2012年11月14日

ゴールドマン/サックス

ゴールドマン・サックス(GS)は,モルガン・スタンレー,JPモルガンと並ぶ,
アメリカ最大級の投資会社である。
格式も高いが,非常にえぐい商売をすることでも有名だ。

株や為替などをやっている人には常識なのだが,
GSの別名は,『はめ込み』のGSである。

  GS:『注目は◯◯ですよ』
  パンピーがその株を買う
  GSはそのあいだに売り抜ける

こういう行動が多いらしい。
その典型例が先日行われた。

  「成長国は韓国についていけ」ゴールドマン・サックス会長が激賛
  2012-03-28 中央日報
  ▼▼▼
  米ゴールドマン・サックス、韓国アセットマネジメント部門を閉鎖へ
  2012-11-13 ロイター

3月の記事が出た時点で,GSのはめ込みが噂されていたが,
はめ込みどころか,GSは韓国の拠点を閉鎖してしまったのだ。

韓国では,数年前に『ローンスター事件』というのが起きた。
ローンスターという外資系企業が韓国での投資を引き上げようとしたところ,
訴えられた事件である。
  経緯はこちら

ネットスラングにOINKという言葉がある。
『ONLY IN KOREA』の略語で,意味は『韓国でしか起こり得ないこと』。
豚の鳴き声に引っ掛けているだけに,かなり侮辱の意味が込められている。
この言葉が誕生したのはこの事件がきっかけだという。

半年ほど前にも,ドイツ銀行が投資を引き上げようとして,
韓国でもめていたことがあった。
中国ほどではないにせよ,
韓国から投資を引き上げるのにはリスクがある。
つまり,韓国に投資すること自体がリスクである。

だから,GSはかなりの注意を払って,
韓国から金を引き上げたのだろうと思われる。


ただ,世界的に投資環境が悪化している。
景気が悪いとか,そういう意味ではなく,
値動きが少なく,また値動きに安定性がなく,
それで投資効率が上がらないのが原因だ。
アメリカでは運用額を減らす会社が続出しているらしい。

韓国からの撤退はそれと関係があるかもしれないが,
そもそも,韓国にはカントリーリスクがありすぎる。
 ローンスター事件
 北朝鮮との関係
 中国依存度が高すぎる
 国・企業・個人の負債が大きすぎる
 貿易依存度が高いので外的要因に簡単に左右される
 外的要因である中国,欧米の行く末は不安だらけ
 特に,中国はいつバブル崩壊が起きてもおかしくない
 韓国の不動産バブルが崩壊している?
 韓国の景気は,特に金融業界は非常に悪い。
 韓国はおそらく低成長時代に突入している・・・等

現状では,韓国を持ち上げようなどというのは,
日本のマスコミや韓国大好き政治家しかいない。
その日本でも,韓国アゲは難しい状況になっている。

韓国の行動如何により,日韓関係が更に悪化することも十分ありうる。
日韓関係の悪化は韓国を直撃するだろう。

その他の外的要因としては,
  アメリカの財政の崖が年内に解決されるか 
  ギリシャ融資問題,スペイン融資問題
が控えている。
11月〜年内の話だ。
中国経済もかなりの不安を抱えた状態にあるようだ。

韓国経済の世界経済に対する影響は微々たるものだが,
それでも,韓国経済から世界経済を読み取るとることはできる。
特に韓国は外的要因に左右されやすいため,
炭鉱のカナリヤのような存在として,定点観測の価値がある。


  
posted by DEBUO at 12:34 | 世界の経済・通貨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月31日

アメリカ その3

アメリカ その1その2の続き

アメリカの2012年の財政は厳しい。
現状の景気は少し持ち直しているが,
再び不景気のサイクルに入ったとしても,
景気刺激策は金融緩和しかない。

財政削減の縛りにより,公共事業を活性化できないようなのだ。


その影響はその2でもわかるように
軍事費削減に結びついている。

軍事費削減はイラク・アフガンからの撤退というような形で表れている。

イラク・アフガンだけではない。
中近東・中央アジアでのアメリカ軍のプレゼンスは
以前と比べると低下しているように見える。

いや,アメリカそのものの影響力が低下しているように見える。


逆に,活発化しているように見えるのが,
東アジア〜太平洋地域である。

より端的に言えば,中国封じ込め作戦である。
以下の地図が概要図である。

クリックで拡大
beigungif.gif

まずは,中国側(赤色)から。

中国が中東から石油を運ぶとき,
マラッカ海峡を通る。

しかし,マラッカ海峡は米軍の強い地域だ。
そこで,
  パキスタン・ミャンマー・マレーシア
の3地域に港湾施設・パイプライン・高速道路などの建設に出資し,
石油の確保に務めている。

また,パキスタン・スリランカ・バングラディシュ・ミャンマーの港を
軍港として使用することで,
インド囲い込みをしようとしている。
(真珠の首飾り戦略)

更に,中国は太平洋側に進出しようとしている。
南シナ海や尖閣で中国が暴れているのはその一環だ。
 ※第一・ニ列島線は中国が目標とする進出ライン
 ※南シナ海は中国のシーレーンでもある。


中国に対抗する米軍の基本形は
沖縄・グアム・ダーウィンの三角形である。

  沖縄:米軍基地
  グアム:米軍基地
  :アメリカの同盟国
    ダーウィン空軍基地には12年より米海兵隊駐留。

ここにシンガポールが加わる。
   米、シンガポールに最新鋭戦闘艦 ASAHI.com


中国のインド包囲網に対しては,
  ディエゴガルシア島
   インド洋に浮かぶサンゴ礁の島。巨大な米軍基地がある。
  インド
   アメリカの軍事同盟国
  ジブチ
   米軍基地がある。アフリカ・中近東を睨む

ここにシンガポールを加えて,ダイヤのネックレス戦略?で対抗する。


さらに,
  ミャンマー:
   米国務長官:ミャンマー訪問 mainichi
   ※ミャンマーは親中国家,中国へのパイプラインを建設中
  フィリピン
    比空軍のアメリカの中古戦闘機配備計画 INSIDE NEWS
    その他,米軍から軍艦を購入したり,合同演習をしたりしている。
  ベトナム
    米軍と合同演習,米空母のベトナム寄港。
    ベトナムも過去を切り離しての米軍への接近ぶりが著しい。
  韓国
    オバマと李明博は仲良し。
    統制権返還を12年から15年に先延ばしした。
  日本
    民主党は軍事的には,ポッポ末期より親米に転換。
    おそらく,その中心には前原氏がいるのではないか。

ここ1年ほどの東アジアにおけるアメリカの中国包囲は活発だ。


この流れの一貫としてTPPがある,と考える人もいる。
TPPの太平洋経済ブロック構想は,
対中国封じ込め作戦の一環だというわけだ。

但し,米中は経済的に補完関係にある。
軍事的に対立しても,経済的には対立したくない。

それは米中両方に共通する。
だから,アメリカとしては中国の鼻先を抑える体制を取る。
地図に線を引き,ここから出るな。
と明確にしていくのだ。






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posted by DEBUO at 09:22 | 世界の経済・通貨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月29日

アメリカ その2

アメリカその1の続き

こうした背景を理解してもらってから,
アメリカの現在のポジションを考える。
判断基準は,アメリカ軍の世界戦略である。

アメリカ軍は伊達に世界の警察を気取っているわけではない。
アメリカ軍はドルの信用を無理やりにでも担保し,
いざとなれば借金取り立ての用心棒になる。

ドルの基軸通貨体制とアメリカ軍の世界展開は表裏の関係にある。


中近東・中央アジア


アメリカ軍はイラクでの9年に及ぶ駐留のあと,
12月18日にイラクから撤退した。

背景としては,アメリカの経費削減がある。
アメリカは茶会を始めとして経費削減圧力が強い。
12年にオバマの再選がかかることもあり,
矛先を収め始めている。

中東での米軍の中心地は,クェートになる模様。


中東では,アラブの春(フェイスブック革命)が起きた。
ただ,アラブの春は民主革命,と持ち上げるのはちょっと違うと思う。

確かに,ネットでたやすく情報を共有できることも
民衆の不満に拍車をかけたのかもしれない。

しかし,要因の一つは格差である。
端的に言えば,物価上昇による民衆の鬱憤である。

宗教対立,というよりもアンシャン・レジーム,
エスタブリッシュと貧乏人の対決という,
伝統的な諍いであろう。


『アラブの春』の別の要因としては,
中東地域での欧米のプレゼンスの低下があげられる。

欧米発の経済危機は欧米の地位低下につながっている。
上からの重しがなくなり,各地で抑圧された憤懣が飛び出した,
そういう側面が中東のフェイスブック革命にあるんだろうと思う。

冷戦構造が終わった時,故高坂正堯京大教授は,
ローカルで紛争が頻発すると警告していた。
現在は,それと似た様な状況にあるのではないか。

  アラブの春は,WIKIPEDIAを参照


中央〜南アジア


イラクに続いて,米軍は14年までにアフガン撤退を決めた。
私は米軍がこの地域にこだわる理由がよくわからない。

ソ連のアフガン侵攻以来の米軍とアフガンの因縁は私も知っている。
だが,算盤が見えないのだ。

確かに中央アジアには資源が多い。
ロシアの牽制もあるだろう。
横目で中国をにらんでいるかも知れない。
中東世界の背後を絶とうとしているのかもしれない。

そのために,米軍の最終兵力は10万人に及んだ。
一方で9年近い駐留で1000人以上の米軍兵士の死者を出した。

アフガン側の死者はその10倍はいるだろう。
2010年だけで紛争に巻き込まれたアフガン民間人の死亡者は
2777人だという。

もっと上手いやり方があったんじゃないのか。
ビンラディンを殺害したとしても,
ビンラディンはイスラム世界の反米意識の集合体のような存在だ。
反米感情の存在する限り,第2第3のビンラディンは必ず出現する。


もっとも,ビンラディンの殺害は何か唐突な印象を与えた。
米軍をアフガンから急いで撤退させるための言い訳に使われた,
という言説がネットに飛び交う。



パキスタン

パキスタンは案外重要な国である。
特に中国との関係で重要だ。

中国は中東から石油を運ぶときに,
現状ではマラッカ海峡を通る必要がある。

しかし,マラッカ海峡は米軍のプレゼンスが強い。
どうしても別ルートを作る必要がある。

その別ルートの一つがパキスタンである。

パキスタンはペルシャ湾の入り口に面し,
中国はそこの港湾施設(軍事利用可能)に出資し,
さらにパキスタンを縦断する高速道路とパイプラインを建設している。


他にも,ロシアやイランへの牽制など,
パキスタンは地政学的に重要な位置にある。


そのパキスタンであるが,
基本は親米路線のようであるが,
中国とも大変仲が良く,
最近では親米路線を見なおしてロシアに接近中とも言われる。
上海機構へのオブザーバー参加はその一例だ。


イラン

イラク・アフガンから米軍が撤退する。

戦争目的を達成し,アメリカの懐も厳しいし,
オバマの再選もあるので印象を良くしなくてはならない。

撤退理由はそんなところだ。


しかし,もっと怖い憶測が飛び交っている。
アメリカのイラン攻撃だ。

ビンラディン殺害報道の唐突さは,
その憶測に拍車をかける。


私は,オバマ就任以来,というよりもイラクの後は,
イランが本丸だと考えていた。

オバマが就任した時に,イランと戦争をするのではないか,
私はそう思っていたのだ。

アメリカとイランは以下の点で対立する。

  石油利権
  イスラエルとの対立
  イランの反米感情

イランの反米感情は,例えば,
湾岸ディナールやユーロの導入に積極的であった,
という点にも表れている。

ドルの基軸通貨体制を崩すためだ。
そして,根本にある反米感情は,
ロシアや中国,北朝鮮との地脈につながる。

上記理由で攻撃されたのがイラクである。
特に,フセインがドルの基軸体制を壊そうとしたのは,
アメリカにかなりの危機感を与えたかもしれない。


ただ,イラクと違いイラン攻撃には理由がなかった。
イラク攻撃理由にしてもいちゃもんだった。
下手に動くと第2のブッシュになってしまう。

それがここにきて,
イランは続々と戦争フラグを立てつつある。

  イラン核開発
  イランの英国大使館襲撃
  相変わらずのドル嫌い


欧米には隠れた戦争理由がある。
戦争を公共投資と捉え,インフレを起こし,
経済活動を活発化し,債務圧縮を狙いたいわけだ。

アメリカが世界恐慌から立ち直り,
建国から続いていた赤字国から脱却するのは,
第2次世界大戦である。

特に欧州はブレイクスルーのきっかけを求めている。
そこにイランはむざむざ飛び込もうとしているようにも見える。

12年の比較的早い時期にイランとの紛争が起こっても不思議ではない。

  イラン、ホルムズ海峡封鎖を警告…欧米禁輸なら
  YOMIURI



アメリカその3に続く




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posted by DEBUO at 13:47 | 世界の経済・通貨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月27日

アメリカ その1

アメリカをアメリカたらしめる最高の価値観は,
少なくとも経済的な観点から言えば,
ドルが基軸通貨であることだ。

ドルは世界中で流通している。
まともな国であれば,
決済通貨としてドルを使えないことはありえない。

場合によっては,自国通貨よりもドルのほうが信用のある場合もある。
中国や香港のようにドルペグ,ドル固定相場制を取る国・地域もある。

自国通貨よりもドルの方が信用がある。
或いは,自国通貨の安定の基本にドルを採用する。

それは,アメリカのドル経済圏に組み込まれていることを意味する。
アメリカ・ドルの植民地である,と言い換えてもいい。


そこまでいかなくても,例えば日本が輸入する代金に,
ドルを使用することが多い。

そうであれば,ドルを発行するアメリカは,
ドルが不足すればドルを刷ればいい,ということになる。

アメリカの貿易赤字が問題にならないのは,
アメリカの貿易がドル建てであり,
いざとなればドルの輪転機を回せば解決するからだ。


また,アメリカに対して貿易黒字である国は,
稼いだドルをどうするのか。

最終的には,ドルはアメリカに戻さざるを得ない。
ドルはアメリカの通貨であり,
また,圧倒的なアメリカの経済力を代替する国・地域は,
他にはない。

ドルを欧州に対して使うことができるかもしれないが,
ドルを受け取った欧州にしても,
そのドルの最終的な使い道はアメリカに対してなされる。


こうしてドルはアメリカに還元していくのだが,
それは多くの場合,アメリカ国債への投資,という形になる。

例えば中国は大量のアメリカ国債を保有する。
中国がアメリカ国債を売り払えばアメリカは終わりだ。
などという見解を聞くことがある。

それは,いくつかの点で見方が浅い。

  中国は対アメリカの貿易黒字が多額である。
  稼いだドルを運用できる国・地域はアメリカしかない。
  アメリカ国債の他に,手元にあるドルを運用する当てがない。
  中国元高につながり,中国の輸出が大ダメージを被る。

  対して,アメリカはいざとなれば
  ドル輪転機を回せば中国のアメリカ国債を引き取ることができる。

中国は経済的にアメリカに依存している。
アメリカなしでは中国は自国の発展を続けることができない。
結局,中国はアメリカ国債に頼らざるを得ない。



アメリカの最大の価値観の一つは,
ドルが基軸通貨であること。

ドルが基軸通貨でなくなれば
途端にアメリカの貿易赤字は牙を向いてくる。

貿易決済をドルでできなくなるからだ。
外国通貨で決済する必要があるということは,
その外国通貨を何らかの手段で稼ぐ必要がある。

手元の外国通貨が底をつけば,
貿易はできなくなるし,
借金してるとなれば,デフォルトせざるを得ない。

こうして,アメリカは簡単にアルゼンチンになる。
国が破綻するのだ。


アメリカ・ドルの基軸通貨体制を守ることは,
おそらくアメリカの最大の命題である。

民主主義だとか,正義だとか,
ドルの基軸通貨体制を守ることと比べれば,
ただのお飾りのお題目でしか無い。

基軸通貨体制を守るために,アメリカのなすべき最大のポイントは,
アメリカを魅力的な国にすることだ。

人を惹きつける企業風土,文化,或いは思想,
魅力的,ということにはいろいろな要素があるだろう。

そして,結果としてGDPが増えなくてはならない。
そのためにアメリカは最大限の努力をしなくてはならない。

(それは他国でも同じことである)



しかし,アメリカはプラスイメージだけを考えていれば良い,
というわけにはいかない。

21世紀に入ってから,
アメリカのドル基軸体制を崩そうといろんな国・地域が対抗してきた。

最大の対抗はユーロである。
中東だと,湾岸ディナール(中東共通通貨)。
プーチンもルーブルの基軸通貨を言い出している。

アメリカはドルの基軸通貨を守るために,
あらゆる手段を使ってくる。

例えば,イラクのフセインが殺された原因の一つが,
フセインが石油決済をユーロにすると公言したからだ。

露への対抗策としては,
中央アジアの一連の革命がある。

  03年グルジアのバラ革命
  04年ウクライナのオレンジ革命
  05年キルギスのチューリップ革命

これら一連のドミノ革命の裏にはアメリカの存在が噂されている。
それは,米露の新たな冷戦構造でもあったのだ。


それら,アメリカへの挑戦者を排除するには。
アメリカが世界の警察を自称する理由の一端がここにある。


その2に続く


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posted by DEBUO at 15:29 | 世界の経済・通貨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月25日

欧州危機のまとめ

このブログでも何度も取り上げてきたが,
年末ということで,ユーロ危機をまとめてみる。


ユーロ危機の根本原因
は,
ユーロ加盟国の財政と金融が分離していること
にある。
ユーロ加盟国は,USAの州政府のような存在である。

しかし,地方自治体であるとしても,
  ユーロ加盟国政府の財政を監視する機構
  危機に陥ったときのセーフティネット
  危機に陥った加盟国への罰則規定

いずれも全くといっていいほど整備されていなかった。
まるでポッポが提唱する東アジア共同通貨構想のようである。


ユーロ危機の直接的な原因
銀行危機にある。

ユーロ加盟により,本来は欧州の片隅にいるべき国に
過剰な信用が与えられた。
ギリシャがドイツと同等の信用を得たのである。

与信枠が10倍になったカードを持つようなものだ。
しかもその与信枠は無限に拡大していくような楽観的な雰囲気が
ユーロにはあった。

アメリカに端を発するデリバティブ・バブルが拍車をかけたこともあるのだろう。
ギリシャを始めとする南欧各国は大喜びで借金をしまくり,
独・フランスなどの銀行もこぞって融資を拡大していった。

ユーロバブルだったのである。



さて,バブルがはじけてみると,
日本のバブル崩壊以上のやっかいなことが待っていた。

通常バブルが崩壊し,銀行システムが不安定になれば,
公的資金を注入するなりして,経済の動脈硬化をふせぐ。

ところが,ユーロ加盟国はそれが簡単にできない。
日本の地方自治体を考えてみればよい。
大阪府の借金が嵩んだ場合,借金を増やすことはできない。
財政健全化は必ずなされなければならない。

それは借金まるけの家庭でも企業でも同じことだ。
身の丈以上にふくれあがった消費癖を引き締めなければならない。


そこが日本政府と違うところである。
日本政府のいわゆる赤字国債と,地方自治体やユーロ加盟国の借金とは,
性質が違う。

日本政府の借金は銀行に滞留するお金の流れを良くするためのもので,
債務ではあるが,一般的にいわれる借金と違う。


例えば,銀行の預金も,銀行にとって債務であるが,
銀行の借金が・・・などと問題視する人はいない。

銀行にとって問題になるのは,
預金(銀行にとって借金)の運用ができないことである。

日本政府の借金も額の多寡が問題ではなく,
それが日本の価値を増大させることができるか,が問題なのである。

日本の価値を増大させる,とは,わかりやすい指標としてはGDPである。
日本のGDPが増えるよう,
直接・間接的な働きかけを日本政府はする必要がある。

直接的とは,例えば高速道路を作ることで建設会社を設けさせることである。
間接的とは,高速道路⇒物流が良くなり企業活動が活発になることである。
(但し,国の価値が高くなるのと,GDP増大はイコールではない)



財政を健全化させなくてはならないユーロ加盟国であるが,
では節約すればいいかというとそう簡単ではない。

財政健全化=節約や人員整理を始めると,間違いなく消費が減る。
消費が減れば,GDPが下がる。
GDPが下がれば,税収が減る。

こうして,不況のスパイラルが拡大していく。
不況が拡大すれば,借金返済どころが社会不安が増大する。



財政の健全化も大切であるが,
同時に財政の拡大も大切なのである。

通常の政府であれば,大規模補正予算を組んで景気を良くしようと試みる。
デフレであるのに増税しようなどという馬鹿な国は日本ぐらいしかない。

しかし,ユーロ加盟国は一人前の国ではないのだ。
大阪府と同じである。

景気対策しようにも,
揺れ動く銀行や企業に公的資金を注入しようにも,
それどころか借金を返したくても,
原資がないのだ。


日本とユーロ加盟国を分ける最大のポイントは,
通貨発行権があるかどうかである。

日本政府は,円で借金する限りにおいて,
インフレを無視すれば,無尽蔵に借金できる。

そもそも,国債を通じての金融機関からの『借金』と,
税収とは,どういう違いがあるのか。

金を循環させる,という点で同じではないのか。

確かに,日本の財政は国債なしでは運営できない。
しかし,税収は強制であるが,
国債は金融機関の任意である。

任意である証拠は,日本の下がりっぱなしの国債金利にある。
日本国債の金利が低いということは,
日本国債の人気が非常に高い,ということである。

 ※日本はデフォルトする,と反論したい方は,
  財務省に文句言ってくれ。
  財務省は,日本のデフォルトがありえない,
  と10年近くも前に主張している


 ※なお,私は将来的には増税が必要だろうと思っている。
  国債に頼る財政はいびつである。

ユーロ加盟国には通貨発行権がない。
ユーロ加盟国の借金はたとえユーロ建てであったとしても,
日本政府がドル建てで借金しているのと同じ,
或いは,地方自治体債と同じになる。

そうなると,たとえ借金がGDP比10%ぐらいであっても,
デフォルトすることがありうる。

ユーロ加盟国はユーロを増刷できない。
手持ちのユーロには限りがある。

ユーロ加盟国の手持ちのユーロがなくなれば,
デフォルトせざるを得ない。

誰にでもわかる理屈である。


更に,ユーロ加盟国と日本政府との違いは。
日本だと政策金利や通貨量を増減させることで,
景気をコントロールすることができる。

また,通貨安政策をとることで,輸出増大を図ることもできる。

ところが,ユーロはそれができない。
ユーロ加盟国には金融政策がないのだ。
公的資金注入も限られているから,
景気が悪くなっても,景気刺激策をとることができないのだ。


以上のように,ユーロ加盟国が日本と違うのは,
ユーロ加盟国は,USA州政府や日本の地方自治体に相当する,
ということであり,
そこが非常にやっかいである,ということである。



さて,ギリシャを始めとする南欧危機はいつ収縮するのか。
現状で最大のポイントは,セーフティネットにある。

ユーロ危機の直接の原因は銀行危機にある。
過剰な融資で倒れかけている銀行をどう救うのか。

それはつまりユーロ加盟国政府の国債を支える,ということに他ならない。
倒産寸前の銀行を救えるのは,各国政府の役目になるからだ。


仕組みとしては,現在EFSFがある。
まず,融資可能額を200兆円程度にまで増やすことが当面の課題だろうか。

次に,ESM
EFSFは緊急的な仕組みであり,ESMはより恒久的な組織になるという。

この先に欧州共同債がある。
こうなると,ユーロ加盟国の財政と金融は相当程度にまで統合したと見られる。



だが,欧州の最大の問題点は,『政治』である。
各国の国民感情が最大の障壁となる。

単純に言えば,ドイツ国民はギリシャを助けたいなどとは
これっぽっちも考えていない。
当然の感情である。

ドイツは勤勉・節約指向で知られる。
ギリシャといえば,怠惰・消費癖の代表国だ。

アリとキリギリスなのである。

何しろ,ギリシャは55歳で年金がもらえるらしい。
しかも,ギリシャの年金は,退職直前賃金の95%がもらえるという。
(仕方なく法改正を目指しているのだが)

ドイツは65歳で,36%しか年金をもらえないという。


それに,ギリシャはデフォルト常習国だという。
借金踏み倒しを何度も行ってきたらしい。
馬鹿馬鹿しくて,ギリシャを助けたいなどとは思うはずがない。


だが,ドイツはユーロから最大の恩恵を受けている。

ユーロ統合により市場が拡大したこと,
また,ユーロを枠をはめられたお陰で,
本来マルク高を招くところを免れていること,
それらの結果,ドイツは韓国並みの外需依存国となっている。

  輸出額の対GDP比
  ドイツ 約38%
  韓国 約46%
  日本 約14%

ドイツは節約志向の国として知られる。
更に,東西ドイツ統合に伴い内需が打撃を受けた。
90年代の貧相なドイツ内需を救ったのがユーロなのである。


反対に,ギリシャは国力以上の通貨高であるので,
国内産業に価格的な競争力が生まれない。

結局,ドイツはギリシャに必要以上の信用を与え,
ギリシャから果実をむさぼってきたのである。


だから,ドイツはユーロを離脱できない。
ユーロ崩壊ということもあるが,間違いなくマルク高になる。
輸出が激減するだろう。

かといって,ドイツはギリシャを助けたくない。
ギリシャに対する感情もあるが,
ユーロ統合が進むということは,
ドイツのユーロへの資金供出が増えることを意味する。

日本で言う,地方交付金みたいなものだ。
東京は一方的に税金をむしりとられ,
それは国を通じて地方にばら撒かれる。

本来,東京のインフラや福祉などに使われるはずのお金なのである。
それが地方にばらまかれ,東京が日本の地方を支えている。

東京は雇用もあり,収入も多いが,
その分,渋滞や環境の悪さを我慢して地方を支える必要があるのだ。

同じ日本人でもそのことに対して疑問に思う人は多いと思う。
ましてやユーロ加盟国間であるならば,あからさまな不満が続出するだろう。



次の欧州危機は3月であろうか。
当面のポイントはセーフティネットの拡充である。
セーフティネットをめぐって,今後もユーロが揺れ動く。

銀行危機も国債危機もまるで収まっていない。
危機を収めるには,
誰にでもわかるように,現金を積み上げる必要がある。

これからがユーロ危機の本番である,と考えても,
ちっともおかしくない。



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posted by DEBUO at 08:52 | 世界の経済・通貨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月30日

EFSF拡充案可決 独・フィンランド

昨日,当面のユーロを安心させるニュースが2つあった。

  ドイツがEFSF拡充案可決し混乱回避
  bloomberg
  フィンランド議会、EFSF拡充案を承認
  ロイター

ユーロの根本的欠陥は,財政と金融が分離していることにある。
各国は国民から税金を徴収してそれを使うことができるが,
ユーロを輪転機にかけて刷ることができない。
政策金利を決めることもできない。
それはユーロ銀行ECBの役割である。

逆に,ユーロ政府はECBを通じて金融政策を行うことができるが,
財政政策は行うことができない。

つまり,ユーロ各国はアメリカ合衆国の州のような形態,
或いは,日本の地方自治体の強いバージョンである。

ただ,USAにしても日本にしても,
地方自治体が破綻すれば強力な法律,
民事再生法のようなスキームにより,
容赦なく破綻処理を進めていく。

日本ならば,夕張がいい例であろう。

しかし,ユーロは統合を急ぐあまりに,
危機時の処理を曖昧にしてきた。

そこをギリシャ始め南欧のキリギリス諸国に狙われたわけだ。
目の前においしいエサがあれば遠慮なく頂くのが,
世の習いというべきなのである。


現在,ユーロを覆う危機は財政と金融の不一致が原因なのだが,
財政と金融を統合させるのは非常に難しい。

つまり,ユーロを一つの国する,ということである。
例えば,日本と韓国を一つの国にする。
考えただけでもおぞましいことだ。


しかし,このままではユーロは破綻一直線である。
そこで『EFSF』(欧州金融安定ファシリティー)という仕組みが生まれた。
  European Financial Stability Facility"

facilityは施設と訳すことが多いが,
これが金融業界になると,与信枠,融資枠,資金枠という意味になるらしい。


EFESの資金力は,欧州から600億ユーロ,IMFから2500億ユーロ,
それから欧州各国の信用を背景とした発行債権による総額4400億ユーロ?

今回のEFSFの拡充は融資額能力ではなく,制度の拡充。
ユーロ最大の信用であるドイツと,
拡充に対して頑強に反対していたフィンランドが賛成の意を示した。

特にドイツはメルケルひきいる連立与党だけで賛成過半数を示すという,
圧勝ぶりで欧州に安堵感が広がった。

 ※議決後ユーロ安に動いたが,
  ドイツ議会の承認は織り込まれ済みであり,その反動でユーロ安になった。



ギリシャが破綻した場合,とてつもない衝撃が欧州を覆い,
かなりの確率で世界恐慌が発生すると思われていたのだが,
これで,ギリシャ破綻への対応はできたというべきであろうか。

少なくとも,心理面での圧迫はかなり薄らいだことだろう。


もっとも,後にはスペインとかイタリアなどが控えている。
45兆円程度の枠組みでは不足しているので,
今後は100兆円以上の融資枠拡大に向かうことになる。

さらに,EFSFは欧州安定メカニズム(ESM)というものに
生まれ変わるらしい。

EFSFは緊急的な組織であるのに対して,
ESMはより恒久的な仕組みを目指すという。


その先には欧州連合債権がある。
こうなると,ユーロの財政・金融統合がかなり進んだと言うべきで,
よりユーロが安定した形になるが,
主に政治的な障壁は非常に高いものになると予想される。

日韓共同債権を考えてみれば良い。
非常におぞましくて,口にだすのもはばかれる。

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2011年09月16日

ドイツ


ギリシャその他PIIGSで揺れる欧州,
そこに多額の融資を行っているとして,
フランスの金融機関の格下げが少し前から噂されていた。

フランスの3大銀行の抱える債権額は,
フランスGDPの2.5倍だという。

日本なら,三菱UFJ,みずほ,三井住友の債権額が,
1500兆円ある,ということだ。

内訳はわからないが,南欧への貸し出しが多いと言われている。
その貸し出しが焦げ付きかけている。

例えば,ギリシャ。
 1年物国債利回り 136%!
 2年物      76.73%
 10年物      24.47%

ギリシャは既に破綻状態であるし,
後はいつ終了宣告するかどうか,だろう。


不穏な空気が漂っているのは,フランスだけではない。
ユーロの優等生ドイツ
金融システムが揺れている。

ドイツの金融機関は,まるで日本の90年代のようだ。
リーマン・ショック以降だと,

 ヒポフェラインスバンク(ドイツ第2位の銀行)
 サブプラで欧州で一番早く破綻、
 →イタリアの銀行大手ウニクレディトが破格の安値で買収

 ドレスナー銀行(ドイツ第3位)
 サブプラで巨額損失、経営破綻状態に
 →コメルツ銀行が救済合併

 ラインラント・プファルツ州立銀行(州立銀行9位)
 業績悪化
 →ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州立銀行が救済合併

 IKB・ドイツ産業銀行(地銀クラストップ)
 サブプラ損失で経営危機
 →米ローンスターが約1億ユーロ(150億円)で買収

 ザクセン州立銀行
 サブプライム絡みで7兆円の損失、破綻
 →ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州立銀行が救済合併

 州立銀行ウェストLB
 サブプラで巨額損失計上、経営危機に
 →州が支援、ほぼ、全資産4兆円を売却

 第一位行、ドイツ銀行
 サブプラで損失続き
 →資産大量売却へ


フランス,ドイツともに金融機関が相当傷んでおり,

  多くの銀行、資金調達がほとんどできない状態=独KfW・CEO
  ロイター 09/06

上記は10日ほどまえの記事であるが,
これに対しては,昨夜こんなニュースが飛び込んできた。

  日米欧中央銀がドル資金供給で協調、ECBは3カ月物オペ
  NIKKEI/FINANCIAL TIMES 09/16

日米欧協調行動は,仏独の金融機関を救うためである。
数日前より,ユロドルはおそらくギリシャの破綻を折り込み,
上昇に転じている気配がある。
このニュースにより,しばらくはユーロに安心感が広がるだろう。


ただ,それはあくまで対処療法に過ぎない。
ユーロは断末魔の悲鳴をあげながら,
破綻に向かっている。

ギリシャは実質的に破綻している。
後は,それを何時,どのように発表するか,である。

帳簿をごまかしてユーロに加盟し,
ユーロ,主にドイツの信用を背景に,
ユーロから多額の融資を受け,
多くが公務員のギリシャ人たちは,ぬくぬくと
豚のように肥え太ってきた。

ギリシャ人に対して同情心は一切ない。
ドイツ人であれば,憎しみに近い感情が生まれているとしても,
決して不思議ではない。


だが,ドイツもまたユーロのお陰で国力を増大させることができたのだ。
統一ドイツの負債をユーロが吹き飛ばし,
内需に頼らなくても,外需頼みでドイツは21世紀を驀進してきた。

ドイツもまたユーロから生き血を吸ってきたのである。

ユーロ安の恩恵で,ドイツの輸出は好調である。
その反面,ドル建てなどの債務の額面が大きくなってしまった。

ユーロを信頼せず,ギリシャを憎むドイツ人の多くは,
ユーロから離脱したいであろう。

しかし,ドイツがユーロから離脱すれば。
ユーロ解体の混乱にくわえて,
マルクはまるで一時期のスイス・フランのように,
とどまるところを知らないような上昇を示すだろう。
ドイツ輸出産業は,それに耐えることができるのか。

安い外国製品がドイツ国内に氾濫するが,
ドイツのドメスティック産業はそれに耐えることができるのか。


ドイツはユーロに絡めとられてしまっている。
ドイツもユーロも革新的な改革を行うことはできない。
仮にそのような改革を行うとしたら,
それはにっちもさっちもいかなくなった時であり,
既に遅すぎる改革なのである。



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2011年08月27日

資料:東アジア為替状況

過去5年間の東アジアの為替。
このグラフではわかりにくいが,2011年8月に関しては,
韓国は東アジアでもっとも為替の影響を受けている(ウォン安)。


為替インドネシアルピア.jpg
ルピアは変動相場制

為替タイ・バーツ.jpg
バーツは変動相場制

為替フィリピンペソ.jpg
ペソは変動相場制

為替ベトナムドン.jpg
ドンは通貨バスケット制

為替マレーシアリンギット.jpg
リンギットは変動相場制

為替香港ドル.jpg
香港ドルは,若干緩いUSDとの固定相場制

為替台湾ドル.jpg
台湾ドルは変動相場制

為替中国元.jpg
中国元(YUAN,RMB)は通貨バスケット制

為替韓国ウォン.jpg
ウォンは変動相場制

為替日本円.jpg

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韓国・金融危機その2

韓国・金融危機その1からの続き

借金まみれの韓国

韓国政府
  韓国の外債、心理的マジノ線の4000億ドルに迫る
  試される外債管理能力 0809,2011

  東亜日報
  ※対外債務がウォン建てとは考えにくい。
   おそらく,殆どが外貨建てであろう。

韓国企業
  【韓国経済】韓国の大企業、負債比率が急上昇
  朝鮮日報,2chで代用 [2009 04/30]
  韓国10大グループ、3年間で15兆円借り入れ
  朝鮮日報 ,個人のブログで代用  2011/4/25

韓国の家計

  【韓国経済】家計負債900兆ウォンに肉迫……史上最高
  聯合ニュース,2chで代用。2011/08/22
  【韓国】大学生の消費者金融からの借金総額800億ウォン
  中央日報 [2011 08/04]


韓国では政府・企業・家計の全てが借金体質なのである。

それは今に始まったことではない。
韓国併合前から,そういう体質の国なのだ。
  「国債補償運動振り返ってみるべき時」 中央日報
  

韓国は国全体が借金まるけ。どこから借りるのか。
外国から借りるのである。

外国頼みの韓国経済

資本だけではない。

  技術貿易収支-50億ドル…価値高い国際特許不足 
  輸出増えるほど技術従属深化

  [ハンギョレ新聞] 個人のブログで代用

  韓国経済の対外依存度、金融危機時の水準に迫る 
  聯合ニュース
  ※2011年1〜3月期,韓国の輸出入対GDP比率110.1%。
   2009年であるが,日本(24.8%)、米国(25.1%)、中国(49.1%)、
   英国(57.7%)、ドイツ(76.7%)。

  【韓国】現代研:「韓国の技術レベルは日本の8分の1」 [2010 01/27]
  聯合ニュース,2chで代用
  円高の逆説…対日貿易赤字が過去最大に
  中央日報
  ※円高なのに,対日貿易赤字が減らないのは,
   根幹部品や製造装置を日本に頼っているから。
   逆説でも何でもない。


政府・企業・家庭は借金まるけ。
だから,借金を外国からする。

パクリ経済だから,技術も外国頼み
根幹部品も外国頼み

借金まるけだから,内需が盛り上がらず,
商売も外需頼み

『韓国を見習え』という日本の評論家がいる。
それは外国に依存しろということなのか(笑)。

プチ金融危機

外国依存度の高さゆえ,韓国は世界経済に左右されやすい。
7〜8月にかけておこった欧米の騒ぎ。
それが韓国を直撃した。

  韓国株価がまた暴落…コスダック500割れ
  中央日報
  ウォン急落 6日連続・株価暴落、ウォン安に拍車
  東洋経済日報
  韓国経済の信頼度に危険信号、外平債の加算金利が高騰
  東亜日報
  

韓国にプチ金融危機が襲っている。
それは,米国が発端のようんだ。

   米国が欧州に金を貸さない。
  ⇒困った欧州が資金を回収し始める。
  ⇒韓国に飛び火。

こういう流れである。
こんな事件も起こっている。
  ドイツ銀行:韓国検察当局が従業員4人と韓国証券部門を起訴
  bloomberg
資金ショートを起こしているドイツ銀行が韓国から資金を回収,
その意趣返しに上記処置をとったのでは,という噂がネットにある。


プチ金融危機は,世界中で起こったわけだが,
韓国は特別酷い。

東アジア〜東南アジアとか,ブラジル,インドなどの新興国よりも
韓国が大きく揺れ動いている。

韓国が慌てふためくのは,借金まるけの体質ゆえだけではない。
韓国の外貨準備高は世界有数であるが,張子の虎ではないか,
と昔から言われ続けてきた。

それは噂だけではない。
韓銀の発表している外貨準備高の内訳を調べると,
実質の外貨準備高はかなり目減りするのだ。参考

イ・ミョンバクが米日中の通貨スワップに走りまわったのは,
まさしく,倒産前の社長の銀行回りであったのだ。

借金まるけの上に,危機に脆弱,それが韓国経済である。


だから,韓国ではちょっとパニック状態だ。
世界一の自殺率に拍車がかかっている。

しかし,このような報道はどうだろうか。

  韓国の信用度に赤信号…“周辺国の悲哀”

韓国は外国に頼り切って生きている。
外国から借金をし,技術をパクり,根幹部品を輸入し,
製品を作ってそれを外国に売って生きている。

にもかかわらず,『韓国の過ちではないのに・・・“周辺国の悲哀”だ。』
こういう表現を,韓国の人間は平気でする。

その表現に,彼らが,『周辺国』に留まらざるをえない,
彼らの心根の貧しさが凝縮されているというと酷であろうか。


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2011年08月26日

韓国・金融危機その1

長いので,2つに分けました。
今回はその1。

韓国人は,その傲慢で厚かましい性格故に,
世界中で韓国人を嫌っている人が多い。

自信過剰な上に,精神年齢が低いので,
扱いに困るのだ

ところが,韓国人は一端落ち込むととことん落ち込む。
自信過剰さは,韓国人の劣等感と表裏であるので,
支えがなくなると,かなり脆い民族である。


そのボラティリティ(振れ幅)の激しさは,
韓国経済についても言える。

経済の調子がいい時は,
韓国経済は実際よりも大きく見せようとする。

その反面,韓国経済はかなり脆い。
ムリをしすぎるからだ。

1997年や2008年の金融危機の2〜3年前,
韓国経済は表面的には絶好調だった。

日本のマスコミがよく取り上げる,『韓国経済』は,
韓国の悪い面を殆ど取り上げない。

だから,過剰に膨れ上がった韓国の虚像を,
韓国の実態と思っている日本人が
大勢いるんじゃないかと思う。


韓国の悪い面を列挙すれば,

  政府・企業・家庭は借金まるけ。
  だから,借金を外国からする。

  パクリ経済だから,技術も外国頼み
  根幹部品・製造装置も外国頼み

  借金まるけだから,内需が盛り上がらず,
  商売は外需頼み

といったところであろうか(他にもあるが)。
今,その全ての面で,韓国に逆風が吹いている。

パクリ経済・・・追い詰められるサムスン

サムスングループの売上は,韓国GDPの20%を越える。
  三星、昨年の売上高259兆ウォン…韓国GDPの22% 中央日報

日本で言えば,トヨタの売上が100兆円もあるようなものだ。
  (トヨタは単体で26兆円ぐらい 参考

韓国はサムスン,サムスンは韓国,と言っても良いぐらいである。


そのサムスンであるが,
  テレビは世界一の売り上げ台数(但し,利益は殆ど出ていない)。
  柱は携帯とメモリ。
とされている。

ところが,そのテレビ,携帯,メモリの全てで,
世界中から特許侵害で訴えられている。
その数,3千件とも7千件とも言われている。

屋台骨を揺るがすような大型訴訟も多い。
  シャープの液晶訴訟
    (シャープの事実上の勝訴),
  村田製作所のコンデンサ訴訟
    (一つが却下判定,その後はわからない)。

最近では,
  アップル、「iPad」を模倣したとしてサムスンを提訴 参考

samusugapple.jpg誰もがサムスンのギャラクシーはアイフォンのパクリだと思ったであろう。
このパクリ具合に腹を立てたアップルは,デザインだけのパクリを訴えたのではない。

主眼は,アイフォンのインターフェースにある。指で画面を切り替えていく方法をパクったとして,サムスンを訴えたのだ。

結果は,
  Apple勝利続く! オランダ裁判所が
  Samsungスマホの販売指し止め仮命令

  参考

ギャラクシーのインタフェースに特許侵害が認められた。


さらにアップルは,サムスンからのフラッシュメモリーやLCDパネルなどの購入を大幅に絞り,台湾や日本企業に代替させようとしているらしい。

サムスンがアップル向けに販売した部品などの売上高は,
2010年に50億ドル。
サムスンに与える影響は甚大だ。

明らかに,アップルはサムスンを追い出しにかかっている。


アップルだけではない。
  グーグル、モトローラ買収で「アンドロイド」強化 参考

アンドロイドは,携帯版ウィンドウズのような基幹OSだ。
それが使えなくなるか又は有償である可能性が出てきた。

サムスンの携帯事業は,
メモリ事業を上回るような主要事業になりつつある。

そこに立ちはだかる,アップルとグーグルの2大巨人。


その2に続く


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2011年08月25日

ギリシャ2年債の利回り44.08%で過去最高


ギリシャ2年債の利回り44.08%で過去最高
bloomberg

もう笑うしかない。
一ヶ月ほどまえだったか,
  ギリシャの2年国債利回りが30%を突破した,
というニュースがあった。

日本のサラ金以上の金利なんだが,
現在ではギリシャの国債は,既に闇金レベルに突入している。

闇金の金利と比較しなければならないほど,
ギリシャ国債はジャンク,ということだ。

明らかに,ギリシャは国が破綻している。


そのギリシャ,ユーロから切り離そうとする動きがあるようだ。
ユーロの持つ構造的欠陥は横に置いとくとして,
そもそもリーマン・ショック以降のユーロの最大の誤りは,
ギリシャを助けたことにある。

それは,USAと比較したとき,はっきりする。

ユーロ体制は,連邦政府(FRB)と州政府の関係に似ている。
州政府には,財政を司れるが,金融をいじれない。

ユーロは,ECBが金融を総括的に担当し,財政は各国政府だ。
ユーロ合衆国のような体制が,欧州ユーロにはある。


USAの場合,財政の悪化した自治体は簡単に破産させる。
連邦破産法という法律があり,成立は戦前の世界恐慌の時だ。

日本で言う,民事再生法のような法律だという。

現在でも,アメリカでは破産する自治体が多い。
昔だと,全米一の裕福自治体とされたカリフォルニア・オレンジ郡が破産した。
(1994年)。

NYも破産危機に陥ったことがある。
現在だと,シカゴとかデトロイトが危ないらしい。


ユーロでも,ギリシャ危機の時にギリシャを切り捨てよ,
という論調があったという。
ユーロの基本的考えであるドイツ流金融ならば,
ギリシャを切り捨てるべきであったという。

ところが,ECBはギリシャを救ってしまった。
どういう判断があったのかはわからないが,
これは,トリシェECB総裁の最大の判断ミスではないか,
という指摘がある(ファイナンシャル・タイムス)。

そもそも,韓国を上回るDQN国家であるギリシャ自体を
ユーロに加盟させたこと自体が危機なのである。

そのギリシャがやっぱり破綻した。
破綻したギリシャはやっぱりユーロにタカリ放題である。

引き伸ばせば伸ばすほど,大量の資金がギリシャに吸い込まれていく。
それは誰の目にも明らかだろう。


結局,目先にとらわれて大局を誤った人物として,
ECBトリシェ総裁は名を残していくのか。

ギリシャはひどすぎるとしても,
主に南欧諸国,イタリア,スペイン,ポルトガル,アイルランドに続いて,
フランスも危ないとされ始めている。

ユーロの優等生,ドイツにしても,
ドイツ最大の銀行であるドイツ銀行に不穏な空気が流れている。
 ※ドイツ銀行は中央銀行ではない。

7〜8月のユーロの状態はかなり危なかった。
クレジットクランチが起きている,とも言われている。
9月か10月に大きな金融危機が起こるのでは,
という観測もあったぐらいだ。


原因の一つは,ユーロに流れていた,
財政削減路線である。
ECBは慌てて,ソブリン債の買取を再開した。

それ以外でも,7月から8月にかけての世界経済は悪化していた。
アメリカのデフォルト騒ぎもあったし,
中国の金融引き締めに端を端する
コモディティ価格の低下もあった。

しかし,お盆すぎあたりから,
リビアが解決し始め(⇒原油安定供給),
コモディティ価格が上昇,
7〜8月の底は脱してきているという判断もあるのだろう。

8月後半になると,ユーロは若干持ち直しているようだ。


この金融危機,
  アメリカが欧州に金を貸さなくなった。
  ⇒欧州が世界中から金を引き上げ始めた。

という背景もある。
世界的な金融玉突き現象である。

その直撃を受けたのが,韓国だ。
それについては,次回。


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posted by DEBUO at 09:27 | 世界の経済・通貨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月09日

世界金融祭

月曜日は一日中,金融ショーを楽しんでいた。

朝は,いきなり窓明けの通貨が多かったが,
さほどひどくはなく,
午前中は,G7を警戒してか,様子見の展開。

変化が出たのは,午後から。
凄かったのは,オージー円。

パニック売りに近かったんじゃないかな。
先週の日銀介入時には85円台まで戻したのが,
あっという間に爆下げw
それは,火曜日の昼間で続き,76円台まで落ちた。


この通貨は金利が高いので,
預金替わりに買っている人も多いと思う。
何しろ,ロングの割合がかなり多い。

しかし,特に7月頃からは商品価格が下落気味,
それに伴い,豪州も景気が悪く,
しかも,インフレ気味,というあまり良くない状態。

豪州の人も『景気後退局面に入った』と断言している。
そもそも,オージードルは加熱気味だったから,
豪州としても,通貨を下げたかったはず。

商品通貨,という側面だけじゃなくて,
豪州ドルにはユーロとも連動すると言われている。

反米ドル,というポジションからだ。
そのユーロも下げ気味だ。


そういう背景はすぐにキャッチできるはず。

円はスイスフランと同じくらい強い通貨。
日銀介入後であり,
米国債のデフォルト騒ぎの直後でもあり,
豪州ドル円は下がるに決まっている。


そうは思ったが,やはり豪州ドル,
ハンパない動きであるw

金曜日から火曜日昼にかけて10円近く落ちたと思ったら,
火曜日の昼の1〜2時間の間に2円ほど上昇。

これだけ上下が激しいと,振り切られる人は多いだろう。


さて,他の通貨は,スイス・フランと円以外は,下げた。
しかし,あまり爆下げ,という感じではなかった。

G7への警戒感なのか,
既に,折り込み済みだったのか。

以外だったのは,米国債。
月曜日に金利が下がった。
米国債が買われた,ということだ。

S&Pの格付け下げは折り込み済みだったか,
もしくは,関係なかったのか。


格付け会社は,主にアメリカのS&Pとムーディーズ,
ヨーロッパのフィッチが有名である。

ただ,いずれも民間会社。
ただの民間会社の格付が世界経済を左右する。

投資家で有名なウォーレン・バフェット氏は,
ムーディーズの大株主でもある。
バフェット氏は民主党に近いとも言われる。

だからなのか,
  米格下げでS&Pに激しい非難−茶会党寄りの政治的判断との声
  ブルームバーグ

なんてことを言っている。
格付会社は化けの皮がはがれはじめていて,
(特にサブプライムショック以降)
ユーロ銀行など,格付に関係なく国債を買いまくる,
とか,国債の格付を禁止するとか,
などと言い出している。

まあ,ユーロはそれだけ厳しいから。
掟破りは欧州の常態。
自分に都合よく後出しでルールを変えてしまう。


アメリカ国債デフォルト騒ぎは,収束したんだろうか。
今日は,FOMCがある。

焦点は,QE3にどう触れるか。
アメリカはインフレ気味なので,これ以上の金融緩和は難しい。
さりとて,アメリカ経済は芳しくない。
茶会の影響もあり,財政出動は難しい。

オバマに残された手があまりない。
だから,今回のFOMCでは微妙な表現で切り抜けるしかない,
と見られている。

さて,どうなるか。

.




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2011年08月08日

G7会合開催へ、菅首相に連絡なし


G7会合開催へ、菅首相に連絡なし
日経

かなり失礼な話なんだけど,
仕方ないよね〜。

バカと話したって,
  バカは英語しゃべれないし,
  翻訳してもバカは意味を理解できないし,
  バカは思いつきを話すし,
  バカは口に出してもすぐ忘れるし。


全くの時間の無駄。
ただでさえ,バカと話すと疲れるのに,
欧米は,バカと話している暇はないのだ。

「協議に加わる予定は今はない」(バカ周辺)。
だってさ。
悔し紛れにしか聞こえない。


ハブチョにされた菅だが,
逆に日本円にはものすごい存在感がある。

何しろ,4兆円の単独w介入をしても,殆ど円安にならない。
円安になっても,すぐに振り子が元に戻りそうだ。

危ないのは,ドル
金曜日にアメリカの雇用指数が発表された。
結構イイ数字が出たにも関わらず,
市場はほとんど反応しなかった。

悪い数字が出たら,間違いなく祭だったろう。
何しろ,格付け会社S&Pが
米国債の格付けを1段階下げたぐらいだ。

欧米首脳は為替祭にビビってるんだろう。
為替が暴落したら,声明発表か協調介入しそうだ。

日本国債はデフォルトしない

格付けとは,国債のデフォルトに対するもの。
世界の国債で,日本のが一番デフォルトしにくい。

日本の国債は95%が国内消化,100%円建て債権。

デフォルトしようがないし,
外国人はほとんど日本国債を買わないから,
格付けされても外国人には関係ない。

S&Pなどの格付け会社がいくら格付けしようとも,
日本国債はびくともしない。
日本国債はガラパゴスだからだ。

しかも,サブプライムショックを引き起こした金融会社に
格付け会社は,軒並みAAAをつけていたから,
格付けに対する信用もなくなってしまった。

アメリカ国債もデフォルトしないはずなんだが

アメリカ国債も100%ドル建てだから,
本来はデフォルトしない。

アメリカの世界一の信用を背景にしているから,
格付けが下がる,ということも本来ありえない。

ところが,茶会という財政再建派がやらかしてしまった。


いくら,格付け会社の信用がないと言っても,
今回のアメリカ国債の格付けを下げた件,
妥当性がある。

アメリカ国債は,デフォルトする可能性が出てきたからだ。
それも,デフォルトするはずのないアメリカ国債を,
アメリカ自らがデフォルトに追い込もうという,
訳のわからない事態になっているのだ。

ドルの【自傷騒ぎ】である。
勿論,自殺するつもりは毛頭ないが,
間違って,ロープにぶら下がってしまう,
そういう事態も考えられるのである。

くどいようだが,
アメリカ政府は支払うことができないのではない。
支払わないかもしれない,ということなのだ。


アメリカ国債の格付けが下がる,
異常事態である。

だからこその,緊急G7(菅抜き)なんだろう。
金融機関の中の人は,夏休み,日曜日返上で,
格付け変更の修正を行っているんだろうか。

いや,米国債の売り浴びせがあるかもしれない。
みんなどきどきしながら,月曜日の朝を迎えるんだろうな。


ユーロ
もお尻に火がつきっぱなしだ。
舵取りを誤れば,欧州発の金融危機が世界を巻き込むだろう。

いや,欧州の指導者たちは,世界がどうこうよりも,
自国をどうするかで,頭がいっぱいなんじゃないかと思う。

ECBが債権買取を表明したため,
当面のユーロの下支えはできているとは言うものの,
中期的な心配は去ることがない。


そんな時に,バカ管の『あー』とか『うー』とか頭の悪い声を
聞きたくないにきまっているし,それ以前に,意味がない。

バカの顔を思い浮かべた人は皆無だったろう。
そもそも日本の首相が誰なのか,みんな知らないんじゃないか。
それは確信して申し上げることができる。

トップは酷いが,日本円は強い

さて,歴史的に見ても暗愚の指導者を,
しかも二人コンボで戴く日本ではあるが,
よりによってそういう時に限って,震災が起きてしまったが,
それ以外は案外,良い。
少なくとも,欧米とは相対的に良い。

確かに,円高は政府の無策のせいもあるのだが,
日本円は各種指標を見ると,過大評価されているとは見られていない。

日本叩きの報道が多いにも関わらず,日本は信頼されている。
あの震災があっても,日本円はびくともしなかったぐらいだ。

日本に対する信頼が厚い,というよりも,
欧米の状況は,千年に一度の大災害よりも酷い,
ということなのだろう。

月曜日のドル円がどうなるかわからない。
しかし普通に考えて,ドルのロングを持っている人は,
まんじりともしないで朝を迎えるかもしれない。

スイスフランはもっと強い

しかし,日本円よりももっと強い通貨があった。
ノルウェー・クローネとスイス・フランである。

日本円は,円高と言われるが,各種指標を見ると,
1ドル80円でもそれほど過大評価であるとは思えない。

しかし,クローネとフランは明らかに過大評価されている。

クローネはどうだか知らないが,
フランは過大評価が明らかなのにも関わらず,
まだ価値を上げようとしている。


聞くところによると,スイスは為替介入をしないらしい。
以前,介入をしたときに2兆円だかのマイナスになってしまい,
それ以来,介入をあきらめたんだと。

介入はしないが,このフラン高対策のために,
先週ZERO金利に突入した。

スイスは,
以前マイナス金利を導入したことがあるらしい。

詳細がわからないが,
70年代に非居住者向け預金金利に
−40%の金利を設定したことがあったという。

或いは手数料をとることで,
結果としてマイナス金利に,ということかもしれない。

ちょうど,アメリカでこんな事例が出てきた。
  米銀大手、大口預金に手数料導入―実質マイナス金利に
  8/5


マイナス金利は,スウェーデンが2009年に導入したことがあるという。
しかし,導入したのかどうか,
当のスウェーデンの発表があやふやだ。参考



さて,月曜日からの為替は一波乱あるか。
いや,一波乱ですめば,という気もする。
ちょっと,wktk。


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2011年08月07日

日本の無駄な為替介入と欧米の経済政策の転換

先日,日本政府が為替介入を行った。
殆ど無駄。

大きな流れが出ているときに,小手先の介入をしても,
1週間も効果が続かない。


無駄その1 
  大きな流れが出ているから

大きな流れ,というのは,
  アメリカのデフォルト茶番劇
  と
  奈落の底へまっすぐの欧州経済
である。

以前,日銀砲をぶっぱなして円高を食い止めたことがあった。
あの時は,ハゲタカファンドの人為的な攻撃があった。

今回の流れはもっと大きなものなのである。
仮に日本政府が円安誘導をしたい,というのであれば,
欧米がやっているようなことを,日本でもやればいい。

日本円を刷りまくればいい,ということである。


無駄その2 

  円安誘導したいなら,為替介入よりも金融緩和或いは国債発行

為替介入
は,
日銀が短期国債を発行して,円を調達。
この円で介入を行う。

介入した場合,円は市場に出回るが,
インフレになるのを防ぐため,
別の短期国債を発行して円を吸収する(不胎化)。

さらに積極的に運用するため,この不胎化を行わないこともある。
つまり,市場介入で出回った円を回収しない。

市場の円が増えるのだから,インフレ方向になり,円の価値が下がる。
金融緩和と同じである。


為替介入は,発行国債を増やし
不胎化しなければ,金融緩和と同じになる。

いわゆる赤字国債を発行するのと,為替介入を行うのと,
どう違うのか
,という話になる。

しかも,為替介入は為替の人為的操作,
ということで各国から嫌われる。

だったら,赤字国債を発行し,円を大量に刷れば,
為替介入と同じような効果が得られ,
しかも他国から文句を付けられない。

デフレ対策にもなる。
或いは,震災対策にもなろう。

欧米がこれをずっと続けている。
だから,ユーロ安になり,ドル安になる。


もっとも,ユーロにせよ,ドルにせよ,
背景に深刻な経済状態があるから,
余計に各通貨は敬遠されがちになる。

そこに持ってきて,ここのところの欧米での騒ぎだ。
欧州は,ギリシャのデフォルト騒ぎとイタリア危機である。
アメリカは,茶会によるデフォルト茶番劇である。


欧米の経済の流れが変わってきている

この最近の欧米の事件を見ると,
欧米が経済への対応を変えてきていることに気づく。

欧州は,それまでの財政規律路線から金融緩和路線に転換した。
ギリシャがデフォルト騒ぎになり,
イタリアがスペイン以上に危ない,と言われ始め,
ドイツ・フランスにしても,PIIGSへのあまりに多額の融資があり,
財政規律などという綺麗事では収まりがつかなくなっているのだろう。

  欧州中銀、資金供給を拡大へ=国債買い取り再開を示唆
  
時事

この流れは,ユーロ共同債へも通じる。
ユーロ共同債は,欧米統合への前進だ。

  欧州委はユーロ共同債の実現可能性について報告発表へ
  ブルームバーグ 



米国は,QE2が終了した。
金融緩和路線が終了したということだ。
(ただし,QE3の話も出ている)

それと共に,債務上限をめぐる米国債のデフォルト茶番劇は,
茶会の財政規律路線の強い影響力を見せ付けた。

今後も,オバマは手足を縛られたような財政運営を強いられる。
QE3の話が出ようとも,
アメリカは財政規律路線にかなりの配慮を強いられる,
ということだ。


財政・金融緩和路線と財政規律路線というのは,
いつの時代であっても,順番に顔を出すものだと思う。

その交代劇が欧米で起こりつつある。
しかも,逆のベクトルで。


ただ,欧米共に,危機が深まったと言える。
特に,茶会の茶番劇は影響が大きかったのかもしれない。

  外為・株式:NY株、乱高下 世界株安、終息見通せず
  毎日 8/6
  米国債、初の格下げ S&P 株安・円高拍車も
  東京 8/6
  欧州市場 株安止まらず
  NHK 8/6
  原油など資源関連株、
  世界景気懸念から原油急落で軒並み大幅安
  株探
  
株だけじゃない。資源についても,全面安だ。

もっとも,資源安については少し前からの流れではある。
背景に,中国の金融引き締めがあると言われている。

  中国経済「終わりの始まり」 金融引き締めでバブル崩壊へ
  SankeiBiz 3/3
  中国:成長率9.5% 金融引き締めでやや減速−−4〜6月
  毎日 7/13

中国は経済成長よりもインフレの方が問題になっているようだ。

株安,資源安で溢れた資金はどこに向かうのか?
当面は,金や国債といった安全重視の投資に向かうことになる。

  日米で株価急落、東証午前217円安 金価格は最高値
  ASAHI 08/03

S&Pが米国債の格付けを下げたのだが,どうなるのだろう。


日本は?チョピッと金融緩和路線なんだろうか。
何にせよ,日本は動いていないに等しい。

このままでは,日本はますますの円高,
というのは視野に入れるべきだろう。

現状の70円後半のレートであるが,
これは,90年代の70円代とは訳が違う。

当時の70円代は破壊的なレートであったかもしれないが,
現在では,70円代になったからと言って,
当時のような悲鳴は聞こえてこない。

それだけ,日本は経済が強くなったのだろう。
或いはより為替リスクに耐えられる構造になっているのだろう。

何しろ,日本の経常黒字を支えるのは,
貿易黒字から所得収支に軸足が変わり始めているのだ。
(所得収支:海外投資収益など)


当時の70円台に匹敵するようなレートは60円台,或いは50円台,
といったところであると思う。

このあたりの数字は,現実味のある数字として,
シミュレーションしておく必要がある。


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2011年08月04日

日米欧,いずれが一番愚かなのか。日本編

現在の日本の最大の問題点は,あの男と民主党である。
それに関して異論のある方は,少数だろうと思う。

特にあの男は,能力に相当欠けている,ということ以前に,
性格に随分と尋常でないものがありそうだ。
おそろしく,自己中心的なタイプのように見受けられる。


政治がこうまでグダグダしていると,
日米欧のいずれが愚かか,などというタイトルが霞んでしまう。

そんなもの,すぐにわかるだろう。
と怒り混じりの声が聞こえてきそうである。


もう,耐えるしかない。
日本人は民主党を経験しなくてはいけなかったのだ。

政治は誰がやっても同じ,
などということが,大きな誤りであることを,
日本人は身を持って知る必要があったのだ。

一度,日本人は政治の底,というのを経験する必要がある。
つまり,政治の底⇒政界再編へ,
それが民主党が勝利した最大の意味だと,
私は民主党政権誕生当時から思っている。


さて,経済にポイントを絞ってみる。
日本の現状でのプライオリティは,

  1に震災復興
  2にデフレ脱却である。


いずれについても,民主党政権は実にのんびりしている。
彼らには見識も実務能力も無いのだから仕方がない。

だが,震災復興についても,デフレ脱却についても,
処方箋はかなりはっきりしている。

  震災復興予算をつけること。
  金融緩和をし,大規模公共事業をとり行うこと。


これを拒むのが,財務省と日銀である。


ますは財源。
震災復興国債を発行するなり,
日銀で国債買取を行うなり,
容易に費用を捻出できる。

ところが,財務省はそれが気に食わない。
増税で予算をひねり出そうとする。

現状で増税すれば,ますます不況になる。
増税した分以上に,消費マインドが下がるだろうから,
デフレスパイラルが激しくなるだろう。

それは世界中の多くの識者が指摘する通りなのだが,
財務省には関係ないようだ。

財務省は,日本のいわゆる赤字国債に危険性がないことを知っている。
それにも関わらず,増税路線を貫こうとする。
  ◆財務省の破綻するする詐欺 拙ブログ

増税路線は財務省の主計局の主張であるようだ。
彼らは,入ってきたお金と出ていくお金を均衡させたいのである。

入ってきたお金でやりくりしてこそ,立派な財政運営であると,
彼らは信じているようである。

それはもっともだ。
それぞれの省庁が自分の仕事をする。
これは非常に大切なことである。

それ以上は政治家の出番なのだ。


同様のことが日銀にも言える。
日銀は,非常にインフレを恐れている。
むしろ,デフレであることが嬉しいように見えるほどだ。

その総本山は日銀・白川総裁だろう。

だが,結局は日銀といえども,官僚である。
日銀を使うのは政治家ではないのか。

聞けば,日銀にもいろいろな見方があるという。
白川氏のようなタイプばかりではないのだ。


しかし,結局は政治家に見識がないために,
財務省や日銀にいいようにやられてしまう。

いや,民主党政権はポッポの頃から,
財務省にべったりだった。

その象徴的な人物は,藤井元財務大臣であり,
現状では与謝野氏であろう。

藤井氏はともかく,与謝野氏は度し難い。
頭の固い,財政再建論者である。

しかも,震災復興の大事な時の,
内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)が,
よりによってガチガチの財政再建論者なのである。

輸血が必要なのに,
その本人から献血してその一部を輸血するようなものだ。
如何に民主党政権がバカなのか良くわかる人選である。

誠に頭が痛い。


ただ,ネットに溢れる政治に対する憤怒の念はもっともだが,
民主党を選んだのは,われわれ日本国民である。
例え,民主党に投票していなくても。

菅がどれだけ無能で自分のことしか考えない人物だろうとも,
官邸に菅を送り込んだのは,結局,国民ということになる。

確かに,民主党を礼賛したマスコミや文化人は
よく検証されなくてはならないが,
同時に,我々はバカだった,
それはしっかり自戒したいものである。

現在もバカかもしれない。
自らを振り返り,それもしっかり折り込んでおきたいものである。


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2011年08月03日

日米欧,いずれが一番愚かなのか。欧州編



ユーロをめぐる問題は,
歴史的な流れで見るのが正解ではないかと思う。
欧州の没落,という歴史的な流れだ。

ユーロは,欧州が結束しないと,日米においていかれる,
という危機感が生んだ産物である。

しかし,結局はユーロは自壊しようとしている。
細かく見れば,ユーロに欠陥があるからだなのだが,
欧州の没落,という歴史の流れに抗することができなかった,
という見方が沸き起こる。

愚か,という以前の問題が欧州にあると思うのだ。


そのような大上段な言い方はさておき,
ユーロの根本的欠陥は,
財政と金融が分離していることにある。
財政は各国が,金融はユーロ銀行が,それぞれ執り行う。

だが,この形はいわばユーロ連邦のようなもので,
例えば,USAの連邦政府と州政府のような関係だ。

USAでも地方自治体で破産騒ぎが起きる。
しかし,それがアメリカ政府に強い影響を及ぼす,
ということはない。


しかし,ユーロではギリシャなどという小国の騒動が,
ユーロの将来に非常に暗い影響を及ぼしている。

USAとユーロにどういう違いがあるのか。
誤解を招く表現かもしれないが,
ユーロには欧州的な義理人情の世界があるんだろうと思う。

ユーロはアメリカよりもずっと歴史が古い。
長年にわたって紛争に明け暮れてきた,と見ることもできる。

それだけ,様々な価値観が錯綜しつつ,
いわば,古馴染み,或いは腐れ縁,
のような関係を欧州各国は結んでいるのだろう。

それだけに,欧州人に話しあいとか醸成とかを重視する
風潮を生んでるんじゃないかと思う。

だから,アメリカのように
クールに成り切れないんじゃないか。


アメリカは地方自治体が財政的に苦しくなっても,
それは地方自治体の責任であり,
国家は地方自治体の面倒を見ない。

ところが,ユーロはそこまで冷酷になれなかったようだ。
ギリシャを突き放すことができない。

できないどころか,ギリシャに永遠にたかられようとしている。


ギリシャにたかられるのは,
欧州の義理人情などというウェットな表現以上に,
借りたもの勝ち,
というありがちな事態の大規模な形がそこにあるからだ。

ギリシャだけではない。
このところ,イタリアのユーロ危機が深刻化している。

ユーロの大国であるフランスとドイツは,
イタリアに相当な金を貸し込んでいるという。

フランスに至っては,約5千億ドルもの融資を,
イタリアに行っているらしい。

こんな記事もある。
  欧州銀行、南欧向け民間融資も巨額―潜在的なリスクに
  http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/442.html
  フランス4大銀行が抱えているポルトガル、アイルランド、
  イタリア、ギリシャ、スペイン5カ国の企業や個人向け
  債権総額は約3000億ユーロ(約33兆 3000億円)。


イタリアだけではなく,
フランスは危なくなっている国に巨額の融資を行っている。

フランスほどひどくはないようだが,
ドイツも融資額が巨大であるようだ。

巨大であるだけでなく,
欧州全体に言えることだが,
欧州は米国以上に金融商品に
高いレバレッジをかけていた,と噂されてきた。

私にはその内容を確かめる術がないが,
サブプライム問題は欧州のほうが危ない,
ということは当初から言われてきたことである。


つまり,ドイツやフランスは,
ギリシャを助けているわけではない。

ユーロ体制を維持する,という名目以上に,
自国の金融システムの崩壊を防いでいる,
という側面がある。

ギリシャが破産したら,
(というか,ギリシャは実質的に破産状態だが)
ドイツやフランスはとんでもない影響を被る,
ということである。


ドイツのメルケル首相は有能な人物だろうと思う。
田中真紀子とか蓮舫とかと比較するのも失礼だろう。

稲田朋美氏と高市早苗氏を足して
3倍ぐらいしたような政治家か。


そのメルケル首相を悩ますのは,
上記金融問題だけではない。

自国の金融システムの維持に躍起になる,
つまりギリシャを助けようとすればするほど,
自国民から非難が沸き起こるからである。

そりゃそうだ。
ギリシャは典型的なキリギリス,たかりDQN国家だ。

金融システムの維持,と言われても,
庶民感覚とかけ離れたギャンブルに精を出していた
銀行を救うのは納得できない。


メルケル首相が非常に優秀な人物だとしても,
金融機関からの要請と国民の支持,
その両面に板挟みになるような状態では,
なかなか思い切った断行はできない。

ましてや,ユーロ全体のことにまでは
なかなか知恵を巡らすことができない。
ユーロ問題は国内問題である,ということである。

フランスのサルコジ大統領に至っては,
もっと頭が痛いのは想像に難くない。


そういう状況を鑑みれば,
欧州の今後が占える。

  危機が深刻化⇒なし崩し的な対応

この繰り返しである。

欧州を笑ってばかりもいられない。
こういうスタイルは世界中の至る所で見かける光景だ。


欧州の進む道は,
  ユーロをやめる
  ユーロ強国と弱小国に分ける
  欧州連邦に邁進する(財政と金融を統合する)

の3つがある。
そのうち,ユーロをやめる,という選択肢はないだろう。
ユーロが崩壊する,ということはあっても。
行くも茨,帰るも茨ならば,前に進む。


その中でも,前向きな話は,
 ◆欧州共同債発行を見越した財政統合トレード
  http://markethack.net/archives/51752498.html

欧州の財政と金融を統合しようとする試みの一つだ。
もうこのあたりになると,私の頭が痛くなる。

最後は,FINANCIAL TIMEの記事を読んで頂くことで,
お茶を濁そうと思う。

  ◆危機脱出からほど遠いユーロ
  http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/17137




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2011年08月02日

日米欧,いずれが一番愚かなのか。アメリカ編

ここ数日の政治・経済上の注目は,
アメリカの債務上限問題だった。

アメリカ政府の借りられる債務には法的な縛りがある。
過去に70回もその上限は引き上げされ,
ほぼ有名無実な法律なのだが,
それがアメリカの政争の具になっている。


2ヶ月前には楽観的な見通しだった。
単なる政争の具で,必ず決着するだろうと。

ところがなかなか決着つかない。
危ないのは8月15日期限の債務とされた。
逆算すると,8月2日までに解決しないと,
アメリカは他の手をうつ必要があった。

それがなんとか決着がついた。

  ◆債務不履行を回避、野党側と合意〜米大統領 YAHOO
  


これは茶番としかいいようがない。

確かに,アメリカはリーマンショック以降,
失業率が10%近くあり,かなりの不景気だ。
アメリカの世界的地位は若干低下している。

だからといって,アメリカが世界最強の国であることは揺るがない。


人口は増加中。
低出産率に悩まされているわけではない。

ものづくりはあまり得意ではないが,
アメリカの特許は世界をリードする。
グーグルとかアマゾンとか,
ここ10年で世界的になった企業が数多くある。

財政,貿易は確かに赤字であるが,
ドルが最大の基軸通貨,という事実を前にすれば,
さしたる問題ではない。

アメリカの国境と,アメリカの経済国境に齟齬があるのだ。
アメリカの経済国境を見れば,膨大なアメリカの債務も,
同じく膨大な貿易赤字も瞬く間に数字を小さくするだろう。


アメリカがG1であることに代わりはない。
それを支える最上位の価値観は【ドルが基軸通貨】であることだ。

そのドルを支えるアメリカへの信用に傷がつく。
アメリカとしても,或いはアメリカに依存する国,
例えば,中国,にとっても,大変な損失を生む。

それをアメリカは自ら行おうとしたのだ。


アメリカの【自傷騒ぎ】を起こしたのは,
財政再建派,特に共和党の『茶会(ティーパーティ)』
と呼ばれている一派である。

不景気になり,政府が財布を緩めると,
多くの場合,教条的な一派が現れるのは,
世界的に共通している。

緩めた財布は締めるのが当たり前,
という庶民的な素朴な価値観からだ。

さらに,アメリカはリーマンショックに対処するために,
大規模な金融緩和を行った。

それで誰が得をしたかというと,金融機関と中国だった。

金融機関は,サブプライムローン問題を引き起こし,
世界を大不況に陥れた張本人である。

それが,アメリカの明日をもしれないような金融緩和のおかげで,
史上最高益をあげる金融機関もでるほどの好景気に沸いた。

金融機関はどこに投資したのか。
中国に投資したのだ。

中国元はドルとリンクする。
しかし,中国のほうが金利が高い。

中国に投資するだけで,為替リスクなく利ざやを稼げたのである。


不況対策をしたはずが,得をしたのは金融機関と中国だけ。
庶民に怒りがたまるのは自然の成り行きだ。

その怒りが,共和党の茶会に乗り移っている。
財政規律という教条主義的な主張の背景に,
庶民の怒りがあるのだ。

茶会の連中は取引を知らない,という評判がある。
経済とか商売とかそういうのを理解しないタイプなんだという。

教条主義的かつ感情的な庶民の支持を集める政治家,
理性的なタイプだとは思えない。

日本の民主党とそっくりだ。


その茶会が財政規律と引換に選んだのが,
債務上限の引き上げである。

債務上限が引き上げられなくても,
おそらくFRBが何らかの手当てをしたと考えられる。
(債務の買取など)

しかし,アメリカ及びアメリカに依存する世界中の国に,
不穏な気持を与えるばかりか,
実際にリスクヘッジに相当な資金が吸い込まれるだろう。

中長期的には,アメリカの基軸通貨体制に傷をつけ,
ひょっとすると,ユーロに悩む国や,
底の浅い経済成長を続ける新興国に飛び火したかもしれない。

茶会の連中がそこまで頭を巡らしていたのかは甚だ怪しい。
元来,政治家には頭の悪い連中が多いし,
特にアメリカは世界に疎い連中ばかりだ。

それはともかく,茶会の連中はそういう危ない橋を渡ったのだ。
何のため?
自分に投票してくれた,怒れる支持者たちのためである。

しかし,デフォルトしたら,茶会もオバマも負けなのだ。
その狭間での茶番劇。


これはまるで北朝鮮の崖っぷち外交ではないか。
戦争になったら終わり,
その紙一重を天才的な外交手腕で世界を手玉にとる金正日。

茶会も金正日なみの手腕の持ち主であった(笑)


茶会の連中は,自らの腕や喉にナイフを突きつけつつ,
今後も政治主張を続けるだろう。

周りは,アメリカのデフォルトに注意を払わざるを得ない。
元来,アメリカのデフォルトなどありえないことなのだ。
債務がドル建てであれば,アメリカ政府はデフォルトしない。

ましてや,ドルは世界の基準である。
そのドルの信認低下は自動的に他通貨の信認低下を及ぼす。

そのような事態が,茶会の融通の効かない主張により
引き起こされようとしている。

愚か,としかいいようがない。


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2011年06月23日

世界経済・俯瞰2 アメリカ

さて、もう一つの不安要素はアメリカである。
QE2がいよいよ終了する。
米中央銀行の金融緩和が終了するのだ。

単純に考えると、金利上昇、ドル高が待っている。
しかし、私にはどうなるかわからない。

いずれにせよ、QE2がアメリカ経済にどれだけ寄与したか、
甚だ疑問ではある。

金融緩和すると、外国でバブルが起きたりするのは、
日本の円キャリーでもおなじみだ。



アメリカの最近の指標は悪化している。
特に、雇用が良くない。

アメリカはGDPの70%が個人消費なので、
雇用が上向きにならない限り、景気は上向きにくい。

だが、大々的な金融緩和をし、公共事業を繰り返しても、
アメリカの景気は上向かない。

根本的には、市場を牽引する新たな産業が出てこないからだ。
QE3の話も出ているらしいが、
アメリカに限らず、新産業が生まれない限り、
本格的な景気回復にはならない。



アメリカの最近のおかしな動きとしては、
債務上限に関するごたごただ。

アメリカは国の債務の上限を法律で決めている。
上限が近づくと、上限を緩和するために、
議会の承認を得る必要がある。

その承認に議会が反対している。
共和党を中心とした『茶会』が財政再建を叫んでいるのだ。

仮に、上限の緩和を議会が認めなかったらどうなるか。
デフォルトするアメリカ国債が出てくる、ということである。

どうやら、8月15日期限の債務が危ないらしい。


この上限に関しては、過去に70回ほど緩和してきたという。
ほぼ有名無実な法律で、
自動的に上限を上方修正すればいいぐらいだ。

だが、今回はそれが政争の具になっているという。
歴史的に見ても、バブルが弾けると、私の知る限り必ず、
財政再建の一団が現れる。

そして、それが状況をさらに悪化させる。
最近ではイギリスがそうだ。
日本はもっと典型的だ。


それが家庭、企業、地方公共団体や、
外国通貨を借りすぎた国家ならば、
やむを得ないか、或いは当然すぎる。

しかし、アメリカ・イギリス・日本などの債務は
ほぼ自国通貨建てである。

ここに、家庭や企業の論理を持ち込む。
そこが大きな誤りなのだが、
それが理解できない人は非常に多い。

理解できない人々には経済学者にも多いから、
非常に困るし、
この手の発言は国民の賛同を得やすい。

個人的な常識と合致するからだ。
借金をしたら返すのが当たり前だからだ。


アメリカ国債は、カーター政権時代にデフォルトしたことがあるという。
アメリカの70年代は、ニクソンショック以降、
非常に国力が低下したが、
カーター政権時代が底だったと思う。

あのまま推移すれば、アメリカは早期に没落した。
財政赤字、貿易赤字、ドル安、これが牙になって
アメリカを襲い、アメリカはアルゼンチンになっていただろう。


アメリカを救ったのは、『強いドル』である。
アメリカをたらしめる最高の価値は、
ドルが基軸通貨であること』。

ドルの流通するところ、そこはアメリカの経済的領土である。
パックスアメリカーナ、ユダヤの陰謀、アメリカの犬、
どんな言い方でもいいが、
アメリカが超大国である最大の理由である。

ドルが基軸通貨である限り、
貿易赤字は問題にならない。
貿易赤字は政治的な国境と経済的な国境に齟齬があることから、
統計上、赤字と計上されているだけである。

経済国境で統計を統合すれば、
貿易赤字は取るに足らないものとなる。


財政赤字にも同じ考えを適用できる。

ドル建てアメリカ国債をいくら外国に売ろうとも、
それはアメリカを強化こそすれ、弱体化させることはない。

それも、ドルが基軸通貨であるからだ。
ドルが世界を駆け巡るその流れの中で、
アメリカ国債がある。

貿易黒字となった日本とか中国とかが、
ドルの運用をするために、アメリカ国債を買うのである。
ドルはこうしてアメリカに還元する。


だが、アメリカの基軸通貨体制が損なわれれば、
ドルによってなりたつ世界の経済体制が大混乱する。

それは、アメリカの没落を意味する。
アメリカが支えてきた、経済的・政治的・軍事的な影響力が、
各地で後退する。

そして、ローカル勢力がシマを切り取ろうと血眼になる。
各地で紛争が頻発する。


アメリカの基軸通貨体制を守る、
これはアメリカの最大の価値観である。

強いドルを守るために、
アメリカを老人大国にしてはならないし、
世界をリードする産業を育てなくてはならない。
そして、世界中にアメリカの政治力を誇示し、
特に、アメリカ軍は世界中にニラミを効かす必要がある。

アメリカ軍はいわば借金取立ての用心棒である。


それがわかっているのなら、
アメリカ国債をデフォルトさせる、などという発想はおよそありえない。

アメリカが考えなくてはならないのは、経済発展である。
アメリカを牽引する、新しい産業である。

借金返済ではない。

ところが、財政再建派は、この順序が逆になる。
まず、借金返済ありきなのだ。

経済を発展させて、借金を返す、
という発想にならない。
(というよりも、借金を薄める、という方が正確か)

借金返済ありき、という発想だと、
特にアメリカや日本のような国においては、
経済の発展が著しく阻害される。

自国通貨建てである限り、
国の借金は
個人や企業の借金とは性質が違うのだ。

滞留するお金の流れを動かす原動力なのである。


ところが、財政改革派は多くの場合、
デフレ時に主張を強める。

デフレ時に財政改革をすれば、
金の流れは滞り、
ますますデフレスパイラルが強まるだけである。



アメリカで起きている債務上限に関するごたごたは、
単なる政争の具でしかないとは思う。

債務上限の緩和が遅れたとしても、
おそらく、連邦銀行が債務の買取をするだろうと思う。


しかし、8月15日にアメリカ国債がデフォルトしたらどうなるのだろうか。

仮にアメリカがデフォルトしても、
それは本質的なものではない。
単なる技術的な問題である。

ニッチもサッチもいかなくてデフォルトするわけではないので、
アルゼンチンのような状況が生まれるわけではないと思う。


しかし、一時的な混乱にはなる。
それがどの程度かは私にはわからないが、
それはかなりの混乱を生むだろうとは思うし、
アメリカの蒙る中長期的な悪影響も無視できないだろう。


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2011年06月21日

世界経済・俯瞰 ギリシャ問題

最近、政治経済に興味のなくなってきた私であるが、チェックはしている。

現在、世界経済が注目するのは何か。
ギリシャ問題だと思う。

ユーロ問題、簡単な解説。

ユーロがなぜ駄目なのか

ユーロの最大の欠陥は、
各国に金融政策がなく、
EU・中央銀行(ECB)に財政政策が無いこと。

つまり、各国は通貨を発行できず、金利も調整できない。
日本の地方自治体或いはアメリカの州のような存在だ。

だから、ユーロで借金をしても、
それは外国通貨建て債務のような扱いになる。

日本やアメリカのような自国通貨建て債務とは性質がぜんぜん違う。


また、ギリシャのようなDQN国家の場合、
国内に目だった輸出産業がなく、
投資を呼び込むには国民が怠惰であり、
それ以前に多額の債務を隠していた。
そもそもユーロに加盟してはいけなかった国である。

翻ってドイツは、ユーロによって最大の恩恵を受けている。
ドイツの信用を与えることでユーロを拡大し、
ユーロに販路を広げた。

ユーロの信用増大とともに、
信用を供与したドイツ自体の信用もアップしたんだろうと思う。


ユーロが上手くいっている場合は順調だったのだが、
しかし、早晩、行き詰まることになっただろう。

ユーロは、DQN国家がドイツの信用を食いつぶすまでの命だったわけだ。
ただ、その間DQN国家も潤ったが、
ドイツも潤ったのだ。

ドイツはユーロで最も恩恵を受けた国であることを忘れてはならない。
現在、ドイツはDQN国家援助にうんざりしているが、
経緯を見れば、そんなことは言えないことがわかる。

ギリシャはデフォルトする

ユーロはおそらく解体する。
或いは、大きく変質せざるを得ない。
(というか、ユーロは欧州没落を早めた。)

変質する場合、おそらく、次の二つの道がある。
  ユーロを強者連合と弱者連合に分ける
  財政と金融を統合する(ユーロ圏を一つの国にする)


しかし、それらに至る前に、何度も危機が訪れる。
今回のギリシャ騒動は、その何度目かの危機。
おそらく、過去の危機の中でも最大級なんじゃないか。

ギリシャはもうデフォルトするからだ。
或いは、デフォルトするとみなされている。
市場はおそらくそれを織り込み済みだ。


ギリシャがデフォルトすると、
ユーロ全体が非常に困る。

だから、ドイツなどはギリシャの債務のロールオーバー、借り換えをしろ、
などと言っている。
  ★独首相と仏大統領はウィーン方式のギリシャ債ロールオーバー支持
  資料


ドイツはもうDQN国家の面倒を見たくないのである。
かといって、デフォルトの余波もかぶりたくないのだ。

ところがECBはロールオーバーに消極的だ。
  ★ギリシャ支援の民間部門関与、自発的であるべき=次期ECB総裁
   資料

しかし、ギリシャは2年国債の金利が30%を超えたという。
日本的には、サラ金以上の金利である。
  ★ギリシャ政局が市場揺るがす、2年債利回り30%突破資料

つまり、ギリシャ国債はクズ債になっている。
借り換えに応じるのは怖すぎる。

だから、格付け機関を中心に、ロールオーバーはデフォルトとみなす、
と表明している。
  ★ギリシャ債ロールオーバーならデフォルトと判断へ−フィッチ
  
資料


それどころか、追加救済も嫌そうだ。
  ★ギリシャ危機解決する責務はECBにはない−コンスタンシオ副総裁
 
 資料

ギリシャ、たかる気まんまん。

そんななか、こんなニュースが飛び込んできた。
  ★EU・IMF、ギリシャ支援120億ユーロ決定へ資料

ギリシャはこんなこと言っている。
  ★支援1100億ユーロ必要に=ギリシャ・パパンドレウ首相
  資料


はい、たかる気満々でございます。
ギリシャは相当なDQN国家だという。
日本人の想定を遥かに超えている。
韓国以上のDQN国家だ。

間違いなく、ギリシャは未来永劫ユーロにたかってくる。
借金したもの勝ち、という言葉が日本にもある。
その国家版をギリシャに見ることができる。


なんでこんな国をユーロに入れたのか?
だが、ドイツはユーロの最大の恩恵国であることを忘れてはならない。

アリもキリギリスも同じ穴のムジナであるのだ。

ドイツはユーロを離脱できない。
ずぼずぼにユーロに絡めとられている。


それでも、ギリシャ以外のユーロ加盟国はギリシャ死んでくれ、
と願っているに違いない。

もし、ギリシャに前向きな気持ちがあるのなら、
おそらく、最善の方法は、ギリシャのユーロ離脱だろう。

そうなれば、ドラクマは急落、
ギリシャは間違いなくデフォルトし、
最悪の状況に陥るが、
輸出競争力を通じて再起することが可能だろう。
投資にも旨みが出る。


だが、ギリシャは並外れたDQN国家である。

ギリシャにはおよそ未来を感じない。
  あまりに多額の借金。
   債務半減してもギリシャには相当な負担だ。
  競争力のない国内産業。
   ドラクマが急落しても産業を盛り立てる見込みがあるのか?
  怠惰な労働者。
   労働者の4分の一が公務員だという。


ギリシャがユーロ離脱となれば、
余計にギリシャが欧州の不安定要因になるんじゃないか。
国連統治とかそういうのも視野に入れておいたほうが良さそうだ。

だからといってギリシャをこのままユーロにとどめておけば、
どんどん欧州の富がギリシャに吸い込まれていく。
引き伸ばせば伸ばすほど、ユーロ危機が増大する。


そして、これはギリシャだけではないのだ。
PIGSと言われる、アイルランド、ポルトガル、そしてスペインが
後ろに控えている。

ギリシャの旨みを、他の国も見習うだろう。

ユーロ非加盟国との明暗

ところで、アイスランド。
欧州で真っ先に破綻した国である。

この国も相当しぶとい。
有名なのは、タラ戦争である。参照

一連の金融危機でも、
  ★英・蘭へ「借金返せぬ」アイスランド国民投票 (読売新聞)
  資料


ギリシャとは別な意味でDQN国家であるアイスランド、
ユーロに加盟しなかったおかげで、
早くも危機から回復しかけているようだ。

  ★アイスランド、国際債券市場の復帰−ドル建て国債に2倍の応札
  資料


ギリシャとのあまりの明暗の差。
ますます、ユーロの持つ構造的欠陥の酷さが浮かび上がる、というものだ。








posted by DEBUO at 08:21 | 世界の経済・通貨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月04日

暑いので,ユーロについて

私の住むフィリピン・カバナトゥアン。
マニラと比べると,最高気温はあまり変わらないかもしれないが,
最低気温は2度ぐらい低い。

周りには緑や田園が広がり,また若干内陸でもあるからだ。
昨年の7月にマニラから引っ越してきたのだが,
マニラよりもかなり快適である。

ところが,ここ1週間ほどはかなり暑い。
特に,夜が暑い。
マニラだと連日最低気温が27度だという。

カバナはどの程度かわからないが,
最低気温が25度を下回っているとは思えない。

何しろ,朝まで寝苦しいのだ。
扇風機を回しても,ちっとも涼しくならない。
一ヶ月前までは,夜は扇風機を切っていたぐらいなのに。

なので,本日は貫徹してしまった。
朝になってしまい,本日は友人宅にお邪魔することになっているので,
もう寝るわけにいかない。

私は一度寝ると,なかなか起きない。
だから,ブログを更新することにした。
過去の投稿の焼き直しのような文章になるが,ご勘弁願いたい。

◆ユーロ,絶賛下降中◆

いよいよ,欧州の火種がのっぴきならないところまで来たようだ。
ギリシャ,アイルランドに続いてポルトガルがダウンしかけている。

ギリシャはぐうたらな支出ゆえに,
アイルランドは不動産バブルゆえに,
デフォルトしかかっている。

しかし,ポルトガルは欧州の中では優等生でも劣等性でもない,
ごく普通の国である。

その普通の国が危ない。
つまり,ユーロの標準的な国が危ない。
ユーロには言い訳がなくなってきた,ということだ。

ポルトガルの危機は,
ユーロ自体が失敗した,ということをはっきり示している。

◆ユーロの構造的欠陥◆

ユーロの失敗とは何か。
金融と財政が分離していることにある。

税金は各国が徴収するのに,
通貨はユーロ(銀行)が発行する。

各国には,通貨の量を調整する機能が奪われているのである。

だから,インフレやデフレになっても,通貨コントロールにより,
市場の調整がきかない。
あるいは意図的に通貨安にして輸出を増やす,ということもできない。

インフレになったら増税して,
デフレになったら減税あるいは財政出動をする,
その程度しか,市場をコントロールできない。


さらに,上記のユーロのもつ構造的欠陥ゆえに,
ユーロは財政赤字を非常に嫌う。

各国が他国から借入を増やした場合,
上記ユーロの構造的欠陥故に,
財政赤字削減の手段が限定されるからである。

つまり,ユーロ国では,財政出動をしにくい。

ユーロというのは,各国が景気がよくなる,
という前提のみでしか上手く機能しない。

◆日米政府の債務は100%自国通貨建てー絶対にデフォルトしない◆

ユーロ危機と,日米の状況は全く,違う。

日本だとどうか。
政府債務の95%前後が日本国民からの借入である。
しかも,100%円建て債務である。

絶対にデフォルトしない。
日銀が円を増刷すれば,債務を完済できるからだ。

というよりも,日本政府の債務は,家計や企業の借金とは性質が違う。
国内に滞留するお金(増える一方の貯金)を
国内に流通するようにする仕組みの一つである。


アメリカ
だとどうか。
アメリカの債務も100%ドル建てである。

例えば,中国がドル債を放出しても,
アメリカが買い取ることは可能だ。
アメリカ連銀がドルを刷ればいいからである。

もっとも,ドルは世界最強の基軸通貨であるため,
長期的に見れば,アメリカの信用を毀損する。

しかし,短期・中期的に見て,
アメリカはデフォルトしようがない。


通貨発行権とはそういうことだ。
各国は打ち出の小槌を持っている。
無限に紙幣を刷ることができる。


もちろん,実際には無限ではない。
短期に大量の紙幣を発行すれば,インフレになる。
行き過ぎれば,ハイパーインフレになるかもしれない。

しかし,インフレになるかもしれないが,
デフォルトするわけではない。

また,ハイパーインフレは起こそうと思ってもなかなかなるものではない。
日本のようなデフレ下にある場合,むしろインフレにすることが急務である。


このように,日米とも現状では絶対にデフォルトしない。
デフォルトしようがない。

日米政府の債務は100%自国通貨建てだからである。

◆ユーロ加盟国には通貨発行権がない◆

ところが,ユーロ各国には通貨発行権がない
ユーロ建ての債務が多いのだろうが,
そのユーロを調達するのに,勝手に通貨を発行するわけにはいかない。

貿易で稼いだり,投資を呼び込んだりして,ユーロを調達し,
そして債務の返済にあてるわけである。

つまり,ユーロ各国の債務は,家計や企業の借金と性質が似ている。
あるいは,地方公共団体の債務とも似ている。

【借りたら返さなくてはいけない】

そういう種類の借金である。


だから,ユーロ加盟国は財政赤字に縛りをかけた。
ある一定以上(3%)の財政赤字を固く禁じたのである。

ところが,結局その縛りを守った国は一つもないと言われている。
好調なドイツでさえも,守れなかったのである。

◆特に危ないギリシャー債務再編が急務なんだが・・・◆

不思議なのは,ギリシャだ。
ギリシャはデフォルトするのがデフォルト,
というような何を言っているのかわからないような国である。

借金⇒デフォルト(債務踏み倒し)を繰り返しているような国という意味だ。
国民の多くが公務員になり,毎日適当に仕事をして,
55歳からは年金でもって,日がなエーゲ海を眺めつつ,
ウーゾ(ギリシャの酒)をかっくらうのが彼らのライフスタイルである。


ギリシャがなぜユーロに加盟できたのかわからないのだが,
ギリシャはツケが回りすぎている。デフォルトは必至であろう。
ギリシャの2年債利回りは20%を越えたという参考

◆ユーロの優等生ドイツの場合◆

ドイツはほぼ一国でユーロの旨みを吸い上げている。
ドイツは,ユーロ加盟のおかげで輸出販路が広がったからだ。

輸出といえども,ユーロ加盟国に対しては,
ドイツ国内で商売するのと同じように商売ができるのだ。

だから,ドイツはユーロ圏内への輸出を増やすことができた。
ユーロ向けの輸出だけが増えたわけではないが,
ユーロ加盟前のドイツの輸出額対GDP比は25%程度であったのが,
現在では40%台である。

輸出依存度.jpg

ドイツがユーロ向けの輸出を増やすことができたのは,
相手国の国力が増大したからである。
ユーロ加盟により信用がつき,景気が良くなったのだ。

逆に,ユーロ加盟国に信用がついたのは,
端的に言えば,ドイツの信用を借りたからである。

そして,ドイツは自国の信用を与える代わりに,
輸出を増大させて,ユーロから最大の恩恵を授かったのだ。

◆PIGS◆

ドイツはユーロで独り勝ち状態。
いわばアリである。

対してキリギリス。
ギリシャだけじゃない。

いわゆるPIGS,
ポルトガル,アイルランド,ギリシャ,スペインが
キリギリスの代表国である。

身の丈をはるかに超えてしまっている。
借金まみれの家庭はどうするか。

出来る限り支出を慎むだろう。
そして,寝る間も惜しんで働く必要がある。

それはこれらキリギリス諸国も同様である。


しかし,これらの国は,輸出産業が弱い。
自国の通貨安政策もとれない。
価格面での輸出競争力をつけることができないのだ。

不景気のため,失業率は悪化の一方である。
  スペイン失業率がさらに上昇、21.29% 過去最悪 参考

稼ぐあてがない。
支出を切り詰めても,税収は減るだろう。
いや,増税をし支出を切り詰めれば,暴動が起きる。


果たして,こういう国で政治家はどうすべきなのか?

もうこうなると,早めに債務整理しなければ,
どんどん事態が悪化する。

問題を先送りすべきではないのだ。
先送りすればするほど,コストが上昇する。

そんなのは,国であろうと個人であろうと一緒である。


しかし,ユーロ銀行も各国政治家も決断できないだろう。

問題を先送りする可能性が強い。
というよりも,ずっと,先送りしている。

そして,手足ががんじがらめになり,
にっちもさっちも行かなくなってから,しぶしぶと行動するだろう。
それが普通である。

もし,ユーロが早期に断を下したとしたら,
その責任者を私は尊敬する。


事は決断力だけではないのだ。
債務再編となれば,損をする個人・企業・国が出てくる。

おそらく,数兆円の単位になる。

実行力,政治力,調整力,
そうした能力も要求される。


しかも,泥をかぶる覚悟も必要になる。

仮に,債務編成の決断をしたとしても,
財政削減は必須になろう。

輸出産業を盛り立てなくてはならないが,
少なくとも,他のユーロ諸国と比較して,
価格面での輸出競争力はつかない。

ユーロ圏内だと関税で自国産業を守ることもできない。
他国の強力な商品がのさばるわけだ。

債務再編の向こう側にあるのは,
暗くて長い苦難の道のりなのだ。


泥沼のような状況で,
水面下では大量の藻が足にからみついてくる状況で,
果敢に決断できるようなずば抜けた能力と覚悟を示す政治家,
果たして欧州にいるのだろうか。

行くも地獄,帰るも地獄。
PIGS諸国は,究極の選択を迫られている。

◆どうなる,ユーロ◆

ユーロは,日本やアメリカに対抗するために考えられたと言われている。
欧州が団結しないと,ジリ貧になる焦りが欧州にあったのだ。

しかし,少なくとも,ユーロが今の形で存続するのには無理がある。
もう一歩欧州統合を進めるのか。
あるいは,ユーロ強者連合のようなものを作って弱者を切り捨てるか。

なんにせよ,今のままだとユーロは欧州の没落を早めているように見える。


ところで,地中海沿岸ではイスラム教国で革命がおきている。
先日,ビンラディン氏が殺害された。

欧米の没落とこれらの事件は関連があると思っている。
冷戦構造の解体とともにテロの時代を迎えたとの同様,
世界のタガがはずれつつある現在,今まで抑えつけられていたものが
噴出しているのだろう。

それはこちらで表明した通りである。
  中近東の一連の騒動についてメモ書き

もちろん,これらの事象が一つの側面だけで語ることができるわけではないが,
それはまた改めて文章にしてみたい。


posted by DEBUO at 10:00 | 世界の経済・通貨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする