2018年02月17日

アメージング・グレイス & アヴェマリア

AMAZING GRACE

Amazing Graceは,1772年に英国人のジョン・ニュートンにより作詞された。彼は若い頃に奴隷船に従事していたが,難破しそうになったときに必死に神にお祈りしたら助かったという。それからは彼は改心し,後に牧師になるのである。

作曲は不詳。ゴスペルとして世に出た。ジュディ・コリンズの録音で有名になる。
私はセリーヌ・ディオンの歌唱が好きである。


Hayley Westenra『白い巨塔』のエンディング・テーマ
Amira Willighagen Classics is Groot 2017 (With Subtitle)
Mahalia Jackson  この曲を初めて録音した人。
Judy Collins  この人がヒットさせた。
夏川りみ 沖縄民謡風に歌っている。

英語だと,最後のtdの発音が汚いのが難点。


AVE MARIA

アヴェマリアは『おめでとう(こんにちは),マリア』という意味のラテン語。作曲者が多数にのぼるが,有名なのは,バッハ/グノーとシューベルト。

作曲:(Bach/Gounod) 
作曲:Franz Schubert

それに,このところよく聞かれるようになったのが
Giulio(Julio) Caccini作曲の作品。
よくわからないのだが,この作品の真の作曲者はVladimir Vavilovというロシア人らしい。彼は古典風の自作を昔の作曲者の名前にして『発掘した』という形で発表することがあったらしい。

Jackie Evancho アメリカ出身の歌手。
作曲:Julio Caccini(Vladimir Vavilov)

Charlotte Church ウェールズ出身の歌手。
作曲:Julio Caccini(Vladimir Vavilov)
Hayley Westenra ニュージーランド出身の歌手。
作曲:Julio Caccini(Vladimir Vavilov)

Inessa Galante ラトビアのオペラ歌手。本職は凄い。
作曲:Julio Caccini(Vladimir Vavilov)


その他

タリス・スコラーズ 中世っぽいポリフォニー音楽。
作曲:ジョスカン・デ・プレ 
作曲:Michal Lorenc




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2018年02月16日

ミソフォニア 音嫌い

ミソフォニアとは

私は神経質な人間ではない。
どちらかといえばズボラなタイプだ。
特に視覚的な汚さにはある程度耐性がある。

しかし,どうしても我慢できないものがある。
    食べ物をクチャクチャ咀嚼する音
    麺をズルズルすする音
    鼻をすする音
    赤ん坊の泣き声

成人するまでは何の気にもならなかったが,
20代の半ばごろからこれらの音がまったく我慢できない。
うるさい,というだけではない。激しい怒りとなる。

単なる嫌悪感ではない。
例えば,私は黒板をチョークでキーとやる音も苦手だが,
怒りにまではならない。ただ,嫌な音としか感じない。


最近,それらに症状名があることを知った。
ミソフォニア(音嫌悪症)』という。ミソは嫌悪,フォニアは音。
2000年ごろから使われるようになったという。


まだ私は軽いほうで,次はある人の症状だが,
  • どんな物でも食べている時の音は全て嫌い。
  • 薄い紙にシャーペンなどで書く時に出るコツコツ音
  • 女性のハイヒールなど靴底が硬い靴のコツコツ音
  • キーボードのカタカタ音
  • マウスのクリック音
  • 他人の口笛
  • 笑い声
  • CMなどで飲料水をゴクゴク飲む音
  • 水がちょろちょろ流れる音、川のせせらぎの音が苦手
  • フォークやナイフとお皿がぶつかるカチャカチャ音
  • その他、狭い間隔で繰り返しなり続ける音

私には咀嚼音以外あてはまらない。

他にもWIKIだと,
唇鳴らし,咳払い,爪切り,歯磨き,呼吸,鼻のクンクン鳴らし,会話,くしゃみ,あくび,徒歩,いびき,飲み込み,ゴクゴク,げっぷ,義歯のかちっという音,咳,鼻歌,歌い,ある子音の音や,反復的な音など

『笑い』とか『会話』とかに反応する例もあるという。
こうなると,日常生活も送れなさそうだ。
どうやら,反復的な音が駄目なことが多いらしい。


ミソフォニアの症状

私の場合は,激しい嫌悪感と怒り,であるが,
酷い人だと,過呼吸や発汗,体温上昇とかが見られるという。
例えば,ミソフォニアで悩んでいる人のブログ

感情制御メカニズムに異常を抱えているらしいとのことだが,
まだ明確な治療方法は見つかっていない。



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2018年02月03日

アフリカ音楽

アフリカで音楽が盛んな国として有名な国に赤印をつけてみた。

アフリカ音楽02.jpg

アフリカで古来より音楽の盛んな地域として有名なのが,
西アフリカ(特にヨルバ族)とアンゴラである。

アフリカ音楽は奴隷貿易を通じて,南北アメリカ音楽に影響を与えた。
USAにおいてはジャズやブルースを生み出し,
キューバ音楽においてはソン・サルサを生み出し,
ブラジルにおいてはアンゴラのセンバがサンバとなる。

さらにキューバ音楽はアフリカに逆輸入され,
isuramu.jpg
西アフリカの音楽
⇒奴隷貿易の拠点(ギニアや奴隷海岸など)
⇒キューバ⇒コンゴのスークース⇒セネガルのンバラ
というルートをたどることになる。

一般的に,イスラム教は音楽に不寛容だ。
アフリカの音楽大国に偏りがあるのは,
それが理由の一つだと思う。



ナイジェリア


ヨルバ族の民族音楽
ヨルバ族はナイジェリア南西の部族である。アフリカ最大級の部族。
上の動画はいかにもアフリカの音楽である。
ポリリズムによる複雑なパーカッションと特徴的な音階を持つ歌。

ババトゥンデ・オラトゥンジ
オラトゥンジは,晩年のジョン・コルトレーンのアフリカ回帰をはじめ,ジャズに大きな影響を与えたことでも知られるナイジェリア出身のパーカッションの巨匠。
バイブレーションが凄い。私のお気に入りのアルバムだ。


フェラクティ
ZOMBIE 1976
フェラ・クティはナイジェリア出身のミュージシャン。サックス,ピアノ,ヴォーカル。アフロビートの創始者として世界的に著名である。 



マリ


SALIF KEITA
サリフケイタは著名なボーカリストの一人。



セネガル


Doudou N'diaye Rose
「太鼓の神様」とも評される,ドゥドゥ・ニジャエ・ローズ。

ユッスー・ンドゥール
SET 1990
THE LION 1989
ユッスー・ンドゥールはSETで人気を確立したが,私のお気に入りはその前の作品であるTHE LION。当時,音楽の新時代を実感し毎日のように聴いていた。
トーキング・ドラムが気持ちいい。




アンゴラ


センバ・Bonga Kwenta
Bongaはセンバの大スター。実に味わい深い声をしている。

lagrima no canto do olho 彼の代表曲の一つ。

クドゥーロ(アンゴラのテクノ音楽)
クドゥーロはセンバなど様々な音楽を取り入れたアンゴラの新時代音楽。
Buraka Som Sistemaはアンゴラ出身でポルトガルでデビューした。


その他,ブルキナファソ,コートジボアールなども名前の出てくる国だ。



ちなみに,キューバ サルサ


1969年に結成されたキューバのティンバ/サルサバンド。
ライブの盛り上がりが凄い。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブはWIKIPEDIAを参照。
ヴィム・ヴェンダースにより映画化され,世界的に有名になった。

オルケスタ・デ・ラ・ルスは日本のサルサ・バンドだが,
中南米で圧倒的な人気を誇った。
グラミー賞にノミネートされたこともある。
人気のほどは観客の熱狂度を参照。



ブラジルサンバ


カルトーラは,ブラジル音楽の歴史において燦然と輝く,まさにその名の通りCartola(重要人物)。

ベッチ・カルヴァーリョは,ブラジル・リオデジャネイロ出身のサンバ歌手の1人



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2018年02月02日

sora tob sakana(そらとぶさかな)


ポストロックにおけるボーカルの立ち位置



ここ数日,プログレ,テクノ,ミニマル,ポストロックと投稿してきたのは,
ハイスイノナサに焦点を合わせるためだ。
このバンドに影響を与えた主要ジャンルをまとめたのである。

ハイスイノナサではボーカルは『楽器のように歌え』と指示されたという。
『ボーカルが楽器』というのは目新しい言葉ではないが,ハイスイノナサの場合,サウンドに溶け込め,というような意味だと思う。

だから,ボーカルにはあまり技術とか発声の凄さは求められない。しかし埋没してもダメなので,ボーカルにはセンスが要求される。能力のあるボーカルなら自分の立ち位置に欲求不満がたまるだろう。



存在感の薄いボーカルと複雑なアレンジ


そこで私が感じたのは,ポストロック的なアプローチはアイドル歌謡で使えるんじゃないか,という見込みだった。
個性のないボーカルと複雑なアレンジの組合せ
ボーカルはある程度基礎がしっかりしていれば使える。
クリエイターにとってはアイドルを隠れ蓑にしてある程度自由な表現ができる。

日本のアイドル業界では下手糞なボーカルと凝ったアレンジという組合せは珍しくないが,あくまでボーカルを立てる,つまり最低限歌伴としてのアレンジが求められる。アイドルが目立たないと困るからである。

或いは,無茶して下手糞なボーカル+歌を無視した過激なアレンジという組合せもある。しかし,過激なアレンジにボーカルが押され,埋没しがちだ。

ポストロックは歌が前面に出るジャンルではないので,ボーカルの埋没はある程度織り込み済みだ。歌唱的な存在感のなさはアレンジが尖がっていたり,ダンスなど歌唱以外でカバーできる。つまり,アーティスティックなアイドル,という売り方がこのジャンルでは可能そうだ。

などと考えていたら,実例をいくつか思い出した。



Perfume


真っ先に浮かんだのが,Perfumeだった。
ご存知Perfumeはリバイバル・テクノポップの雄(女だが)である。
が,本当の中心人物はプロデューサーの中田ヤスタカである。

中田ヤスタカはPerfumeでポップスに実験性を盛り込みつつ,
Perfumeは無個性どころか,ボーカルの質を卓上で転換してしまっている。

生音からは距離感のある音となり,ライブでは口パクだ。再現不能なのである。
ボーカロイドの初音ミクに限りなく近づいたアイドルなのだ。

かといって初音ミクと違うところは,声がある程度の身体性をもち,決してボーカロイドのような機械的な音にならないところにPerfumeの妙がある。

この点をどう考えるか。中田ヤスタカはPerfumeのボーカルの個性をいじり倒したのか,それとも,コアとなる個性のみを際立たせたのか。



Perfumeはダンスが売りだったが,その身体性も怪しいのが現状だ。ますます彼女たちは初音ミクに近づいている。下の動画をご覧頂きたい。

これは2013年及び2014年のライブである。本物の彼女たちはどこにいるのか?
ビジュアルはここまで進化しているのだ。引田天功が出てきても驚かない。

彼女たちは,ボーカルもダンスも生身を失ないかけている。
にも関わらず,聴衆には前向きなとらえ方をされている。



サクライケンタ


サクライケンタは1983年生まれ。ポピュラー音楽に現代音楽を持ち込み,自称「現音ポップ」としている。

彼の活動はアイドルと共にある。
中でも,Maison book girlでの作品は彼の代表作だろう。



Maison book girlは,当ブログで既に紹介してある。が,この時は無個性ボイス+尖がったアレンジ,というものに価値を見出せなかった。

改めてこの楽曲を聴きなおしてみると,
無個性ボイス+尖がったアレンジというコンセプトに近い。

この学校唱歌のような歌い方は,Perfumeから始まったんだろうか。
BABYMETALもソラトブサカナもそうだ。
SU-METALは楽曲を突き抜けてくるパワーを持つが,
Maison book girlは目だたず,音程も安定し,不快でもなく,
楽曲に溶け込んでいる。



sora tob sakana(そらとぶさかな)


sora tob sakanaは,2014年デビュー。
デビュー当時の平均年齢14才のアイドルグループだ。
ハイスイノナサの照井順政がプロデューサー・作詞・作曲・アレンジを担当。

ハイスイノナサつながりで聴いてみたのだが,Perfumeに次ぐ衝撃だった。

Perfumeの何が衝撃だったか。
上述したように,複雑なポリリズムをアイドルの楽曲に取り入れたこと。
ボーカルが電子的にかなりいじられていること,つまり,初音ミクとPefumeとの垣根が曖昧なこと。
この二つが衝撃だったのだ。

では,ソラトブサカナはどうか。
アイドル楽曲としては,変拍子,ポリリズム,ミニマル,プログレなどのいわゆるポストロック的手法を取り入れ,サウンドが徹底的に尖がっている。ポストロックというよりはマスロック,このような手法をアイドルに用いてしかも成立させているところに衝撃を感じたわけだ。

但しPefumeと違いボーカルの主張が強い。ライブでもボーカルは生音のようだ。
照井氏のこだわりか。或いは口パクはアイドルでも難しくなってきたのか。



ソラトブサカナ,フロントとバックの関係



この演奏を聴いていただきたい。
メカニカルで頭でっかちの楽曲にも関わらず,緊迫感があり聴かせる演奏(特に後半,音が渦巻いている)となっている。彼らの演奏家としての力量とアレンジセンスの良さが伺われる。

さらに,インストとして成立していることに驚く。
これはソラトブサカナの『広告の街』のバックだ。
このバック演奏に,ソラトブサカナのボーカルが入る。


こうやって聴くと,バックに歌伴という意識があるのは確かなようだ。インストだけでもイケてるが,メロディーパートが抜けているようにも聴こえる。

それでも,これだけ強度の強いバック演奏はやはりボーカルに優しくない。
しかしソラトブサカナの4人はわりと声が強いので,少々のことでは楽曲に埋没しない。ユニゾンでも声の粒立ちが目立つ。

だから,無個性のボーカル+尖がったアレンジ,というのとは少し違う。ボーカルに主張が感じられ,世界観を演出するにあたってボーカルが不可欠な存在となっている。

それにしても,笑うしかない凄い楽曲だ(笑
よく女の子たちは踊りながら歌えるもんだ。
上手・下手は今のところ置いておこう。



ソラトブサカナの楽曲


YOUTUBEからいくつか拾ってみた。

夜空を全部  1stシングル表題曲
魔法の言葉  2ndシングル表題曲
この楽曲はアレンジが明らかにFPMに影響を受けている。しかし,FPMよりもずっと音楽的でスリリングだ。打ち込みと生楽器(演奏力)の違いだろう。
タイムマシンにさよなら 変拍子,ポリリズム。難曲すぎる(笑

楽曲の難しさにも関わらず,瑞々しさが溢れる。
10代の浮遊感が表現された世界観は楽曲の難解さを上回っていると思う。

ソラトブサカナは世界中の耳の肥えた音楽ファン(マニア)も
ぶっ飛ぶだろう。MATH-アイドルか。日本以外じゃありえない組合せだ。

ソラトブサカナがBABYMETALのように世界を席巻するには歌・ダンスともかなりのパワーアップが必要だが,外国のアニ・フェスなどに呼ばれることがあっても不思議ではない。

ただ本音言うと,インストだけで出してもらえないだろうか。



照井氏がかかわる作品



やはり,上手な人が歌うと表現の幅が全然違う。
これが音楽だと実感してほっとする。

これはアニメの主題歌だが,アニソンにはアーティスティックな楽曲が多く,アニソンだといって少しも疎かにはできない。私は菅野よう子もNujabesもI'veもアニソンから知ったのだ。

楽器の上手い人がごろごろいる。



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2018年02月01日

ポストロック


ポストロックとは


ポストロックは90年代から2000年代初期に流行ったとされる音楽だ。一言で言うと,ポスト・ロックは『エレキギター,ドラム,ベースを使うロックバンドの形態だが,ロックっぽい音楽をやらない音楽』。

影響を受けているジャンル・技法は,変拍子,ポリリズム,アンビエント,ミニマル,ジャズ,エレクトロニカ,実験音楽など。

インストルメンタルつまり歌なしバンドが多い。シンガーがいても楽曲に溶け込み全面に出てこないことが多い。

シガーロス。1997年デビュー。アイスランド。代表的なポストロック。


この手合いの音楽は,エレクトロニカ,フォークトロニカ,ポストクラシックなど多岐に渡って似たような音楽があり,全てではないが概ね下のような傾向を大なり小なり持つことが多い。

    聴きやすい。意識高い系。利口そう。清潔。熱くならない。ノリが悪い。

21世紀に入りポストロックの潮流は沈静化したが,2010年代に入り再び注目されてきた。新世代の日本のバンドは以前のポストロックバンドよりも,演奏技術が高度で洗練されており技法的にもこなれている。



代表的とされるポストロック


リンクは1st。1994年発売。典型的なポストロック。
2006年EPでデビュー。リンクは2014年発表。すぐにポストロックとわかる。
2004年1st。イギリス。
1997年デビュー。スコットランド。初期の頃はプログレとの区別がつきにくい。
上記リンクは2017年の最新アルバムだが,これもプログレの影響が強い。

Slintはマスロックバンド。マスロックは複雑で変則的なリズム,ギターを中心とした鋭角的なメロディや不協和音などが特徴。ポストロックとの境界は曖昧で,同義と見られることも多い。マスロックはリズムの複雑さが浮かび上がる頭でっかち度の強いポストロックという見方もできると思う。



日本 新世代ポストロック


2010年前後から活躍し始めた日本の音楽家/バンドは,少し以前とは違う展開を見せているようだ。楽器の上手なインストルメント・バンドが多い。洗練度が高く,複雑な技法もスムーズに楽曲に溶け込んでいる。いかにも現代都市に似合う音楽,という感じがする。

私は以前のポストロックにあまり興味はないが,以下の日本の新世代ポストロックとされる一連のバンドには興味がある。

以下は新世代のポストロック。基本的に演奏技術が高い。

2009年,インディーズからデビュー。
私の感じる典型的な新世代ポストロック・バンド。

複雑なアレンジにも関わらず,よく曲がこなれている。
技法が音楽に先行しているわけではない,ということだ。
また,それを支える演奏力もかなりのものだ。


トコノマ。2013年1stデビュー。日本。
2009年1stデビュー。日本。アイドルとのコラボが多い。
女性3人+男1人。2010年結成。ポップで聴きやすい。

以下は,ジャズをベースとしたバンド。いずれも演奏技術が高い。
ポストロックというよりはジャズロック系。

ミニマルの影響がある。
ポストとか抜きにして,実に素晴らしい演奏だ。
ビチアズ。2017年1stデビュー。日本。
ジズー。2010年1stデビュー。日本。
2009年1stデビュー。

電子音を中心とした音楽家

2010年1st。ジャンル的にはエレクトロニカか何かだろう。
この作品は2014年。以前の歪んだ高域がなく,聴きやすい。
かなり,アーティスティック性が強い。非常に好み。


ポストロック、エレクトロニカのジャンルに類されるバンドが所属。
代表取締役はtéのギタリストである河野章宏。
残響レコードに所属しているアーティストを残響系というらしい。



その他


エレクトロニカ

フォークトロニカ

ポスト・クラシック




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2018年01月31日

ミニマルミュージックとハイスイノナサ


ハイスイノナサ


ハイスイノナサ"地下鉄の動態" (haisuinonasa"Dynamics of the Subway")

ハイスイノナサは日本のバンド。
上の動画はいい意味で軽くアルコールで消毒したような音楽である。
変拍子の楽曲で,もう5年前のもの。映像が随分とおしゃれで楽曲にあっている。

ジャンルとしてはエレクトロニカとかポストロック(マスロック)とかに
なる。イントロはミニマル・ミュージック,変拍子である点と後半ブレイクするアレンジにプログレを感じる。

なお,エレクトロニカとは頭のよさそうなテクノ。こちらを参照
ポストロックはエレクトロニカのロック版。こちらを参照
プログレはこちらを参照



ミニマルミュージックのヒント


ミニマルミュージックとは,
音の動きを最小限に抑え、パターン化された音型を反復させる音楽。

元祖の元祖は多分,ANTON/WEBERN(アントン・ヴェーベルン)
ウェーベルンは新ウィーン学派の一人。無調/十二音技法を用いたが,表現主義の爛れた雰囲気は少なく非常に簡素である。
この技法は戦後の現代作曲家に多大な影響を与えた。

エリックサティにも『ヴェクサシオン(嫌がらせ)』という曲がある。
52拍からなる1分程度の曲を840回繰り返す。
リンク先の演奏ならば,18時間同じ演奏を演る/聴くはめになる。
まさしく嫌がらせ以外の何ものでもない。



ミニマルミュージックの元祖


ミニマルミュージックは60年代に盛んになる。
代表的な作曲者は,ラ・モンテ・ヤング,フィリップ・グラス,スティーヴ・ライヒ,テリー・ライリー。

少しずつ音がずれていくのが特徴

上のリンクは実験的な意味合いが強いが,
彼らはすぐに音楽的に優れた曲を書き始めた。
特に,次のライヒの曲は有名で聴き易いことから人気があり,
ミニマルの代表作ともいえる。

スティーヴ・ライヒ  18人の音楽家のための音楽 1974-76
簡易な音の反復にいかに変化をつけるか。
技法的には上記の『It's Gonna Rain』よりも多彩になっている。


テリー・ライリー  A Rainbow In Curved Air 1968



ミニマルミュージックと正反対  トーンクラスター


ミニマルミュージックと正反対に聴こえるのがトーンクラスター
音域の密集したたくさんの音を塊のように同時に鳴らす
2001年宇宙の旅,リゲティで有名になった。
上記は聴いて楽しい,というものではない。

これはちょっと楽しいかも。楽譜も見もの。
演者は遊んでいるわけではない。
決して,子供でもできるとか思っていはいけない。



環境音楽(アンビエントミュージック)


こんなのもある。アンビエント音楽(環境音楽)。
ブライアン・イーノが提唱した音楽のジャンル。
非常に耳障りがよく,癒し系BGMで活用されている。

Brian Eno - Ambient 1: Music for Airports

ミニマル・ミュージックとは考え方が違うのだろうが,
ミニマル(最小限)という点では似ている。



ハイスイノナサの他の曲


さて,ハイスイノナサ。


やはり,出色の出来だ。



こういう頭でっかちな音は頭痛の元になりがちなんだが,
彼らの音はかなりこなれている。

作曲・アレンジは,ハイスイノナサの 照井 順政
彼はアイドルにも関わり,sora tob sakana(ソラトブサカナ)の音楽プロジューサーでもある。こちらもヤバイ。アイドルの範疇を軽く越えている。後日の投稿で扱う。



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2018年01月30日

各種テクノ音楽


紛らわしいテクノとテクノ・ポップ


テクノはドラムマシン+DJプレイが特徴。

techno.jpg


テクノ・ポップ(和製英語)は歌+電子音。
昔なら,クラフトワーク,YMO,今ならPefume。
こっちも普段はテクノと言うから紛らわしい。

perfume.jpg



テクノ-ハウスとテクノ


テクノの祖はハウス
キック(低音のドンドンという音)が1小節に4つ鳴ってる音楽であることは,基本的にハウスもテクノも同じ。

ハウスは1977年にフランキー・ナックルズがデトロイトのクラブで始めた音楽。
黒人であり,ビートが深く横揺れっぽい。簡単な判別法として,
楽曲のアレンジやボーカルにR&Bの影響が少しでも感じられれば「ハウス」。

ラリー・レバン(米)
明らかにリズムにタメがある。
フランキー・ナックルズ(米)
R&B系の打ち込みの教科書のようなリズム。
M/A/R/R/S(英)
ハウスが流行したのは,この曲の欧米中心のヒットから(1987)。
Farley Jackmaster(米)
Fingers inc. feat. Chuck roberts(米)
Michael Watford(米)


アシッドハウス
アナログシンセサイザーの変調効果を多用したエレクトロニック・ミュージック。
最狭義では,ローランドTB303を使用したもの。

一度廃れるが,90年代にデトロイト・テクノとして復活。
ホアン・アトキンス、デリック・メイ、ケビン・サンダーソンらが有名。

miami-banner-lineup-phase1-2018.jpg
世界最大の都市型ダンスミュージック・フェスティバル。
CDやダウンロードでは収益を上げられなくなってきているので,
ミュージシャンにとってライブ収益は益々重要性を増している。



欧州テクノ


テクノというのは電子音によるダンス音楽全般を言う。
だから,ハウスもテクノの一つということになる。
テクノの名称が広まったのは,Inner City - Big Fun(米)の世界的なヒットから。

わかりにくいので,欧州で流行したテクノを『欧州テクノ』と呼ぶことにする。
欧州テクノなるジャンル名が一般に流布しているわけではない。

ハウスと欧州テクノとではリズムに大きな違いがある。それはちょうどR&Bとロックの違いに似ている。ハウスはリズムにタメがあり横揺れだ。欧州テクノはリズムがジャストで固く縦ゆれであることが多い。

あとハウスには生歌がつくことが多い。
リズムやメロディーに黒人音楽の要素を持つことが多い。

ハウスのリズムは1小節内に4分音符のキックが4つ並び,スタンダードなものは2・4拍にクラップもしくはスネア,
そして裏にはハットがはいったいわゆる4つ打ち音楽がほとんど。

欧州テクノはR&Bの要素を廃し,ハウスよりはテンポが速く,
シンセサイザーやサンプラーの音色を新しい発想のアレンジに仕立て上げたもの。

但し,テクノとハウスの違いは微妙である。テクノっぽいハウスとかハウスっぽいテクノとか,結構適当である。


ホアン・アトキンス(デトロイトテクノ)
リズムは黒人。デトロイトテクノは歌のないハウスだと思う。
Jeff Mills(デトロイトテクノ/ハードミニマル)
テンポが速いが,これもリズムはハウスっぽい。
LFO(英)
上の2例とはリズムに明瞭な違いがある。
maurizio(伊)
これはエレクトロニカ+ミニマルっぽい。

primavera-sound.jpg
スペイン・バルセロナで行われる野外フェス。10万人を集客。



ブレイクビーツ


サンプラーや波形編集ソフトウェアなどを使用してドラム演奏のフレーズを分解し、シーケンサーで組み立て直す音楽制作の方法。およびその方法を伴った音楽ジャンル。


Rob Base & DJ EZ Rock(米) It Takes Two
  典型的なブレイクビーツ
The Chemical Brothers(英)  Block Rockin' Beats
Quantic(蘭)  Nu-Jazz: Transatlantic
The Prodigy(米)  Invaders Must Die (Official Video)
Mr. Scruff(英) 'Get A Move On' Music Video
Beastie Boys(米)  Intergalactic 
Nujabes(日)  Psychological Counterpoint
Linkin Park(米)  Enth E Nd (Reanimation)
Krafty Kuts(英)



ドラムンベースとジャングル


ドラムンベースとジャングルは,1990年代初頭の英国発祥とされる。
どちらもブレイクビーツをルーツとしているが,ドラムンベースの特色は,ジャングルよりもさらにリズムが複雑化し,ヒップホップよりもBPMが速いことである。
サンプリングが基本であり,シーケンサーを用いて演奏され,シンセサイザーでメロディなどが足されることが多い。

Roni Size & DJ Die(英)  


edc-las-vegas.jpg
世界最大級のEDMの祭典。



ダブステップ


楽曲的な特徴は,BPM70前後のレゲエのリズムパターン「ワンドロップ(One Drop)」に似たビートを土台に,その上でBPM140前後のフレーズやリズム的なアクセントをかぶせるというもの。ベース・ラインは、アクセントの置き方についてほぼレゲエを踏襲する。

ワンドロップ
1拍目にアクセントがなく,3拍目のみがスネアドラムのリムショットとバスドラムによって強調されるリズム。

Loefah(英)  Indian Dub
D1(英)  Degrees
The Bug(英)  Catch a Fire (Official Video)
Digital Mystikz(英)  Ancient Memories (2006)
Bangarang(米) (feat. Sirah)  Dubstep



トランス


西ヨーロッパ圏を中心に流行しているトランス

Above & Beyond(英)
Tiesto(蘭)
Paul van Dyk(独)
Yoji Biomehanika(日)

世界規模で流行しているサイケデリックトランス

INFECTED MUSHROOM(イスラエル)
ジュノ・リアクター(英)
Hallucinogen(英)
Shpongle(英)

※エピック
壮大さ・荘厳さを表現する目的で、映画の予告編などで使用される音楽
Two Steps from Hell  Black Blade





エレクトロニカとエレクトロ


エレクトロニカはお利口そうな電子音楽。ロックだとポストロック。
Akufen - Deck The House カットアップ手法で有名


エレクトロというのもあって,エレクトロニカとは違う。
基本的にKraftwerk - Numbersのビートを使う。



ユーロビート


Aメロ,Bメロ,サビの典型的な構造のある哀愁のある曲。
イタリアで盛んとなり日本で長らく生き続けている。



最後に,私はこれらのジャンルを理解しているわけではない。
とにかく微妙な音が多くてジャンルがわかりづらい。
それと,人により言うことが違うことが多い。
明らかに勘違いしている人もいる。



EDM エレクトロニック・ダンス・ミュージック


EDMは広義にはダンス用の電子音楽全般をさす。
狭義ではここ10年間に流行った現代版テクノ・ポップ及びテクノ。
バックの音が電子音ならEDM。ガガもアリアナ・グランデもEDM。
特にUSAヒットチャートでEDMでないのを探すのが難しい。

流行の曲は概ねシンプルなアレンジで中高生向けの音楽と言える。
これはEDMだから,というわけではない。

欧米のポッポスは昔からアレンジが驚くほどシンプルである。
だから欧米の一般聴衆は複雑なアレンジに慣れていない。

バックが貧相でもシンガーで聴かすことができるから問題ないのだ。
その辺の事情は,日本と逆であることが多い。
日本の場合は貧相なアイドルと凝ったアレンジ,という組合せになる。

野外フェス・コーチェラ.jpg
毎年60万人を集客する,ポップスフェスティバル。会場はコロラド砂漠。



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2018年01月29日

プログレシブロック

 
初期Progressive rock


プログレシブロック(以下プログレ)の特徴
■演奏重視で、インストゥルメンタルの楽曲も多い
■技巧的で複雑に構成された楽曲(変拍子・転調などの多用)
■芸術性を重視した曲作りで大作主義,高度な演奏技術
  など詳細はこちら

ムーブメントが起きたのはイギリス(60年代末〜70年代中期)。
キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、 イエス、ジェネシス、エマーソン・レイク&パーマー(EL&P)があげられる。

prgressive.jpg



プログレッシブ・ロック創生〜全盛期


King Crimson キングクリムゾン
1969 クリムゾン・キングの宮殿でデビュー。全英5位。
1970 In The Wake Of Poseidon。2nd。全英4位。
1973 太陽と戦慄。5th。
1974 レッド 7th。
中心人物は,ロバート・フリップ。入れ替わりが激しく,他にグレッグ・レイク,ジョン・ウェットン,ビル・ブルーフォードなど。
初期のメンバーであるグレグレイクはELPへ。
ジョン・ウェットンは,ユーライア・ヒープやUK,ASIAなどに参加。
ビル・ブラッドフォードは,イエス,キング・クリムゾン,ジェネシスに参加。

おそらく,プログレで一番重要なバンドだと思う。
主に,技巧的な面でクリムゾンに惹かれる人が多い印象だ。

In The Court Of The Crimson King (1969LIVE)
プログレの代表曲は,これではないか。

イエス
1972 危機。5th。全英4位,全米3位。
1stは1969年。プログレバンドとしては1979年まで。
その後はポップなロックバンドとして成功する。85年グラミー賞受賞。
派生バンドのASIAもポップ・ロックバンドとして大成功を収める。


ピンク・フロイド
1stは1967年。初期はシド・バレット中心のサイケデリック・ロックだった。
1970年,原子心母で全英1位。オーケストラを大胆に取り入れた。
1973年,狂気発売。全米チャートに741週連続ランクイン,5000万枚の売上げがあるといわれ,未だに売れ続けている。
2014年,活動終焉を宣言する。

プログレで一番成功したバンド。2億万枚以上のセールスを誇る。
技術的な面では目立たない。感性がプログレなバンドである。
だから,売れたからといってピンクフロイドを商業主義と詰る声はない。



ELP(エマーソン,レイク&パーマー)
1971年,タルカス 全英1位,全米9位
1971年,展覧会の絵(ライブ) 全英3位,全米10位
1973年,恐怖の頭脳改革  全英2位,全米11位。最高傑作といわれている。 
kbのキース・エマーソンは技量が傑出しており後続に与えた影響が大きい。
ただ,ELPはプログレではなくポップバンドだ,という意見も散見される。
グレグ・レイクはキング・クリムゾンからの移籍。


ジェネシス
1969年,デビュー。
1971年,3rd怪奇骨董音楽箱
ピーターガブリエル脱退後はフィルコリンズ中心のポップ路線に。成功を収める。
フィルコリンズはソロとしてバンド以上の大成功を収める。グラミー賞受賞。
ピーターガブリエルもソロとして成功する。グラミー賞6冠。


その他,ソフトマシーンなどカンタベリー・ロックといわれる系譜が英国にあり,
プログレにおいて重要な地位を占めている。



クラウト・ロック(ジャーマン・プログレ)


クラウト・ロック(ジャーマン・プログレ)は1960年代末から1970年代初めにかけて西ドイツに登場した実験的バンド群、およびその音楽をさす一般名詞である。

代表的なバンドとして,クラフトワークノイ!カンファウストタンジェリン・ドリームアシュ・ラ・テンペル,アモン・デュールII,などがいる。

多くに共通するのは,反復と特徴的なビート(ハンマービート)。
テクノポップの祖という側面もある。


ノイは典型的なクラウト・ロックである。
果てのないような同じフレーズの繰り返しとハンマービート。
ハンマービートは同じく延々とビートを繰り返すが,
極力リズムが跳ねないように淡々とビートを刻むことに奥義がある。
高揚感やスピード感といったものが失われているように聴こえながらも,
いつの間にかそのビートに取り込まれるという,不思議なリズムである。
このフレーズとビートの機械的な反復は後のテクノポップやテクノに繋がる。



ニュー・ウェーブ


私見だが,70年代前半のプログレの精神はニュー・ウェーブに継承されていく。
ニュー・ウェーブは技術的には決して高くは無いが,尖がった(感性の高い)音を求めたミュージシャンで1980年前後に一世を風靡した。代表的なバンドとして,
英国
米国
日本
などがいる。

ただ当時人気のあるバンドでも,技術的にアマチュアレベルだったり,現在聴くとただのポップバンドだったり,玉石混交だった。
なお,上記でナイン・インチ・ネイルズは1989年デビュー。インダストリアル・メタルとよばれている。ロック系統で90年代に注目されたバンドの一つ。音はかなり尖がっている。
ボアダムズは1986年デビュー。どちらかというと実験音楽とかそういう方面にジャンル付けされる。リンクの曲はボアダムスの中で一番気に入っている。

newwave.jpg



プログレシブ・メタル


80年代中ごろから,プログレ要素とメタルを合体させたプログレッシブ・メタルが現れる。代表的バンドとして,フェイツ・ウォーニング,ドリーム・シアター,クイーンズライクらがいる。

USA出身。1985年結成。プログレ・メタルの代表格。
リンクはドリムシで一番評価の高い作品。
1981年デビュー。リンクは3rd。世界的な人気がある。
USA出身。2005年結成。リンクは2nd。1stは2010年。

プログレッシブ・メタルはプログレの技巧的な側面を受け継ぐ。
従って,技巧的には複雑になりながらも必ずしも音は先鋭的でない。
むしろ,ベーシックな部分では常識的なものに聴こえる。

だから,プログレ・ロックとプログレ・メタルは似たものであるが,その実,別のものという感じがする。現代のクリエイティブな人はプログレを別な形で消化していくと思う。



変拍子


プログレといえば変拍子,変拍子といえばプログレ,
というぐらい,プログレに変拍子はつきものとなった。
その中でも変態変拍子のバンドを集めた動画。




我らがBABYMETAL Tales of The Destinies



ドリーム・シアターをリスペクトしたこの曲はヤバイ。
(キース・エマーソン要素もあり)
まず,出だしの10小節。8分の11、4分の6、4分の6、4分の4、4分の3、
8分の11、8分の12、8分の12、4分の4、4分の5。
超変態変拍子である。

このあとも訳わかめのリズムが続く。
しかも,女の子たちは楽しそうに歌ったり踊ったりしている。

これだけの超難曲にも関わらず,アレンジが無茶苦茶格好いい。
隅から隅まで。抑揚がはっきりしていてポップであるとさえいえる。
音のキャラが立っているのだ。頭でっかちに聴こえない。
まごうことなく,傑作である。

最高潮になるのは,ギターソロ。ありゃ,漏れるわ。
RIP小神。

babymetal02.jpg




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2018年01月19日

発声のいい日本人歌手

演歌・民謡系はのぞいて,歌の上手い(発声のいい)人
他にもたくさん上手い人はいるが,
あくまで私の基準で,ということで。


男性歌手


ワンオク TAKA


ADELE HELLO(カバー TAKA)

ADELE『HELLO』のカバー。ADELEはリストカットするんじゃないかというようなヘビーな歌唱であったが,ADELEに比べるとTAKAはライトで青春の1ページという歌唱だ。内面の成熟度がそのまま出ているのだろう。

TAKAは同世代では抜群に上手い。
上世代でも彼以上のボーカリストはなかなかいない。
歌の上手さは遺伝するようで。彼の弟も上手だ。
(森進一・昌子元夫妻の子)

ただ,なんだかフラフラ歌う癖は聴きづらい。
彼はまだ成長過程にあるようだが,熟成したらどんな歌い手になるのだろうか。
私にはバラード歌手のイメージが強いが,打破してるのだろうか。

ワンオクとしては,The BeginningHeartacheWherever You Are が有名か。



玉置浩二


あの頃へ

玉置浩二は男女合わせてもダントツに上手いんじゃないのか。
歌の上手さもあるが,この世界観の奥行きの広さ。



行かないで

『行かないで』は前時代がかった曲だが,怖ろしいまでの説得力だ。
ここが平成の世であることを忘れさせる。
玉置浩二の作る世界観にずっぽり引き釣りこまれる。


あとあげるとしたら,昔の井上揚水と久保田利伸。

現在の大衆音楽は要求されるものがたくさんあって,
いいボーカリストが出にくいのかもしれない。
発声という観点からだと,裏声系,ビジュアル系は×,
稲葉,桑田,ミスチルは特殊・・・
とやっていくとどんどん消えていく・・・


女性歌手

女性歌手は上手い人がたくさんいる。
男性はソングライティングに重点が置かれ,
女性はシンガーに重点が置かれるのは世界共通だ。


八神純子


思い出は美しすぎ(1978)

70年代後半〜80年に水色の雨パープルタウンなどヒット曲を連発。
なんと,シンガーソングライターである。
下から上まで明瞭な発声,どこまでも伸びていくような高音,
雰囲気もしっかり作れる当時最高の歌手じゃないかと思うし,
メジャーな人で彼女並みに発声のいい歌手はあんまりいない。

この時代は上手な女性歌手のヒットが多かった。
高橋真梨子FOR YOU(1982) などが代表的。



新妻聖子


この祈り

現代の邦人女性歌手では,新妻(にいづま)聖子。
一般的には知名度はいまひとつかもしれない。
ミュージカル舞台が活動の場らしい。I STILL BELIEVE(MISS SAIGON)

帰国子女で上智に進んだ。音大卒ではない。現在,37歳。
頭脳明晰,美人,抜群の歌唱力,ちょっと盛りすぎ。

張りのある歌唱も素晴らしい,ソフトな歌唱も素晴らしい。
ミュージカル女優だけあって,表現力が抜群だ。
この曲はゴスペルだと思うが,浄化される。

ARRIVE

リズムのある歌もかなりこなせる。
上の動画は80年代ぽいシティポップスであるが,
これだけ音離れのいい歌い方のできる邦人歌手はあまり記憶にない。



吉田美和,MISIA,綾香,越智志帆など上手い女性歌手は多いが,
新妻聖子は図抜けている。

タイタニックのテーマ
オリジナルより圧倒的にいいんじゃないか。



サラ・オレイン


涙のアリア

サラ・オレインは日豪ハーフ。英語がネイティブ。
何しろ,ファルセットが神々しすぎる。
バイオリンが専門で,頭脳も相当明晰そうだ。しかも美人。
明らかに天上人だ。

文句をつけるなら,歌詞。なみだ〜では若干臭くて下世話になる。
まあ,作詞家(松本隆)のせいだが。
あと,上品すぎるので下々の歌は似合わないかも。


ちなみに,ロミオとジュリエットを新妻とサラが歌っている。

新妻聖子も素晴らしいが,サラ・オレインが神々しすぎる。
やはり,天上人なんだな。神話か何かを歌ったんだろう。



番外編 SU-METAL


BABYMETAL FROM DUSK TILL DAWN(FANCAM)

BABYMETALのボーカルSU-METAL(中元すず香)は,
しゃくりなし,ビブラートなし,ヒーカップなし,小手先のテクニックなし,の
学校唱歌のような歌い方で世界中を驚かせている。

彼女の唱法は徹底した地声と鼻腔共鳴。
上のFDTDではE5(hiE)を地声で出している。
しかも一瞬じゃなく,ロングトーンで。
使えるE5ということだ。(下はA3前後から出ている。)
それによりメタルバンドの爆音の中,
彼女は芯が太く浸透度の高い高音を客席に届けることができる。


それと,彼女は感情の乗せ方が抜群に上手い。
その感情も真摯で濁りのないものである。
物理的に浸透度の高い高音が,心理的にも聴者に深く突き刺さる。
だから,特にバラードでは多くの聴者(多くのオヤジを含む)の
涙腺を簡単に崩壊させる。

他には,ダンスしていてもぶれないピッチ。
しゃくらなくてもあてられる音程。
滑舌の良さ。
リズム感の良さ。

これらも一流であり,ライブが超安定している。
何しろ,彼女は録音よりライブの方が声がいいという,
珍しいタイプだ。

次の難曲をお聴きいただきたい。彼女がまだ16歳のとき,
しかもこれが初演(武道館)である。
イントロ,ブリッジ,アウトロ,バースは変態変拍子。
この前に神バンドの演奏があるが,それはパスしてある(聴き応え抜群だが)。
歌っているとき,彼女はトランス状態にあると思われる。


オヤジ達がBABYMETALに大騒ぎしている理由がご理解頂けるだろうか。
ずっと長年色々な音楽を聴いてきた人たちだ。

ちなみに,歌の下手なものにとっては,
  ■しゃくりは音程が不確かなため,音を当てに行く方便。
  ■ヒーカップは音程を安定させられないから。
  ■裏声やミックスはごまかし。音が細くなる。
  ■ビブラートは喉で揺らす。やっぱりごまかし。
となる。

しゃくりとチョーキングの違い
しゃくり:本来の音程よりも少し低い音を発声した後,本来の音まで引き上げる
チョーキング:本来の音から少しあげる
だと私は定義している。しゃくりの例



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2018年01月18日

声がひっくり返る唱法 ヒーカップ

声が裏返る唱法
以下述べることは私の単なる感想である。
定説でもなんでもない私の偏見が多く述べられていることを
最初にお断り申し上げます。


チョーキング


フレーズの最後に声が裏返る唱法はヒーカップ唱法といわれるらしい。
そのルーツが何のかはわからないが,
現代の大衆音楽には,次の二つが大きな影響を与えていると思う。

  @チョーキング
  Aロックンロールやロカビリー

チョーキングは,ブルースやロックの特にギタリストなら必須のテクニックだ。


チョーキングは英語ではBENDING。
方法自体は古くからあったのかもしれない。
直接の起源はジャズやブルースの管楽器によるピッチベンドを
ブルースやカントリーのギタリストが真似し多用し始めたこと。
音楽的に色気が出て耳障りがよい。
滑らかに音を上げる点が,後述のロックンロールやロカビリーとは違う。

このチョーキング,当然ボーカリストも使う。
声は裏返るところまでいかない。
なかなか格好いい。



ロックンロールやロカビリー


初期のロックンロールやロカビリーでのヒーカップ唱法は非常に目立つ。


語尾で突然声をひっくり返す。
滑らかに音をあげるチョーキングとは若干種類が違う。

興奮した歌手自身や客の掛け声を取り入れたものではないか,
と推測している。『イエー』『ヒョウッ』とか口笛などだ。
日本だと大向こう,『〜屋』とかいう掛け声だ。
それの高音裏声バージョン。

チョーキングがフレーズに表情をつけるのに対して,
こちらは場を盛り上げるための意味合いが強いかもしれない。



ぶりっ子バージョン


松田聖子も声が裏返るが,あれもヒーカップ唱法である。


昔はぶりっ子唱法として嫌っていたが,
改めて聴いてみて見直した部分がある。

あらかじめ声の裏がえしを作曲家から指導されたのではないか。
ヒントはチョーキングか?
チョーキングは元来フレーズに艶を出すためにある。
それがアイドル歌唱に用いられ,可愛さに変わる。
そして,むやみに使わす,その声はよくコントロールされている。
いい意味で計算づくの唱法であるわけだ。

但し,ロック歌手などのチョーキング唱法よりも,
声の裏返りが目立つが,
段々と目立たないようになっていったようだ。

このぶりっ子唱法は後に強い影響を与えた。
多くの女性歌手が使うようになったのだ。

だが,下手な歌手が使うと,本当にうざい。
可愛さではなく,にしか感じられない。
まさしく,ぶりっ子唱法である。

話はそれるが,私はアイドルに興味が無いというよりも,
ぶりっ子アイドルを大変嫌っている。
今でも,変にもたれかかってくるようなタイプは苦手である。
このぶりっ子唱法はその典型として記憶されているので,
声の裏返しは基本的に嫌いである。



B’z稲葉の場合


B’z の稲葉の裏返りは,チョーキングが基礎にあると思う。


声を若干上げながら最後に裏声にする。
効果としては松田聖子と同じだ。
松田聖子は若い女性の,稲葉は大人の色気を表現する。
但し,稲葉はやたら使う。

この歌唱は松田聖子とともに後年に及ぼした影響が強そうだ。
何しろ,ロックバンドとして売上がダントツだ。

ただし,先ほど申し上げたとおり,
基本的に私は語尾が裏返ることが好きではない。
好みだと言われるとその通りだが,上手い人が使うと色気になるのに,
下手クソだと,人に媚びているように聴こえるからだ。
そして大抵の場合,下手クソだ。

昨日,三浦大知を褒めに褒めたが,彼はほぼ癖のように語尾を裏返す。
非常に耳障りだ。
彼ほどの声質の持ち主なら,小細工に頼る必要はない。
というよりも,素直な歌声への信頼性が減る。
少なくとも,もっと使用を減らすべきではないだろうか。



島歌(沖縄/奄美大島民謡)


奄美大島の島歌や沖縄の民謡は声をひっくり返すことで有名だ。
島歌ではグィン(裏声を瞬間的に含めるこぶしの一種)という唱法である。



久しぶりに朝崎郁恵おばあちゃんの歌唱を聴いたのだが,
テク以前に一言『あー』と歌っただけで世界が変わる。
有無を言わさない説得力だ。
人間国宝にすべきだろう。

微妙にバックの演奏からずれているが,多分,音痴だからではない。
民族音楽はそれぞれ12平均律から微妙にずれた音階を持っている。
それがそれぞれ固有の民族音楽の音階となる。
そもそも12平均律自体妥協の産物で,中途半端な音階である。




フェイクとこぶし


ちょっと話がずれるが,
よくR&Bでフェイクとかいったりする。
本来の意味は『即興』で人によって内容が違う。
英語ではMelisma Riffs Runs,特に『RUNS』
日本でいうこぶしである。


民謡や演歌などの日本の風土から生まれたこぶしからと
ブルースやクラシックから生まれたフェイクからとで
受ける印象も方法も違うのは当たり前だが,考え方自体は似ている。


さらに話がずれるが,上の動画のボイストレーナー,発声が凄い。
私まで鼻がビリビリする。凄い鼻腔共鳴だ。
日本人のボイトレでこのレベルの人はどの位いるんだろうか。
(日本のボイトレを馬鹿にしているわけではない。単純な疑問。)

日本人歌手に歌が下手な人が多いのは,そもそも発声が悪いからだ。
日本人の特性として,喉先で発音しがちである。
だから,音がこもる,痩せている,音離れが悪い。
理由はわからないが,日本人の生活習慣が大声を嫌うせいなのかもしれない。
普段から口先でしゃべることに慣れているからか,
日本人は発声の悪さをあまり気にしない。

日本人歌手で発声がいいと思える人は数少ない。
演歌系,民謡系をぞのくと,
最高なのは玉置浩二で彼がダントツ。
ワンオクのTAKAも結構ヤル。

女性だと岩崎宏美八神順子大橋純子,あたり。
特に,新妻聖子とサラ・オレインの裏声は神。
知らないだけでまだ他にもいると思う。

上述の稲葉など,よく喉を痛めないな,と感心する。
彼のは特別な発声方法らしいが。

それに対して,例えば英語は子音中心であるためか,
はっきりしゃべらないと発音が通りにくい。
だから,腹式呼吸とか共鳴を積極的に活用したしゃべり方になる。
その頂点にあるのが歌手なので,歌唱モンスターが多数出てくる。

ただ,母音の多いイタリア語,タガログ語,韓国語においても,
素晴らしい発声を持つ歌手が多数輩出されている。
だから,子音が,という私の説はあてにはならない。
(注:最近のK-POPの特に女性歌手は喉声ばかりだが。)

下の動画はフィリピンの声張り上げ型歌手。
というか,比女性歌手のデフォがこんな人ばかり。



勿論,声が出ればいいってもんじゃない。
フィリピンのような歌唱モンスターには脳筋歌手も多い。
声を張り上げることに意識がいってしまって,歌がおざなりになるタイプだ。
それに個性も大切である。悪声であっても人気が出る場合も多い。

だが,日本の場合は発声に対する感覚が世界的に見て劣っている。
なに上から目線で語ってんだ,と方々からお叱りを頂くこと必至だが,
私は厳然たる事実だと思う。




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2018年01月17日

歌心その2 アナと雪の女王を歌う松たか子

歌心その1 からの続き


熱唱型シンガーに問われるPPの表現

※PP:ピアニシモ

アナと雪の女王 25カ国語で歌う『ありのままに』
Disney's Frozen - "Let It Go" Multi-Language Full Sequence

この曲は音域が広く,特に最後の大サビの部分では
血管が浮かび上がるような歌唱になる。
そして,そういうのが得意な人,
つまり熱唱型がこの曲のために選ばれているかもしれない。
だから,細かい表現は苦手なのかもしれない。

しかしこの歌は,松たか子でもわかるように,
サビを生かすためにも,AメロBメロは大切だ。
ここをきっちり歌いこまずにサビで声を張り上げても,
パワーがからまりするだけだ。

熱唱型シンガーにありがちな脳筋歌唱となり,
音楽は単なるスポーツになってしまう。

この歌に限らない。サビだけが歌じゃない。
地味な部分をどう解釈していくのか。
声を張り上げずに,どう表現していくのか。
歌詞への共感力とそれを表現するテクニックが求められる。
歌手の力量が評価される部分だ。

大声を張り上げてごまかすことができない分,
熱唱型ならば,余計にそこが課題になる。


ピアニシモの歌い方で私のお気に入りなのが,日暮しの榊原尚美だ。
日暮は1970年代に活躍したフォークグループ。
榊原尚美はその後独立していくつかヒットを出した。

榊原尚美はフォルテシモでも十分魅力的だが,
囁くような歌い方が抜群に上手い。
特に,日暮のアルバム『おだやかな午後』がアルバムのできとしても,
彼女自身の歌唱としても代表作だと思う。
次のアマゾンでさわりだけ視聴ができる。




歌心


一つのフレーズをどう歌い上げるか。
大切なのは表現する心象。心の中に浮かぶ風景だ。
歌に対する感受性としてもいい。

そして基本となる声質。歌手ならばテクニックよりも大切だろう。
声に自分の感情を乗せられるか,も大事なポイントだ。
そこに強弱,アクセント,速遅,その他様々なテクニックで歌に表情をつけていく。表現される世界は自分の心象だ。
そして,それはあくまで自然になされなくてはならない。
過剰ではスナックの陶酔カラオケオヤジになってしまうからだ。

そうした一連の表現力を私は『歌心』とよんでいる。
私がピアニシモ云々を言うのは,歌心がよくわかるからである。

最近,感心した歌がある。
セリーヌ・ディオンの『AMAZING GRACE』。


私は,セリーヌ・ディオンがあまり好きではなかった。
典型的な声張り上げ型だと思っていたのだ。

ところが,この曲では前半の低音部分が抜群にいい。
ソウルフルだ。この曲がゴスペルだということを思い出す。
高音もかなりいい(が,私にはちょっとうるさい。)

セリーヌ・ディオンがトップクラスのDIVAであることを今になって少しだけ納得した次第である。



宇多田ヒカルに見る歌心


次の歌唱は宇多田ヒカルがローティーンの頃のものである。
カーペンターズで有名になった往年の名曲(日本タイトル『遥かなる影』)だ。



ここで見られる宇多田ヒカルの切なさといったらどうだ。
レコーディング時14歳。日本で言えば中2の少女が歌っているのだ。

宇多田ヒカルのお母さんは藤圭子である。
藤圭子も日本の歌謡史に残る優れた歌手であった。
が,伝えられるところによると藤圭子は幼い自分の娘の歌唱の聴いて
引退を決意したという。

自分に残る演歌世界が嫌だったのかもしれない。
宇多田ヒカルに次世代の眩しさを見たのかもしれない。
そうだとしても,宇多田ヒカルの声は衝撃的であったろう。

パワーだけの子供なら結構みかける。
ちびっ子歌自慢で出てくるようなタイプだ。
しかし,これだけの情感を乗せることができるのは天才としかいいようがない。


ちなみに,藤圭子で好きな歌唱は『無法松の一生』。
村田英雄の前で歌ってしまい,その後ほされたと噂される曲だ。
ここでの藤圭子の揺るぎのないボイスコントロールとドスのきいた艶のある歌声は天下一品だ。私は美空ひばり・ちあきなおみ・藤圭子が演歌のレジェンドだと思う。



美空ひばり


次の歌唱は美空ひばり
曲はJAZZのスタンダードで有名な『スターダスト』。
世界一の歌唱だと私は感じている。


ポイントは表現したい世界とそれを支える技術力

私はジャズ・ボーカルも長年聴いてきたが,『スターダスト』に関して,
美空ひばり以上の歌唱を聴いたことがない。
語句単位ではなく,あいうえお単位で美空ひばりは曲を歌い上げていく。
そして,それを可能にするテクニック。安定感。音域。発声の自然さ。
もの凄いとしかいいようがない。

テクニックが過ぎると鼻についたりするが,
美空ひばりにはテクニック以上に表現したい世界が
歌唱から過剰なほど漏れこぼれてくる。
その世界とは『過ぎ去った美しい思い出』。
人生の美しさと悔恨,歴史の重みを感じさせる名演だ。


蛇足ではあるが,May.Jに関しては気になる点を二つあげたい。


気になるMay.Jのブレス


『ありのままで』ではMAY.Jは歌と歌の間のブレスがうるさい
何かそうすべき解釈上の理由があったのだろうか。

ブレスの件は多くの人が指摘しているようだ。
May.J+ブレス』で検索したら,ザクザク出てきた。
↑クリックするとGOOGLEへ



英語バージョンのMay.J


もう一つ気になる点がある。
彼女には英語バージョンがあるのだが,
日本語バージョンよりも素晴らしく聴こえることだ。

リンクを聴いていただきたい。⇒英語版

これは珍しい。日本人歌手は英語で歌うと質が下がることが多い。
そもそも母国語でない言語で歌うのは難しい。
借り物の言葉では技術的にも心情的にも母国語のようにはいかないだろう。

そのうえ,日本語は母音が多くバラードに特化したような言語である。
バラードでは日本語は非常に映えるのだ。
そして,『雪アナ』は日本語の映える歌ではないかと思う。

ところが,May.Jは英語バージョンのほうが良く聴こえる。
これは私だけの意見ではなく,多くの人が感じるようだ。
(相変わらず,ブレスが気になるが)


英語は子音を強調する。だから,パキパキしている。
ロックやラップにはよく似合う言語だ。
だが,日本語に比べるとかなりキツイ響きだ。

May.Jはひょっとすると子音を強調する癖があるのかもしれない。
彼女の略歴を見ると,彼女は4ヶ国語を話すマルチリンガルらしい。
だからといって,英語は日本では市場が小さいし,
英語の世界では熱唱型の歌唱力モンスターがごろごろいる。


ちょっと驚いた動画あった。
May.Jと三浦大知のDUETだ。


ここでのMay.Jの歌唱は素晴らしい。
ちゃんと心に届く丁寧な歌唱だ。

ところが三浦大知が出たとたん,全て持っていかれている。
大知の暖かい歌声が素晴らしすぎるのだ。
小細工を弄せず,歌声だけで人の心を掴む三浦大知。
こいつは只者ではない。

コメント欄も三浦大知で埋まっている。
三浦ファンが多いのかもしれないが,それだけではないだろう。
May.Jは確かにとても上手い歌手なんだろうが,
三浦に比べると,優等生的な歌唱に聴こえる。

三浦大知はフォルダー時代から輝くものをもっていたが,
素晴らしい歌い手に成長したものだ。
(ところどころ声がひっくりかえるのは直したほうがいいと思う。)



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2018年01月16日

歌心その1 アナと雪の女王を歌う松たか子

世の中の流れにすごく遅れていて誠に申し訳ないのだが,
先日,こんな動画を見た。

アナと雪の女王 25カ国語で歌う『ありのままに』
Disney's Frozen - "Let It Go" Multi-Language Full Sequence

数年前にブームとなった『アナと雪の女王』の主題歌『LET IT GO(ありのままに)』を25ヶ国語でリレーしている動画である。

この動画,サビのしょっぱなを松たか子が担当している。
これがとても魅力的だ。思わず耳が惹きこまれる。
私が日本人だから,というわけではなくて,
日本語を知らない外国人にも賛同者が非常に多い。

この動画の外国人の反応を訳したサイトが次のリンクにある。

次の記事によると,
    TOTAL票数:329票
    1位【51票】松たか子
    2位【27票】Jelena Gavrilovi? セルビア語
    3位【21票】Ana Encarnacao ポルトガル語
    4位【20票】Carmen Sarahi ラテンアメリカスペイン語
    5位【19票】Furedi Nikolett ハンガリー語
    ・・・
これは,日本人の投票を除いた結果だという。
他国も自国からの投票を除けば,松たか子がダントツになりそうだ。


この曲は,元々May.Jがカバーしたという。しかし,

May.Jファンからの悩み相談
アナと雪の女王の歌は、なぜ松たか子さんの歌の方がMay.Jさんよりも魅力的なのでしょうか?YAHOO智恵袋


上記YAHOOの質問者は,May.Jのファンにも関わらず,
松たか子の歌唱がMay.Jより魅力的なことにショックを受けている。

では,両者の聴き比べをしてみよう。まず松たか子から。


次はMay.J。途中までしか視聴できないが,これで十分だろう。


確かに,松たか子は何度でも聴きたくなる。
が,May.JはAメロだけでも聴くのを止めたくなる。
May.Jは技術力では日本でトップクラスの歌手と言われているらしい。
であるならば,どこで差がついたのだろうか。

一言で言えば,『表現力の差』。
ひょっとしたら,『日本語力の差』。



ドラマ仕立ての松たか子


『LET IT GO ありのままで』
歌詞をご覧頂きたい。下線は松たか子が強調した部分。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
(Aメロ)起
降り始めた雪は 足跡消して
真っ白な世界に一人の
風が心にささやくの
このままじゃだめなんだと
(Bメロ)承
戸惑い傷つき
誰にも打ち明けずに
悩んでたそれももう
やめよう
(サビ)転
ありのままの 姿見せるのよ
ありのままの 自分になるの
何も恐くない
風よ吹け
(エンディング)結
少しも寒くないわ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

非常にわかりやすい歌詞だ。
孤独な私⇒悩むのはやめよう⇒ありのままに⇒少しも寒くないわ
という一つの物語である。

タイトルは『ありのままで』。サビのしょっぱなに『ありのままの』。
松たか子はサビに向けてAメロ・Bメロを注意深く歌っている。
以下,松たか子の強調した部分を中心に考えてみる。

起承転結の『起』
Aメロは全体的に暗い。
氷のように冷たい孤独で押しつぶされそうな自分を歌っている。

既に最初のフレーズに松たか子の特徴が出ている。
それは『〜消して』の部分だ。
そして,次のフレーズで『わたし』の部分を更に強調して歌う。

強調すると言っても,声は随分と抑制的である。
頭を抱えて孤独に悩む主人公が思い浮かばないだろうか。
すでにドラマが始まっているのだ。

起承転結の『承』
Bメロで印象深いフレーズは,『誰にも打ち明けずに
松たか子はこのフレーズを明らかに強調して歌っている。

主人公はここで孤独である理由に気づいたのだろう。
つまり,自分で自分を縛り上げている,こんなんじゃダメだ!
というような意味だろう。

そして,これが『やめよう〜』という決意に続く。

サビ 起承転結の『転』
ありのままの自分になる。
テーマである。

一番強調すべきポイントで松たか子は勝負をかけている。
サビの声色がAメロ,Bメロと明らかに違う。
冬の世界から一気に草原の花が咲き誇るような声だ。

これが松たか子の勝負声であり,おそらく
テーマ通り彼女の『ありのまま』の声なんだろう。
25言語リレーでサビのトップに彼女の歌唱が選ばれたのは偶然ではない。

この勝負声をよりドラマチックにするために,
注意深い解釈・歌唱をAメロ・Bメロで繰り広げ,
サビに向けて舞台を盛り立ているのだ。

起承転結の『結』
少しも寒くないわ。
決然とした開かれた主人公。


これが松たか子の解釈だと思う。
見事な起承転結が短い歌詞の中で表現されている。
ドラマを見るように松たか子は物語を織り込んでいくのだ。

解釈の的確な丁寧さ,だけでなく,
それを表現できるテクニックが松たか子に備わっていると言うことだ。

更に特筆すべきは声のよさ。非常に印象的だ。
素直,可愛い,上品。育ちの良いQUEENらしい。
いや,むしろプリンセスだろうか?

流石は,梨園生まれの演技力のある女優というべきか。



MAY.Jの場合


松たか子を聴いたあとだと,May.Jのほうは凡庸だ。


すぐに気づくのは,Aメロ・Bメロともに歌いこみが低い。
松たか子と比べると特に目立つ。
松たか子は,一字一句に注意を払い,強調したり,
声色を変えたりしてAメロ・Bメロに表情や意味を付加している。
May.Jの場合,Aメロ・Bメロの言葉がなんとなく流されていく。

流されていくのはサビでも同じだ。
『ありの』と歌われても盛り上がりも無く,サビと気づかないぐらいだ。
松たか子では輝いていた部分なのに。

サビの後半,声を張り上げて歌うが,
それまでに物語を語ってこなかったため,説得力がまるでない。



他国の歌手もMay.Jと似たり寄ったり


25カ国のうち,各国の歌唱を聴くためにできる限りリンクを貼ってみた。
25カ国バージョンではどこに割り当てられたかで
評価も随分違ってくるだろう。
二人は不明,二人は二ヶ国語を担当しているため,
松たか子以外21人の歌唱を聴くことがきる。

2位【27票】Jelena Gavrilovi? セルビア語
3位【21票】Ana Encarnacao ポルトガル語
4位【20票】Carmen Sarahi ラテンアメリカスペイン語
5位【19票】Furedi Nikolett ハンガリー語
6位【17票】Lisa Stokke ノルウェー語
7位【15票】Anais Delva フランス語/加・フランス
8位【14票】Idina Menzel 英語
8位【14票】Hye-Na Park 韓国語
10位【13票】Marsha Milan Londoh マレーシア語
12位【11票】Annika Herlitz スウェーデン語(1:02)
同点12位【11票】Nadezhda Panayotova ブルガリア語(3:06)
14位【10票】Gam Wichayanee タイ語(3:21)
14位【10票】Willemijn Verkaik ドイツ語/オランダ語(0:40)北京語ポーランド語カタルーニャイタリア広東ロシアデンマークブルガリアフラマン語

Aメロ聴くだけで各国の歌手の実力をある程度分別できる。
私の基準では,日本以外ではセルビアとスウェーデンが抜けてる。
セルビアは後半の歌唱で単純に歌手の実力が松たか子を上回る。
スウェーデンのA/Bメロには陰影があるが,サビは残念声だ。
他は大同小異。ここにMay.Jも含まれる。

つまり,松たか子が素晴らしい歌唱をしているのであって,
とりわけMay.Jがつまらない,というわけではないようだ。


May.Jは決して下手な歌手ではない。
歌手としてはMAY.Jのほうが,音域の広さ,声帯の開放度,音量,
音程など多くの点で松たか子よりも上手いかもしれない。

にも関わらず,アナ雪では圧倒的に松たか子を支持する声が強いのは,
表現力に大きな差があるからだろう。
May.Jは歌唱が棒すぎる。抑揚がなさすぎる。

May.Jに歌詞を読み込む力に欠けるのか(読解力がない)
或いは,歌詞を表現する技術力に欠けるのか。

ひょっとしたら,それはMay.Jの歌心の問題かもしれない。







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2017年12月08日

音楽市場は縮小していなかった

音楽市場:ライブ・配信・ソフト売上
音楽売り上げ02.png
(単位:百万円、暦年、出所:音楽ソフト生産高、音楽配信売上高は日本レコード協会、コンサート・ライブ売上高はコンサートプロモーターズ協会)

音楽市場トータル
日本音楽市場.png
(音楽ソフト生産高、音楽配信売上高、コンサート・ライブ売上高の合計、暦年、単位:百万円)


10年以上前から日本の音楽市場(CD売上)不況が騒がれていた。
一時期はデジタル配信市場がCD売上げをカバーすると言われていたが,
無料音楽配信が盛んになってきたせいなのか,
デジタル配信もしぼんでしまった。

ところが,ライブ売上げの右肩あがりが凄い。
それもここ数年のことだ。
最近はミュージシャンたちはライブ活動に重点を置いている,
というのはよく聞く。
それがこんなにライブに依存し始めているとは。

結局,上記グラフによれば日本の音楽市場は縮小していないことがわかる。
詳細は,こちらのサイトをご覧頂きたい。非常に参考になる。

それにしても,ライブ売上が10年前と比べて約3倍に拡大している。
それも5年ほど前から急激に上昇している。
できれば内訳が知りたいものだが,ちょっとわからない。


ちなみに,下のグラフはアミューズのもの。
アミューズには,サザン,福山雅治,ONE OK ROCK,PERFUME,BABYMETALなどが所属している。

アミューズ.jpg



では他国はどうなのか。

PwC-2014-report-music.png

さすがにアメリカ,ライブ規模が約1兆円。
日本が約3千億円だから,3倍以上もある。

ソフト等の売上が約5〜6千億円。ライブ規模はその2倍。
日本はソフト等の売上が3千億円程度。
日本もアメリカ並みまでライブが盛んになるとすれば,
日本のライブ規模は現状の2倍,6千億円程度にまで
膨れ上がる余地があることになる。

また,アメリカにおいても音楽産業はライブ中心になりつつあるのが,
数字で見て取れる。


ソフトだけの売上を見ると,日本は世界的に見てかなり上位にくる。

対GDP比

※GDP(名目)は世界の名目GDP(USドル)ランキング - 世界経済のネタ帳より。
※GDPは2012年の数字ですので、参考程度に見てください。
    国名     対GDP比     卸売価格ベース売上高     2012年名目GDP(USドル)
1     イギリス     0.0526%     13億350万ドル     2兆4766億7000万ドル
2     日本     0.0505%     30億1200万ドル     5兆9602億7000万ドル
3     ドイツ     0.0398%     13億6510万ドル     3兆4295億2000万ドル
4     スウェーデン     0.0371%     1億94200万ドル     5238億ドル
5     フランス     0.0366%     9億5620万ドル     2兆6139億4000万ドル
6     オーストリア     0.0303%     1億1970万ドル     3948億7000万ドル
7     デンマーク     0.0302%     9500万ドル     3148億9000万ドル
8     オーストラリア     0.0279%     4億3080万ドル     1兆5417億ドル
9     アメリカ     0.0275%     44億7350万ドル     16兆2445億8000万ドル
10     オランダ     0.0267%     2億560万ドル     7708億7000万ドル


ということで,対GDP比では世界で2番目に音楽に金をつぎこんでいることになる。
しかし,ライブまで含めるとこの順位は大幅に変動しそうだ。



各国音楽市場.png

上記音楽産業の売上高にはライブの売上が含まれていない。
アメリカだと,ライブの売上はソフトの売上の倍ある。
日本においてもライブの売上とソフトの売上は同額程度である。
欧州も似たようなものだろう。

さらに,日米ともにライブ重視が鮮明である。
これも欧州は似た傾向にあると推測される。



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2017年04月02日

日本の女性歌手

美空ひばり 『スターダスト』

戦後の日本歌謡界に君臨したレジェンド。
彼女の最高曲は『川の流れに』だと思っていたのだが,
最近この歌唱を知ってたまげた。


曲は『STARDUST』。有名なスタンダード・ナンバー。
ナッキンコールの持ち歌だ。
この曲で美空ひばりは様々なテクニックを駆使しつつも
それを上回る表現力で過ぎ去った美しき日々を歌い上げている。
とろけるような,ぐっとくる歌唱である。

私はジャズ好きで,ジャズボーカルもそれなりに聴いてきたが,
これほどの歌い手はなかなか見当たらない。

上記は1982年の作品と思われる。美空ひばりが45歳ぐらいのとき。

追記
上記歌唱でも顕著だが,彼女の歌は一字一句に意味を込め,
アクセント,テンポ,声音を変え,並外れた表現力を実現している。

しかも発声がやはり並外れて安定感があるため,
テクニックが決して嫌味にならない。

いや,表現したいものが先にあるというべきか。
彼女の歌には人生を感じさせる。


ちあきなおみ 『霧笛』


原曲はポルトガルの歌謡曲であるファド。
ファドは日本の演歌に似たべたつきが特徴。
この曲の歌詞はオリジナル。

ちあきなおみはテクニックにおいて美空ひばり以上,
との評価を受ける場合がある。
若いころに限定すれば,私はその意見に同意する。

ただ,上記『STARDUST』を聴いてしまうと,
どちらが上か,には意味がないと思う。

ちあきなおみはこの曲でまるで映画のワンシーンのような
迫真的な歌唱を披露している。
少しオカルトが入っているとさえ思うほどだ。

1988年,41歳前後の作品。


藤圭子 『無法松の一生』


藤圭子は宇多田ひかるのお母さんである。
『圭子の夢は夜ひらく』でデビュー,
第1回日本歌謡大賞大賞を受賞するなど一世を風靡した。

不幸を背負ったようなイメージで売り出したため,
新宿の夜に似合いそうな曲が多かったのだが,
この『無法松の一生』,とんでもない声の迫力と安定感に驚かされる。

戦後最高の女性歌手に彼女を推す声が強いのも納得の歌唱である。
1978年,彼女が27歳ぐらいのときの作品。



さて,現代の女性歌手も上げておく。

BABYMETAL SU-METAL 『AKATSUKI』


BABYMETALの魅力の中心はSU-METAL(V:中元すず香)であろう。
多様なテクニックがあるわけじゃないのだが,
声の浸透力が物理的にも精神的にも半端ない。

YUIMOAやバックの神バンドの実力にも支えられ,
世界中のいい年したオヤジたちが彼女の声に心震わせる。
私もBABYMETALにはまってから3年近く,いまだに色あせない。

この曲は,2014年彼女が16歳のときの作品。


URU『HEARTACHE』


URUはいろいろな曲をカバーしてユーチューブにアップしていて
世間に知られることになった歌手。プロフィールは不明。

澄んだ美声,安定感,丁寧な曲解釈とそれを可能にするテクニック,
現状若手邦人の女性歌手で彼女以上の実力の持ち主を探すのは難しいんじゃないか,と思わせるほど歌のうまさだと思う。


坂本真綾『GRAVITY』


作曲:菅野ようこ 歌:坂本真綾

『GRAVITY』はWOLF`S RAINというアニメのエンディング。
2003〜04年のもの。彼女が23歳のときの作品。

アニメも佳作と呼べるものだが,曲・歌唱ともに秀逸。
菅野ようこはこういう生活感のないメロディセンスが抜群だといつも思う。
歌い手もこの非現実的な曲にうまく感情をのせつつ,非凡だ。




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2013年04月08日

桜にちなんだ曲

松田聖子 チェリーブロッサム
日本の歌謡曲及びアイドル全盛時代のトップアイドル。
楽曲は未だに色あせておらず,
例えば20年後に松田聖子ベストが発売されたとして,
結構なベストセラーをあげるんじゃないか,と思えるほど。
そういう歌手はなかなか居ないと思う。




森山直太郎 さくら(独唱)
この歌が流行っていた頃から桜にちなんだ曲が増えた印象がある。
森山良子の息子ということでも驚いたが,
卒業式のイメージとも重なり,
多分,現時点では桜にちなんだ歌としては一番人気なんじゃないか。




福山雅治 桜坂 
この曲が流行るまでは,
福山雅治を単なるチャラ男ぐらいにしか思っていなかったし,
ミュージシャンとしても視野に入らなかった。

この曲は,詩も心情たっぷりで,
シンガーとしての力量云々というよりも,実のある人だと見なおした。




宇多田ヒカル SAKURAドロップス
藤圭子が娘の歌を聴いて歌手を引退する決意をしたという噂がある。
本当かどうかはわからないが,
彼女の14歳の時に吹き込んだという『CLOSE TO YOU』を聴いた時に,
私はこの逸話を信じる気になった。
切なさが尋常でなかったのだ。

SAKURAドロップスは楽曲も素晴らしいが,PVの映像美が印象に残る。
後に彼女は,このPV監督の紀里谷和明氏と結婚(後離婚)。




ケツメイシ 「さくら」

ケツメイシは以前からリリカルな曲をラップと組み合わせていたが,
この曲で彼らは一気にメジャーを駆け上った。

楽曲も素晴らしいが,このPVも秀逸。
余韻は『秒速5cm』と類似。男のほうが内容を理解しやすいかもしれない。

ヒロイン(鈴木えみ)がこのPVのでは抜群に可愛い。




中島美嘉 桜色舞うころ

中島美嘉は私の好きなシンガーだ。
彼女の声は情緒たっぷりで思わず引きこまれてしまう。
この楽曲のPVも秀逸で,ついついホロリとする。

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2013年02月16日

傀儡謡にはいつも脊髄をやられる



アニメソングにはとんでもない曲が結構ある。
上記『 傀儡謡(くぐつうた)』はその一つ。
押井守のアニメ映画『イノセンス』の挿入歌である。

攻殻機動隊の音楽はTV版のほうの菅野よう子もなかなかスグレモノであるが,
映画版は音楽を川井憲次が担当する。
上記『傀儡謡』はまず空間をたっぷりとった静寂の世界に
アクセント的に入るパーカッションが緊張を高める。

独特のハーモニーはおそらくブルガリア民謡からヒントを得たコードを使用,
メロディラインはアジアのどこかを思い出させる。
歌うお姐さん方は日本の民謡歌手。
日本的な陰鬱な情念のようなものを呼び起こさせる。

これに和太鼓が絡んでいく。
この和太鼓奏者もかなりの手だれで,タイム感覚が非常にシャープ。
音離れがいいだけじゃなく,かなりの力強さもあり,
また,うねりのようなグルーブを加えていくので,
ドライブ感が半端ない。

代表的なのが4分あたり。
一瞬のブレイクの後,和太鼓が切れ込んでいくのだが,
何度聞いてもシャープネスとドライブ感に脊髄をやられる。


アニメのほうはこれ以上ないんじゃないか,というぐらいの映像美が印象的だが,
小難しいセリフと哲学的な側面を単純にスルーすれば,ストーリー自体はシンプル。





ついでにもう一曲。
上記『傀儡謡』とは対照的なポップなチューンだ。

きゃりーぱみゅぱみゅはPERFUME中田ヤスタカのプロデュース。
去年の紅白にも出演したらしいが,
なぜか欧州方面でスマッシュな人気を獲得しており,
先日の欧州ツアーではロンドンでチケット予約が数秒でさばけたという。
YOUTUBEでも彼女のプロモにはHIT数が多い。

箱の大きさとかがわからないし,またやらせK-POPの事例もあるので,
(PSYのYOUTUBE・HIT数10億以上には大笑い)
この手の話題をすんなり受け取るわけにはいかないが,
昨年のフランスJAPANEXPOでは2ステージで1万人以上を集めたという。
そこそこの人気はあるのだろう。参考

ただ,音楽自体は別にどうってことない。
テクノ風味のロックといったところか。
出だしはジューシーフルーツだな。


欧州の産業音楽シーンは一般的に日本よりもレベルが低い。
特にアイドル歌謡的なジャンルはマーケットが狭い。

通常,歌い手は上手であることが当たり前である。
ところが,日本のアイドル歌手は下手な人が多い。
聴くに耐えない様な歌手でもそれを一級品のスタッフが支え,
商品としてまっとうなものにしてきた。

まさしく,日本のガラパゴス化を示す一つの典型例であるが,
その独特の進化に世界の人々も目をむけ始めているのかもしれない。


似た例としては,いわゆるビジュアル系がある。
ビジュアル系といっても,音楽性向はばらばらであり,
演奏力も一級品からそこそこまで玉石混交。
ただ,ビジュアル的に美しい,というのは共通している。

このビジュアルに欧州の人々(の一部)がくいついている。
きゃりーぱみゅぱみゅも音楽的なものよりも
そのファッションセンスに惹かれている人が多いかもしれない。
原宿というキーワードでくくれるような話である。


きゃりーぱみゅぱみゅのこの曲を取り上げたのは,
映像美から。
非常にごちゃごちゃしているし,ゴージャスで強い色が多く,
下品になりがちであるが,
すっきりと上品にまとめあげている。

この手の映像感覚は日本のPVでよく見かける。
ちなみに,演出は田向潤監督。
前作までのPOPでFANTASYな映像から一転している。
しかし,過剰なまでの映像美,という面では共通している。

振り付けはMAIKO(旦那はPOPPINで有名なカイト)。



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2012年12月25日

クリスマスソング

h76.jpg

Wonderful Christmas Time_Paul McCartney
John Lennon - Happy Christmas (War is Over)
 個人的には,クリスマス・ソングといえば,ジョンレノン。
Jackson 5 - Give Love on Christmas Day
Chris Rea Driving Home For Christmas
 昔不良親父,今マイホームパパという感じがいい。
 
The Brian Setzer Orchestra - Jingle Bells (Live)
 この人のギターはとびっきり上手いこともあるけど, 色気があるね。
Duke Ellington And His Orchestra - Jingle Bells
 CBS session 06/ 21, 1962  the 30th Street Columbia Studio, New York
 ピアノが実にモダン。

Paul Bley (ポール・ブレイ) Santa Claus Is Coming To Town
 ポール・ブレイによる,なんてことのないJAZZ演奏。
 暗いというか,ちょっと繊細っぽいところに彼の持ち味が感じられる。
Santa Claus is Coming to Town - Bill Evans
 JAZZの詩人,というのがよくわかる演奏。

Christmas song - Nat King Cole
 この人の歌唱は永遠に語り継がれる。
Carla Bley ・Steve Swallow 〜 the Cristmas Song
 ポール・ブレイの元奥さん,普通に演奏している。

Charlie Parker's All Stars - White Christmas
 これぞJAZZ。
山下達郎−WHITE CHRISTMAS
 空間が洗われるようなチューン。この人は孤高の音楽家だね。

Enya - Silent Night (in Irish) Christmas Lyrics




Xmasボード.jpg
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2011年12月31日

21世紀の女性音楽家

ここ2〜3年ほどの日本の音楽は停滞気味なんじゃないかと思う。
少し前には昭和歌謡風TUNEが流行し,
2011年など,ヒットチャートの上位はAKB,ジャニーズが席捲した。

K-POPという,多くの場合中身はまんまレベルの低いJ−POPも
日本の音楽停滞を表している。
目先を変えたいのだろう。


それでも,注目すべき人は出てくる。
最近だと,KOTORINGO

幼女のようなボーカル,
対照的に男性的なピアノ演奏力,
JAZZなどに影響を受けた複雑なアレンジ,
なによりも,個性が飛び抜けている。

坂本龍一が見出した,というだけあって,
矢野顕子の現代版,という見方もできると思う。

矢野顕子のギトギトしたアクはないが。


KOTORINGOが静,草食系だとすると,
動,肉食系は椎名林檎だろう。

98年にデビューしているからもうベテランだが,
とにかく声が強い。

東京事変の超強力なバックをを抑えつけることのできるボーカリストは,
日本には他にいないんじゃないか。

私は彼女を日本一の女性ボーカリストに推す。


音楽家というと少々語弊があるかもしれないが,
PERFUMEも好きなミュージシャンである。

ただ,PERFUMEの場合,
中田ヤスタカの力が大きいのであるのは皆さんご存知の通り。


最近の最大の驚きは初音ミクである。
ホログラムによるライブは未来を予感させた。

彼女を音楽家と読んでいいのか,
いや女性なのか,そもそも生物でさえ無いのだが。

初音ミクはある意味PERFUMEの延長線上にある。
アイドルの究極の形だ。

初音ミクはプログラムである。
全てが人によってコントロールされる。

従って,初音ミクが自発的に魅力を持つことはない。

対して,PERFUMEは歌手としては相当改変されているかもしれないが,
当たり前ではあるが,彼女たち自身に決して計算できない魅力が備わっている。

その違いには深い溝が横たわっていると思うのだが,
それは簡単に飛び越すことのできるものかもしれない。

アニメにシャロン・アップルというのが出てくる。
AIによるアイドル歌手で,宇宙を制覇している,という設定だ。

未だ初音ミクはメジャーな存在ではないが,
ヒット・チャートにコンピュータ・プログラム歌手が並ぶ,
そういう時代がやってくるのかもしれない。










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2011年08月28日

SUPERFLAT MONOGRAM

なかなか楽しい動画があったので,ご紹介。
村上隆が2003年に,ルイビトンのために制作したもの。



監督は細田守。
『時をかける少女』『サマーウォーズ』で有名なアニメ監督である。

アニメーションも素晴らしいのだが,
その世界観にぴったりハマる音楽も素晴らしい。
アルコールで洗いさったような人工色が気持ちいい。

音楽を担当したのは,FPM(Fantastic Plastic Mashines)。
田中知之の一人ユニットである。
田中知之は,DJ,ミキサー,アレンジャーなどで世界的に有名。

本作品は,ベースがファンクぽいディスコサウンドに
キャッチーなメロ,コードをのせておしゃれな作品に仕上がっている。

細かく聴けば,
  めまぐるしく楽器を紡いでいる。
  複雑なコード,リズムを散りばめている。
等,一歩間違えばとっちらかったり,
実験的な頭でっかちの音楽になりがちなのだが,
このTUNEは爽やかサウンドにまとめ上げられている。

その手腕は,『手練れ』の一言。


この作品は2003年。
こういうとんがった作品は,時間が立つと陳腐になったりするのだが,
2011年に鑑賞しても,全く古さを感じさせない。

ルイビトンも喜んだことだろう。
多分,22世紀になっても現代性を持ち続けるんじゃないか,
そう思わせる作品である。


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2011年07月18日

アンゴラは音楽大国であった。

ルアンダが東京を抑えて生活費1位
という記事を読んだ。

さっそく、ルアンダを調べてみた。
ややこしいことに、ルワンダという名前もある。

  ルアンダ・・・アフリカ・北西部のアンゴラの首都
  ルワンダ・・・アフリカ・中部の国


そのアンゴラであるが、2006年にFIFA・ドイツWCに出場した
サッカー強国である。

一人当たりGDPが6000ドル程度あり、
アフリカとしては経済強国である。

アンゴラ経済を支えるのは、石油とダイヤモンド、
2002年までのアンゴラ内戦から急速に回復して、
ここ数年は10〜20%という猛烈な経済成長をしている。

このランキングは、駐在員目線での物価である。
アンゴラでは駐在員向けのインフラが整っていないのかもしれない。

インフラ不足+猛烈な経済成長で
駐在員の需要に追いつかないのだろう。

インフレも凄そうだ。


しかし、アフリカ中部のチャドという国も物価が3位、
こちらは、完全な失敗経済国とされている。

アフリカで何が起きているんだろうか。



さて、アンゴラを調べていたら、
この国は元々ポルトガルの植民地だったという。

ブラジルとのつながりが強いのか、
地上デジタル方式は日本式になった(アフリカでは初めて)。
南米はほぼ日本式である。

南米への奴隷輸出基地で栄え、
現在の南米音楽のルーツが、アンゴラにあるという。

サンバの元となったセンバとか、
フランス語系のズークとセンバが合体したキゾンバがある。


そのセンバ、アンゴラのあらゆる場面に浸透した音楽らしい。
生活密着型、ということである。

その中心人物の一人が、ボンガ・クウェンダ(Bonga Kwenda)、
出生名はジョゼ・アデリーノ・バルセロー・デ・カルヴァーリョである。



だみ声ではあるが、相当な力量の持ち主だ。

まずは、その存在感。
バンドサウンドを制圧する力が半端ない。

さらに、相当なテクニックの持ち主ではあるが、
それよりも、声の魅力に惹きこまれる。

熱い情熱、仄かな哀愁、暖かそうなハート、
そうした強い情がストレートに飛び込んでくる。


バンドサウンドは、貧相なフロントと、
やたらリズム感のある打楽器、
というアフリカ音楽でよく見かけるパターンである。

このドラム、パーカッション的な軽いリズム感で気持ちいい。


センバはその後、いろいろなジャンルと融合する。

フランス語系のズークと合体したのがキゾンバ
テクノっぽい要素を取り入れたのが、クドゥーロである。

クロゥーロ有名なのが、
2006年結成のBuraka Som Sistemaなんだと。
日本でもCDをリリースしている。

YOUTUBEで聴いてみたのだが、これがなかなかイケてる。

Sound of Kuduro (without intro)



なんだか、トーキングヘッズとかXTCを思い出してしまった。
熱狂的なリズムに、アシッド性の強い音を組み合わせ、
やや病的な感性をうまく表現している。

両方とも、CDを買うつもりである。



posted by DEBUO at 11:48 | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする