
プーチンは柔道家でもあり,娘の一人は日本史専攻だという。

そのせいか,プーチンは日本との関係を重視している。
最近では,プーチンは海底トンネルで日本とロシアをつなぐ,
などと言い始めている。

以前にも言及したことがあるらしいが,
日本へのサインの一つであろう。

パイプライン構想や北方領土問題にも何か動きがあるかもしれない。
もっとも,民主党政権では,まるで話にならない。

ロシアの商売は相当えげつないと聞く。
海千山千の日本ビジネスマンでもやられてしまうぐらいだ。

今年は解散総選挙があると期待しているので,
自民党が復活,麻生氏に外務大臣になってもらって,
ロシアと交渉してもらおう。



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2011年07月01日

WAROTA 北朝鮮が核軍縮会議の議長に


ジュネーブ軍縮会議で北朝鮮が議長国、批判相次ぐ朝鮮日報
/ライブドアニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/5675719/

記事中にあるとおり、
北朝鮮が核兵器削減を目指すジュネーブ軍縮会議の議長になることは、
「猫に魚屋を任せるようなもの」

ジュネーブ会議は、1978年、
国連の第1回軍縮特別総会の決定に基づいて設立された
唯一の多国間軍縮会議。
(国連の下部組織ではない)

起源は1959年にスイスのジュネーヴに設置された
10箇国軍縮委員会であり、
ワシントン軍縮会議とロンドン軍縮会議の間の
ジュネーブ軍縮会議(決裂)ではないようだ。


その核軍縮会議に北朝鮮が議長になる。

核は北朝鮮にとっては最大の防御策
かつ、最高の交渉材料

北朝鮮が核を手放すことは考えにくい、
六カ国協議設立以来、私はそう考えてきたし、
少し物事がわかる人なら簡単にわかることだ。

  北朝鮮砲撃事件 拙ブログ


また、北朝鮮にとってミサイルは
  韓国軍より優位にたつ
  重要な外貨獲得手段
である。


韓国より優位にたつ北朝鮮のミサイル技術

  韓国のミサイル戦力、北朝鮮の10%水準 中央日報
  北朝鮮によるミサイル発射実験_(2009年) WIKIPEDIA
  http://ja.wikipedia.org/wiki/北朝鮮によるミサイル発射実験_(2009年)

  ロシア主導で遅れる韓国のロケット開発(下) 朝鮮日報(魚拓)
  ナロ号調査委“2次発射失敗、韓国責任” 東亜日報、韓国語
  邦訳:2CH
  
北朝鮮のミサイル技術の元はロシアとされる。
要するにロシアのミサイル技術をパクッたわけだが、
パクるにはそれなりの技術がいる。
そういう技術を北朝鮮が保有している、ということだ。

そして、北朝鮮はロシアの技術を消化して、
曲がりなりにも自国の人工衛星を軌道に乗せようとしたとされる。
(結果は失敗したらしいが)


対して、韓国のミサイル/ロケット技術は低い。
韓国はロシアに助けを借りて、『自称』国産ロケットにより、
人工衛星を飛ばそうとした。

だが、内実は中身がブラックボックスのロシア製ロケットであった。
しかも、韓国側のミスにより、ロケットは爆発してしまった。

ロケットは各国にとり高度な極秘技術になるため、
韓国をしてもなかなかパクらせてもらえないようだ。


北朝鮮の重要な外貨獲得手段

北朝鮮には主だった輸出品はない。
何しろ、目だった産業がない。

だから、おかしな方向で外貨を積極的に獲得している。
おかしな方向とは
  ミサイル/核技術
  麻薬
  偽札

の3つだと言われている。

ミサイルに関しては、
  北朝鮮のミサイル輸出、1987年から510件 中央日報
  
北朝鮮にとっては、核やミサイルは生きながらえるための
切実な手段なのである。

その北朝鮮が軍縮会議の議長になる。
笑う以外にどんな表現があるだろうかw




  


posted by DEBUO at 11:48 | 世界の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月25日

緊張する南沙諸島


米、フィリピン支援鮮明に 中国覇権拡大に対抗


なぜ、中国は南シナ海に進出したがるのか。

第一に、エネルギー目当てということは皆さんがご存知の通りである。

だが、次の点が語られることは稀である。
南シナ海は、中国の非常に重要なシーレーンなのである。


中東から中国へ石油を運ぶときに、関門が二つある。
ペルシャ湾とマラッカ海峡である。

ペルシャ湾が封鎖されたらお手上げではあるが、
ここはすべての国にとって、コントロールが難しい。

しかし、マラッカ海峡は米軍の影響力が強い。
例えば、シンガポールは米軍との関係が密だ。


そこで、中国はマラッカ海峡が封鎖されたときのために、
いくつか対策を施している。

  パキスタン経由のパイプライン(グワダル港
  ミャンマー経由のパイプライン(シットウェ港
  マレーシア横断のパイプライン(ヤン〜バチョック

の三つである。

これはそのままインド包囲網(真珠の首飾り)の一部ともなるが、
それは別の話。

真珠の首飾り.png

このうち、マレーシアを横断するパイプラインで石油を運んだとしても、
南シナ海の航海の安全を図る必要がある。
現在の時点では、中東からの石油はほぼ船頼りなのだ。


さらには、基本的な中国の考え方だが、
なるべく緩衝地帯を広く取りたいと、彼らは考えている。

100年前に、欧米諸国に散々領土を侵食された、
その裏返しの防衛本能だろうと思う。

彼らの領土拡張は、コンプレックスの裏返しでもあるのだ。

中国戦略ライン2.jpg


以上の点から、南シナ海は沖縄海域よりも、中国には切実な海域である。

高まる東南アジアの緊張

ところで、ケ小平は、外交においてなるべく目立つな、
と訓示したと言われる。

それを、最近まで中国人はよく守っていた。
東南アジアと中国は仲が良かったのである。

ところが、経済的に大国になってくると、
中国は自信を深めたのだろう、
むしろ、増長ともとれるような侵略意欲を周辺諸国に見せ始めた。

だから、中国の周囲は敵国だらけである。
中国の外交下手がよくわかる。

無用な軋轢を避けるのは、
個人の人間関係だけではない。

日本の土下座外交がよく槍玉にあげられるが、
勇ましいだけが外交ではないということだ。


中国と東南アジアとの緊張状態は、
特に、ベトナムにその感が強い。

ベトナムは歴史的に中国に何度も侵略され、
戦後だけでも数度にわたって中国と戦争をしてきた。

ベトナムは、中国に対する警戒感から、
ロシアとの関係を強め、
さらにはかつての敵国であるアメリカにまで友好を求め始めている。

ベトナム軍の増強にも必死だ。

  参考:中国,フルボッコへ

お気楽なフィリピンは?

南シナ海をはさんでお隣のフィリピン。
国民性からわかる通り、実にお気楽な国だ。

この国は自国を守るということを理解していない。
植民地根性が身についているのだろうか。

その最たるものが、1991年のアメリカ基地撤退である。
左がかりは、ピープルパワーと言って持ち上げるが、
これは国益の極めて冷徹な実例である。

1995年にアメリカ軍が撤退を完了すると、
すぐに中国がフィリピンのEEZ内にある南沙諸島の一部を侵略したのである。
ミスチーフ環礁


引けば必ず押してくる。
この当然すぎる国家パワーのせめぎあいを、
中国は露骨なまでに見せ付けたのだ。

背景には、火山の噴火で米軍基地が使えなくなった、
ということもある。

仮にそうだとしても、基地撤退を求めたのは、
比戦後史最大の誤りであっただろう。

裏では、華人系の住民の活動があったと言われる。

華人は、中国から逃げてきた人々の末裔である。
だから、華人はそういう意味で世界一の反中である。

しかし、利に敏いのも、華人系の特徴である。
中南海からの何らかの働きかけに呼応していたとしても、
不思議ではない。


それはともかく、1995年に米軍は完全撤退した。
すぐに、中国は比国領土とされていた南沙諸島を占拠した。

南沙諸島は、ベトナム、フィリピン、マレーシア、中国の領土主張の
交錯するややこしい地域になっている。

南沙諸島.png


アメリカにとっては、フィリピンは全くのお荷物でしかない。
たかることを恥と考えない、怠惰な国を誰が好きになるだろうか。

ベトナム戦争終了で、米軍の再編が必要であったこともある。
火山の爆発で基地使用が困難になったこともある。

しかし、米軍は、フィリピンに対して何らかの影響力を残したかったはずだ。
フィリピンは戦略的に無価値ではない。


その最大の価値は、グアム基地の裏庭に位置する、
ということではないかと思う。

さらに、南シナ海は日本(沖縄)のシーレーンでもある。
グアムー沖縄は、米軍の世界戦略の中心的存在である。


中国にとっても、南沙諸島は非常に重要な地域である。

米軍がいなくなれば、中国が出張る。
まことに、当然過ぎるできごとがおきたわけだ。

これは、中国を責められない。
パワーバランスを崩したフィリピンが悪い。

ピープルパワーなどといって持ち上げても、
フィリピンに住む私にはその状況がよく理解できる。

彼らは毎日の生活にうんざりしていたのだ。
その矛先が米軍に向かったのである。

フィリピンは腹を立てているのか?

そうして目先の快楽を求めた代償は大きかった。

しかし、フィリピンが中国の横暴にどこまで腹を立てているのかは、
私にはわからない。

いや、腹は立てているだろうが、それは原始的な感情であり、
その感情が国の安全保障という意識に結びついているのかはわからない。

フィリピンは、欧米の植民地化によって区画された国なのである。
そのぶん、国家意識の非常に弱い国である。


ルソン島とミンダナオ島は同じ系列の言語をしゃべるとはいえ、
両者のしゃべる言葉は随分違う。

外見的にも、両者には若干の違いを感じる。
比がいくつかの国に分かれていたとしても、なんら不思議ではない。


合わせて、比人の国防意識も薄い。
比軍はこれ以上ないというぐらい、恐ろしく貧相である。

海軍のまともな軍艦は、
米軍の大戦時に使用されたポンコツである。
空軍にいたっては、戦闘機がないらしい。

  参考:貧国弱兵論 フィリピン編

兵士といえば、イラク戦争の時に、
フィリピンはアメリカと強い絆のあるはずにも関わらず、
フィリピン軍を撤収させた。

比人拉致事件で比政府の腰がひけてしまい、比軍を撤収、
米国に政治的打撃を与えたのである。


米軍基地がなく、軍隊もまともに機能しない。
軍人・政治家にはガッツがない。
戦略的な思考もできない。

ほんと勘弁してください状態なのが、比軍である。


今回、フィリピンは米軍から武器を貸与してもらうことになった。
さすがのフィリピンにも中国に対する警戒心が一部にはある。

しかし、フィリピンで暮らす私としては、どうも釈然としない。
もらえるからもらった、そんな感じがするのである。


ただ、中国から見れば、米比の結びつきが強化されたのであるから、
かなりのけん制にはなる。

しかも、ベトナムは中国に対して、真剣である。
さすがに、ベトナムは自国を守ることに関して苛烈だ。

南沙諸島周辺はますます緊張状態が高まっている。

中国は本当に外交下手

こうして、中国は周辺諸国に敵ばかり作っている。
もう一度言うが、中国はかなりの外交下手である。

中国が外交上手、と言われるのは、
無法であることを厭わないからだ。

中国人の商法と同じである。
それは短期的な利益を上げやすいが、
中長期的には決して良い方向に行くとは限らない。


東南アジアだけではない。
日本、韓国、ロシア、中央アジア、インド、
中国の味方が見当たらない。

パキスタンとミャンマーぐらいである。
(北朝鮮は微妙)

日本の左曲がりには中国好きが多そうだが。


おまけ

下の画像は、比海軍唯一のまともな軍艦。
対戦中は米軍の駆逐艦⇒自衛隊⇒比海軍という、動くのか?レベルの船である。

img_1044360_40578846_0.jpg


下の画像は、南沙諸島で中国がベトナムから強奪した『島』。

赤瓜礁02.jpg

赤爪礁というが、
ここは『礁』というだけあって、ほとんど海面下に沈んでいる。

ベトナムによると、満潮時には海面下に沈んでしまうという。
そうであるならば、島ではない。
沖ノ鳥島よりも状況が悪い。

中国はそこに無理やり建築物を建てて、無理やり『島』としているのだ。


中国の横暴はこれだけではない。
いかに中国が国際的に孤立した考えを持つかは、
次の投稿をごらん頂きたい。

やっぱり,中国とはつきあえねー




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2010年11月25日

北朝鮮砲撃事件

現在,パソコンを修理にだして,おそらく買い換えることになる。
北朝鮮砲撃事件は,友人の家で見た。
そばのネットカフェからとりあえず,私の雑感をここに記す。

★★★砲撃に至る北朝鮮の一連の崖っぷち外交★★★

韓国・哨戒艇沈没事件の時にも指摘したが,
北朝鮮はおそらく再度何かやるだろうとは思っていた。

しかし,私が考えていたよりも北朝鮮は
危険な綱渡りに出たようだ。

  ★核実験
    北朝鮮、3度目の核実験準備か 11月18日 朝日
  ★ウラン濃縮
    北朝鮮のウラン濃縮「挑発行為」…米特別代表 11月22日 読売
  ★そして,今回の砲撃
    北朝鮮、確信の暴走…不安定な境界を標的に 読売

である。
日付が接近している。

北朝鮮の暴走,という論説もいくつか散見されるが,
上記の記事を見れば,
今回の砲撃に明確な意図があるのは明白だ。

北朝鮮が気が狂ったのでは,決して,ない。


これは,金正恩体制作りを目指す,金正日の親心
という上記読売の記事がしっくりくる。

★★★核実験とウラン濃縮,再度の軍事的挑発は想定内★★★

驚いた,と申し上げたが,
核実験の兆候とウラン濃縮については,
驚きではない。想定内である。

ブッシュ時代,6カ国協議団は
北朝鮮のウラン濃縮についてスルーしていた。

協議の進展を図るためもあったろうが,
それは北朝鮮にウラン濃縮のお墨付きを与えた過ぎない。

北朝鮮に関わることは誠にメリットが薄い。
デメリットばかりだ。

北朝鮮の撒き散らすデメリットを防ぐために否応なく創設されたのが,
六カ国協議団だと私は思っている。


ウラン濃縮だけじゃない。
六カ国協議団が目指した,北朝鮮の核コントロールは
始めから機能していなかった。

金正日は,核の持つ威力にとりつかれているからだ。
核保有国になれば,軍事バランスがあっという間にひっくり返る。

それは,例えばパキスタンで見せた米国の姿勢にも示されている。
米国は自国に関係の薄い地域では
核を保有しても積極的に関わろうとしない。

実際,北朝鮮もそうだった。
(北朝鮮が核を保有しているのかは確認されていないが
 保有しているかもしれない,というだけで十分だ)

六カ国協議団はむしろ金正日に味をせしめさせたのだ。


韓国・哨戒艇に続く,何らかの軍事的行動をとることも予見された。
予見されたにも関わらず,私は今回の砲撃に驚いた。

驚いたのは,それがはっきりと北朝鮮が関与することを見せつけ,
さらに民間に砲撃したように見えることである。

これについては,後述。

★★★北朝鮮の目的★★★

金正日が目指すのは,
核保有国であることを世界に示した上で,
北朝鮮−金正恩体制の安定化だ。

金正日にとって,核は攻撃の道具ではない。
大きな盾であり,政争の道具である。
それは,世界中の核と同じ性質のものだ。

世界の軍事的安定が核バランスによりもたらされている,
その状況を金正日は自国で現出させているのである。

北朝鮮を核保有国と世界中に認めさせた上で,
体制の存続を図る,という読売の指摘は私の腹におちる。


さらに,私は東アジア情勢の緊張を指摘したい。
私は拙ブログで半年前にこのような投稿を行った。
  ★半島,有事?05/27

おそらく,正しい見方もあるだろうが,
若干見過ごしていた部分もあるようだ。

見過ごしていた部分というのは,
韓国哨戒艇撃沈騒動の前後から,
東アジア体制に変化が見られ始めた,ということである。

  南シナ海でのクリントンの発言資料
  沖縄普天間問題
  黄海での米韓軍事練習
  自衛官が米韓演習に参加資料
  韓国軍と物品役務を相互提供 首相、李大統領に提案へ資料
  尖閣に関するアメリカ高官の発言資料
  小沢一郎「尖閣諸島、“中国領”と認められない」資料

最近の事件を挙げてみたが,まだこれ以外にあるだろう。

特に,
黄海での米韓(日)合同演習は
北朝鮮の想定を超えていたかもしれない。

アメリカは空母を引き連れてくるは
犬猿の仲である日本が参加するは,
ノムヒョン時代にはおよそ考えられなかった
韓国側の軍事的安定がそこにある。


さらに,間違いなく周辺諸国はポスト金正日で
水面下の綱引きがある。

眼に見えるもの以外でも,
北朝鮮が圧迫を感じているのは想像に難くない。

★★★砲撃以前の周辺状況の変化★★★

李明博大統領
  タカ派。
  北朝鮮強硬派
  あわよくば,統一を狙う
  また,オバマ−李明博の蜜月
  (おそらく,オバマにとって外国指導者唯一の友人が李明博)

  金大中−ノムヒョンの親北政策とは180度転回した。

アメリカ

  黄海で韓国と合同演習。
  但し,この演習は米にとっては対北朝鮮というよりも,
  対中国のため,と私は認識している。
  オバマは李明博と大の仲良し

日本

  親韓政権
  但し,売国的な親韓政策も目に付くが,
  少なくとも,軍事的に韓国と接近しているのは,
  売国心情からではない。
  対中国包囲網の一環として,私はそれを捉えている。

ロシア
  NATOとの接近。
  それには,対中国包囲網の一環としての意味合いもあると思う。
  ロシアが上海機構以来の中国との短い交友関係を
  見切り始めている,と思われるのだ。

  なお,ソ連時代はともかく,ロシアは親北朝鮮ではない。
  ロシアはシベリアの不安定要因である北朝鮮を警戒している。

★★★北朝鮮の目的その2★★★

ウラン濃縮も核実験も再度の軍事的紛争も私の想定内だった。
しかし,私が驚いたのは,
核実験(疑惑),ウラン濃縮発表,砲撃の一連の流れだ。
一気にこの3つの事件が起こった,
ある意味,手際の良さに驚いたのだ。

また,砲撃は民間に対して行われたとされる。
(場所は,僻地を選んだようだが)
もしそうなら,前回の韓国・哨戒艇撃沈騒動よりもパワーアップしている。

民間への攻撃が哨戒艇撃沈よりも強い意味を持つ,
ということを北朝鮮が理解しているかどうかはわからない。

何せ,かの国では,人民は体制を支える道具でしかないから。
北朝鮮人民は,北朝鮮では畜生程度の存在である。


3つの事件を連動させ,なおかつ,砲撃はパワーアップされた。
北朝鮮の非常に強いメッセージが伺われる。

その点では,はっきりとした意味を感じさせなかった哨戒艇撃沈騒動よりも,
北朝鮮の意図が明らかだ。

★★★全面戦争にはならない★★★

この件は全面戦争にはならない。
戦争することが目的ではないからだ。

北朝鮮は,今回の砲撃を黄海での米韓(日)合同演習への
対抗と表明している。

  ★【北朝鮮砲撃】北朝鮮が声明を発表、
  「我が領海で射撃訓練を行った南に対して、断乎たる軍事的措置をとった」
  NHKニュース,2chで代用

米韓日の軍事的圧迫が背景にあるのは,
上記の通り間違いないだろう。

北朝鮮は攻撃に出たのではなく,
保身のために一連の行動に出たのだ。


金正日の最大の目的は,北朝鮮−金正恩体制の安定だ。
それを図るために,北朝鮮は瀬戸際外交を行う。

崖っぷち外交は,北朝鮮の得意技なのだ。
向こう側に落ちる=全面戦争に至る,
というのは,北朝鮮の真意ではない。

そこを紙一重でひらりとかわしていくところに,
金正日の狂気に近い天才的な外交手腕がある。


そもそも,戦争するのは下策,最低の外交だ。
それに,北朝鮮は戦争したら終了〜である。

北朝鮮は,韓国と全面戦争をすれば,3日以内にあらかたケリがつく。
1日もたないかもしれない。
武器が貧弱,という以前に,
武器も燃料も食料も不足しているからだ。


戦闘が数日で終了,
その後は,北朝鮮は抵抗しないんじゃないか。
ゲリラ活動をするほど,北朝鮮人は国に忠誠を誓わないのじゃないか。
そう私は予測している。

半島人は歴史的に愛国心が非常に薄いからだ。
基本的には自分が可愛い民族なのである。

半島人にとって,国家というのは,
自我意識の延長に過ぎない。

国家の滅亡の危機になれば,国家イメージはあっという間に収縮し,
半島人は自己の保身に躍起となるんじゃないか,と私は思う。


唯一,北朝鮮が抵抗できるとすれば,
大量の難民流出である。

韓国,ロシア,中国に難民流出,
そこに不穏分子を紛れ込ませておけば,
周辺国を不安定にさせることができる。


それに,全面戦争に到るまでに,まだいくつも障害がある。
少なくとも,周囲の国々は半島有事を阻止しようとするだろう。

全面戦争したくても,周囲がそれを許さないのだ。
それを見越して,北朝鮮は更なる瀬戸際作戦を敢行するかもしれない。

★★★韓国の出方★★★

韓国は,北朝鮮に強硬な態度を見せつつ,
世界世論を味方につけて,
北朝鮮にさらなる圧迫をかける体制を整えることになる。

  ★「何倍でもやり返せ」韓国大統領、力で対抗 読売
  ★米、軍事的示威行動も念頭に対抗措置検討へ 読売
  ★政府、周辺事態法の規定には該当せずと判断 読売
  ★北砲撃、国連安保理が緊急会合準備 読売
  ★EUも北の砲撃非難声明、行動の自制要求 読売


韓国国内は戦争に賛成する雰囲気にはない。
韓国国内はハト派ばかりだ。

韓国哨戒艇が撃沈されたとき,
李明博率いるハンナラ党は北朝鮮強硬姿勢を示した。
当時,統一地方選があったのだが,
戦前優位を言われていたハンナラ党は歴史的敗北をしたらしい。
 ★ソウル市長選は接戦 統一地方選、与党伸び悩む

戦争に刈り出されるのが怖い若者がネットを使って
反ハンナラ党に回ったからだ。


若者だけではなく,
北朝鮮と戦争,ということになれば,
08年の大打撃から回復しつつある韓国経済が
またもや失墜することになる。

韓国経済は,非常に脆い。
日本のマスコミは韓国経済の回復力に驚いているが,
私にはその回復力があまり驚きではないし,
相変わらず韓国経済は脆弱である,と思っている。

具体的には,韓国経済は相変わらず外国からの借金で回転している。
借金まみれなのは,政府・企業・国民,韓国の全てだ。

国内の蓄積があまりにも少ない。
だから,戦争ということになれば,
あっという間に外国資本が逃げ出す。

勿論,例えば日本でも戦争,ということになれば経済が低迷するだろう。
しかし,国内蓄積の分厚い日本は韓国ほどの影響を受けないだろう。

また,北朝鮮に残る韓国人,
特に金剛山開発(現代が関与)はイ・ミョンバクにとっても
気になるところだろう。


そう見れば,李明博と云えども
易々と北朝鮮と戦争をするわけにはいかない。

しかし,李明博は状況が整えば,
北朝鮮と全面戦争に持ち込むかもしれない。

李明博には半島統一の野望がある。

就任時に統一時には日本から数兆円引っ張り出す,
ということを公言していた。

それは彼の本心だろうと思う。
統一すれば,間違いなく,周辺国,特に日本は
祝い金を捻出する。

安全をお金で買おうとするからだ。
日本政府は喜んで統一資金を半島に与えるだろう。


また,李明博大統領は,半島統一の野望の一環として,
強大な多国籍軍の編成を望むかもしれない。

力技で北朝鮮を圧倒するためだ。

多少の損害,主に標的はソウルということになるが,
は覚悟の上で,勝負に出ることもあるかもしれない。

統一を成し遂げたという輝かしい名声と共に,
戦後復興資金を主に日本からかすめとり,
第2の奇跡の漢河を目指そうとしているとしても不思議ではない。

李明博は非常に野心の強い政治家だと私は考えている。
状況が整えば−これは中国の動向如何ということだろうか。

★★★周辺に与える影響★★★

北朝鮮が国家の存続を図りたい,という意図はわかる。
しかし,北朝鮮の行為はいたずらに周辺国を刺激し,
極東アジアで進む対中国包囲網を強める,
という結果にしかならない。

対中国包囲網を強める,ということは,対北朝鮮包囲網を強める,
ということと同義だ。

北朝鮮は,今回の一連の事件でもって,アメリカと交渉をしたいのかもしれない。

だが,中国対アメリカの構造を考えたとき,
北朝鮮の一連の行動は,アメリカに利を与えている,とみなさざるを得ない。


さらに,実は日本の右傾化に最も貢献してきたのは北朝鮮である。
日本が敗戦による眠りからたたき起こされたのは,
北朝鮮の,不審船事件,テポドン騒ぎ,拉致事件の影響である。

ここに今回の事件が加わった。
日本の対北朝鮮政策は厳しくならざるを得ない。
さらに,日韓の軍事的結びつきはますます強くなるだろう。


対する中国はどうするか。
相変わらず,何もしない,というか,何もできないだろう。

中国は世界中で巻き起こっている反中感情に頭を悩ませている(多分)。
尖閣騒動による中国の無法者イメージを払拭したいところに,
この一連の北朝鮮の行動だ。

胡錦濤は頭を抱えているかもしれない。


posted by DEBUO at 09:41 | 世界の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月20日

中国バッシングなど

★大流行の中国バッシングだが・・・

最近は,世界的に中国バッシングが大流行である。
【通貨戦争】【人権問題】【領土紛争】
少なくとも,この3点で中国叩きが盛んだ。

アメリカなんかは,
 ★【2010米中間選挙】「中国寄り」と対抗馬を非難 古森義久氏のブログから

80年代の日本バッシングを思い起こさせる内容ではある。
確かに,中国は通貨介入を盛んに行なっている。
通貨バスケット制度を採用,と公式に表明しているし,
何よりも,膨れ上がる外貨準備高が通貨介入を証明している。

★人の事を言えないアメリカ

ただ,非難するアメリカ。
あんた,人のこと言えるの?とは思う。

アメリカは大不況を避けるために,
金融緩和や財政投資を通じて市場にじゃぶじゃぶ資金を投入している。

それはドル安を生んでいるのだが,
それは結果としてドル安を生んでいるのではない。
ドル安はオバマ政権の目的でもあるのだ。

アメリカ国内は不景気で消費を上向かせるのは難しい。
だから,輸出に頼らざるを得ない。
そう,オバマは判断している。

廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ
からの抜粋だが,
Snap419.png

この1年で3倍程度にまでマネタリーベースが増えている。
ものすごい,金融緩和だ。
日本でこんなことをやったら,『ハイパーインフレ論者』が総動員で
政府を叩くだろう(笑

しかし,アメリカの物価には大きな変動がない。
金融緩和をしても,それが市場に出まわらないと意味がない,
ということだ。

銀行には金がうなるほどあっても,
借りる人がおらず,借りたい人は借りられず,
という状況下にあるわけで,
この状況は,小泉政権の頃,日銀がゼロ金利政策をとっても,
市場はさして反応せず,
円キャリーを起こして世界市場を歪めてしまったことに似ている。

★アメリカの輸出新興策には疑問がある

また,オバマの輸出拡大政策。
アメリカは中国の輸出を削って,何を輸出しようというのだろうか?

中国とアメリカとでは製品がバッティングしない。
中国が作る低レベル製品はアメリカには作ることができない。
低レベル製品だろうと,製造ノウハウがあるのだ。

中国の輸出を叩いたとしても,
その結果,例えばインドネシアの輸出が増えるだけになる。


そもそも,アメリカ企業は輸出するよりも,
現地に進出して工場を建てることを選ぶ場合が多い。

中国を叩くのはいいのだが,
中国に進出したアメリカ企業を叩くことにもなる。
だから,中国に友人の多いアメリカ人は,中国叩きに慎重になりがちだ。

★中国マネーの行き先は?

その中国。
アリバイ作りのために,ほんのちょっぴり元高の方に動かしているようだ。

中国の元安政策は,確かにアメリカではなく,
他の途上国の雇用を奪っている。

そういう意味では世界経済を大きく歪めているのは間違いない。

それだけではなく,中国であふれたドルは再び世界をかけめぐるから,
中国資本が各国に向かうことになる。

しかし,こんなデータがある。

私の住んでいるフィリピン,中国マネーが流入して不動産バブルが起きている,
ということはかなり前から言われている。

ところが,フィリピン経済金融情報というメルマガによると,

フィリピン中央銀行(BSP)発表。
2010年年初9カ月(1-9月)間の海外からのポートフォリオ勘定純流入額は
前年同期比519.7%増(約6.2倍)の14億2,000万ドル。
対比投資国上位5カ国は、米、英、シンガポール、ルクセンブルグ、香港
で全体の80%を占めた。

欧米がじゃぶじゃぶ輪転機を回して紙幣を市場に流している結果,
資金が新興市場に流れこんでいくだろう,というのは
私でも半年前から予測できた。

それは,『前年同期比519.7%増(約6.2倍)』という発表から
裏付けされている。

しかし,投資国に中国の名前がない。
香港経由とか,鵜飼投資とか,そういうのも考えられるのだが,
基本的に,中国からの投資が少ないんじゃなかろうか。

中国に一旦入り込んだ資金は,なかなか国外に逃げ出しにくいと言われる。
中国には非常に厳しい投資規制があるからだ。

だから,諸外国で問題にされる中国マネーというのは,
ひょっとすると,過剰に問題にされているのかもしれない。
★中国は明らかにバブルだ
中国マネーが諸外国に大量に流入しているかどうかは,
私にはわからないが,はっきり言えることは,
元安制度が中国にも大問題として降りかかっている,
ということだ。

中国は現在バブル,と言われる。

それは,次の4点に原因を求められる。

 @通貨介入を行い,そのためにドルを買って,元を売る.
  結果として,元が大量に市場に流れ込む。
 A世界最大の貿易黒字のため,ドルが銀行に貯まる。
  ドルは元に変えざるを得ないから,やはり市場に元が大量に流れ込む。
 B去年から続く,大量の財政投資。
 C溢れ出る元に対して,しょぼい個人消費
  元を消化できないから,元が投機マネーと化す。

中国GDPの半分近くが,投資で成り立つ
という,恐ろしい状況。
  中国 日本 アメリカ ドイツ
個人消費支出 35.64 56.9 69.95 56.48
政府消費支出 13 17.6 19.06 18.10
総固定資本形成 45.48 23.6 16.33 19.02
在庫変動 2.04 0.5
0.40 0.16
純輸出 3.83 1.4 −5.75 6.24
         
  2009年 2006年 2006年 2008年
数字は%。 ★祭りの前 その3より

現在,中国では溺れ死ぬんじゃないか,というぐらいの元が流通している。
通常ならば,凄いインフレになるところだが,
なぜか中国では目立ったインフレにならない。

  ★中国インフレ懸念高まる 5月消費者物価3・1%上昇 産経

前年同月比で,3%強上昇した,とか騒いでいる。
ここが不思議だ。
どういう数字のはじき方をしているんだろうか。

少なくとも,上海のマンションは既に日本並の値段になっていると言われている。
上海の食品値上げニュースを読んだこともある。

それとも,中国全土的には,都市部の動向は薄められてしまうのだろうか。
或いは,適当な数字なんだろうか。

ちなみにフィリピンでは,だいたい3〜4%程度の物価上昇が普通だ。

  ※中国公式のCPIはおかしい? NYTIMES

インフレはともかく,元安は中国バブルの一端を担っているのは間違いない。
中国バブルは,ポーカーのレイズと同じだ。
チキンゲームであり,蛇口を止めた瞬間に中国バブルが弾ける。

その中国バブルを支えるのが,元安政策なのである。
輸出の減少は,中国国内産業の打撃にもつながるから,
中国は,是が非でも元安政策を続けざるを得ないのだ。

しかし,元安政策を続け,市場に元が溢れると,
インフレ懸念が高まる。
物価上昇は,国民の不満に直結するから,
無視するわけにもいかない。

インフレが高まったことで,北京政府は政策金利を上げたようだ。
  ★【社説】中国の利上げ 中央日報
ところが,金利を上げれば,中国に資金が流入する。
それは,バブルを促進させ,元高圧力になる。

中国はレイズ勝負から降りられないが,
行き着く先は壮大な自爆ではないのか。

★とんちんかんな日本の経済運営

ところで,日本(笑
先日,通貨介入を行ったことで,世界中,特にアメリカから
空気読めよ,と名指しされている。

通貨介入と金融緩和や公共事業に差はない。
短期国債でドルを買い,円を売る。
売った円は市場に流れ込む。
特に,今回は日銀が円を回収しない(不胎化しない)ということだから,
これは,金融緩和と同じ性格のものである。

公共事業と違う点は,公共事業には市場活性の効果が望めるのに対して,
通貨介入それ自体には市場活性の効果を目的としていない,ということだ。

通貨介入して,幾許かの円安効果を得られたとしても,
市場の流れを押しとどめる力はない。

さらには,欧米から非難さえ受けてしまうのが現状だ。

つまり,円安にしたいのなら,アメリカと同じことをやればいいのだ。
つまり,市場にじゃぶじゃぶ資金を流れこませる。

金融緩和や財政投資をすれば,外国から非難されることもなく,
円安方向に持っていける。

それは,日銀マンも財務省も理解しているはずだが,
彼らはそうしない。

相変わらず,『日本の借金が』などと声をはりあげている。
そして,そういう論調を多くのマスコミや自称経済評論家は崩さない。


その一方で外堀がだんだん埋められてきている。

  ★IMF 世界金融安定報告書 2010.10
   日本国債「近い将来に国債市場の崩壊は起こりそうにない」 
  ★財務省 外国格付け会社宛意見書要旨 2002
   日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。

マスコミにも,『正しい』論評を載せるところもでてきている。
さて,自称経済評論家たちの論調を眺めるのも楽しいことではある。

  ★恐ろしいのは円高でもデフレでもない 池田信夫


posted by DEBUO at 18:43 | 世界の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月13日

中国,フルボッコへ

尖閣に対する中国の非道な対応は多くの国民を憤慨させ,
民主党のあまりの未熟さと,管氏の相変わらずの中身のなさが
浮き彫りにされた。

しかし,この事件は改めてチャイナリスクを国民に刻み込んだだけではなく,
東アジアに,まだ19世紀のまま取り残されている地域がある,
ということを全世界中に見せつけている。


例えば,フジタ社員拘束。
この手のやり口は,中国では珍しくない。

  ★広東で日本製化粧品に禁止物質検出か。資料
  ★質検総局:日本産食品に問題続出と警告、対抗措置か 06/09/14資料
  ★カルフール不買運動(仏のチベット抗議に対して)

企業にとって見れば実に理不尽な中国のやり口は昔から知られていた。
それどころか,外国企業と合弁会社を設立し,ノウハウを吸収したら
外国企業を追い出してしまうとか,そういう国なのだ。

何しろ,毛沢東語録にこういう文があるという。
 『対内矛盾はすべて対外矛盾にすり替えよ』


そういう中国の強圧的な姿勢が,特に周辺国に驚異をもたらしている。
日本に住んでいると,中国の恐ろしさを感じにくいかもしれない。

しかし,東南アジア諸国は中国の恐ろしさに身震いしている。
特に,ベトナム。
ベトナムは,中国に接し,戦後何度も中国と紛争を起こし,
現在は西・南沙諸島で紛争を繰り広げている。

ベトナムは必死だ。
中国の脅威から自国を守るために,米露に接近している。
  ★露、カムラン湾再進出 越と基地使用合意へ 露紙 産経
  ★米軍は韓国、ベトナムと軍事演習を強行:宮崎正弘

自国の軍事増強にも熱心だ。
  ★ベトナムがロシアから潜水艦を購入する契約に調印 週刊オブイェクト


キロ級6隻を20億ドルの契約。
ベトナムの09年歳出は491兆3000億ドン(約2兆8600億円)。
潜水艦購入だけで,ベトナム09年歳出の6%程度を占める。

これを日本に当てはめると,09年の歳出は約90兆円だから,
5〜6兆円程度の予算を潜水艦購入にあてたことになる。
ちなみに,日本の軍事予算は5兆円程度だ。


ノルウェーのノーベル平和賞という話題もつい先日のことだ。
  ★【主張】劉氏ノーベル賞 国際世論が迫った民主化 産経
2010年,という時期に受賞が決まったのは,決して偶然ではないだろう。

東アジアのみでなく,世界的に中国の強圧的な姿勢に懸念が出てきているのだ。
  ★【劉氏に平和賞】オバマ米大統領「一刻も早い釈放を」 産経
  ★仏外相が釈放要求の声明 産経
  ★台湾首相、授賞決定を評価 産経
  ★豪,中国政府に対して、劉氏釈放を要求していく。 日豪プレス
    ※管首相の対応との違いにめまいがしそうだ。


また,G20の議題は,為替操作。
為替操作と言えば,中国。
中国は,ドルとほぼ連動しており,常時多額の為替介入を行っている,
と見られている。


つまり,中国は【安全保障】【人権問題】【為替介入】の3点において,
世界中から厳しい目を向けられている,ということだ。




posted by DEBUO at 00:00 | 世界の政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月30日

中国のインド洋戦略

中国のインド洋戦略

エネルギー・ルートの確保

中国の不安の一つは,中近東から石油を運ぶときに,
マラッカ海峡を通ることである。

マラッカ海峡はアメリカの強い影響下にあると言われている。
また,海賊の多発地域のため,いつ閉鎖されるかわからない

そこで,中国はエネルギー・ルートを複数開拓しつつある。


複数のルート開拓(地図参照)


 @パキスタンコース
  グワダル港〜陸路〜新疆ウイグル
 Aミャンマーコース
  シットウェ〜陸路〜雲南・昆明
 Bマレー半島横断ルート
  ヤン〜陸路〜バチョック〜南シナ海
 Cその他
  バングラディッシュ チッタゴン港

また,シーレーン確保にあたって,重要な港も合わせて取り込んでいる。

 @スリランカ
 Aモルディブ,モーリシャスなど

真珠の首飾り.png
クリックすると拡大します


真珠の数珠つなぎ


上記の地域を線で結ぶと,インド包囲網になる。
これを『真珠の数珠つなぎ』政策と呼ぶらしい。

それぞれの港には中国の多額の資金が投入され,
港湾施設,石油精製施設,パイプラインが建設されつつある。

また,これらの港は中国海軍が寄港することができる。

当然,インドはピリピリしている。
 ★インドが核ミサイル配備、専門家「中国に照準あわせ開発」

この報道の背景には,インドの切羽詰った上記のような事情がある。

  参考:中国、「真珠の数珠つなぎ」政策 緊張高まる中印関係 大紀元


パキスタン グワダル港

特に注目されるのは,パキスタンのグワダル港。
ここは,ペルシャ湾の入り口に当たる。
中近東シーレーンの喉元を中国が押さえているわけだ。

ここが中国の中近東進出の拠点になる。
石油基地だけではなく,軍港としても機能するという。

中国とパキスタンは非常に仲がいいが,
その理由はこのグワダル港にある,と言っても過言ではない。

また,同じ理由で中国が新疆ウイグルを手放さない理由の一端が伺える。

なお,パキスタン〜中国は,高速道路が建設されており,
また,石油及び天然ガスのパイプラインが建設中という。

パイプライン

なお,パキスタンはアメリカの同盟国でもある。
同盟国となった経緯はこちら

ムシャラフ元大統領が08年に失脚してからは,
パキスタンはロシア寄りにあると言う。


スリランカ ハンバントータ港

ここもシーレーンとしてでなく,軍事的にも重要な場所だ。

スリランカは長年,反政府勢力「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」
に悩まされてきた。
スリランカは中国の援助を得ることで,組織を制圧。
その見返りとして,スリランカは中国にハンバントータ港の
開発・利用権を与えたとされる。

  参考 スリランカ最大級港湾完成 中国、海洋路確保へ支援


ミャンマー・シットウェ港

ミャンマーは軍政であり,アウンサンスーチーを抑圧して
西側諸国から非難を受けている。
中国はミャンマーの数少ない友人である。

その関係は,ミャンマー・シットウェ港から中国・昆明に至る
パイプライン建設に現れている。


マレーシア ヤン〜バチョック

マラッカ海峡封鎖時の対策として,
その直前のマレーシア半島を横断するコースにもパイプラインを通そうとしている。
それが,マレーシア西海岸のヤン〜東海岸のバチョックの間にパイプラインである。


中国を支える,南シナ海,しかし,尖閣は?


こうして見ると,中国が南沙諸島にこだわる理由の一端がわかる。
南沙諸島には海底石油も確認されているのだが,
もし南沙諸島をアメリカ等に閉鎖されてしまうと,
中国はすぐに干上がってしまう。

ところが,尖閣は違う。
ここは中国の経済を左右する場所ではない。

そこで疑問点がある。
先の事件で,中国船には船首に固いものが付いていたという。
それで海保の弱い部分にぶつけてきたという。

明らかに,悪質な意図がある行為である。
おそらく,船長は軍人だろう。

それは北京の指示のもとになされたのだろうか?
あまりにバランスを欠いた行動と考えざるを得ない。

軍部が独走したんじゃなかろうか。


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2010年09月29日

南沙諸島でのフィリピン その他各国対応

南沙諸島ミスチーフ環礁 中国がフィリピンから奪った環礁。

南沙諸島の場所:

Paracel_Spratly_Islands.png

南沙諸島.png
クリックすると,拡大します。

礁(リーフ)とは,浅瀬に見え隠れする岩のこと。
それが輪のようになると環礁と呼ばれる。

下の画像のように,元来人の住むところではない。
中国は,無理やり建造物を建設している。

meiji_jiao2a.jpg

ミスチーフ建造物.jpg
資料


経緯:
1938 南沙諸島,日本が領有
1949 フィリピンが南沙諸島の領有を宣言
1951 SF条約で日本が領有を放棄。

70年代に海底石油の存在が知られる
1973 ベトナムが南沙諸島の領有を宣言
1974 中国が抗議声明
南沙諸島で各国の占有競争が起きたため,
中国も含めたASEAN会議で現状維持の取り決めを行う

1992 比から米軍基地撤退
1995 比から米軍完全撤退
同年  中国が南沙諸島ミスチーフ環礁に建造物を建設

南沙諸島ミスチーフ環礁は,比パラワン島のEEZ内にある。
ここは,海なのか陸なのか判別できないような場所で,
建造物を建設して管理する,というところではない。

だから,フィリピン海軍がパトロールにて管理していたが,
モンスーン時期で海軍がパトロールできない時期を狙って中国が入り込む。

やり口はこうだ。
⇒中国は漁船に偽装した海洋調査船をこの海域に多数派遣。
⇒数でもって事実上の海域占拠。勿論,漁船じゃない。
⇒95年2月に建造物を建設しはじめる

また背景には,フィリピンの中国系住民の米軍撤退運動があると言われる。

マニュアルがあると考えられている。
尖閣でも,同様のやり口で事が推移している。

くどいようだが,南沙諸島ミスチーフ環礁は,
フィリピンが領有を宣言し,
フィリピンのEEZ内にあり,
事実上のコントロール下にあり,
現状維持を中国と約束していたにも関わらず,
米軍のいなくなった軍事的空白を利用して,
或いは,米比関係が希薄になったところを狙って,
人の住む場所でないところに,中国は無理やり建物を建てたのだ。


なお,米軍は21世紀になってフィリピンに軍隊を常駐させているが,
これは911を睨んだ,対テロ部隊。
アメリカのこの地域への関わり方は現状ではわからない。
グアム米軍基地との緩衝地域というところか。

中国を尖閣に上陸させてはならない

さて,尖閣だが,
中国がそこに無理やり上陸して建造物を立てたらどうなるか。
現政府は,
『出ていってください』と何度もお願いするんだろう,きっと。

中国は,尖閣に建造物を建てるために,少しずつヒット&アウェイで
様子を探っている。

日米が上手くいっていない&日本政府が腰抜け,
ということがわかれば,堂々と尖閣に上がりこみ,
そこを基地にしてしまうだろう。

だから,事前に中国に正しいメッセージを送る必要がある。
只じゃスマンぞ,と。
9条は尖閣を守ってはくれない。

軍が主体,又は軍の独走で事がなされる可能性が強いので,
特に力を見せつけることは大変重要だと思う。

力とは,
海保と海自が身動き取れるような法律整備。
現場周辺での取り締まりの強化。
尖閣に拠点設営。
周辺各国(米豪印,韓東南アジア)との連携。
何よりも,政権自体が覚悟を決めること。

もう領土問題はない,などといって物事を曖昧にしていい段階ではない。
それを民主党政権が破ってしまったのだ。
遅かれ早かれ,中国の国力の増大と共に,
あの地域が紛争化しただろう。
領土問題がないのなら,堂々と侵略者に立ち向かえばいい。


現政府はそれをどの程度理解しているんだろうか。
理解していても,それを実現する方策に不安があるのだろうか。

彼らの理解不足かつ能力不足,というのは今更指摘することでもないが,
そうですか,ではすまない。


中国が尖閣に建造物を立てたら,非常にややこしくなる。
現政権程度の交渉能力では太刀打ちできないだろう。

そうなると,アメリカのバックアップも怪しくなる。

アメリカは日米安保の及ぶ範囲を実効支配の及ぶ範囲,と限定している。
現状の尖閣は日本が実効支配しているので,
米軍が出張るのに問題がない。

しかし,尖閣が中国の支配の及ぶようになると,
米軍は第3者として,積極的な関与を避ける可能性がある。
アメリカは尖閣の帰属を判断する立場にないからだ。

だから,中国が尖閣に上陸してそこを占拠するのは,
日米共になんとしても避けなくてはならない。


もう遅いかもしれないが,中国に強力なメッセージを送る必要がある。
そうでなければ,中国は尖閣に上陸してくる。
上陸されたら,戦争でしか取り返すことができない。

その時,日本は独力で対処しなくてはならないかもしれない。
しかし,独力でも日本は領土を必ず取り返さなくてはならない。

その時は,経済面はあきらめよう。
そもそも,民主党を選んだのは日本国民なのだから。


民主党とその支持者には反戦思想の強い人達が多いと思う。
しかし,近年の政権では最も紛争に近い位置に民主党政権がいる。

好戦からは遠いはずの彼らが紛争を手繰り寄せる。
決して,何かのアイロニーなどではないと思う。

126628199864916320653.jpg


中国への各国対応

日本
2010年尖閣諸島周辺で中国漁船に巡視船が体当たりされ拿捕
しかし,中国に恫喝され,即座に解放

韓国
2004年〜2007年の4年間で違法操業の中国漁船2037隻を拿捕。
中国人2万896人を逮捕。 支払わせた保釈金合計は約18億円(日本円換算)。
2008年、韓国海上警察員が中国漁船に監禁されたり死亡する事件が発生。
韓国政府は取締強化策を発表し、
「凶暴な中国船員には銃器の使用も辞さない」と非常事態宣言を発動。 資料

マレーシア
2009年、中国政府が漁船監視船(相手を威嚇するための武装船)を派遣。
マレーシア海軍は「自国の水域内でマレーシア漁船を警護する責任がある。
もし中国が我々の領海を侵犯したことが確認されれば、直ちに駆逐する」と宣言。 資料

フィリピン
南沙諸島では中国にしてやられたが,
黄岩島では中国にかなりの抵抗をしている。
2000年には漁船に発泡,死者1名が出ている模様。資料

インドネシア
違法操業の中国漁船に海軍発砲、3人死傷 インドネシア 資料
2009年、違法操業していた中国漁船8隻を拿捕、乗組員77人を拘束。
当局は「たとえ罰金を払 っても拘束は解かない」とコメント。 資料

ロシア

2008年、ロシア国境警備隊が中国探査船を拿捕。資料


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2010年08月10日

米紙ニューヨーク・ポスト「日本に謝罪する必要はない」

9日は長崎原爆の日ですね。
私が子供の頃(60〜70年代初)は,
朝から鎮魂番組ばかりだったような記憶がありますが,
いつ頃から特別番組がなくなったんでしょうか。

私の子供の頃は,軍事専門雑誌『丸』を購読するほど,
軍事関係に関心がありました。

目的は,戦闘機とか軍艦の写真なんですけど,
私は活字人間,活字大好き少年でしたから,
合わせて兵隊さんや市民の手記とかも読むわけですね。

ガダルカナル,インパール,大和沖縄出撃とか,
特攻,硫黄島,東京大空襲,そして2発の原発,
悲惨なんてもんじゃありません。

だから,戦争とは何か,というのは割合リアルに知っていたと思います。
それがどう影響したのか,私は兵器大好き少年でしたが,
日本があのような悲惨な目に遭ったのは,日本のせい・・・
というおかしな感想を持っていました。

正確には,日本と欧米のせいなんですが。
先の大戦は,マフィア対ヤクザの戦争みたいなもんで,
戦争に正義なんてものはありやしません。

せいぜい,『』付きの正義があるぐらいで。
言い訳程度のもんですね。


さて,アメリカ大使が広島の式典に出席したことで,
アメリカが動揺しているようです。


大使の平和式典参列 一部米紙で痛烈な意見

NYポストとかWSJは保守系の新聞だったと思います。
まあ,NYポストは東スポ並かもしれませんけどね。

WSJは冷静な記事ですね。
  『ルース大使の広島訪問は「日本との連携を強くするかもしれないが、
   オバマ政権に政治的リスクをもたらすかもしれない」』

しかし,NYポストは動揺を隠せません。
  『日本のアジア攻撃は悲惨なもので、原爆は戦争を効果的に終わらせた。
  日本に対して「謝罪する必要はない」と強調した。』

誰も謝罪しろなんて求めてないんですが。自爆ですか。

日本の原爆に対する姿勢,『この災禍を2度と繰り返さない』
というメッセージは他国の人間には理解しづらいのかもしれません。

原爆投下は,ドイツの民族浄化と並ぶ,残虐極まる,歴史的大事件です。
つまり,市民を大量に無差別に意図して殺戮した,ということです。

どれだけアメリカに『正義』があったとしても,
一瞬にうっちゃられてしまうほどの悪行です。

普通の神経の人ではまともに正視できないことをアメリカはしでかしました。
1000年後にもこの記憶がなくならないようなことをアメリカはしたんですよ。

だから,アメリカは未来永劫,大罪を背負ってしまったんですね。
そりゃ,まともな神経してれば,正視できませんよ。

でも,日本はアメリカの行為に対してどうこう言ってるわけじゃない。
原爆使用を人類全体の罪ととらえ,それを引き出してしまったのが,
アメリカだけじゃなく,日本もだ,という反省のもとに,
戦争を,原爆の使用を2度としない,と誓っている。

そのメッセージは明快だと思うのですが,
アメリカにはまだ理解する余裕がないのかもしれません。


さて,原爆使用の是非については,結論が出ていると思います。
『戦争を効果的に終わらせた』ということは主張しにくいでしょう。

以下は,ソースがありませんが,当時の米軍人が語ったとされる内容です。

レイヒ海軍大将
私の意見では、広島と長崎に対してこの残忍な兵器を使用したことは対日戦争で何の重要な助けにもならなかった。日本はすでに打ちのめされており、降伏寸前だった・・・
あれを最初に使うことによって、われわれは暗黒時代の野蛮人並の倫理基準を選んだことになると感じた。あのように戦争を遂行するようには教えられなかったし、女、子供を殺すようでは戦争に勝利したとは言えない。・・・

アイゼンハワー連合軍最高司令官(後 米大統領)
彼(スティムソン陸軍長官)が関連の事実を述べるのを聞いているうちに、自分が憂鬱な気分になっていくのがわかって、大きな不安を口にした。まず、日本の敗色は濃厚で、原爆の使用はまったく不必要だという信念を持っていた。第二に、アメリカ人の命を救うために、もはや不可欠ではなくなっていた兵器を使用することによって世界の世論に波紋を広げることは避けるべきだと考えていた。日本はまさにあの時期に、
「面目」をつぶさない形で降伏しようとしていると、私は信じていた。・・・

●ウィリアム・レーヒ提督
空と海からの完全封鎖と条件付降伏があれば日本本土上陸の必要すらない。

●グルー国務長官代理

天皇を守れるような条件つき降伏さえ認めれば日本は降伏する。

●ダグラス・マッカーサー将軍

(原爆は)軍事的に見れば全く不必要だ。

●アルバート・ウェデマイヤー大将
1945年初頭の諜報と日本諸都市の爆撃結果についての写真を判読すれば、東アジアにおける戦争の終結は、あと何週間かの問題であることがわかった。
……それなのにアメリカは、この事実を見て見ぬふりをし、最後の勝利を求めてソ連を戦争に引き入れた。アメリカの情報当局者は、日本に対して原爆を使用しないよう、またソ連に参戦の機会を与えないよう、アメリカ政府に対し勧告すべきであった。われわれは暗号解読によって、日本の天皇がモスクワ駐在の日本大使に対し、停戦を実現するためアメリカとの調停者となるよう、ソ連に要請する訓令を出したことを知っていた。
……アメリカは1945年の初め、連合国が無条件降伏を主張しないならば、日本には終戦の用意のあることを実際に知っていた。


教えてGOO『もし原爆投下がなければに多様な意見があります。
参考になさって下さい。


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2010年08月09日

知らない間に南シナ海で騒動が起きていた

南シナ海に関するクリントンの発言を追っていたら,
先月,中国はこんなことやらかしていたんですね。

南シナ海を中国の海洋権益と宣言 中央日報
共同通信によると、中国はこれまで分離独立運動が続いているチベット、新疆ウイグル自治区、台湾の3地域を核心利害地域に分類し、この地域に関する一切の譲歩や妥協を拒否してきたが、ここに南中国海を追加する新たな立場を確定した。


で,アメリカが

米中新たな火種 クリントン長官「南シナ海の航行の自由は米国の利益」


それを受けて,中国が

中国軍、第1列島線突破を断言 海上摩擦増加も


アメリカ軍はというと・・・

米原子力空母“ジョージ・ワシントン”がベトナム沖の南シナ海に到着


7月は私の引越しであんまりネット見てなかったんですが,
急にフィリピン近海が緊張してたようです。


両雄並び立たず,というのはいつの時代にもあること。
ちょっと前にはG2時代到来などと,米中蜜月時代があったんですが,
アメリカは自分を追い越そうとするものには容赦のないお国柄。

黄海での中国−アメリカのやりとりといい,ちょっとおもしろくなってきました。


南シナ海と黄海で緊張が高まっているわけですが,
このブログでも度々登場するこの地図。

列島線.jpg

黒い線がアメリカ(海洋勢力)と中国(大陸勢力)がせめぎあうラインです。
私はこれを便宜上,第2アチソンラインと呼んでいます。
中国は,このラインを第一列島線の向こうへ押したいわけです。

哨戒艇沈没に端を発する黄海での米中の押し引きは,
それ自体ならば局地的な紛争でしかありませんでした。

しかし,南シナ海でも米中間で騒動が起きているとなると,
これは戦略的な事態,とみなしていいんじゃないでしょうか。

両騒動とも,上記ライン上にありますから。


このラインは,アメリカ以上に日本にとっては生命線ですから,
南シナ海や黄海で何かあれば,真っ先に日本が全面に出るべきなんですが。

そして,そのことをASEAN各国はかなり期待していると思いますよ。
中国にカウンターをぶちかますのは,アメリカよりも日本。

国力からも,ASEANとの関係からも,国益の点でも,
早く自衛隊を開放したいですね。


さて,南シナ海での米中の衝突と共に注目される,
黄海での米中のやりとり。

基本的に,半島に関わることはババ引きと同じ,というのが
周辺諸国の共通した見方,というのが私の判断。
つまり,なるべくなら関わりあいたくない,と。

しかし,それは現状において。
半島には,不安定要素が一つあるんですよ。
金正日の死です。

あと何年彼が生きながらえるかわかりませんが,
そんなに遠い話じゃないでしょう。

彼が死去すれば,一気に半島は動乱を迎えます。
そういう観点から,黄海での米中のやりとりを眺めると,
興味深いものがあります。

金正日の死後,
  後継者がしっかり跡を継ぐ
  動揺した指導者層が中国にへつらう(中国の属国化)
  騒動が起こり,民衆が難民化する(国連の介入?)
  韓国との統一がなされる

いろんなケースが考えられるわけで。
米中ともイメージトレーニングは済んでいるんでしょうけど,
その前哨戦という意味合いにおいて,黄海の米中のやりとりは興味深いですね。

まあ,興味深い,なんて人事のような言い方じゃなくて,
日本としても積極的に対応すべきなんですがね。

できれば,関わり合いを持つのは避けるべきだ。
とお考えの方も多いでしょう。
私もそう願いたい。

しかし,半島は海洋勢力と大陸勢力のせめぎあう地勢にあります。
ですから,日本はどんなに嫌でも半島に関わらなくちゃいけないだろうと思います。

心底,うざいんですが。


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2010年05月11日

平和の楽園国家,コスタリカw

コスタリカといえば,
アメリカの軍事基地建設に反対し,中立を宣言した,中米の楽園。
そういうイメージが日本にはあるようだ。

ところが,ちょっと調べると,そのイメージはあっという間にひっくり返る。
むしろ,コスタリカの政治力にたまげることになる。


コスタリカ


非武装中立として,そして楽園として
主に左翼方面にもてはやされる国。

  コスタリカの人々と手をたずさえて平和をめざす会
  コスタリカは軍隊なしでちゃんと生きているのに・・・
  【軍隊を】軍事費ゼロのコスタリカ【捨てた国】

でも,この国は非武装中立でもなんでもない。


◆非武装じゃない。


コスタリカは,1949年軍隊廃止。
政敵が軍隊だったので,軍隊を解散したと見られる。

しかし,コスタリカは常備軍の設置を禁止しているだけで,
非常時には軍隊を設置できる。


また,軍隊の機能は警察組織に移管。
警察組織の軍事費は,隣国ニカラグアの三倍(2005年 日本外務省のデータ)。
警察組織が事実上の国防軍となっている。

(日本の自衛隊みたいなもの)


◆中立じゃない

Cs-map-EN.png

コスタリカはがちがちの親米国家。

何しろ,パナマとニカアグラに挟まれた国。
ほっといても,アメリカがちょっかいを出してくる。

安全保障をアメリカ合衆国に依存しており,
さらに米州機構のメンバーでもある。

確かに,コスタリカは83年に中立を宣言,
米軍基地建設に反対したが,
1983年から1985年の間、アメリカの対コスタリカ経済援助は、
コスタリカ政府予算の1/3に達したとされる。

すごい政治力がそこに見て取れる。

80年代後半から90年代にかけて,米軍との関係が疎かになったが,
その結果,コスタリカの経済・治安が悪化。

現在ではアメリカとの関係を取り戻し,
中米でパナマの次に豊かな国となっている。


◆コスタリカが楽園,というの左翼の作り出した幻想

WIKIPEDIAからの抜粋で恐縮ですが,
中米紛争の部分的解決という功績は、ラテンアメリカにおいてコスタリカの立場を確固たるものにした。日本において、日本国憲法第9条をめぐって国論が揺れ動く中、コスタリカを例に取り日本国憲法第9条を守ろうとする運動も存在するが、コスタリカに対する正確な知識なしに運動を行っている組織が多いのが現状である。

WIKIPEDIAだけじゃなくて,いろんなところで上記記述は確認できる。
昔の北朝鮮に対する思い込みみたいなもんか。

コスタリカ

コスタリカの歴史WIKIPEDIA
日本における「コスタリカの平和」論の危うさ
【非武装中立批判論:コスタリカの実情について】
非武装中立
永世中立国スイス連邦・非武装中立コスタリカ共和国 〜それぞれの国の現実〜


◆スイスは永世中立国だ
  ⇒国民皆兵隊
◆フィリピンは米軍を追い出した
  ⇒その年に中国に自国の領土をとられた
◆コスタリカは非武装中立国だ
  ⇒嘘
◆日本は9条に守られているw
  ⇒米軍に守られている

もう,こういう言説はお花畑認定されるだけなんだが,
未だにそういう主張をしている人たちがいる。

だから,その一つ,コスタリカについてちょっと調べてみた。


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2010年02月17日

沖ノ鳥島・赤瓜礁・離於島,面の厚さ選手権


海底火山噴火で「日本に新島?」韓国から領土問題解決を期待する声

日本の「沖ノ鳥島」整備に中国反発、ネットでは「日本が平和を侵害」


SearCHINAから。

まず,韓国。
記事にもありますが,新島出現したから,
竹島(独島ドクト)問題が解決して欲しいとわめいているらしいですw。
これが韓国クォリティ。

彼らにはあんまり脈絡がありません。
筋道たてて考える,ということが苦手な人が多い印象です。


不思議ですね。韓国人は基本的にはそんなに頭悪くないんですよ。
優秀な人も多いです。

でも,頭脳を何か激しくパワーロスする方面に使うんですよね,彼らは。
だからというわけでもありませんが,半島から何か生まれる,ということがありません。
創造性,想像性,論理性が欠落しています。半島の思考には。



続いて,中国。
こちらは,注意が必要です。

なぜ,中国が沖ノ鳥島などという中国とは関係なさそうな場所に関心を抱くのか。

中国には防衛ラインがあります。
西欧や日本に領土を切り取られたトラウマのせいなのか,
この防衛ラインをなるべく拡大したがっています。

中国は戦後,何度も隣接する国と紛争を起こしてきましたが,
それが海になると,例えば,フィリピン沖の南沙諸島奪取ということになります。
あそこは戦略的にも重要ですからね。

さらに,太平洋方面に関しては,
まず,沖縄諸島を突き抜けて太平洋に抜けるラインが欲しい。
そしてさらに太平洋を2分したような場所でアメリカと対峙したい,
と考えております。


第一列島線・第2列島線

列島線.png


この太平洋でアメリカと対峙する,という点に沖ノ鳥島がひっかかるんですよ。

もちろん,資源的な目論見もあるでしょうから,
この島,仮に日本が『いーらない』と宣言したとします。
あっと言う間に中国が領有を宣言してきます。

(民主党だとそういうことやりかねんよね。イメージ的に。)

沖ノ鳥島は,こちら。クリックすると拡大します。

沖ノ鳥島.jpg


面の厚さ選手権

中国にも沖ノ鳥島のような存在の島があります。

 ★赤瓜礁

僅かに水面に出ている岩の周りをコンクリートで固めて,
自国領土としています。沖ノ島方式ですかね。

面の厚さでは世界有数の中国人。
自分のところを棚に上げて沖ノ鳥島を非難しているわけです。

下の画像が件の島のようです。

赤瓜礁02.jpg

位置は,上記リンクでご確認ください。



しかし,世の中には上がいるもの。
中国人など足元にも及ばないような面の厚〜い民族がいます。

干潮時でも海底の頂きが水深4.5m,
つまり完全な海にも関わらず,
韓国は,そこに人工構造物を建設,
それを離於島(イオド)」と称して領土宣言してますw

 ★蘇岩礁

さすが,戦後のどさくさに紛れて日本の駅前の一等地を
不法占拠した民族だけのことはあります。

蘇岩礁01.jpg

なお,この島を韓国が領土宣言した経緯ですが,

韓国はサンフランシスコ条約締結までに,
対馬,波浪島,竹島を自国領土であると主張する意見書を米国に提出。

対馬は日本領であることが明らか、
竹島についても韓国が支配した過去はないとして米国は拒絶。
波浪島はそもそも実在しない島で、韓国は米国側に位置を尋ねられ、
「日本海にある小島」などと返答し、“島の捜索”を始めた。

韓国政府はその後、当初の「日本海にある」との説明を一転させ、
東シナ海にある蘇岩礁を波浪島と主張するようになった。

干潮時も海面に出ることがないため島ではないが、
韓国は「自国領の島」主張して像の設置や調査を進めたため、
中国から抗議されている。出典


やっぱり,半島の人間は世界中の人々を笑い殺すために存在するんでしょうねw

追記:2011/07/28


蘇岩礁.jpg韓国が蘇岩礁を領土と主張している,
というのは私の勘違いのようです。
現在は,法的には『暗礁』,ただし韓国の管理下にある,
と主張しているようです。

上記の経緯からは『島』と捉えていたんじゃないか,
と推測されますが,
現在では中国とのEEZ等の絡みがある模様。
こんな主張を中国がしています。

韓国実効支配の岩礁 中国が領有権主張 
外交問題に発展も
 産経
  

中国の領有権主張の根拠はわかりません。

そもそも,EEZ主張なのか,領海を主張しているのか,
或いは,『島』の領有権を主張しているのか。
領海を主張しているような感じですが。

中国につながる大陸棚は自国の領土,
とでも言いたいのでしょうか。

何しろ,彼らはこんなんですから。

  やっぱり,中国とはつきあえねー

普通なら,強く出て落とし所を探る,と考えますが,
中国の場合は,素で言っているかもしれません。

この海域は資源があるそうなので,
最低でも,共同管理区域,
あわよくば,強奪しよう,という目論見なんでしょうかね。


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タグ:沖ノ鳥島
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