2018年01月10日

ご冥福をお祈りいたします。

これは非常に残念なニュースだ。

BABYMETALの神バンドで有名な藤岡幹大(みきお)氏,通称小神が
事故でお亡くなりになった。享年36歳。

年末に天体観測をしていて,転げ落ちたらしい。
闘病後,1月5日に容態が急変したという。
本当の神におなりになられた。

ご冥福をお祈りいたします。



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2017年12月26日

BABYMETALはメタルかアイドルか周回遅れの議論C



アイドル:偶像の変遷

元来,アイドルの意味は信仰の対象となる神像や仏像であった。

偶像.jpg

イエスとかの神像がアイドルの語源である。
それにちなめば,仏陀もアイドルということが言える。
そこから転じて,憧れの的や熱狂的なファンをもつ人を指して,
アイドルと呼ぶようになる。

BEATLES,QUEEN,ボンジョビはアイドルだったし,
アイルトン・セナやベッカム,イチローもアイドルだった。

優れた才能の持ち主ゆえにアイドルになるわけだ。
実力があって,なおかつルックスが優れている。
これで男女を問わない熱狂的なファン層が生まれる。


ところが,現代日本におけるアイドルとは,こういうのを言う。

akb握手会.jpeg

ルックスはそこそこ
パフォーマンスは二の次,むしろ下手なほうがいい
という本末転倒ぶりだ。

典型はAKBである。AKBは一言で言えば,

    芸事よりも握手会に精を出す。

というイメージをアイドルに定着させた。
接触商法とかキャバクラ商法とか言われているものだ。
現代のアイドルはアーチストでもパフォーマーでもなく,
レベルの低いエンターテイナーなのである。
従来の意味のアイドルとに大きな乖離がある。


特に問題なのは,パフォーマンスは二の次,という点だ。
グラビアアイドルとかならば,問題はない。
彼女たちが『歌手』だとか『アーティスト』を名乗ったりするから困るのだ。

歌手だとかアーティストだとかを自称するのであれば,少なくともそのパフォーマンスは人より優れているべきだろう。それが付属物のように扱われているために,『アイドル』という言葉に偏見が入るのだ。

昔は,アイドルはキリストの偶像崇拝のことを指したのに,
現代日本では,握手会をする人を指す。
価値感もここまでダダすべりすると潔いというものか。


110729_akb481.jpg
      十把一絡げのアイドルたち

現代アイドルに対する不満はもう一つある。
作られた』という視線とその質だ。

確かに,70年代・80年代の日本のアイドルたちも,
資本によるアイドル・システムにのっかってのし上がっていった。
だが,トップアイドルたちは資本のお仕着せをはねのけるほどの個性をもって
人気を獲得していったのだ。
本人の実力が既存の『作られた』枠を超えていくのだ。

ところが,現代アイドルにはそういう強烈な個性を必要としない。
むしろ,不要である。アイドルは育っていくものらしいから。
強烈な個性の持ち主であると,ファン離れをおこすし,
グループのバランスが狂う。

個性の薄さをカバーするため,グループ活動となる。
数を並べると,ピンで活動するよりも魅力的に見えるらしい。
個性が薄くても,たくさん並べることで広い網をもってファンを囲い込める。

だから現代アイドルの問題点は,個性が薄い,ということになる。
会社から押し着せられたアイドル像をはねのけるほどの個性を持たないのだ。
操り人形と言われても仕方がないであろう。


伝説のアイドル『山口百恵』

少し前,秋元康が自分とこのアイドルを山口百恵と並び称して,巷の失笑を買っている。
私は山口百恵世代なので,多少は思い入れが入るかもしれないが,
山口百恵は桁違いだ。

山口百恵01.jpg
山口百恵はデビュー当時(14歳),垢抜けなく歌も下手だったが,問題作を連発,あっという間にトップアイドルに躍進した。
歌も容姿もどんどん磨かれていき,20歳ごろにはオーラでまぶしいほどになった。

山口ももえ03.jpg

その余りにもまぶしいオーラゆえに,ある知識人など『山口百恵は菩薩である』などという評論を上梓したぐらいだ。(平岡正明は当時の私のお気に入りの評論家。)
そして,21歳のときに結婚のために引退する。
その頂点のラストコンサートのショットが右の画像である。
彼女は確かに菩薩になった。

その7年の殆どの期間,山口百恵は社会現象だった。
まだテレビの力の強い時代で,山口百恵を知らない人は誰もいなかった。
中学生の頃から私は殆どテレビを見なくなったし,アイドルにも興味がなかったが,
それでも山口百恵は強烈だった。彼女の物語性は並ぶものがいない。

今のアイドルで山口百恵のような社会現象を起こすほどの存在感のある人は一人もいない。あまりにポジションが違いすぎる。
だから,秋元の発言に失笑が起こったのだ。身びいきも過ぎると。


当時,実力のある人たちがアイドルに向かったのは,
    実力がなければ歌手になれない,というコンセンサスが世の中にあったこと。
    歌謡界以外で歌手として頭角を現す方便が貧弱であったこと。
その2点が理由としてあげられる。
昔はアイドル路線を目指す以外は市場が確立されていなかったのだ。

現代においては,実力のある人たちはアイドルを目指さなくても構わない。
10代のうちから仲間たちと創作活動に入り,ライティングの才能がなくてもバンドの一員として能力を発揮できる。
それでなんとかやっていける土壌ができている。


最後のソロ・アイドル 松浦亜矢

ピンで活躍できた最後のアイドルと言えば,松浦亜矢だろう。

松浦亜矢.jpg

彼女は決して歌が上手いというわけではないが,
確かにルックスも歌唱も個性が半端ない。
彼女の代表曲は『Yeah!めっちゃホリディ』。



このモニターからはみ出るような松浦亜矢の個性といったらどうだ。
注目は,この楽曲のアレンジだ。キレキレである。
編曲者は高橋諭一。
この個性の強い編曲に松浦亜矢の太陽のような輝きがまぶしいぐらいだ。

松浦亜矢以後,アイドルと言えばグループになる。
モーニング娘の影響であろうか。
ピンで活躍できるような個性の強さは不要となった。


さて,BABYMETAL

SU-METALは歌が凄すぎる。

SU-METALは決してAKB等の大人数グループに入れない。
パフォーマンスが突出しすぎてグループ内で浮いてしまうからだ。
彼女の歌声は強烈である。FDTD  KARATE

BABYMETALはこの強烈な歌声の持ち主である中元すず香を中心に結成された。
彼女の強烈な個性は歌声のみではない。
『クィーン』と呼ばれるほどのステージ度胸も類がないほどだ。
入れ込みが強すぎて,ライブ中はトランス状態に入る。
ファンは彼女を憑依型アイドルと呼ぶ。

乃木坂.jpg
      画像は,乃木坂の一人とSU-METALの顔をすげ替えたもの。
      クリックすると拡大する。
      美人ぞろいの乃木坂にあっても,SU-METALは目立つ(右から3人目)


BABYMETALの活動はアンチ・アイドル。

プロジューサーであるKOBAは徹底的に彼女たちを表に出さない。
    TVへは基本的に出演しない。
    音楽媒体への売り込みはない。
    個人的なツィッターもフェイスブックもしない。
    握手会・サイン会はない。
    YOUTUBEはどんどん削除される。
    個人撮影も禁止。
    彼女たちの友人が彼女たちの顔写真を出すのも禁止。
本当に徹底している。

いわばアンチ・アイドル(アンチ・AKB商法)であり,
BABYMETALは実力だけでのしあがろうとしている。

実際,16年のTOKYOドーム2日間完売(動員11万人)だ。
先日の広島でのライブは20歳以上2万円という高額チケットにも関わらず,
落選祭りとなる。
海外でも数千人の会場なら即売だ。
ステージパフォーマンスだけでここまできているのだ。


憑依SU02.jpg
      自分の世界に入り込んでいるSU-METAL。

憑依SU.png
      死の睨みとファンから怖れられるSU-METALの一瞥。
      彼女から睨まれたファンはそこから逃れられない。


BABYMETALは久々に実力の伴ったアイドル

BABYMETALは出自からしてアイドルと呼べるし,
楽曲や世界観が会社側から提供されることからもアイドルで間違いない。
旧来のアイドルシステムから生まれた存在であり,
『作られた』歌手であることは疑いようが無い。

だが,特にSU-METALはその狭い世界観を飛び出すような個性と実力の持ち主であることも疑いようがない。。
作られた存在でありながら,SU-METALが操り人形にならない理由である。
21世紀型の握手会のアイドルではなく,
脈々と続いてきた日本のトップ・アイドル像を受け継ぐ存在だ。

その日本製のアイドルが世界を賑わす。
それは,中元の実力+日本音楽界の実力の高まりを示すものと言えよう。
※YUIMOAについては,こちら

palladium.jpg


パフォーマンスゆえにファンになる

ここで,本連載投稿の最初に戻る。
BABYMETALはメタルかアイドルか。
もう何周もしている話題で,今後も繰り返されるであろう。
正直,どうでもいい話題ではある。
結論は,『パフォーマンスを見ろ。』 METROCK2015

オヤジたちが大挙BABYMETALに群がっている。
それは彼女たちがカワイイからか?
それもあるだろう。ルックスは彼女たちの魅力と不可分だ。

だが,『かわいさ』は彼女たちの魅力の一部に過ぎない。
かわいさは彼女たちの最大の魅力ではない。

彼女たちの最大の魅力はそのパフォーマンスにある。
音楽的・視覚的に図抜けたパフォーマンスはもちろん,
彼女たちが振りまく『喜び』にある。


海外の反応を読むと,時々『BABYMETALのお陰で鬱が治った』とか,
出兵してヘビーな体験をBABYMETALで癒しているとか,
まるでBABYMETALが心理セラピーのような存在になっていることがある。

それは彼女たちのパフォーマンスが楽しいからだ。
楽しいだけではない。

通常,芸能界といえば『金』や『自己顕示』プンプンの世界だ。
ロックやヘビーメタルだと,ルーザーのたまり場だ。

それに対して彼女たちは礼儀正しく,前向きで,ピュアに見える。
真摯な姿勢に品位があるのだ。
芸能界やロック/メタル界は言うに及ばず,
そういうポジティブなものは世の中から失われがちだ。
世知辛い世の中で苦労しているオヤジたちは,
BABYMETALに癒しを感じるのだろう。

しかも,彼女たちはその極上の世界観を
無礼なまでに遠慮なくリスナーに送り届ける。
というよりも特異なステージ空間を作り,否応なくリスナーを引き釣りこむ。
リスナーは気づく間もなく甘美で非現実な空間を漂うわけだ。
BABYMETALはドラッグ不要のドラッグ体験となる。

だから,BABYMETALのファンたちは盲目的に熱いし忠誠心が高い。
伊達にSU-METALがQUEENと呼ばれるわけではない。
『神様』『仏様』『BABYMETAL様』としてもあながちオーバーではない。
心に傷を負ったものには,BABYMETALはまるでマリア様になろうとしているかのようだ。

BABYMETALは本来のアイドル(偶像)を呼び起こす存在なのである。
さて,BABYMETALが向かうのは菩薩かそれともマリアか。

弥勒菩薩.jpg




終わり。


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2017年12月25日

BABYMETALはメタルかアイドルか周回遅れの議論B




BABYMETALは音楽的にはメタル

さて,ここまで述べてきてようやくBABYMETAL。
BABYMETALはメタルか。
音楽的には紛うことなきメタルである。
というか,普通のメタル以上にメタルだろう。

速弾き,ツィンギター,高速ツーバス。
7・8弦ギター,6弦ベース。
カッコいいリフあり,高速スラッシュあり,ジェントあり,
変態変拍子あり。
ボーカルはスィートだが,物理的にも精神的にも凄まじい音圧レベル。

脇のチッチャイのがカワイイというだけで,
メタル・ミュージシャンが態々ライブで立ち見するぐらいの模範的メタル。
BABYMETALはミュージシャンズミュージシャンの側面も持っているのだ。

boh.jpg


BABYMETALはメタルの3大条件からはずれている

メタルの3大条件とは,DIY,反商業主義,男性中心

メタルには音楽の形態以上に大切なことがある。上の3点は,メタルの精神的主柱であり,メタルがメタルであるためには,『必ず』クリアしなくてはならない。キーボード戦士たちは地下室でそう信じているわけだ。

BABYMETALはどうかと言えば,

『DIY』については,BABYMETALは明らかに他人によって作られた音楽である。
尤も,BABYMETALはチーム/プロジェクト活動であるから,どこからをDIYとするのかは難しいとは思うが。

DIYをもてはやすのは,『自己主張』が大切であるからだ。
そのために,シンガーソングライティングは,メタル/ロックに限らず重要とされる。これを他人にまかせると途端に偽者認定されがちである。
これは60年代からの若者文化の潮流を受け継ぐものでもあり,抗うことが難しい。

『反商業主義』はどうかといえば,BABYMETALは当然,商業主義を前提とする。企業活動から生まれたバンドだからだ。

反商業主義には60年代以降の若者文化−反体制に加えて,特に80年代以降,急速に産業化する音楽業界へのアンチテーゼが背景にある。だから,これも純なリスナーの支持を得易い。
尤も,何が商業主義なのかについては議論があるだろう。それとも金を受け取らずにバンド活動を続けるのが理想とでもいうのだろうか。

『男性中心どころか,BABYMETALは『カワイイ』。

babymetal.jpg


以上から,メタルの3大条件から見れば,
BABYMETALはメタルではないということになる。
少なくともキーボード戦士たちはそう主張する。

では,その戦士たち或いはメタルを上位に置いている人たちに問う。

METALでないとして,それが何か問題でも?

JAZZ界最大の巨人はルイ・アームストロングである。
だが,彼にはJAZZをやっているとか,何か創造的な音楽を目指しているとか,そういう気持ちはなかったろう。
ひたすら目の前のお客さんを喜ばそうとしてペットを吹き歌った。
それが結局としてエンターテイメントを越える創造性を生んだ。

どんなジャンルであろうと,パフォーマンスが価値を決める。
口先だけ上手くても,パフォーマンスが伴わないのならば価値がない。

サッチモ.jpg


私は20代のころ,『音楽エリート』であった。
JAZZ,ニューウェーブ,クラシック,実験音楽,第3世界音楽,私の好んで聴いたジャンルであるが,こういうこだわりの強いジャンルには『メタル・エリート』よりもエリートがごろごろいる。

恥ずかしながら,私もそういう一人だった。
例えば,歌謡曲(J-POP)を聴くと耳が腐ると思っていた。
多分,ハートではなく頭で音楽を聴いていたのである。

だが,年をとりそれなりに見識の広がった現在,
はっきり言える。ジャンルを問わず『良いものはいい』


KOBAがメタルにこだわりのあることはわかる。
だが,BABYMETALがMETALじゃないといわれても『それで?』
と言えるような態度でいて欲しい。
メタルに囚われて欲しくないからだ。

『何か面白いものをやる』というのが先決で,
メタルはそのための道具の一つに過ぎない。

繰り返すが,先決なのは音楽であって,メタルではないのだ。
それはあらゆるジャンルの音楽にいえる。
ポップス,ロック/メタル,ジャズ,クラシック,民族音楽,実験音楽等,様々なジャンルがあるが,そこに優劣はない。



Mel-Banana.jpg
                                               画像をクリックすると,YOUTUBEへ。

ただ,『何か面白いもの』を追求するのは,実は大変だ。
『自分にとって』面白いものを追求すれば独りよがりになりがちだし,
ついつい他人にとって面白いものを,となりがちだ。
ましてやKOBAのように企業活動をするのであれば,
『何か面白いもの』にはマーケティングは不可避だ。

それをピュアな人たちは商業主義といって嫌うわけだが,
アンダーグラウンドに目を転じれば,
売れない,ということを気にしない人たちがウヨウヨいる。
この『MELT BANANA』もそういうバンドだ。

現在は日本人の二人組。
ノイズ系オルタナ・ロックだが,可愛いメタルといえなくもない。

その『売れない』ことを彼らは20年以上も続け,
創作活動が熟成を続けていることにも驚く(デビューは93年ごろ)。
Fetch』は彼らが2013年に発表したアルバム。
『ローリング・ストーン』誌の「20 Best Metal Albums of 2013」で17位。

『FETCH』は彼らのあふれんばかりの才気がサウンドを覆うが,
過激さの角がとれて『ロマンチック』な仕上がりになっている。
創造性とかオリジナルティとはどういうものか,
『FETCH』から伺い知ることができる。

『FETCH』は全曲,脳が沸騰する良作ぞろいだ。
BABYMETALが企業活動の最適解とするならば,
MELT BANANAはハンドメイドの最前線といったところだろうか。






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2017年12月24日

BABYMETALはメタルかアイドルか周回遅れの議論A



上記以外(メタルは反商業主義でDIY?)にも私はメタルに対して不満な点がある。
それには次のような理由がある。

メタルのテクニック至上主義:

速さ=正義?技術偏重の功罪

メタラーは音楽技術至上主義が多い。
シングルコイルとハムバッカーの違いを議論し,
ギターソロのスケール展開に感嘆し,
スネアの叩く位置やらツーバスの正確性を見極め,
変拍子を喜んで聴く。
確かに,ヘビメタは音楽テクニック的に高度なことがある。

問題の一つは,メタルでは『速さ=正義』になりがちであることだ。
速さは音楽テクニックの一つであり,
単に速さを求めるだけならば,メタルはスポーツである。

『速さ=正義』に代表されるように,メタルは技術偏重の側面がある。
しかし,技術偏重はたびたび反省がなされてきた。
70年代のハードロック,プログレシブロック,ファンクは
テクニック至上主義に陥り,パンクやラップを生んだ。
80年代のフュージョンは迷路におちいってしまった。
現在でもプログレシブメタルがあるが,
好事家のための音楽の域を出ていない。

ドリムシ.jpg
      テクニカル(プログレシブ)メタルの代表,ドリームシアター。
      日本人は,ビーチ・ボーイズ,MR.BIG等メカニカルを好む傾向がある。


技術は音楽のためにあるのであって,技術が音楽じゃない。

私が特に苦手とするのはデスメタルやブラックメタルだ。
スポーツ・メタルと揶揄されるジャンルだ。

上の動画はアメリカのデスメタルバンド。
この種のメタルはこのジャンルの末期を表していると思う。

上の動画はフリージャズの祖,オーネットコールマンの作品。
デスメタルを聴いて,ふとフリージャズに似てるかも?と感じ,
久しぶりに聴いてみて驚いた。
両者には,音楽性の豊かさにおいて,ダントツの差がある。

オーネットのほうはFREEというほどFREEではないが,
自由な楽想がシャボン玉のように現れては消え,誠に楽しい。
下の絵(ミロ)を明るくしたようなのがオーネットのFREE JAZZだ。

ミロ.jpg


それに対してデスメタルはいかにも貧しい。
音楽が痩せている。
昔から(デス)メタルの音楽性の低さが批判となってきたが,
改めて(デス)メタルは音楽性が低いことを認識した。


80年代メタルは産業音楽

個人的にはメタルには薄汚れたイメージがある。
ダサ派手,商業主義,産業音楽,
そうした誹れから逃れにくいのがメタルというジャンルである。
メタラー自身がダサい=ほめ言葉と自虐的?に言ったりする。

その定評を作った最大の原因はLAメタルだろう。
LAメタルのコスチュームはこんなだ。

LAメタル01スティールパンサー.jpg

私などの爺世代がメタルときいて思いつく代表的なファッション。
このときに,メタル=ダサいという思い込みができたわけだ。
LAメタルはまさしく傾奇者(かぶきもの)である。

LAメタルは,キャッチーなメロディとド派手なファッションで80年代を風靡した。
LAメタルの代表と目されるモトリークルーはアルバム総売り上げ8000万枚,
LAメタルの流れを汲むガンズが1億万枚,
ニュージャージー出身のボン・ジョビで1億2千枚のセールスをあげたとされる。

LAメタルの代表者としては他に『ラット』『ドッケン』らがいる。
LAメタルではないが,同時期前後に人気の出たイギリス出身の『デフレパード』も
全世界でトータル6500万枚を売り上げている。


上の動画はモトリー・クルー。LAメタルの代表。
売れただけあって,確かにリフもリズムもカッコいい。

LAメタルへの批判は,ファッションだけではない。
キャッチーなメロディーと共に,あまりに産業的すぎるとの不満が
80年代後半にLAメタルを覆い,急速にその支持を失っていった。
80年代はアメリカによる音楽産業化が著しかった時代である。
LAメタルはその一躍を担ったと見なされたのだ。
金と女が好きならLAメタル。が合言葉だった。


スラッシュメタルー男性復権メタル

LAメタルの体たらくからの反省で生まれたのがスラッシュメタル。
スラッシュメタルの特徴は,やたら速いリフとツーバス。
ヘビーメタルにハードコア(パンク)の要素を取り入れたものとされる。
ファッションも音楽同様,硬派だ。
LAメタルが女に媚を売った音楽だとすれば,スラッシュは男性復権メタルである。

現在においてメタルと言われれば,
スラッシュ・メタルを思い浮かべる人が多そうだ。
いわゆる四天王『メタリカ』『メガデス』『スレイヤー』『アンスラックス』が代表である。

スラッシュ四天王.jpg
      スラッシュ四天王。左上メガデス,右上アンスラックス,左下スレイヤー,右下メタリカ。


スラッシュメタルは90年前後を彩ったが,速いリフだけでは長続きせず,
デスメタルなどへと進化していった。
ただ,スラッシュメタルの在りようは,次のグランジとともに,
後世のメタルに多大な影響を与えている。

BABYMETALを嫌いな人というのは,
スラッシュメタルで10代を過ごした人たちが多いかもしれない。
メタル=男の音楽,という図式で育った人たちだ。

こういう人たちがBABYMETALを嫌う理由は,
自分の中に女性的なものがあるのを嫌うからかもしれない。
それゆえ,ことさらマニッシュに見えるスラッシュに
自分を投影し,自分のヘタレな部分をごまかしている。
そんな見方は穿ちすぎだろうか。

投影といえば,ペドなる批判もそうだ。
通常,BABYMETALを見て性的なものを意識しない。
そこを敢えてペドに言及するということは,
自分の中にペドへの疚しい気持ちが渦巻いているからかもしれない。
まさしく,心理学的な投影だ。


グランジはオルタナティブロック,ロックの復権

商業主義のLAメタルにスラッシュメタル以上の鉄槌をふりおろしたのが,グランジ。
グランジとは『薄汚い』というような意味で,破れたジーンズやボロTシャツを纏うグランジファッションは未だに根強い人気を誇る。

音楽においてのグランジ・ブームの火付け役は『NIRVANA』。
メタルというよりも,パンクに影響を受けたオルタナティブ・ロックの一つ。
ニルヴァーナのカートコバーンは90年代の代表的なロッカー。

nirvana.jpg

DIY哲学,反体制,シンプルなリフの多用など
非常にわかり易いロックの伝統を受け継いでおり,
現在に至るまで,この手のバンドは絶たれることがない。
NIRVANAと比較するのであれば,
BABYMETALへの批判はごもっともかもしれない。

そのグランジだが,果たしてメタルとよべるのか?
広義では,ロック系統のラウドな音楽は全てメタルとよばれる。
ガンズもメタルだし,グランジもメタルに含まれる。

しかし,狭義ではガンズはハードロックだし,
グランジはオルタナティブロックだ。メタルではない。


ただ,NIRVANAはロック界の良心なのかもしれないが,
私はNIRVANAへの思い入れが一切ない。

私は80年前後からHR/HMは聴かなくなった。
かわりに,JAZZなどを盛んに聴いていたのだが,
ブリティッシュ・ニュー・ウェーブも好んで聴いていた。
パンク・ハードコアを含めて,オルタナティブ・ロックと呼ばれていた。
ニルヴァーナはオルタナの延長のような音楽で,私には衝撃を感じづらい。

当時の若者にとっては,NIRVANAはモンキースで浮かれていた中で突然ドアーズが出てきたようなものだったのだろうか。
ドアーズのほうがずっと強烈に聴こえるが。





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2017年12月23日

BABYMETALはメタルかアイドルか周回遅れの議論@



BABYMETALはメタルかアイドルか。

もう何周もしている話題で,今後も繰り返されるであろう。
正直,どうでもいい話題ではある。
結論は,『パフォーマンスを見ろ。』

babymetal.png


議論の前に気になることがある。暗黙の了解として
  メタル>>>アイドル,ポップミュージック
という図式がメタラーにはあるように思える。
  メタル=すばらしい,アイドル・ポップス=クズ
というわけだ。

だがポップスはともかく,メタルとかアイドルとかは
一般的に音楽界ヒエラルキーの中では底辺に位置する。

就職の面接やお見合いの席で
  『私はクラシック(ジャズ)を聴きます。』
  『私はポップスを・・・』
  『私はメタル(アイドル)を・・・』
どれが言い易いだろう。

ポップスは無難でクラシック・ジャズは高尚っぽく,公言し易い。
が,メタルとかアイドルとかは非常に言いづらい。
一般的な視点からは,メタラーがドルオタをけなすのは,
地底人同士の争いであって,同属嫌悪のように見えると言うことだ。

ただ,メタラーがドルオタを嫌悪する理由は
メタラーは音楽に惚れてメタルを聴いているのに対して,
ドルオタはルックスに惚れてアイドルを『観ている』のである。
アイドルが物凄くブサイクだったら彼らは応援するだろうか。

led-zeppelin.jpg



メタラーがドヤ顔をする理由

メタルには,サウンド云々の前にクリアすべき条件がある。

  DIY精神・反商業主義・男性中心

これがメタルの3大精神的主柱だろう。ロック全般にも言える。
それに対してBABYMETALへの攻撃は,まるっとその反対になる。

    ⇒BABYMETALはDIYではなく,操り人形である。
    ⇒BABYMETALは大資本によって作られた産業音楽である。
    ⇒BABYMETALは男性中心どころかペド向け

BABYMETALの3人は20歳前後だからペド云々は言えなくなってきたが,
反DIYと商業主義との批判はある程度の妥当性を持つ。
しかし,メタルってそんなに大したものなのか?


私がメタルに疑問を持つ理由

@メタルが反商業主義?

メタラーは『メタルはポップスじゃない。反商業主義だ』と
主張したいかもしれないが,ロック/メタルは一大産業である。

2017年上半期 コンサート売上順位 参照


  1. ガンズ・アンド・ローゼズ:1億5150万ドル
  2. U2:1億1810万ドル
  3. ジャスティン・ビーバー:9320万ドル
  4. メタリカ:8800万ドル
  5. デベッシュモード:6820万ドル
  6. レッド・ホット・チリ・ペッパーズ:6050万ドル
  7. アデル:5900万ドル
  8. エド・シーラン:5720万ドル
  9. エリック・チャーチ:5450万ドル
10. ブルーノ・マーズ: 5270万ドル  

1,3,4,5,6位はロック/メタル分野のミュージシャン。
上位ほぼ独占状態だ。
メタリカの場合,1回のライブで4億円の金が動くという参照
これをビッグビジネスといわずして何と言うのか。
それだけの客を集めることができるのであれば,
それは既に現代のポップスだろう。

ライブをするorしないで当然売上の変動があるから,
これ以外にもBIG SALE MUSICIANSがたくさんいるだろう。
これに下半期を足し,CD・配信売上を足すと,
年間100億稼ぐHR/HM系ミュージシャンがいったい何人/何組いるだろうか。

100億の売上というと,中の中程度の企業である。
それを1〜数名のミュージシャンで稼ぐ。
当然,彼らだけではショービジネスを運営できない。
多数の人間が関わることになる。
否が応でも彼らは商業主義とは無縁でいられない。

そもそも,プロたるもの,商売として音楽をやっているわけだ。
それなのに,商業主義を毛嫌いするのはとんだ矛盾ではなかろうか。

Guns N Roses.jpg


ADIY精神?

ロックは既成社会への若者の反発で始まった。
体制側に属さない,自分たちの独立を守るために
草の根的なDIY精神をもって反権威的表現を追求していく。
そこはクラシック,ジャズ,ポピュラー音楽と大きく違う点である。

これは現代にも脈々と流れている。
その最低限の象徴として,シンガーソングライティングがあげられる。
少なくとも,曲と歌詞はオリジナル。
これをはずすと中身のない操り人形とかいわれたりする。

だが,バンドとして眺めた場合,作詞作曲をしないメンバーは操り人形なのか。
作詞作曲をすれば主体性があるのか。
編曲家やプロデューサー・ディレクターの存在はどうなるのか。
自分の主張を,と言いながら売れ線狙いのミュージシャンはたくさんいる。
売れなければ活動維持も難しいからだ。
作詞作曲を他人から買い取っている場合も多いと聞く。
そもそも大きく眺めれば音楽産業と言うビッグビジネスの中で
どれほど主体性を持つことができるのだろうか。

bob.jpg

反体制とかDIYとか言ってる人は,60年代のBOB・DYLAN,最高だと思うよ。






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2017年12月22日

BABYMETALの将来への期待


カワイイメタルの賞味期限

彼女たちは少女からレディーに

BABYMETALの1stアルバムと2ndアルバムとでどちらが好きかと問われれば,即座に『2nd』と私は答える。

私は1st『BABYMETAL』がそんなに好きではない。
    ボーカルの声質が不自然に聴こえる
    打ち込みドラムの特に連打スネアとバズドラがシンセのように聴こえる。
    全体的に低音の迫力がない。
というように,サウンドプロダクションへの不満からだ。

だから,1stはあまり聴いたことがない。ライブ版を先に購入したこともあるが。
スタジオ録音だけだったら,ベビメタファンにならなかったかもしれない。
が,ライブ(武道館やロンドン或いはファンカム)はその不満を払拭してあまりあり,数限りなく聴いた。

BabymetalUK.jpg


2nd『METAL RESISTANCE』は発売直後から熱狂的に聴いた。
特に『KARATE』『FDTD』『TOTD』の3曲だ。
※FDTD:FROM DUSK TILL DOWN
   TOTD:TALES OF THE DESTINY

ただ,多くのベビメタファンが2ndより1stを押す理由も理解できる。
2ndはMETAL過ぎる。真面目すぎる。かわいさが足りない。
そんなところだろう。
メタルを標榜するBABYMETALといえども,多くはポップスよりのファンだろう。
HR/HMならば,メタリカよりもガンズを聴くタイプだ。
ポップスよりのファンが2ndに抵抗感を感じるのは不思議ではない。

2ndにはBABYMETALの3人のユニットとして,由々しき問題がある。
YUIMOAの居場所が1stよりも削られていることだ。
つまり,2ndは1stよりも可愛くない。

KOBAの考えは推測するしかないが,
カワイイを全面に出して将来があるのか?
というのはあったのではないかと思う。

YUIMOA.jpg

BABYMETALはSU-METALのバンドだ。
YUIMOAはいわばトッピングに過ぎない。

1stではそのトッピングが強烈に効いていた。
トッピングが本体以上に目立つこともあったぐらいだ。

だが,女の子たちが大人になろうというのに
いつまでもカワイイメタルでもなかろう。
少女からレディーに成長していくのだから,
与えられる課題もその魅力に沿ったものになるだろう。
子役から大人の役者になるように。それは自然な流れだ。

もちろん,YUIMOAはこの先もっと可愛くなるだろう。
それでも,その可愛さは大人の可愛さであるべきだし,それが当然だろう。
子供っぽい可愛さはレディにふさわしくない。
可愛さをパフォーマンスの言い訳にしてはいけない。


YUIMOAの限界?

だが,大人への脱皮に際して問題点が浮上する。
YUIMOAはなかなかのタレントの持ち主であるが,
何しろセンターがSU-METALというモンスターである。
SU-METALはピンでもショーを圧倒させる。
しかも年々進化している。芸能史に残りそうな逸材だ。
生半可な才能では釣り合わない。

SU-METAL.jpg


いや,SU−METALばかりではない。
バックは神バンド,作詞・作曲・編曲・振付は日本の誇る鬼才たち。
それらを束ねるのは偏執狂のメタルマニアKOBAだ。
超一流の揃う中でYUIMOAが今後も存在感を出していけるのか。

例えば,1stでは効果的だった,可愛い声。
2ndでは逆効果に感じた。特に『KARATE』と『SIS. ANGER』。

『SIS. ANGER』はバックの強度が凄い。
特にライブバージョンのドラム(青山)のシンバル。強烈だ。
私は『SIS. ANGER』ではドラムを中心に聴く。
そのためか,どうしてもボーカルの違和感が拭えない。

YUIMOAの場合,声が子供すぎて
悪い意味でミスマッチだ。少なくとも私にはそう聴こえる。
1+1が2以下にしかならない。
フロントとバック,お互いの良さを打ち消しあっているのだ。

コバがそのミスマッチを狙ったのは明らかだ。
『SIS. ANGER』は『オネダリ大作戦』のような
意外性を狙った一種の冗談ソングで,
オネダリではそれが実に効果的に成功していたのだが,
『SIS. ANGER』ではあまりにもバックがマジ過ぎて,
YUIMOAがその音に対抗できない。

バックは思いっきりデスメタル,デスコアで,
猛烈な怒りを表現しているのに対して,
フロントは可愛らしすぎてまるで子猫だ。
それでニタリとできれば良いが,私にはできない。

SU-METALが『SIS. ANGER』のボーカルをとれば,
この曲の威力がわかるんじゃないか。
物理的にも精神的にも浸透力の強い彼女の声で
きらいだー』と叫ぶのを想像してみよう。
泣く人の続出する,情け容赦のないチューンになるだろう。

私の意見はYUIMOAを中心に聴く人には不満かもしれないが,
私のようにサウンド重視タイプには賛同者がいると思う。

おねだり.jpg
初期の頃のおねだり大作戦でのYUIMOA。


さらに,『METAL RESISTANCE』の『TOTD』や『FDTD』では
SU-METALでさえ存在がかすみ,バックのサウンドが全面に出てくる。
『FDTD』ではSU-METALの控えめさがいい感じに仕上がっているが,
YUIMOAの存在感が低い。

サウンド重視の楽曲なので仕方がないとしても,
サウンド重視するととたんに引っ込むYUIMOAの存在感。
この先,カワイイ成分を引っ込めるとするならば,
YUIMOAはその中でも輝きを保てるのか。

繰り返すが,YUIMOAはなかなかのタレントの持ち主である。
それでも,将来にわたってBABYMETALの中で輝きを続けていけるのか。
確かに,YUIMOAはSU-METALの突出を中和する役目も果たしているが,
逆に見れば,YUIMOAの存在はBABYMETALの制約になりかねない。
私はそういう危惧を抱いている。


PALLADIUM(6/16)の衝撃『FDTD』

そういう私の危惧を一瞬に吹き飛ばしたのが,
ハリウッドPALLADIUMの『FDTD』だった。



私の2ndの好みは『KARATE』『FDTD』『TOTD』の3曲である。
特に『FDTD』が好きで,そのためユーロ版を買ったぐらいだ。

ただ,『FDTD』はサウンド重視であり,YUIMOAの存在感が薄い。そのため,ポップスファンには好まれないかもしれない。売上や3人ユニットを考えるとこれらの楽曲がメインとなることはない。私はそう感じていた。


ところが,『FDTD』のファンカム。
ライブではまさしくINSANE,HOLLY SHIT!
私は目を見開いたままピクリとも動けなかった。
『FDTD』は現代の神降ろしだった。

ちょっとこの世のものとは思えない。
この子達,とんでもない地平に立っている。

この並外れたステージを成立させたのは,
会場を圧するSU-METALの歌声と脇の二人であった。
彼女たちが現代の巫女となっていたからだ。

そこにはカワイイというのはない。『高貴』という表現がふさわしい。
今までもYUIMOAは巫女だったが,
ステージを降りたらただの可愛すぎる女学生だった。
しかし,このステージでのYUIMOAは天から降ってきた。
そう表現してもオーバーにならないくらいの非現実性を持っていた。
新しいYUIMOAの誕生と言ってもいい。

YUIMOAはカワイさを越えるアーティスティック性を身につけたのだ。

それにしても『FDTD』の凄さよ。
この曲が鳴り響いた瞬間,会場の外が豪雨だったとしてもあっという間に晴れ上がり,晴れていたとしたら大洪水となったに違いない。


広島ライブ(12/2,3)の衝撃

これもファンカムで申し訳ない。
OPその他数曲を聴いたが,特にOPは衝撃的だった。
『FDTD』同様,私は目を見開いたまま身動き取れないほど戦慄した。

HIROSIMA.jpg

古の女王のようなSU-METALの佇まい,
巨大な狐の数個の頭,そこから発せられるレーザー光線,
ドワーフのような数体の狐がステージを引っ張り,
やはりドワーフのような数体の狐が原始ドラムを叩き,
衣装を黒に変えた神バンドは低域の効いたおどろおどろしいリフを繰り返す。

まさしく,プリミティブな魅力に溢れたシアトリカルなステージだった。

広島.jpg

※YUIMETAL不在でもあり,このライブはお倉入りの可能性が強い。


メタル・オペラの可能性

これが3rdアルバムの方向性か?
メタル・オペラ。しかも,彼らは古い神話を創生しようというのか?
実現するのなら,さらにBABYMETALが羽ばたくぞ。
私は確信した。

ロックオペラ.jpg

いや,その方向が売れるのかはわからないが,
個人的にそうして欲しいからである。

地底人の現れそうなOP,天上人のFDTD。
プリミティブ,神秘的なイメージにPERFUMEのステージで使われるような未来的な映像を加えたりしてメタル・オペラをライブで演り出したら。
メタルの範疇を越え,一気に名実共にワールドクラスの表現者になる。

今でもベビメタファンは熱い人が多いが,今後は宗教になる。
広島ライブは巡礼と銘打っていたが,巡礼という言葉がさも当然のように使われるようになる。
ライブをみて泣くベビメタファンは多いが,今後はさらにBABYMETALの光にうたれて滂沱の涙を流し,地べたに頭をうちつけて歓喜にのた打ち回る。


未来のベビメタファン
未来のベビメタファン.jpg




アートなBABYMETAL

カワイイメタルでもいいんだが,私の希望は,
BABYMETALがアーティスティックな方向に行って欲しい。

その可能性が上記の2公演で現実味を増してきた。
プリミティブな『ドンドコ(仮称)』と神秘的な『FDTD』。
合間にPERFUMEがやっているような未来的な映像を重ねる。
或いは,リオオリンピックの閉会式のような拡張現実を加える。
とんでもないステージになるに違いない。

広島でのオープニング。圧倒されるような世界観の中で,
未来のBABYMETALが見えてきた。
それはカワイイメタルからの正しい進化であるだろう。

これはSU-METALの世界観だともいえる。
中元はステージ上では憑依型アイドルといわれる。
何かに取り付かれたかのような,
トランス状態のような高度な集中力を見せる。

それは上記2公演での世界観によくマッチする。
まるで古の女王のようなSU-METAL。
半端ない存在感を見せ付けているし,
この先,もっと強大な存在感を身に着けるだろう。

合わせて,YUIMOAもSU-METALに負けない存在感を見せた。
YUIMOAがPALLADIUMで見せたパフォーマンスは
天から降りてきた二人の巫女(精霊)だった。

これで来年YUIMETALが揃って,果たしてどんなステージを見せるのか。
また,来年か或いは遅くとも再来年には発表されるであろう3rdアルバム。
どのようなコンセプトで製作されるのか。非常に楽しみである。

広島会場.jpg



※ちょっとメモ:SU-METALの迫力ある高域には定評があるが,
力の抜き方にぎこちなさが残る。

例:アカツキの出だし。ピアノだけで歌われる部分。
『幾千もの夜を越えていき続ける愛があるから』
の『あるから』。
SU-METALはここの処理を昔からいろいろ試している。

例:THE ONE
『YOU ARE THE ONLY ONE』
とフォルテシモからピアニシモへデクレシェンドする部分。

個人的にチェックする部分として,ここにとどめて置く。



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2015年09月13日

BABYMETAL08 アイドル戦国時代など


◆アイドル戦国時代

ここ数年,アイドルが乱立していて,
アイドル戦国時代といわれているらしい。
乱立しすぎた結果なのか,
音楽的にもショービズ的にもなんでもあり,
そういう状況が生まれているように見える。

日本は昔から作曲と特に編曲能力が高かったが,
このところのアイドル歌謡は音楽の質的に世界の最先端で,
プログレ歌謡と呼んでさしつかえないと思う。


◆モモクロ

猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」では,
マーティフリードマンが参加している。
楽曲・アレンジ・バックが凄過ぎて,
(ヒャダイン作詞・作曲・編曲)
アイドルの歌唱がまるでついていっていない。

というか,ファンの方には申し訳ないが歌下手すぎ。
まるで声が出ておらず,痛々しい。
ルックスは好みとしても,ダンスもいいとは思えない。

いくつか聴いただけだが,青春歌謡っぽいのが多く,
それも私の好みではない。
フランスライブの映像を見たが,日本にとどまるべきだと思う。


◆電波組

作曲・アレンジが秀逸。
オフィシャルの映像も秀逸。

アイドル?たちもそれなりの実力者たちのようだ。
破天荒な楽曲にあっても,存在が埋もれていない。
まあ,アイドルというのも幅が広くなってきたとは思うが(笑

それにしても,電波組を聴くと,日本のアイドル歌謡が
とんでもない進化をとげていると実感する。
繰り返すが,プログレ歌謡,と呼んでもいいぐらいだ。

特にアレンジの秀逸さは飛びぬけてる。
私など,あまりのゴージャスさに涙ぐむぐらいだ(マジ
とにかく,やたら過剰な畳み込むようなアレンジで,
ゲーム音楽の影響が強いのかもしれない。

欧米の進んだ耳を持った人たちも,
電波組には驚くんじゃないかと思う。
カルト的な人気が出てもおかしくない。

ヒャダイン(前山田健一)とか浅野尚志とか
やたら高学歴のクリエーターが参加している。


◆BIS
あまりにも楽曲が突出しすぎていて,
過激なパフォーマンスをやったとしても,
アイドル(?)たちの音楽的な存在感が非常に低い。

非常階段をオーバーグラウンドで見れてよかった。
(BIS階段)
非常階段はノイズ系のユニット。
BISというアイドルユニットと組んだのがBIS階段。
アイドルとノイズのコラボということで,
コンセプトはBABYMETALどころではなかったのだが・・


◆Maison book girl


BiSのコショージメグミを中心に結成された。
現代音楽とアイドルポップスを融合させたというが,
たしかに上の楽曲はリズムが非常に複雑でよくわからない(泣
(4分の4、4分の5、4分の6拍子が交錯するらしい)

一般受けはなくとも,とんがった人たち向け。


◆ゆるめるモ!


「ニューウェーブアイドルグループ」を名乗る芸能事務所非所属アイドルグループ。
ということらしい。
NEU!(70年代ジャーマンプログレ)にオマージュを捧げた楽曲。

ノイは好きなバンドでよく聴いていた。
無機質で貧相なビートが段々とドラッグのように体に回ってくる
不思議な音楽を奏でていた。

この楽曲でどの程度までその魅力をフォローできているかが
聴き所の一つだと思う。


◆FRUITPOCHETTE

脂ぎった手練れオヤジと
ヤンキーあがりの新人OLの組み合わせ。
成り立ちはBABYMETAL的とはいえる。

バックバンドは地方でそれなりのキャリアのある人たちらしい。
かなりの実力者だが,ヘビメタというよりもロケンロールが似合いそう。
パンクあがりか?
フロントはダンスはともかく,ボーカルがあまりにもアマチュア過ぎる。


以上,全体的に激辛評でファンの方たちには申し訳がない。
ただ,『一緒に成長する』のが日本のアイドルらしい。
だから,むしろ下手のほうがいいらしい。
売れたもの勝ちだし。
下手な歌唱も個性だ,などと居直らなければ良しとしよう。


◆MeltBanana

MELT-BANANAはアイドルではなく,
エクストリーム系のロックバンド。
BABYMETAL関連を追っていくうちに知った。

1993年から活動しているベテランだが,
恥ずかしながら私は存在を知らなかった。
初めてユニット名を見たときはメルツバウの別名ユニット?
などとボケてた。

クレイジーなバンドだ。
クリエイティビリティとかオリジナルティとかは
彼らのためにあるような言葉。

20年も活動していればテンションが下がってもよさそうなのに,
2013年に発売した『Fetch』は『ローリング・ストーン』誌の
「20 Best Metal Albums of 2013」で17位にランク・インした。

『Fetch』は以前よりも角がとれ,『ロマンチック』な仕上がりになっていて,
現在,私の愛聴盤になっている。



◆マキシマム・ザ・ホルモン

私的には,マッドの後継者。
一瞬のためからキレのある暴力的なリズム
という点で両者は似ている。

世界中どこへ出しても恥ずかしくない音の持ち主。
いや,パブリックな席には出せないが(笑
ジャンル的にはハードコア。
彼らは攻撃的なアウトローたちで,
『由緒正しい』ロックミュージシャンである。

ライブもいいが,私にはスタジオ/MTVのほうがイケてる。

最後まで我慢して聴いてほしい(笑


◆COFFINS

ドーム系ヘビメタで,これはワールドクラス。
ただし,大衆性はない。
悪い意味で,これぞヘビメタといえる音楽。
私はかなり好きだが,それでも長くは聴けない(笑
ネガティブな気分になるから。


他にも,ヘビメタという範疇に入るのかどうかはわからないが,
いろいろいいバンドが日本に生まれている。

DIR EN GREY
彼らは活動歴も長いし有名。
日本を代表するロックバンド。
彼らの世界観は独特でオリジナルティが高い。
さすがに一時期よりも人気は落ちているようだ。


Nothing's Carved In Stone
ELLE GARDENの流れを汲むバンド。
まさしくロックバンドであり,楽器の音色を大切にしているところが,
好感がもてる。
ベースが格好いい。

CROSS FAITH,COLD RAIN,FACTとか
実力バンドは他にもたくさんいる。
今の日本はバンドブームといってもいいんじゃないか。

個人的な想像だが,アニソンやアイドルのバックで
ロック系ミュージシャンをなんとか養える土壌が
日本にできているように思える。


なお,過去を見渡すと,
70年代を代表する邦楽ロックバンドは
フラワー・トラベリング・バンド。
プリミティブな魅力に溢れる。
(あくまで私の趣味)

80年代は,
Gunjogacrayon(グンジョーガクレヨン)。
(あくまで私の趣味)

90年代は,
ぎりぎりBOOM BOOM SATELITES。
(あくまで私の趣味)

上記3者はオリジナルティが非常に高く,
ワールドクラスだと思う。



グンジョーガクレヨンは80年ごろによく聴いていた。
驚くことにまだ活動しているという。
当時の欧米のアバンギャルド系音楽と比べても,
まったく見劣りしない。

日本はこういうジャンルは昔から得意。

フリージャズの山下トリオが欧米を沸かしていたのは
70年代からだし,
メルツバウなんかはひょっとすると,
世界のベストセラー・ミュージシャン。
まあ,非常に狭い人たちの間でだが(笑



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2015年09月12日

BABYMETAL07 メギツネなど


◆メギツネ

私が一番最初に気にいった楽曲はメギツネ。
能楽堂をバックに,民謡,日本舞踏,歌舞伎
と日本の伝統舞踊を盛り込み,
メロにはサクラサクラを取り入れ,
伝統的に綿々と続く女のせつない心を歌う。

メイン部分のノリのいいリフも凄いし,
女の子の足をあげる振り付けもかわいいが,
なんといっても間奏がこの曲のハイライトだ。
特に間奏の,サクラサクラを奏でる
ホワイトノイズのようなサウンドだ。

女の複雑な心理,無意識下の葛藤,
それと,神社の持つ神聖な畏怖心というものが
表現されているように思える。

メインがダンサブルでキャッチーな分,
間奏の凶悪なメタルサウンドとの落差が
余計に強烈である。

BABYMETALはキツネを崇める。
最初は冗談で出したことかもしれないが,
稲荷さまは豊潤の象徴とともに,
祟り神としても有名だ。

この曲はキツネさまによって,一個人にとどまらず
普遍的な葛藤にまで昇華している,というのはうがち過ぎか。
ガチの和風メタルに仕上がっているこの作品,
相当なプロの仕事だと思う。



◆ギミチョコ

BABYMETALの出世作である。
個人的には,マッドの上田氏が作曲した点でポイントが高い。
マッドはかなりお気に入りのバンドなのだ。

元マッドが作曲しただけあって,
ヘビメタというよりもハードコアである。
アタタターズッキュンで世界中に論争を巻き起こした曲だが,
私の注目点は,そこに至る導入部分。

特にカナダ・モントリオールのバージョンが顕著だが,
リズムの安定感が半端ない。
かつ,その後のはっちゃけを予感させる非常にいい演奏だ。

この部分だけを聴いただけで,
神バンドが相当の手練れであることがわかる。



◆ROAD OF RESISTANCE

この曲の初演は,イギリスBRIXTONである。
携帯で撮られたと思われる映像で聴く分の段階では,
曲に対して賛否両論がまきおこった。

私は否定派だった。
私の印象では,80年ごろの戦隊ものの主題歌,であった。
懐かしさを覚えるメロディーだったのである。

ところが,クリアな音源が出回るや,評価は一転した。
神バンドが凄かったからである。

こういう例えを考えて見た。
神バンドは神社である。
伊勢神宮とかを想像していただきたい。

女の子たちは普段はただの可愛いすぎる女子高生である。
ところが,神社で巫女として活動した瞬間,
存在は神の使いとして昇華される。

ましてや,彼女たちは一流のパフォーマーであるから,
巫女といっても,卑弥呼クラスの巫女になりうる。

だが,神社を去ればいかな卑弥呼といえども,
ただの女子高生に戻ってしまう。

あんまり良いたとえではないかもしれないが,
神バンドのBABYMETALへの貢献度は,
多大なものがあることをこの曲が教えてくれた。



◆振り付け

振り付けはMIKIKO氏。
PERFUMEのときも印象的な振り付けであったが,
BABYMETALにおける振り付けもオリジナルティが高い。

そのオリジナルティは非常に視覚的でわかりやすい振り付けにある。
歌詞の内容がそのままダンスで表現される。
BABYMETALが舞台的といわれる所以の一つだ。

加えてBABYMETALには可愛い振り付けが目立つ。
  メギツネの足上げ
  CMIUCの足上げ
  ヘドバンの首横振り
  ギミチョコの両手を挙げてのダンス
この辺りは私には中毒性の高い振り付けだ。


アートの世界では,オリジナルティの高さがなくてはならない。
どれだけ上手かろうとも,
オリジナルティがないと尊重されない。
ただの楽器馬鹿とかせいぜい〜2世とか呼ばれるだけだ。

スーメタルはやたらオンリーワンということを口にする。
それはKOBAが日ごろから口を酸っぱくして強調しているのだろう。

BABYMETAL以外にも日本にはすばらしいロックバンドがいる。
だが,オンリーワンといえそうなのはいくつあるだろうか。


なんにしても,60年代のビートルズから80年代のメタリカまで,
欧米のHR/HMは圧倒的だった。
欧米と邦楽とには明らかな差があった。

私の見立てでは,J-POPは90年代ころから,
世界有数のクォリティを持つに至ったと思っているのだが,
HR/HMはそういうわけにはいかなかった。

それが,HMの救世主か?と騒がれるようなアーチストを日本が生むとは,
数年前でもほとんど夢物語であった。
感慨深いオジサンはたくさんいるだろう。
もちろん,私もそうである。



BABYMETAL08に続く


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2015年09月11日

BABYMETAL06 生命力


BABYMETALREADING.jpg
2015.08.31イギリスREADING AND LEEDS
この日の最初の演奏者がBABYMETAL。
左側にも同数の観客がいる。
通常は観客がすかすかの時間帯。
現地でも驚きの集客だった(発表では9万人)

◆楽しいー超一流のエンターテイメント

ベビーメタルの会場は笑顔に包まれる。
ウォールオブデスでさえ,笑顔だ。
『楽しい』多くのベビメタファンが証言する。
そんなヘビメタのバンドが他にいくつあるだろうか?

楽しい理由の一つは彼らのショーが超一流の
エンターテイメントであるからだ。

  日本の新進気鋭の作曲陣
  練りこまれた高度なアレンジ
  日本の若手トップクラスのプレーヤー
  非常にオリジナルティの高いダンスの振り付け,
  高い歌唱力,
  キレのあるタフなダンス,
  そして,何よりも三人ともかわいい。

およそ隙がない。
BABYMETALを見ると,今のヘビメタ界で何が不足しているのか,
よくわかってくる。


◆革新性 振れ幅

BABYMETALが新しいジャンルといわれるのは,
アイドルをフロントに据えたというだけではない。
何よりも,音楽に仕掛けが非常に多い。
その一つが,ネットでいうところの『振れ幅』である。

BABYMETALを聴くとすぐに極端から極端に走ることが多い,
ということに気づく。

フロントはアイドルの女の子,バックは極悪なメタルサウンド。
楽曲はJ-POP風からブルータルなメタルまで。
一つの楽曲に積極的なジャンルミックス。
J-POP風楽曲に突然のクレージーなブレイクダウン。

クリエーターたちは楽しみながら創作していったんじゃないかと思う。
ちょっと脅かしてやれ,と。
極端から極端だとして,あまり融合させる,という感じはない。
むしろ,対立をあおるようなアレンジだ。
当初はとまどったとしても,それがすぐに魅力に転じるところが,
BABYMETALの偉大なところだが。

それには高度な知性が背景にある,といわざるを得ない。
そして,それを裏打ちするのがBABYMETALの熱量だ。


◆熱量

BABYMETAL白黒.jpg

60年代から70年代初頭にかけて,
ギターを持っただけで不良のレッテルが貼られた(笑
それは仕方がない。

レッドツッペリンは乱痴気騒ぎをおこして,
出入り禁止になっているホテルが数多くあるという。
60年代末期だと,数多くの有能なミュージシャンが
ドラッグで死んでいる。

ロックは反抗する若者の象徴だったし,
当時の若者文化の中心にあった。
ロックは格好のいいものだったのである。

だが,いまロックやヘビメタに格好いい,というイメージはあるだろうか?
むしろ,ネガティブな反社会的イメージがついてはいないだろうか?

たとえば,悪魔崇拝,オカルト,猟奇的な犯罪,・・など,
病的で根暗なイメージが特にヘビメタにはある。

そこまでいかなくても,ヘビメタというのは,
アンダークラスでいけてない人間が聴くもの。
欧米ではそういうイメージがあるかもしれない。
反抗する,というよりも単にドロップアウトしている,
という感じだ。

そこは,日本のヘビメタ事情と違うと思う。
日本ではヘビメタファンだしても,
単に趣味性が強い,と思われるだけだろう。
日本では音楽にクラス感はあまりない。

そういう海外でのヘビメタの立ち位置を確信させるのが,
ソニスフィア出演者のまとめ映像だ。

確かに,懐かしい名前があったとしても,
BABYMETALを聴くまでもなく,
音があまりに古すぎるし,シンプルすぎる。
そう感じることが多かった。

そして何よりショックだったのが,
かつてスターといわれた彼らのショボくれた現状だ。
どう見ても彼らの多くはまともな人間には見えない。
ステージ後には道端で酔って寝転がっていても不思議ではない
その姿に衝撃的な幻滅を感じたのだ。

BABYMETALが受けた理由は一目瞭然だった。
秀逸な楽曲,練られたアレンジ,バカテクのバックバンド,
可愛らしいアイドルたち。
そしてバンドが一体となってひた向きに
超一流のショーを繰り広げるのだ。

しかも,ソニスフィアは完全アウェーである。
BABYMETALは世界中で論争を巻き起こした。
下手するとペットボトルが飛び交う,
そういうアウェーに乗り込んでのライブ演奏だ。

そして,極上のパフォーマンスと人を溶かすような笑顔で
勝利をもぎとったのである。
その熱量たるや,いかほどであったろうか。

ソニスフィアのまとめ映像を見れば,
いかにベビーメタルがまばゆい存在か,
実感することができる。
(2日目のまとめ映像は削除されていることが多い。
 アミューズが動いているようだ。)


◆HM/HRの対極にあるもの

最大のBABYMETALの革新性は,
彼女らやバンドメンバーの人間としての性質にあるかもしれない。

純粋さ,実直さ,陰日なたのない明るさ,育ちのよさ,
見え隠れする知性。そして,清潔感。
女の子たちが男に狂っているように見えるだろうか。
神バンドは酒やドラッグにおぼれているように見えるだろうか。

他の多くのミュージシャンと比べて,
あまりにもBABYMETALはポジティブに溢れている。

HR/HMはネガティブな文脈で語られることが多いが,
BABYMETALはかつてないほどのポジティブさでもって,
世界に切り込んでいる。

これこそがBABYMETALの最大の革新ではないだろうか。


◆HMの未来 生命力

ソニスフィアは,イギリス人にとって,
懐メロのイベント,という性格もあったんだろうと思う。
日本だと,フォークとか昭和の演歌の祭典とかだ。

確かに,いくつかはイケてるバンドがいた。
メタリカなんかは現役というか,オーラが半端なかった。

しかし,彼らも年老いている。
音に新鮮さがなく,伝統芸能化している。
いかにクォリティの高い音を出していようと,
未来を切り開く音ではなくなっている。
それは彼ら自身が一番よくわかっているんじゃなかろうか。

数多くの有名ミュージシャンたちがBABYMETALにいっちょかみしている。
HR/HM自身の閉塞的な現状を見れば理解できる気がする。
BABYMETALにジャンルの未来を見ているのかもしれない。

それは,生命力という言葉に置き換えてもいいかもしれない。
ヘビーメタルが最盛期だったのは80年代だ。
とっくにピークは過ぎ,廃れるばかりのジャンル,それがHMだった。
そこに未来を感じさせる音で
人々をかつてのように熱狂させるバンドが現れた。
メタリカがBABYMETALを
できのいい孫娘を見るような目で見ているとしても不思議ではない。




BABYMETAL07へと続く


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2015年09月10日

BABYMETAL05 YUIMOA


BABYMETALSLAYER.jpg
SLAYERと。
やらせとか単なる記念撮影だけじゃなくて,
大物プレーヤーが向こうからBABYMETALに寄ってくるようだ。

◆YUIMOA(ユイモア) YUIMETALとMOAMETAL

BABYMETALを突き詰めると,YUIMOAに行き当たる。
誰が,一番強い表現をすることができるか。
私はYUIMOAだと思う。
彼女たちの掛け声は非常に耳に残る。
典型的な例は,『ヘドバン』でのYUIMOAの
『からーの』あたりの部分だ。

2013年2月ZEPP TOKYOでのライブ。

つまり,
 神バンドすげー
 SU-METAL,クィーン!
 脇の二人,ダンス頑張ってるな(目が釘付け)
 YUIMOAの掛け声,超カワイイ(耳が釘付け)
こういう順番になる。少なくとも私には。

特に,スタジオ録音版のSU-METALの歌声は,
生音じゃなくて,少しボーカロイドのように聴こえる。
おそらく,声をいじっているんじゃないか。
PERFUMEの成功が尾を引いている?

それに対して,YUIMOAの合いの手は,
非常に元気良く溌剌としており,可愛らしい。


YUIMOAはダンスも上手だが,
ダンサーとしての力量はよくわからない。
E-GIRLたちはすぐにダンサーとして修練を積んだことがわかる。
YUIMOAはダンサーというよりも,
BABYMETALのダンスが上手,ということかもしれない。

キレは確かにあるのだが(特にYUIMETAL),
一般的に子供のダンスは切れのあることが多い。
たとえば,きゃりーぱみゅぱみゅのバックダンサーとか。

ダンスに限らず,女性は身体的ピークが
ローティーンの時に来ることがある。
オリンピックで世界記録で優勝した水泳の岩崎京子。
当時中2だったが,その後は低迷した。
大人になるにつれて,筋肉の質や脂肪量が変わるのだという。

ちなみに,下記動画は2014年の日本キッズ大会,
小学生の部門の優勝者だ。



一方,YUIMOAのタフネスは賞賛に値する。
1時間踊りっぱなしのステージで
あの高速の振り付けをやりこなすのだ。

それも,ミスしたところを見たことがない。
彼女たちも,SU-METAL同様,
感覚の鋭い人たちなのかもしれない。

何にしても,彼女たちはアイドルであるが,
同時にパフォーマーとしても相当なものがある。


それと,精一杯やっている,というのが伝わってきて,
これもポイントが非常に高い。

そのことは,SU-METALや神バンドにも言える。
特に,神バンドの連中はこの場(海外フェス等)にいられることに
大変な興奮をしているだろうし,
純粋にその場に全力投球しているように見える。

いってみれば,BABYMETALは
高校野球・甲子園での感動に似ているかもしれない。
プロ野球でも,世界大会だと日本中に興奮と感動が巻き起こるが,
同じような質かもしれない。



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2015年09月09日

BABYMETAL04 SU-METAL


BABYMETAL.jpg
BABYMETAL(ベビーメタル)
左から,ユイメタル(YUIMETAL),スーメタル(SU-METAL),モアメタル(MOAMETAL)

◆スーメタル(SU-METAL)

聞くところによると,
BABYMETAL(ベビーメタル)はSU-METAL(スーメタル)ありきで
結成されたのだという。
確かに,彼女は逸材だ。

逸材というのは,ボーカリストとしての力量と,
アイドルとしての存在感にある。

爆音をものともしない声量

日本人がロックをやると,よくある批判は,
演奏はいいんだが,ボーカルが・・・

日本人はお行儀がいいせいか,
それとも日本語の持つ性質上のせいか,
ロックでは魅力的な日本人ボーカルが少ないと思う。
単純に声量が不足するのだ。

だが,ロックに限らずプロたるもの,
バックの演奏を支配できるだけの声量を持つことが要求される。
スタジオならともかく,とくにライブではそうだ。

しかも,ボーカルのときは演奏を抑え気味にするのが
歌伴では普通だと思うが,
神バンドは全力でボーカルに音の壁をぶつけてくる。
にもかかわらず,SU-METALの声はかきけされない。

サウンドを支配しているかどうかは,微妙な時もあるが,
少なくとも,かきけされるようなことはない。
さらに,悪夢やアカツキだと完全にサウンドを支配しており,
その力量を存分に聴衆に見せ付ける。

人の心にダイレクトに届く声質

SU-METALは技術的には成熟していない。
素で歌っているようなところがある。

そのせいなのか,SU-METALの芯の太いボーカルは際立っている。
さらに,ボーカルの向こう側に見えるSU-METALの人間性が
よりダイレクトにこちら側に飛び込んでくるように感じる。

非常に大事なことなのだが,
音楽は心を届けるためにある。

SU-METALは非常に心の綺麗な女性に思える。
素直さとか,やさしさ,思いやりそういうものが前面に感じられる。
対人に対しても,驕り高ぶった感じがない。

純粋に歌っているのが好きで,
みんなが自分に反応してくれるのが楽しくて,
無邪気に喜んでいるように見えるし,
それとSU-METALの人間性が素直なボーカルとあいまって,
観客にもダイレクトに伝わるんじゃないかと思う。

ロックにおいては,どれだけ『不良』か,
ダークな存在かを競うようなところがある。
酒,ドラッグ,異性交遊,
そういうのがロックには付きまとう。

SU-METALのボーカルには
そういうギトギトしたものが一切感じられない。
またショービズ,つまり金とか名声とかを追い求めるハイエナ,
そういう存在からもSU-METALはかけ離れているように見える。
一言でいえば,清潔感だろうか。

ロックで清潔感。
この点においても,BABYMETALが
HM/HRで異彩を放つ理由の一つになる。


大観衆を前にしても不適に笑うステージ度胸
天才的なリズム感覚

ステージ度胸というよりも
おそらくSU-METALは発想が常人とは違うように見える。
緊張したりするポイントが違うんじゃないかと思う。
それはリズム感にもいえる。
理詰めじゃなくて,非常に感覚的に物事を捉えるタイプに見える。

聞くところによると,SU-METALは日常では,
へまばかりするらしい。
それが,音楽やダンスでは天才的な面を見せる。

よく似た例は,ドルトムントの香川だ。
彼は学校の成績が悪く,読めない漢字が多いという。
しかし,サッカーでは天才的なスペース感覚の持ち主だ。
天才にはこういうタイプがまま見られるという。


◆アイドルとしての存在感

アイドルに攻めと受けがあるとすれば,
SU-METALは受けかもしれない。

MOAMETALは有能なセールスマンや管理者のような目をする。
観客に目を配り,より積極的なプロモーションをする。
攻めのアイドルだ。

SU-METALは観客の反応を受けてより輝く。
それがさらに観客を崇拝者にしていく。
受けのアイドルだ。

歌っているときの陶酔感というか,
自分の世界を作り出して
そこから出るオーラが写真を通しても伝わってくる。

SU-METAL.jpg
  彼女の目は今ここじゃないどこかを見ている。
  その世界に観客は吸い込まれていく。

SU-METALは少しだけ山口百恵を思い起こさせる。
彼女は引退寸前,どんどん高みを極め,
菩薩の再来とまでいわしめた伝説的な存在だ。

SU-METALが今後どうなるのかはわからないが,
非常に存在感のあるアイドル(偶像)であることは間違いない。






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2015年09月08日

BABYMETAL03 神バンド


◆神バンド

作詞作曲などの裏方を除けば,
神バンドはBABYMETALサウンドの80%を占める。

彼らなくしてBABYMETALはありえない。
ソニスフィアの成功も彼らによるところが大きい。
彼らなくして,そもそもソニスフィア出演はありえなかったろう。

彼らは日本の若手を代表するような演奏家である。
非常に上手い。


だが,これだけの力量をもってしても,
音楽の世界でのしあがるのは難しい。

彼らはBABYMETALサウンドの80%を占めるといったが,
後の20%を埋めるのが至難の業なのだ。
その20%とは,オリジナルティだったり,
創造力だったり,魅力だったりする。

数字としてはあと20%だが,
100%に近づくにつれて対数的に難しくなる。
天才の領域といっていいかもしれない。
神バンドは楽器の秀才であるが,
おそらく音楽の天才ではない。

神バンドに欠けているものを埋めるのがフロントの3人である。
この3人は,対数的な難度の領域を
あっけらかんと突破しているように見える。
あっけらかん過ぎて,それは多くのミュージシャンに
賞賛と嫉妬を巻き起こしているかもしれない。

ソニスフィアの観客(ヘイターたち)を黙らせたのは
神バンドの力量ゆえである。
しかし,熱狂させたのは,
フロントの3人の女の子たちによるところが大きい。


◆神バンドのメンバー

ギター (大神),LEDA,藤岡(小神)のうち二人
ベース BOH
ドラム 青山,前田のうち一人

※LEDAはサポートから抜けた模様,替わりにISAO加入?

あくまで個人的な感想であるが,

小神(藤岡)
一番上手い。表現力が豊富。
時々,クレイジーなソロをする。
藤岡はロックという範疇にはおさまらない実力の持ち主だと思う。
特にリズムは裏志向が強く,ロックぽくない気がする。


メキシコ公演

レダ

タッチが繊細。速弾き命。
3人の中では音楽センスが一番あるかもしれない。
自分の活動が忙しくなり,サポートを抜けた模様。

大神(大村)

三人の中ではアタックが強く,一番ロックより。
速弾きと艶やかなチョーキングは超一級品。
ただメカニカル偏重のきらいがあり,
フレーズを歌わせるという点で魅力に欠けるかも。

明るそうな性格もステージを盛り上げる。
BOHとならぶ神バンドの顔的存在。


大神もレダ同様,自分の活動が忙しくなる模様。

全員が馬鹿テク,運指が非常にきれいだ。
神を順位付けるなど恐れ多いが,ギタリストの力量としては,
  小神>>レダ>=大神
ではないかと勝手に思っている。

ただ,三人ともミュージシャンというよりは
ギタリスト。ギター小僧である。
またロックならば,もっと音が汚くてもいいかもしれないし,
感情表現があっさりしていることが多いようにも聴こえる。

たとえば,彼らに速弾きなしでギターを弾かせた場合,
どの程度の表現力があるのか。
あるいは,アコギでどのようなプレイをするのか。

もっとも,小神はちょっと異次元のギタープレイの持ち主のようで,
変態クレイジーソロは疑いなく,ワールドクラスだと思う。


ドラム青山

青山は正確無比の凄腕ドラマー。
特に,彼のバズドラが気に入っている。
父親は有名なドラマーだったらしい。
正確ゆえに面白みには少しかけるかもしれない。

ドラム前田

青山に比べると正確さでは落ちるかもしれない。
しかし,タメのあるビート,キレがあり,
青山よりは唄心を大事にするドラミングで
何よりも熱さを感じさせる。
よりロック向き,ライブ向きのドラマーだ。
難点?は前に出すぎるときがあり,
フロントを邪魔すると感じることがある。

ベースBOH

バックバンドとしては,ボーは珍しくキャラ立ちしている。
タッピングを駆使する変態ベース。
スリーフィンガーも変態レベル。
これだけソロの格好いいベーシストはあまり聴いたことがない。
バッキングのセンスは普通かも。


以上,神バンドを評価するなど恐れ多いし,
見当違いのコメントもあるだろうが,
そこはお許し頂きたい。

当初はBABYMETALのサウンドは打ち込みで
ステージではカラオケだった。
ところが,バックにあてふりの骨バンドを経て,
若手トップクラスのミュージシャンを起用。
ここが大きな分岐点になったのだろう。

そこには経営判断も働いたと思うが,
何よりもプロジューサーのKOBAMETAの
ヘビーメタルへの愛を感じざるを得ない。

周りの固めるクリエーターにしても,
商売じゃなくて趣味で創作しているような面がある。
それがBABYMETALを楽しくさせる要因の一つであると思う。



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2015年09月07日

BABYMETAL02 ベビメタロス


たかだかYOUTUBEの映像で恐れおののいた私であるが,
その場にいたハゲオヤジたちはどうなるのか。
これは以下からの抜粋である。


SuzukaYuiMoa:
L.A.のBabymetalファン達は、あの素晴らしすぎるライブ体験のあとの
あの 逃れられない禁断症状をどうやって処理してるんだい?

おれはロンドンで観たけど、あまりの素晴らしさに2、3日落ち込んでしまったよ。
ロンドンの観光名所も行ってみたけど、
Babymetalに比べたらなんもかんもつまらんかった。
なーんも興味持てなかったしね。
ショーのことを考え続けるのをやめられなかったし、
ただもう一回あれを体験したかったんだよね。

KitsuneSama:
わたしはただここに座って、
本当は仕事をしなけりゃいけないんだが、 全く集中できないでいる。
横の書類箱をみながら、これ片付けないといけないよなと 思いながらも、
今現在なにもやる気が起きない

今朝からずっとReddit(サイト)を漁り続けていて、
もっとBabymetal汁を吸うために携帯の空き容量を 消費し続けている。
いまだに頭はぼーっとして、コンサート後のハイ状態が続いたままで、
いまだ落ち込むところまで行っていない。

わたしは疲れた。
疲労困憊だ。睡眠が必要なんだ、、、、でも今頭の中は
Akatsukiの間
Su-metalが私達の「ほう」をみていたときのことで一杯なんだ、、、、、、

・・・以下続く・・・

上記は,LAライブ後の話だが,
イギリスでもそういう話を見たことがある。
BABYMETALのライブを見た人はかなりの高確率で
上記のような状態になるようだ。

こういう状態を
BABYMETAL LOSS ベビメタロス
というらしい(笑
誰が名づけたのか,上手いネーミングだと思う。

ベビメタロスは,祭りの後の寂しさ,
そういう感情に似ている。
あまりにも楽しい時間をすごしたために,
その後の日常生活が退屈すぎてやりきれなくなるのだ。

この鬱状態,心理学的には,
祭りの間には興奮を抑えようとする動きがおき,
祭りの興奮が収まった後でも,抑制作用が続くから,
ということらしい。

鬱が進行して死に至るケースもあるというから,笑い事ではない。

日本でも,おっかけと呼ばれる人たちがいる。
ライブがまるでドラッグのような体験となり,
ライブ依存症になってしまっているのかも。

傍からみれば,正気じゃない。
日本の女子中高校生に入れあげてる変態オヤジ(笑)
そう見られても不思議じゃないし,
実際,そう見られるケースが多いようだ。

特に,欧米はペド(幼児性愛)に異常にうるさい。
BABYMETALに嵌る人たちには,
なんらかの心理的葛藤があるかもしれない。
そのせいなのかはわからないが,
BABYMETALのファン・コミュニティはかなり親密な印象を受ける。
秘密を共有しあう同士という側面はあるんだと思う。

確かに,私にしてもBABYMETAL好きを公言するときは,
相手が音楽好きならば,なんの抵抗もないというか,
興奮状態でしゃべり続けるだろうが(笑
音楽に疎い輩に対しては,若干の抵抗を感じる。

BABYMETALREADING.jpg
2015.08.31イギリスREADIN&LEEDS

なんにせよ,私の数十年に及ぶ音楽キャリアの中で,
BABYMETALは突出した存在の一つになった。

14歳のときに聴いたディープパープルとピンクフロイド
19歳のときに聴いた山下洋輔トリオとエリックドルフィ
28歳のときに聴いた武田和命
39歳のときに聴いたブンブンサテライツ

私の脊髄を熱くさせたミュージシャンたちである。
BABYMETALも彼らと同位置にいる。


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2015年09月05日

BABYMETAL01 ベビーメタルにはまるきっかけ


◆きっかけ

私がBABYMETALを聴くようになったきっかけはイギリス・ソニスフィアフェス。
2014.7.5のことである。
私はその映像を2014年の7月中旬に見た。


かなり強い興味を惹かれた。
当初は神バンドの圧倒的クォリティに対してである。

◆2014年ロサンジェルス公演(7/28)

私がBABYMETALに本当にはまったのは
2014ロサンジェルス公演の映像を見たときだ。
(映像はたぶん,削除されている)

この映像をネットから落としたものの,
音も画質もひどくて,最初はほとんどスルーしていた。
BABYMETALの甘口のJPOPを聴く気がしなかったこともある。
IINEとかドキドキのような楽曲だ。

ところが我慢して聴いてみたところ,世界が反転した。

LA公演のこの映像では,DEATHのあとIINEを演奏する。
IINEは,ユーロビート風?のアレンジが大部分を占める。
甘口すぎて,聴き進めなかった部分だ。

そこを我慢して聴き続けたところ,驚く展開になった。
突然のブレイクダウンである。

それまでは甘口のJPOPであり,微笑ましい観客とのやりとりであるのが,
一転してテンションの高いコードによる大音圧のブレイクダウン。
女とへらへら遊んでいたら,いきなり崖から突き落とされたような衝撃であった。

驚いたのはそれだけではない。
ハゲ散らかしていたり,体中に刺青をいれたような大男たちが,
全員そろって『イイネイイネ』とわめきちらしているのである。

違和感ありまくりの光景だった。
悪魔宗教の集会か?悪徳催眠商法か?


曲は一気に展開する。
わくわくミッドナイトで,
非日常感たっぷりの夢幻のダンス。

そして悪夢のロンド。
変態変拍子による超難曲にもかかわらず,
見事な音楽世界。

『悪夢〜』を歌うスーメタルは,
この世ならぬ世界に迷い込んだ憐れな少女,
逃げまどうも,実は彼女は覚醒前の地獄の女王。

文字にすれば,まことに厨2である。
だが,スーメタルはその厨2世界を見事な表現力で歌いきり,
圧倒的な存在感により,聴衆を虜にしている。


ふと我に帰ったとき,私は奇妙な感覚におそわれた。

  腰まで水につかり,
  足には藻がからみついている。

『引き返せない』
本当にそう感じたのだ。
私は冷静にBABYMETALを聴いているつもりであった,
そもそも私はコンサート会場にいるどころか,
画質音質のかなり悪いYOUTUBE投稿動画を見ていたのだ。

それでも私はBABYMETALに捉えられていた。
会場にいるハゲ親父たちがより熱狂的な信者と化しているのは
容易に想像できた。

正直,ぞっとした。
BABYMETALの吸引力にだ。


ロサンジェルス公演の映像には収録されていなかったが,
悪魔のロンド以上に邪悪な曲がある。
『おねだり大作戦』。

かってかってかってかってちょうだいちょうだいちょうだい・・

このジョークのような楽曲が,
一連の流れに組み込まれると,
実に意味ありげな存在になる。

一連の楽曲で信者化している聴衆たちは,
もう我さきに何でも与えようとするだろう。
心臓くれ,と言われたとしても,
喜んで胸をかっさばいて取り出した心臓を
ステージに捧げんばかりの熱狂だ。

新兵不足に悩むどこかの団長が見ればまことにうらやましい光景が
嬉々として展開されたに違いない(笑

次の映像は2014年のフランス公演時のものである。


熱狂度が非常によくわかる。
みんな,頭おかしい(笑




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2015年09月04日

BABYMETAL00 ベビーメタル

babymetal-masks.jpg

◆BABYMETAL

2014年の夏ごろから,私はBABYMETAL(ベビーメタル)という
日本のメタル/ロックユニットにはまっている。
このユニット,ものすごい中毒性がある。

フロントは女子高生の3人。
それに恐ろしく手練れのバックバンド(神バンド)が帯同する。

サウンドはヘビーなメタルが中心である。
それに10代の女の子のボーカルと
タフなダンスがのっかる。
メタルとアイドルJ-POPの融合とされる。

結成は2010年。
当初は中学生と小学生の3人のみで,
バックは打ち込みが中心だった。
ところが,たぶん2012年ごろからバックバンドをつけ始めた。

ほとんど宣伝をしないユニットである。
テレビにも活字媒体にも積極的に出るほうではない。
握手会などもしない。

だから,一般的な知名度はかなり低いようだ。
それでも2014年の3月には単独武道館公演2DAYS。
2015年1月にはさいたまスーパーアリーナ2万人動員。
いずれもほぼ瞬時にソールドアウトしたようで,
抽選の倍率も結構高そうなユニットにまで成長している。

さらに,サウンドの面白さからYOUTUBEを中心に海外に波及。
熱狂的なファンを獲得しつつあり,
昨年度はイギリスの5千人規模の箱をソールドアウトにしたのをはじめ,
各種フェス等でワールドツアーを敢行,大成功をおさめた。

その点をあげて海外発,逆輸入の日本人アーティスト,
とかいう人がいるが,それは違う。

彼女たちの人気の中心はあくまで日本である。
それはCDの売り上げやライブのキャパが証明している。
感度の低い日本の一般マスコミの言うことを鵜呑みにしてはいけない。


ただ,当初はドルオタと物好きのファン中心だったと思う。
それが,バックバンドをつけたことと,海外欧米フェスでの大成功で
環境が一変したのではないかと思う。

私にしても,結成当初からBABYMETALの存在は知っていたが,
もともと,アイドル自体には興味がないうえに,
BABYMETALの音にも強い興味を惹かれなかった。

さほどヘビーメタルが好きではないこともあるし,
ましてや打ち込みのヘビーメタルでは聴く意味がない。


私は10代(70年代)の頃こそハードロック好きであったし,
ディープパープルやツェッペリンのコピーバンドもしていたこともある。
だが,20歳前後より興味がジャズやアバンギャルドなどに移り,
ヴァンヘイレン以降のHR/HMにほぼ興味をなくした。

全盛期の80年代ヘビメタは,あまり聴いたことがない。
メタリカ,と聞いても,新参者,という感覚しかないオヤジであるし,
あまりヘビメタにいい印象を持っていない。

ヘビメタはテクニカル過ぎることが多いこと,
ヘビメタは『様式美』というお約束の多いこと,
音楽味の乏しい,縛られた表現方法,
私がヘビメタに抱く偏見である。

また,日本においてはJPOPやアニソンではHR/HM風のアレンジが数多くある。
BABYMETALのJ-POPとヘビーメタルの融合,というコンセプトは,
とびっきり斬新というほどではない。

こんな例もある。
ファンクジャズにのせて声優自身が歌うアニソンである。


バックもとびぬけてイケてるが,
声優たちの音楽センスにも感心していた。
そんな例もあったから,
アイドルがヘビメタをやったとしても,違和感を感じなかったし,
さほど強い興味も惹かれなかった。

そんな私ではあるが,BABYMETALには大はまりして1年がたつ。
以下,防備録として私の雑感を記す。




posted by DEBUO at 22:20 | BABYMETAL | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする