2012年01月08日

TPP その7

TPP その6 の続き

TPP その6 で,ベタながら,
不可思議なTPPへの熱狂に言及した。

この『訳のわからない熱狂』というのは,
私が10代の頃から気になっていた事柄である。

それを最初に強く感じたのは,『江川事件』である。
絵を描いたのは,巨人と政治家である。
江川氏はむしろ被害者だと思う。

しかし,マスコムは黒幕ではなく,江川氏を叩いた。
それも,徹底的に,である。常軌を逸していた。


レベルが低いのは,
スポーツマスコミやテレビのモーニングショーだけではなかった。
その後も理性を越えた報道をしばしば目にすることがあった。

最近では,麻生氏に対するバッシングは正常な感覚を無くしていたし,
マスコミの民主党に対する愛情もまた,無条件で気持の悪いものだった。


この意味不明の熱狂というものは,
我々の周りでもしょっちゅう起きている。

例えば,『いじめ』。
いじめられる本人にも原因があるのかもしれないが,
いじめがエスカレートする場合がある。

本人がどう,という問題は飛んでしまって,
いじめることが目的化し,
場合によっては本人が自殺するところまで追い込んでしまう。


『いじめ』は,学校でだけおこるのではない。
近所づきあいや会社でも起こる。

集団のあるところ,
集団で形成される意思に個人が支配されてしまう。

個人の意思が,集団意識にコントロールされる,
これは大変怖い。

例えば,太平洋戦争に突入したのを,
日本の軍部や指導者のせいにしてきたし,
個人は被害者として語られることが多いのだが,
第2次大戦に至るまでに,
民衆の間にも戦争への理由なき熱狂が見られた,ということはないのか?
民衆が軍部や指導者の後押しをした,そういう側面はなかったのか?


これは日本特有の現象ではない。
世界中で起こる。

韓国やフィリピンなどの民度の低い国ではしょっちゅうみかけるし,
アメリカでも,容易に集団意思が形成される。


TPPに対する指導者層の熱狂には,
集団意識が個人の意思を凌駕した,というケースが見られるかもしれない。

TPP話のもちあがった当初は,
TPPにはまるで中身が伴っていなかった。

そのようなTPPに対して,政府,財界,マスコミは,
さもバラ色の未来が待っているような態度を示してきた。

明らかに,おかしい。
私はそこに盲目的な熱狂を感じたのである。


さて,現在はネット社会である。
我々は,以前よりも遥かに容易に,対象に迫ることができる。

私にしても,TPPが何なのかは,かなり早い時期に知ることができた。
簡単にTPPの賛成・反対意見を比較することができるからである。

以前ならば,本が発売されるのを待つしかなかった。
現在は,情報伝達スピードも情報量も桁違いだ。


情報格差

ここで,情報格差,というものに思いを馳せざるを得ない。
ネットを活用できているグループと,
ただ口を開けてテレビを眺めているグループとでは,
世界の認識にものすごい距離がある。

TPPに対しても,
それが賛成であれ反対であれ,
主体的に判断できるのか,そうでないのか。

そして,主体的に判断できないグループというのは意外と多い。
例えば,民主党に対する不可思議な熱狂がそうだ。

民主党がグダグダになるのは,
冷静になれば,選挙前に予想がついたはずだ。
もっとも,ここまでバカの集団だとは思わなかったが。

民主党に票を入れた人々は,その時の判断根拠を振り返らないと,
何度も同じ過ちを繰り返すことになる。

前述したとおり,
世の中には理由のない熱狂が数多くある。

政治で言えば,
  田中真紀子を首相に,と思ったことがないか。
  麻生元首相の漢字の知識は恥ずかしいレベルだ,と怒ったことはないか。
  民主党が世の中を変えてくれる,と絶対の信用をおいていなかったか。

付和雷同する人には一定のタイプがあると思う。
それは日本だけではなく,世界中にいる。

そしてそういうタイプは,祭が終わったときに,
祭に巻き込まれたのを誰かのせいにしがちだ。

判断が主体的ではないのである。


誰かのせいにする,というので典型例は陰謀論である。
私は陰謀論が嫌いである。

例えば,ユダヤ陰謀論を語る人は多い。
私はそういう人々をかなり冷ややかに見ている。


確かに,世の中は陰謀に満ちている。
当たり前である。

各個人,グループに思惑があるに決まっている。
大きな力を持った人やグループならば,それなりの大きさになる。

しかし,世界や歴史的スケールで眺めれば,
個人や一定のグループが方向を決めていく,
というのは愚かな考えだと思う。

スケールが大きくなればなるほど,
その流れを作るのはそこに関わる人達の総体である。

その流れに乗ることがあっても,
その流れに逆らう,ということは非常に難しい,私はそう思う。

仮に陰謀があり,その陰謀が成功したとしても,
主体は流れであり,陰謀は流れに上手く乗った,
私はそう考える。


最近だと,トヨタバッシングがそうだと思う。
トヨタを攻撃しようと企んだ人は,
アメリカ政府やライバル会社にいたかもしれない。

しかし,それを増幅したのは,アメリカ人の空気だ。
空気が流れていないのに,それを膨らますことはできない。

つまり,陰謀論は一人ひとりの気持の集合体なのである。
私はそのように考えている。


  ※話がそれるが,私が陰謀論を嫌いなのは,
   ユダヤ陰謀論やフリーメーソンなどを信じるタイプの多くに,
   一定の傾向が見られるということもある。。

   ひとことで言うと,自分の意見を過信するタイプ。
   他者の意見に対する許容度が少ない。

   自分の意見を過信しながらも,
   事象を陰謀のせいにする。
   主体的なようで主体的ではない。
   そういうおかしなことになる。

   但し,陰謀論をただの娯楽として楽しめる人を除く。


TPPが持ち上がったときにも,
日本の上部層で何か意味不明の熱狂があったように思える。

それは理性ではない。
民主党が大勝したときと同じような熱狂だ。

私はその熱狂が嫌いであるし,
非常に恐れている。

幸いなことに,ネットを開けば,
賢者の意見に簡単にアクセスできる。


ただ,情報格差と言っても段階がある。

  ネットを見ない人
  ネットを見ていても処理できず,情報の海に溺れてしまう人
  ネットを見て,情報を活用できる人

できれば,膨大な情報の中を上手く泳ぎ渡る術を見につけ,
他人に惑わされないような,しっかりした目を持ちたいものである。





posted by DEBUO at 07:37 | グローバリズム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月07日

TPP その6

ー不可思議なTPPへの熱狂ー

2010年の前半は,
政界,官僚(経産省),財界,マスコミ,
こぞってTPPを推進しようとした。

その眺めは気持ちの悪いものだった。
何しろ,結論ありきだったからだ。

少なくとも,政府,財界,マスコミは
TPPの中身を知らなかったのではないか?

しかし,TPPが何なのかわからず,
TPPに加盟すればバラ色の未来が待っていると言わんばかりの,
そういう論調が目についた。


気持ち悪い,としか申し上げようがなかった。
結論が先行し,中身のない熱気に浮かれる指導者を,
我々日本人は戴いているのだ。

これを,どういう切り口で眺めればいいのか?

正直申し上げて,私には良くわからない。
通り一遍のことしか申し上げることができない。

それを承知でベタな見解を並べてみると,

  アメリカの要請
  官僚にあっては出世
  政府はただのお飾り
  財界は自由経済主義バカとアメリカの犬
  マスコミはただの広報
  国民の情報格差  




アメリカの要請

オバマは輸出拡大を公言している。
日本をTPPに巻き込みたい,そういう思惑は必ずあっただろう。

というよりも,アメリカを根城とする大企業の要請があったのだろう。
例えば,金融業界。

日本には殆ど寝ているような金がある。
国債でしか運用できない金だ。

個人金融資産だけで1400兆円と言われ,
これに企業などの金融資産を合わせると3000兆円とも言われる。
この金は今後もどんどん増えていくだろう。

アメリカの金融業界は現在好況ではあるが,
それでも数年前に比べれば,随分と締め付けが厳しくなっている。
日本に目が向くのは当然であろう。


官僚(経産省)

そのアメリカの要請は,どういうルートで日本に来るのだろうか。
私にはその流れが良くわからない。

ただ,官僚にはアメリカの意を受けて動くグループがあるのかもしれない。
或いは,純粋にTPPが日本の国益である,と信じているのかもしれない。

何にしろ,日本のTPPを推進する中心には官僚がいる,と私は思う。


財界

財界が自由主義に惹かれるのは理解できる。
大企業にとって,制約がない方が活動しやすい。

しかし,財界は大企業のスポークスマンであって,
中小企業の苦しみなどには目が向かないかもしれない。

また,財界は大企業の代弁者であって,
日本の国益の代弁者ではない。
しかも,そもそも物の見方が偏っているように思える。

財界は,古くて偏った価値観に支配されていることがある。
年寄りばかりなのと,
日本に長く続く奇妙な偏見のせいだ。

例えば,良く言われるのは『日本は貿易立国』。
貿易黒字を増やさなくては,日本は潰れる,というもの。

日本は内需大国であり,
資源がないから,輸入せざるを得ないし,
輸入をするために輸出で稼がなくてはならない。

順番は,
  内需>>輸入>>輸出
なのである。

しかも,貿易で稼ぐよりも,
海外に投資して稼ぐほうが数倍多くなってきている。

外需を狙うのならば,貿易で稼ぐよりも,
現地で工場を立てる方向にある。
日本は投資立国なのである。

 (日本の円経済圏は世界の20%程度である,
   という報告を目にしたことがある)

日本経済のグローバル化は円高と相まって,
ますます拡大しているだろうと思う。

円経済圏の拡大,という視点でTPPを申し立てるのならまだ納得できるが,
貿易黒字を増やしたいから,という理由でTPPを推進するとしたら,
ずれているのではないか,と私は思う。

そして,財界はおそらくずれている。
現状認識がおかしい,ということだ。


政府

今までの民主党のやってきたことを考えれば,
民主党に当事者能力がある,とはとても思えない。

一つ言えるのは,
ポッポ時代に毀損した日米関係の修復に
民主党の一部が取り組んでいるだろう,
ということだ。

それがオーバーシュートして,TPPに及んできているのではないか。
親米に振り子を振りすぎて,
アメリカに突け込まれようとしているのではないか。

それと,TPPには外国人労働者の流通というテーマもある。
これは,民主党がかねてから狙ってきたテーマと重なる。
注意が必要だろう。


親米

気がかりなのは,
日本には無条件の親米派が存在することである。

民主党はかなりの程度まで日米関係を壊しかけたのだが,
それに対して気が気でない一派がいるかもしれない。

日本は長らくアメリカの強い影響力のもとに繁栄してきた。
だから,アメリカの犬,心の奥底までアメリカに支配された人々が,
政界,財界,官僚に一定の層がいそうである。

理性ではないので質が悪い。



TPP その7 に続く



posted by DEBUO at 11:19 | グローバリズム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月06日

TPP その5

年始からTPPを取り上げてきた。
あまりキレのいい投稿ではない。
若干,ステレオタイプだと思うし,
その前に理解不足である。

それは自分でもわかっているのだが,
テーマは見えている。

  現在の世界潮流
    増大するグローバリズムとローカリズムの軋轢
  何度も繰り返す
    日本の情緒的?反応


この二つである。

現在の世界潮流 グローバリズムとローカリズムの軋轢

グローバリズムと言っても,様々な切り口があるだろう。

例えば,ポケモンにより,
世界中の子供たちの合言葉は『ピカ』になった。
これは文化的なグローバリズムと言えるだろう。

或いは,豊かになってくると,
女性はダイエットに精を出し始める。
これも先進国の価値観が世界中に広がったからかもしれない。


グローバリズムはその地域にとって新しい価値観であることが多く,
地域特有の経済や文化と衝突する。

そのせめぎあいはずっと昔から続いてきた。
典型例は,植民地時代であろう。

欧州的な経済,政治,軍事,文化が世界中に広まり,
地域ごとに軋轢を生み,排斥や同化がなされた。


現在のグローバリズムとローカリズムの軋轢

端的に見ることのできるのは,
ユーロ』と『アラブの春』である。

ユーロ,あまりにも遠いその定着

ユーロには様々な欠陥がある。
ユーロは躓くべくして躓いている。

だが,制度的欠陥を克服し,
現状よりもより安定したユーロ合衆国をつくろうにも,
最後に立ちはだかるのは,国の壁だ。

例えば,イタリア,スペイン,ポルトガルの三国人は,
人種的に似たような人々である。

言葉も方言みたいなものだ。
宗教はカトリックである。

関東と関西程度の違いしかないように見える。
外見も文化も非常に似通っているのである。


ところが,その三国ですら,
統合が難しい。

ましてや,北欧と南欧とではますます統合が難しい。
いや,それどころか,一つの国の中でも,
地域的な対立がある。


『国民』というのは,一朝一夕に生まれるものではない,
それが非常に良くわかる事例である。

グローバリズムのもたらす経済格差

アラブの春
が連鎖した根本的な原因は,
経済格差だろうと考えている。

これらの国は所得格差がひどく,
物価上昇が庶民を直撃したために,
庶民の支配層に対する鬱憤が噴出したのだろう。

その格差を演出した一端には
グローバリズムがある。


以前ならば,貧しいながらも自給自足で生活ができたのが,
近代化の結果,人口が増え,
貨幣経済は貧富の差を生み,
旧来の自給自足経済は破壊されてしまった。

果たして,それが良いのか悪いのかは私にはわからない。
ただ,現在は悪い面が出てしまった,ということだろう。


また,アラブの春をさらに俯瞰すれば,
欧米支配が弱まったゆえの体制の緩み,
という見方もできると思う。

押さえつけていた蓋がとれれば,
溢れ出るものも多いというものだ。

世界を支配していた欧米の価値観(パワー)が後退すれば,
そこかしこでローカルの論理が顔をのぞかせる,というものだ。

TPPとグローバリズム

グローバリズムとローカリズムのせめぎあいは,
TPPにも表れている。

TPPは多国籍企業の論理であると考えられる。
多国籍企業VS各国という図式である。

同時に,中国に対するブロック化という見方もできる。
TPP加盟国VS中国,という図式だ。

そのTPPがこの時期に遡上に上がる,
というのは,歴史的な流れから興味深い。


21世紀に入り,ユーロもアメリカも絶好調だった。
それが全世界を覆ったわけだ。

それがリーマン・ショックにより暗転し,
隠されてきたものが表面に出てきている,
それが世界の流れである。

その時期にTPPが浮上してきたのだ。

グローバリズムは,大国や大企業のエゴを笑顔の下に隠し持っている。
経済的困窮時には,そのエゴがむき出しになるかもしれない。

その経済的困窮時とは現在のことである。

大国や大企業のエゴがむき出しになった,
その第一ラウンドがTPPかもしれないのだ。


不思議なのは,非常にわかりやすいTPPのエゴを,
日本の指導者層の多くがオープンハートで迎え入れたがっている,
そのように見えることだ。


TPP その6 に続く

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posted by DEBUO at 07:04 | グローバリズム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月05日

TPP その4 グローバリズム

TPP その1 その2 その3 の続き

★TPPは誰にメリットがあるのか?ー企業エゴ

NAFTAでアメリカの製造業は空洞化が進んだ。
その結果,アメリカはどんどん三次産業にシフトした。

しかし,金融業はあまり雇用を生まない。

しかも,三次産業の多くは,輸出には向いていない。
日本のマックバーガーはアメリカで製造しているわけではなく,
日本で製造され,日本で販売される。

三次産業はアメリカの雇用に必ずしも寄与するわけではない。

NAFTAはアメリカを変容させた。
TPPはNAFTAの第2バージョンである。

となれば,TPPは果たしてアメリカのためになるのか。


確かに,毒素条項はあからさまな大国エゴの産物である。
だが,オバマはTPPに乗り気でなかったと聞く。

なぜ,TPP反対デモがアメリカで頻出するのか。
NAFTAで落ちこぼれた人がたくさんいるからだ。

オバマがデモ隊と同じ心情を有しているとしても,
彼の当選経緯を振り返れば,不思議ではないだろう。


だが,オバマはTPPを推進することになる。
政権末期で再選を控えるこの時期,
オバマは大口の有権者に抗うことができないのであろう。

大口の有権者とは,要するに大資本のことである。
つまり,TPPを推進するのはアメリカの大企業,
たいていは,多国籍企業である。

アメリカの大企業は,アメリカではない。
多国籍企業という怪物である。


それはグローバリズムというバラ色に縁取られたお題目で
本質を隠されることが多い。

グローバリズムの本音は,多国籍企業の論理である。


マクドナルドの業績が良くても,
それは必ずしもアメリカ人の雇用に結びつくわけではない。

トヨタが絶好調だとしても,日本の工場は閉鎖が相次ぐ,
ということがありうる。

また,NAFTAのメキシコの例のように,
多国籍企業が地元企業を圧倒する例は数多くある。

大企業に占拠された市場では,
中小企業が淘汰されがちになる。


つまり,TPPを推進した結果,
競争力のない企業は淘汰され,
多国籍企業がのさばる,ということになる。

多国籍企業はたいてい効率が高い。
無駄な人材は不要,ということだ。
総体で見れば,雇用が減るかもしれない。

中小企業の生き残りにくい市場になるから,
創業精神はなくなる。
市場が硬直化する。


デフレの時代に,雇用の効率化をはかる。
未来を創造すべき新しい血は事前に潰されてしまう。

グローバリズムの悪しき側面はそういうことであり,
TPPがやろうとしていることも同じなのではないか。

★大国エゴ,企業エゴ

TPPには,以上のように
  大国エゴ
  グローバリズムー多国籍企業エゴ

がある。

それ以外にも
  経済ブロック化

という側面もある。

特に,中国に対抗する意味合いが強いだろう。
そうなると,軍事的な関連性も考えたいところだが,
私にはそうした性格付けはどうでもいいように思える。

あまりにもそれ以外のデメリットが大きいからだ。


グローバリズムは人を幸せにしない。


グローバリズムは企業の論理である。
企業はより激化する競争のために,より効率を求める。

製品は質を高め,より安くなる。
同じ人材であれば,安い雇用を選ぶ。

そのためには企業は簡単に国境を超えるから,
企業の繁栄は特定の国の繁栄を意味しない。

激しい競争に破れた企業は潰れる。
そうして,特定の企業の寡占化・独占化が始まる。

勝ち残った企業は繁栄するかもしれないが,
それは必ずしも従業員の幸せにつながるとは限らない。

ましてや,破れた企業で働いている人は失業だ。

これがグローバリズムの結果である。

グローバリズムは1990年代の流行であったが,
もう自由主義は古いといわざるを得ない。

しかし,北朝鮮のように国を閉ざすわけにもいかない。
自由主義と鎖国のどこかに着地点があるのだ。


政治家は国益を第一に考えなくてはならない。
グローバリズムは国益とイコールではない。

ところが,90年代に自由主義に染まった政治家は,
なかなかそこから発想を替えることができない。

そして,自由主義を謳う政治家は多くの場合,
増税主義者だ。
増税も90年代の潮流だと思う。

自由主義も増税もそれ自体が悪いと言っているのではない。
長所・短所,使い所を見極めることが肝心だと言いたいのである。


自由主義・増税原理主義者は勘弁して欲しいのである。




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posted by DEBUO at 08:00 | グローバリズム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月04日

TPP その3 大国エゴ

TPP その1 その2 の続き

★韓国が押し付けられたFTA毒素条項

マスコミでもTPPの暗黒面が知れら始めたのは,
韓国の惨状を目の当たりにしたからだろう。

韓国がアメリカと結んだFTAに毒素条項と呼ばれる項目が含まれていた。
毒素条項は次の通りである。参考:NIKKEIビジネス

1・ラチェット(逆進防止装置)
  一度決めた開放水準は逆戻り出来ない
  例:狂牛病が発生しても牛肉の輸入を中断できない。

2・サービス・マーケットのネガティブ方式開放
  明示された「非開放分野」以外は全てが開放される

3・未来の最恵国待遇
  他の国へアメリカより多くの開放をした場合、
  自動的にアメリカに最恵国待遇が適用される。

4・ISD:Investor-State Dispute Settlement。
  韓国に投資した企業が、韓国の政策によって損害を被った場合、
  世界銀行傘下の国際投資紛争仲裁センターに提訴できる。
  韓国で裁判は行わない。韓国にだけ適用。

5・非違反提訴
  事業者が期待していた利益を得られなかった場合、
  一方的に国に提訴可能。

6・政府の立証責任
  必要不可欠であることを「科学的に」立証できないと
  無条件で開放しないといけない

7・間接受容による損失補償
  アメリカ人には韓國の法より韓米FTAが優先的に適用

8・サービス非設立権を容認
  事業場を韓國に設立しなくても営業可能

9・公企業の完全民営化&外国人所有持分制限撤廃

10・知的財産権直接規制
  韓国に対する知的財産権の取り締まりをアメリカが直接行使出来る

11・金融及び資本市場の完全開放

12・再協議禁止
  国会で批准されると再協議は出来ない

  ※上記条項は,完全に確認された内容ではない。
    今後も検証が必要。



一言で言えば,韓国の主権が取り上げられる条約である。
韓国版日米修好通商条約とも言われている。

特に,4のISD条項は韓国だけに適用されると言われている。
他にも,韓国が一方的にやられるのでは,と思わされる項目が多い。

例えば,10の知的財産権に関する項目だ。
韓国はパクリ大国だから,これは仕方が無いのだが。

しかし,11の金融・資本完全開放などは,
韓国がアメリカ大企業の草刈り場になることを連想させる。


韓国では今になって大騒ぎしている。
何しろ,米韓FTAの内容を殆ど誰も理解していなかったのだ。

しかし,韓国は引き返せない。
もう条約を批准してしまったからだ。

★更に外資にのっとられる韓国

1997年の通貨危機により,
韓国の主だった銀行は1行をのぞいて外資に支配されている。
サムスン,現代などの大企業も半分以上が外資であることが多い。

その結果,韓国はアメリカのような大企業優先社会になったと言われている。
仮に企業が繁栄しても,それは国民に還元されない,という社会だ。

現状は,ウォン安のために大企業は輸出メリットが出ているが,
輸入品の物価があがり,庶民を直撃。

何しろ,成長率よりも物価上昇率の方が高い有様である。
韓国の実質成長率はマイナスである,ということだ。

韓国民の経済格差は日本の比ではない。
  ※【韓国】階層意識調査 半数近く「自分は下流」、
   6割近く「努力しても階層が上がらない」
 元ネタTBS

韓米FTAはそうした殺伐とした環境を更に悪化させる恐れがある。


李明博大統領は韓国がアメリカの経済植民地になっても構わない,
そう考えているのかもしれない。

彼には韓国に対する愛情はあるのだろうが,
韓国の能力を信用していないのかもしれない。

不安定な韓国経済を飛躍させるために,
彼は劇薬を飲もうとしたのかもしれない。


約100年前,半島の首相である李完用は,
日本に併合を申し出た。

日本が韓国を併合したのではない。
半島から申し出てきたのだ。

  韓日合邦の魚 中央日報

現在,李完用は韓国では代表的な売国奴である。

李明博大統領は優秀な人物であるが,
この米韓FTAを結んだことで,
第2の李完用の評価が下る可能性がある。

★日本の開国 日米修好通商条約

菅はTPPを日本の開国と言った。
その言葉通り,TPPは平成の日米修好通商条約になるかもしれない。

1858年に結ばれたこの不平等条約は,
完全な改正に1911年までまたなくてはならなかった。

上記の毒素条項は必ずTPPにも盛られると見られている。
しかし,韓国も日本も嫌なら断れば良い。

だが,あの李明博をもってしても毒素条項を丸呑みしたのだ。
民主党など子供の手をひねられるようにTPPに調印していくだろう。


いや,もっと恐ろしい事態かもしれない。
何しろ,民主党に主体性があるようには見えない。
催眠術にかかった子羊のように,
進んで身を捧げようとしているのかもしれない。

民主党が政権をとってからというもの,
呆然とさせられることが殆どだった。

だが,TPPに関しては民主党を責められないかもしれない。
自民党政権だとしても,TPPを推進したかもしれないのだ。

政府に当事者能力はない。
TPPの日本での主体はどこにあるのか。
経産省か。

何度も繰り返すが,不思議なのは
なぜ官僚(経産省)が日本の国益とは思えないTPPを
推進しているのか,ということだ。

アメリカの犬になる,というような政策をなぜ官僚が推進するのか?

WIKIPEDIAその他で賛成・反対の比較がなされている。
どうぞ,御覧ください。

   TPP メリット・デメリット WIKIPEDIA

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posted by DEBUO at 06:38 | グローバリズム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月03日

TPP その2

TPP その1の続き

★経産省がミスリードを狙う理由がわからない

菅政権がTPPを突然口にし始めたのは,
尖閣問題が起こったのと無縁ではないだろう。

いや,それ以前に普天間基地問題で崩れた日米の信頼関係を
立て直す必要が念頭にあったのだろう。

少なくとも軍事的には,
ポッポ政権末期から親米路線を修復する動きが活発化した,
と私は考えている。

しかし,TPPをいい始めたのは能なしの菅だ。
管がTPPを理解しているようには見えなかった。

絵を描いたのは政権内では前原氏かもしれないし,
そのバックには官僚(経産省)がいたはずである。


だが,なぜ経産省はTPPを推し進めているのか?
財界もTPP賛成派だと思うが,なぜだ?
日本にどういうメリットがあるのか。

TPPを推し進める経産省は,
10年で5兆円ほどGDPが伸びるという。
1年でたったの5000億円だ。

そんなもの,為替変動であっという間にひっくり返るような数字である。
つまり,金銭的なメリットはTPPにはない。

なぜ,経産省や財界はTPPを推進するのか?
私はこれが不思議でならないのだ。

★アメリカにもメリットはない?ーNAFTAで犯したアメリカの愚

TPPはアメリカの言われるままに,という人がいる。
しかし,TPPはアメリカにもメリットがあるのかどうか不明である。

かつてTPPと似た様なことをアメリカはしたことがある。
NAFTAである。

北米自由貿易協定,NAFTAは域内の貿易を活発にはした。

しかし,それによってアメリカの製造業はどんどん空洞化したと言われる。
安い農業産品がアメリカの農業をも直撃し,
メキシコからの移民により,国内不安が増大した。


NAFTAメリットを享受したように見えるメキシコでさえも,
結局は大企業に国内産業を牛耳られてしまった。

大企業とは主にアメリカのコングロマリットである。


NAFTAがもたらしたのは,大企業支配と
その引き換えに国民の格差拡大であった。

NAFTAはアメリカに幸福をもたらさなかった。
そう感じる人がアメリカには多いそうである。

TPPデモがアメリカで頻発しているのは,
NAFTAで痛い目にあった人がアメリカに多いからだ。



TPP その3に続く




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posted by DEBUO at 08:00 | グローバリズム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月02日

TPP その1

★不可解なTPPへの熱狂

TPPは今でこそマスコミに功罪の罪の面が報道されるようになり,
一時期の盲のような礼賛記事がなくなってきたように思える。

不思議な眺めだった。

TPPについて話題に登り始めたのは10年の秋ごろだったと思う。

直後から識者の間では反論がなされ,
それは十分に説得力のあるものだったのだが,
大多数の日本国民の耳には届いていなかったと思う。

何しろ,官僚,政治家,財界,マスコミ,
総動員でTPP押しをしていたのだ。

★TPPにメリットはない

しかし,少し考えればわかる。
TPP推進派にはおよそ説得力がなかった。
当ブログでの去年の4月の投稿だ。

  菅政権では絶対に景気が回復しない 2 TPP

もう一度まとめてみよう。

  TPPは実質的に日米構造会議である。
  日本にとって享受できる輸出メリットは殆どない。
  最大の影響をうけるのは,一次・三次産業である。
  TPP陣営で日本の味方はいない。


TPP参加国のGDP内訳を見ると,
日米で90%を占める。
他国では,せいぜい豪州が目立つぐらいだ。

米国以外の他国の内需は小さいから,日本に輸出メリットはない。
対して,日米以外は日米への輸出拡大は十分メリットがある。

また,米国に対しても例えばメキシコ経由で輸出をするなど,
米国の関税撤廃は日本にさほどの影響がない。

苦労して関税を撤廃しても,
そのメリットは為替の変動で吹っ飛ぶ程度のものだ。

日本に輸出をしたがる国と交渉しなくてはならない。
TPP参加国に日本の味方はいない。
対して,日本に関税撤廃メリットは少ない。


日本の国内産業で影響をうけるのは,米と三次産業。

食料自給は国の安全保障を支え,
三次産業は,アメリカに比べると日本の弱い部分だ。

三次産業とは,

   輸送、観光、医療、教育、特許等使用料、通信、保険、
   金融、建設、文化・興行、法務等のビジネスサービス等である。

アメリカの輸出の3割は3次産業だ。
対して,日本は10%程度である。


しかも,ただでさえメリットの見えにくいTPPに,
日本は遅れて参加する
始めからTPPの枠組み作りにコミットできない。

ましてや民主党である。
ネゴ能力が著しく落ちる。外交センスも無い。
そもそも彼らの多くは経済を理解していない。


さらに問題なのは,民主党を始め,マスコミも
TPPが何なのか理解がまるでなされていない,ということだった。

TPPに深い理解の無いまま,
熱狂だけが先走る,
それが民主党,財界,マスコミを包んでいるように見えたのだ。

なぜかはわからないが,官僚はTPPのミスリードを狙っているようだった。



TPPその2に続く




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posted by DEBUO at 17:07 | グローバリズム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする