2013年03月01日

(テレビ)超高精細8K、20年に普及を

超高精細8K、20年に普及を=総務省検討会

テレビのきめ細かさ

  ハイビジョンを1とすると
  フルハイビジョン 約2倍
  4k2k        約9倍
  8k        約36倍

ハイビジョンでも随分と高細密な画面だと思っていたが,
近頃は,その9倍も画素数の多い4kテレビが話題に上っている。
そして,次は8Kテレビなんだと。
ハイビジョンの実に36倍ものキメの細かい画像になる。


有機ELテレビを韓国勢が発売する,ということで一時話題に上った。
私はその話を聞いた時に非常な違和感を感じた。
そもそも,韓国の話題をすんなり信じるのはあまりに無防備だ。
偏見ではない。
韓国がこの手の話題を出すと,やらかしていることが多いからだ。

韓国『世界初の・・・』
  実は数年前に日本メーカーが発表していた。
韓国『製品化に向けて』
  いつまでたっても発売されない
韓国『2年後に追いつく』
  話が消えた

これが通常の韓国である。
株価対策,ということもあるかもしれないが,
基本的に韓国人はビッグマウスだ。
それは個人・企業・政府に共通している。


有機ELに関して言えば,
日本ではソニーとパナソニック?が業務用に開発を続けているが,
それ以外では製品化に消極的と聞いている。
ところが,韓国のサムスンとLGが『今後は有機ELの時代だ。
とやらかした。

そこに日本のマスコミが飛びついた。
  伸びゆく韓国,墜落する日本
というわけで,テレビという馴染みのある工業製品のこともあり,
マスコミの日本叩きに利用されてきた。

日本メーカーが有機ELに消極的なのは,
  寿命が短い
  焼付けを起こす
  消費電力がプラズマ以上,トースターのように多い
  値段が高い

このような欠点を持っているからで,まだ一般化には遠い。
(有機ELは照明で実用化が進んでいる)

で,韓国の2メーカーの有機ELテレビはおそらく
バックライトに有機ELを使用したもの,と思われている。
『先進的』LEDテレビを発売したのと同じ売り方をしてくるのだ。
つまり,なんちゃって有機ELテレビなのである。


韓国企業が有機ELテレビを売り出したいのには理由がある。
液晶テレビが儲からないからだ。

儲からない理由は
  韓国企業の安売り攻勢で液晶市場がダメになった
  (自業自得)
  液晶の核心技術を持っていない,
  素材・技術・設備を日本に依存する
  55型以上のパネルを作ることができないらしい
  (サムスン,シャープとの特許戦争に負けて)

『躍進する韓国』と日本のマスコミは褒め称えていたが,
サムスンもLGもテレビは儲からない。
収支トントンだったり,ヘタすると赤字である。
ついでに,家電部門の収益はテレビ以上に悪い。

サムスンなどはテレビ部門を統合した。
体の良いリストラだと思う。
液晶パネルは台湾企業に発注しているらしい。

それでもテレビ部門を諦めないのは,
広告的価値が大きいからだ。
株価対策,というのも大きいかもしれない。
基本的に韓国企業は手持ち現金に不足していると言う。
目先の現金のために,企業アピールは欠かせないのだ。

有機ELテレビであっても,素材などの日本依存は変わらないが,
韓国企業は液晶よりは有機ELの特許を持っているようだ。
バックライト有機ELであろうと,少なくとも目先は変えられし,
あわよくば『有機ELテレビ宗主国』として市場をリードできる。
まあ,そんなところだろう。

 ※もっとも,有機ELテレビ発売に向けて
  喜劇が繰り広げられているようだ。


私はテレビに詳しくないが,
上記の簡単な解説はそんなにはずれていないと思う。
ところが当たり前ではあるが,普通はこの程度のことでも関心がない。

だから,NHKあたりが
  『これからは有機ELテレビだ!』
  『躍進する韓国企業』
とかやれば,すぐに信じてしまう人が続出する。

逆に,今のマスコミの流行は『嫌韓』かもしれない。
今まで注目しなかった(というよりも関心のなかった)韓国の実情を
ポツポツと流し始めている。

少し前に韓国の江南(カンナム)にスポットを当てていた。
カンナムは韓国の金持ちが集まる地域である。
ところが,カンナムの繁栄の陰にスラム地区がある。
韓国の経済格差を象徴するような街なのだ。

韓国にはスラム地区が点在する。
私は2度ほど韓国に行ったことがあるが,
ソウル駅裏のスラム地区を見に行ったこともある。

何しろ,韓国が白米を食べるようになったのはここ20年ほどのことである。
30年前には満足に白米を食べることができなかったのだ。
経済発展も歪になろう,というものである。

年金なんてのも整備されたのはここ10年ちょっとだ。
しかも年金基金の破綻の噂が絶えない。
歪な経済発展で社会構造が変化するなか,
かつては尊敬され家族から面倒を見てもらえた老人たちの多くが,
今は家族に見捨てられ,もらえたとしても僅かな年金で生活する。
結局,韓国は自殺大国になってしまった。


マスコミに煽られて『韓国を見習え』などと
主張する情弱は少なくなるだろう。
逆に『韓国は暗黒の国』と捉える人が多くなるかもしれない。

それはあながち間違った捉え方だとは思わないが,
情報リテラシーの不足は,現代では致命的にまずい。
マスコミに煽られて,民主党に投票,
結果として3年もの無駄な時を過ごすはめになってしまった。


さて,未来のテレビはどうなるのか。
4Kテレビでさえも,通常の有機ELテレビよりも画面が綺麗だという。
ましてや8Kだ。
ただ,4Kにしても専用の映像ソフトが要るらしい。
だから,大衆化するかどうかはわからない。

そもそも現状の液晶でも充分綺麗なのだ。
20インチの液晶が1万円ぐらいで売っている。
これをはるかに超える細密画像を持ってこられても,
特に女優さんなんかは大変だろう。
目尻のシワの奥まで見られることになるからだ。


今後テレビ部門が日本を牽引する,ということは無いかもしれないが,
一般的な話として,
日本が技術や素材の輸出で世界を牽引する図式は変わらないだろうし,
そこを手放すことは日本の死に等しい。

8Kが将来の『技術大国日本』の一部門を形成するのか。
ちょっと楽しみな話題ではある。


.
posted by DEBUO at 13:06 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月23日

金は天下のまわりもの8 金融緩和・日銀批判2

アメリカとユーロの金融緩和は,
若干目的を異にしている。

アメリカの場合はデフレにはしない,というバーナンキの信念。

欧州の無制限供給オペは緊急避難に重きを置いている。
欧州の銀行は機能不全をおこしている。
ECBが金を供給していかなければ,銀行の脈が止まりかねない。

日本が参考にするのならば,FRBだろう。
デフレ脱却のための金融緩和だ。
インフレ・ターゲットである。


世界中の中央銀行は2〜3%程度のインタゲを設定し,
概ね,成功しているように見える。
日銀でも,一応1%の言い訳インタゲを設定している。

しかし,金融緩和をすればインフレになるというわけではない。
金融緩和とインフレには相関関係を見つけにくい。

物価と金融緩和.png
  資料はこちらのサイトからお借りしました。クリックで拡大。

消費・投資が活発化しなければ,
つまり金融緩和したお金を活用しなければ,
市場は冷えたままである。

小泉政権でゼロ金利政策をとったが,
銀行のバブルの後始末に役立っただけで,
日本でのデフレ脱却にはあまり効果がなかった。

預金で生活している人たちから利息を奪ってしまい,
むしろ消費活動が低迷した可能性もある。

また,円キャリーによりサブプライム・ローンを煽るという,
明らかな負の効果も発生した。


物価だけあがって景気は悪いままということもありうる。
それは,スタグフレーションと呼ばれる,悪質なインフレ状態だ。
例えば,輸入インフレ。
石油が暴騰したり,円安で輸入品が激高になったりすると,
景気が悪くても物価が上がりやすい。

緩やかなインフレを起こし,なおかつ景気も穏やかに回復させる。
それには,国内の資金需要を盛り立てる必要がある。
家計は消費を促進し,企業は投資のために借金に励む。
こういう姿が望まれるのだ。

金融緩和だけではそこまで経済をもり立てることができない。
金融緩和をする場合は,財政出動もセットにしなくてはならない。
アメリカが苦労しているのは,まさしくそこにある。
財政赤字のために,健全財政派が財政出動を許さないのだ。


安倍氏は財政出動+金融緩和を謳っている。
背景には,麻生氏,藤井京大教授,リチャード・クーと言った面々がいる。
現状では日銀を生かし切れないのだから,日銀法も改正する。

バブル崩壊後20年,橋本財政から15年,
ようやくまともな経済政策が出てきた,という感じだ。

90年代にリチャード・クーや植草一秀といった経済評論家が
公共事業の重要性を説いていたが,
当時は公共事業悪玉論の真っ最中であり,
大多数の国民が耳を貸さなかった。

しかし,そうした嫌悪感が薄れ,
公共事業復活論の正当性が広まるにつれ,
ようやく,冷静な議論のできる環境ができつつあるように思う。

もちろん,財政出動は公共事業のためとは限らない。
減税や子ども手当のような所得移転型の施策も対象となる。



さて,『金は天下のまわりもの』と題して1〜8で
私の拙い知識をまとめてみた。
理解不足の点もいろいろあるだろうが,お許し願いたい。

『金は天下のまわりもの』とは,
要するに,金の供給量の増減の話だ。

風呂桶をイメージしていただきたい。

gushurogama_kyousei.jpg

日銀は市場に金をばらまく(マネタリーベース)。
このままでは,お風呂の水は冷えたままである。

お風呂を沸かす(マネーサプライ)。
沸かすには,消費・投資,借入が必要である。
どんどん沸かして,満遍なく熱を対流させる。

それには,熱が必要である。景気のことだ。

公共事業(或いは減税)は,
【熱気】【景気】を湧きあがらせるのが目的である。
冷たい水のまま,誰も水を沸かさない,というのなら,
政府が公共事業で水を沸かし,
景気拡大のきっかけを作ろう,というわけだ。


残り湯を洗濯機で使ったり,
沸かしたつもりが隣家のお風呂が沸いてしまった,
などということもある。
なにしろ,グローバルな時代だ。

しかし,基本は単純なことなんじゃないのか。
デフレなのにデフレを促進させるような方法を取る。
それは,基本を大きく逸脱する。


運動不足によって体が弱ったのであれば,
安静にするのが根本治療ではない。
どうにかして体力をつけさせるのが大切である。

貧血に陥っているのに,
その本人から血を抜き,その本人に輸血する。
そんな馬鹿な物言いは根絶することを願うのである。


.
posted by DEBUO at 00:00 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月22日

金は天下の回りもの その7 金融緩和・日銀批判

ここのところ,ずっと日銀批判が凄い。
特に白川総裁と言えば,
馬鹿アホの代名詞のようないわれようである。
円高,不景気はすべて日銀・白川のせい,というわけだ。

日銀の役割は,
紙幣発行,政府の銀行,銀行の銀行という業務を分担する他,
『物価の安定』と『金融システムの安定』という目的が,
1998年の日銀法によって定められた。

景気対策や円高対策は日銀の仕事ではない。
景気の悪いのを日銀のせいにされても日銀は困るわけだ。
景気対策や円高対策は政府の仕事だろう。

しかし,景気対策も円高対策も国債を発行することになる。
財務省はやりたがらない。
政府は及び腰になる。
そんな中,日銀だけが泥をかぶる云われはない。

小泉政権は健全財政を叫びながら,
日銀には金融緩和を求めた。
その反省は間違いなく日銀にあるだろう。


さらに不可思議なのは,『日銀の独立性』だ。
日銀の独立性が意味するのは,『目的の独立』ではなく,
『手法の独立』である,と経済学者の高橋洋一氏が述べている。

文末にバーナンキの講演和訳を載せたが,
高橋氏の言説はうなづける。
  目的は政府が示す:例えば,インフレを3%にしろ
  日銀はインフレ3%を達成するための方法を考える。
  その方法については,政府に口出しさせない。
こういうことだ。

日銀はあくまで政府の子会社,政府の金庫番である。
三権分立のような対等な立場ではない。

ところが,なぜか日銀の独立性が強く叫ばれる。
確かに中央銀行の独立性は,世界的な潮流である。
政治家が利権誘導をするのを嫌ったからだろう。

1998年に日銀法が改正された時は,
政治家は腐敗しきっている,と多くの人から思われていたし,
あまりに無駄な公共投資に批判が集まっていた時代だ。

さらに歴史を紐解けば,軍備増大により恐慌脱出⇒大戦,
という流れがトラウマになっているのかもしれない。

政治家が信じられないから日銀の独立性を強めたわけだが,
問題は,日銀の独立性が盲目的に信じられすぎていることだ。
日銀が独走したらどうするのか。
日銀の独立どころか,日銀の独裁,となってしまったらどうするのか。
日銀は決して天上の組織ではない。

また,専門家の間での議論はともかく,
反日マスコミが日銀の独立性を叫ぶのは,
単純に政府を批判したいからだと邪推している。
利権誘導を図る黒い政治家,という絵図を示したいわけである。



現状の白川批判・日銀批判は筋違いの面が多いと思う。
少なくとも,白川批判は行き過ぎている。
白川氏は官僚の仕事をしただけにすぎない,と私には映る。
批判するならば,日銀のシステムや法の不備に対してであろう。

行き過ぎた日銀信仰を引き戻す。
安倍氏の主張する日銀法改正にはそういう意味合いが込められている。

また,安倍氏の経済政策の根幹は財政出動であろう。
その財源は日銀の国債引受(買いオペ)としているらしい。
私は,国債引受だろうと,単純な国債発行だろうと,
どちらでもいいと思う。
民間銀行を迂回するかどうか,の違いぐらいでしかない。


ただ,政府が国債引受を日銀に強制させるとなると問題がある。
法的には国会の決議が必要だが,それ以上に,
単純な国債発行で済むところを政府が日銀に方法を強制させる,
となると,日銀の独立性/政府の倫理問題が浮上するだろう。
また,それほど日本が困っているのかと外国が誤解するかもしれない。

中央銀行が【手段の】独立性を求められるのは,
政府の恣意的な介入を防ぐためだ。
政治家に手当たり次第に国債を発行されたら目も当てられない。



安倍氏の政策は,財務省の激烈な抵抗が予想される。
日銀法改正と日銀人事はその前哨戦だ。
前哨戦にしたって,同様に激烈な抵抗がある。
マスコミも狂ったようにパッシングするかもしれない。

どうねじ伏せていくのか。

もっとも,白川総裁は民主党の横槍により総裁に就任した。
民主党があの体たらくになり,腹を切ったのだから,
それなりの批判を浴びるのは世の流れであり,
すっぱり辞任してもらいたい,とは思うのだが。


バーナンキ議長講演 資料
『政府がインフレの数値目標を設定し,その目標の達成は中央銀行の責任とする』

グーグルマン 資料
『日銀が重い腰をあげないというなら、銃殺に処すべきです。』


.
posted by DEBUO at 00:00 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月21日

金は天下のまわりもの6 金融緩和・ユーロ

欧州銀行総裁ドラギは,無制限供給オペを実施した。

これにより,ECBの信用は落ちることになる。
しかし,そのぐらい欧州は危なかった,ということだ。
欧州の銀行が機能不全を起こしていて,金の調達が難しくなっている。
動脈硬化を起こしていたのだ。

だから,ECBは緊急避難として,無制限供給オペを行う。
そうしないと,欧州は死ぬ。


ユーロの根本的欠陥は,財政と金融を分離したことにある。
ユーロは歴史的な大実験である。
国から金融機能を取り上げたのだ。

各国は,日本の都道府県やアメリカの州のような存在になる。
だから,財政赤字に弱い
金利調節も為替調節も通貨発行もできないからである。
財政赤字には健全財政で対応するしかない。

ユーロは設立当初から,財政赤字に関しては厳しい制限をつけていた。
ところが,
  財政赤字になった場合の罰則規定
  財政赤字になった場合の保障機構
をユーロは欠いていいた。

財政赤字の制限は単なるお飾りだったのだ。
ユーロ加盟国でこの制限を守れた国はなかったと言われている。
ユーロはあまりにお粗末な通貨同盟なのだ。

ユーロ危機になって初めて,
保障機構をもたもたと作り上げようとしている。
EFSF,EMSといった機構だ。


ユーロの将来は,
  解体
  分裂
  金融・財政の統合
この3つにある。

自ら解体を選ぶとは思えない。
結果として解体ということはあっても。つまり,自滅することはあっても。

分裂はあるかもしれない。南と北に分けるのだ。
或いは,第一欧州と第2欧州に分けるのだ。
しかし,これも現実的かどうかわからない。
ギリシャを切り捨てるのはありうる話ではあるが。

ざっと,見渡すとドイツ・オランダといった北欧が比較的元気で,
地中海の沿岸国がやられている。
地域格差があり,北欧は南欧に輸出ドライブをかける代わりに,
銀行がその赤字を支えてきた。

つまり,ユーロはドイツの信用を南に与えるかわりに,
ドイツは南欧の血を吸ってきた。
その結果が南北の明暗の差だ。

ドイツがユーロを一抜けするのはありえないと私は見ている。
ドイツ国民がユーロを抜け出したいと願っても。

仮にドイツがユーロを脱退したら,
ユーロは分裂,大衝撃が欧州や世界に走る。
ドイツマルクは上昇し,輸出産業は困難を極め,
安い輸入品により国内脆弱産業は壊滅,
デフレにより国民経済も地を這う。
そこまで見据える必要がある。

しかし,ドイツがユーロにとどまる限り,
ドイツは南欧にどんどん金を献上しなくてはならない。

まるで底なし沼だ。ドイツはどうするのか。
行くも帰るも茨の道,蟻地獄である。
ドイツはユーロに絡み取られている。


メルケルはドイツ国民の支持よりも,
ユーロに身を捧げるような素振りをしているFT

私はそれが正しいと思う。
東京都は交付金をもらえない。東京都の税金は全国にばらまかれる。
ドイツはユーロで東京都のような役割を担う必要がある。

ドイツがユーロから受けている恩恵は計り知れない。
ドイツはギリシャを踏みつけて成長している,
とギリシャの元首相が言いがかりをつけていたことがあるが,
決して根拠のない話ではないのだ。


ドイツがユーロにとどまる決心をすれば,
残る道は,財政と金融の統合である。
ユーロが欧州合衆国に近づくわけだ。
その一例がユーロ共同債である。

だが,財金統合に至るまでには長い歳月が必要である。
ドイツが永遠に血を抜かれ続けることを覚悟しなくてはならない。
いくらドイツの指導者が決心したとしても,
やはり多くのドイツ国民はなかなか納得しないだろう。
ドイツの指導者は,ドイツ国民の選挙で選ばれるのだ。


現在話し合われている銀行同盟は,財金統合過程の一里塚だ。

ユーロ内の競争力不均衡により銀行は南欧の赤字を埋めてきた。
南北格差による金融(銀行)恐慌,それが直接的なユーロ危機である。

銀行の機能不全を修復するために,ECBは無制限供給オペをし,
さらに,各国の銀行を直接ECBが監督するはずだった。

EFSF・EMSの次にユーロ共同債を目指すと考えられてきたが,
銀行同盟は共同債よりも実現可能性が高いと見られている。

もっとも,銀行同盟は骨抜きにされたようでもある。


まだ楽観を許さない状況ではあるが,
欧州はほんの少しずつ前進しているのが慰めか。


参考:FT

.


.
posted by DEBUO at 00:00 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月20日

金は天下のまわりもの その5 金融緩和・USA

リーマン・ショックを受けて,バーナンキFRB議長は3度にわたって
金融緩和を実施した。

MB各国.jpg

リーマン・ショック前に比べて,3.5倍以上のマネタリーベースになっている。
このグラフには反映されていないが,
QE3に至っては,効果が出るまで無制限緩和,などとも言っている。
前例のないような金融緩和を行っているのだ。

目的は次のものが考えられる。

  1 デフレ克服
  2 ドル安誘導,輸出振興
  3 景気回復


デフレ克服


アメリカの金融緩和はデフレ克服を最大の眼目とする。
バーナンキは日本のバブル崩壊後を随分と研究したらしい。

アメリカの物価上昇率は次のとおりだ。

インフレ率各国2.jpg



あれだけの金融緩和をしても,むしろデフレ気味である。
金融緩和とインフレは比例するわけではない。

それは,日本のゼロ金利政策でも同様だ。
小泉政権下のゼロ金利政策により金融緩和を実施したが,
物価はデフレ気味である。

いくら銀行に金をつぎ込んでも,
それを活用しなければ,世の中に金は回らない。

或いは,安い中国製品が流入して物価を押し下げていたのかもしれない。
金利生活者は消費を抑制しただろう。
いろいろな因子が考えられるのだろうが,
だからといって,金融緩和をしなくてはアメリカはデフレに突入しただろう。

公共投資や減税といった積極策も活用したいところだが,
財政赤字が問題となっているため,
アメリカでは公共投資や減税に縛りがかかっている(財政の崖問題)。

現状では,景気回復のために金融緩和しか思い切った手を打てないのが
アメリカの痛いところである。


ドル安誘導・輸出振興

例えば,ドル円を見た場合,
リーマン・ショック前は1ドル120円前後だったのに,
現在は80円前後。凄まじい円高が進行したのだが,
一つには,欧米ともに政策金利が日本並になったことが大きい。

以前ならば,日本で円を調達,それを高金利国に持っていけば,
その差額だけで簡単に儲けることができた(円キャリー)。

ところが,現在では日欧米に金利差がなく,
物価上昇分を加味した実質金利では,
日本は欧米よりも高金利になりがちである。

以前ならば,円キャリーにより円安になったが,
今は逆に世界の金が円を目指しやすい。

また,ドルを大量にすればドルの価値が希薄化する。
ドル安圧力がかかるわけだ。

さて,アメリカの輸出振興は結果を出しているようだ。

                    2009     2010     2011
輸出額 - ドル(単位:100万)     1,056,043     1,278,263     1,480,646

ドル安が輸出増を生んだのかどうかは,私にはわからない。
そもそも,アメリカ企業は輸出をするなら相手国で現地生産をする。
米企業は多国籍企業になりやすい。
だからアメリカには,輸出マインドの少ない企業が残ることになりがちだ。

ドル安というだけでなく,そうした米国内企業も輸出振興策を受けて,
慣れない輸出努力をしたのかもしれない。



3 景気回復

民間が借金しやすいように資金を市中に流す。
それにより,景気回復を目指すということである。
日銀のゼロ金利政策と同じなのだが,
しかし,日本では民間需要が生まれたとは言えなかった。

先行き不透明なのに,ギャンブルする経営者はいない。
むしろ,日本の金融緩和は世界を目指した。
金利差だけで簡単に儲けることができたのだから(円キャリー),
何もわざわざ日本に投資する必要はなかったのである。


現在のアメリカでも状況は同じであるが,日本とアメリカが違うのは,
アメリカは日本よりもずっと金融業が発達しているということだ。

アメリカの製造業も輸出業界も,
金融緩和をしようとドル安になろうと敏感には反応できないかもしれない。

しかし,金融業界は違う。市場は世界中にあるのだ。
投資資金は国境を瞬時に大量に飛び越える。

アメリカ国内もビッグな金融市場であるが,
他にも,欧州という巨大市場がある。
欧州は死にかけているが,
死にかけているなら死にかけているなりの商売の方法がある。

例えば,現在スペインが融資申請をするかどうかが注目を浴びているが,
スペインを買い支えているのがアメリカだという観測もある。

或いは,ドルは新興国になだれこんで景気を活性化させているかもしれない。
バブル懸念がつきまとうと言えども,新興国にとってはありがたいであろう。

つまり,アメリカの量的緩和は世界経済を支えている。
ここにUSAドル基軸通貨の特殊性がある。

アメリカのドルはアメリカ国内のみに影響を与える通貨ではない。
世界標準の通貨である。
つまり,世界はアメリカ経済に組み込まれている。

ドルが世界を駆け巡れば,アメリカの金融産業の活況につながる。
実際,リーマン・ショックで瀕死になった金融業界であったが,
金融緩和のお陰ですぐに生き返り,
史上最高益をだしたりしたのだ(ゴールドマン・サックスなど)。


ただ,金融業界特に投資の世界は逃げ足も速い。
実物経済に比べて額が圧倒的に大きいから,
いびつな経済になりがちである。

また,最近投資状況が悪いらしくて,
アメリカの金融業界に元気がないというのも気がかりだ。



最後に,欧米が必死に金融緩和したのに比べて,
日本の努力は足りない,という声がある。

次は,マネタリーベースのGDP比だ。
欧米は,元々日本よりもマネタリーベースが低かった。

mbgdp比.jpg

あれだけ欧米が金融緩和をしても,
GDP比から眺めれば,まだ日本のほうがマネタリーベースが多い。

ただ,日本は現金決済が主流で欧米はカード社会であるから,
元々,中央銀行の発行する紙幣が多い,という事情がある。

GDP比で見るならば,そのあたりの事情を考慮する必要がある。
金融緩和の変化の度合いこそが大切である,ということだ。
GDP比で各国比較するだけでは見誤る可能性がある。


金融緩和をすれば投資が増える,という直接的な効果は望み薄である。
しかし,円安効果はかなりあるんじゃないのか。

ただ,企業側は急激な為替変動を望まないだろう。
極端な円安になっても困る。貿易には輸入もあるのだ。

また,欧米のような無制限緩和というのは考えにくい。
資金は十分供給されている。資金需要がないのだ。
欧米と金融緩和競争をしても,
いたずらに市場を混乱させるだけではないか。

おそらく,金融緩和自体は適宜・適切な量,というところに
おさまるんじゃないかと思う。


.
posted by DEBUO at 00:00 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月19日

金は天下の回りもの その4 公共事業3

その3からの続き

さて,安倍氏率いる自民党は,国土強靭化基本法案を発表している。
自民党HP

これについて少しぐぐってみたら,
  消費税増税をくいつぶすのか
  土建国家に逆戻りさせるのか
  利権狙いか
とかいった類のブログ投稿が並んでいた。

現状では,消費税を増税してもかえって名目GDPが下がって
消費税が増えない可能性がある。
少なくとも,消費税が大幅に増える,なんてことはない。

食いつぶす,それ以前の話なのだ。
自民党は,現状では増税を当てにしていない。
持続的な経済成長⇒名目GDPの底上げ⇒税収アップ
⇒その後,消費税増税
これが自民党のスタンスである。

土建国家に逆戻りさせるのか,
と言われれば,その通り。

利権狙い。
大金が動くのだから,利権が発生するに決まっている。
公共事業に限ったことじゃない。
問題は,腐敗に気を配ることだろう。

自民党や安倍嫌いというのでなければ,
土建国家といい,利権狙いといい,
明らかに公共事業に悪い印象を持つ人たちの投稿だ。


だが,こういう人が現在の日本標準の姿かもしれない。
『公共事業』『利権』『族議員』『国債』『ハイパーインフレ』・・・
こうした言葉に否定的な感情を覚える人たちだ。

公共事業復活を叫べば,必ず健全財政派が異を唱え始める。
それは運動不足を指摘されているのに,安静が大切です。
などと診断を下すようなもので,
デフレの現状では,健全財政派に分がない。

だが,彼らにはそんなことは理解しようとはしないだろう。
むしろ,『デフレだからこそ』健全財政をしろ,と言いかねない。
健全財政派は自分を日本の良心だと信じているからだ。


昭和恐慌が起こった時,時の大蔵大臣井上準之助は
緊縮財政,金融引締めを行った。
世界大恐慌が発生した不運も重なったが,
日本は激しいデフレに見舞われた。当たり前である。

不景気になると,日本はデフレ政策を取りたがる。
江戸時代の三大改革,特に松平定信の寛政の改革,
水野忠邦の天保の改革がそうだ。
消費引き締め,緊縮財政,金融引締めを行う。
これにより,ますます不景気に陥った。経済的には失敗した改革であった。
(経済面からのみそれらの改革を見てはいけないことは承知している)

松平定信が典型だ。
彼は白河藩の財政を質素倹約で建てなおした郷土の英雄である。
しかし,同じ事を幕府で行ったら失敗に終わった。

これは,国家経済を
家計・企業会計・地方自治体財政と混同することから起こる。
家計は苦しくなれば,緊縮財政は当たり前である。
しかし,国がそれをすると,ますます不況になりかねない。

国民も,国家経済を家計の延長と捉えるのが普通だ。
デフレ時に緊縮財政を行う。
国民は遊べなくなってつまらないかもしれないが,
その正当性を疑わない。真面目な人ほどそうなる。


いい例が,民主党だ。
彼らはデフレでかつ震災がおきても,
国債発行をためらい,健全財政を目指し,
消費税法案成立に必死になる。

彼らが国家経済運営に素人である証拠だ。
無策であるよりもひどい。
わざわざ経済をダメにする政策を優先するのだから。

それは,鳩山政権初期の株価の動きに表れている。
民主党不況はリーマンショックや震災によって引き起こされたのではない。
なるべくしてなったのだ。

民主党株価.jpg
                                    クリックすると拡大します。


日本国民は真面目だから,多くの人が消費税増税に賛成する。
ところが,その真面目さが徒となる。

デフレ時に消費税を上げたり,公務員を削減したり,
国債の発行を抑制したりしたら,
ますますデフレが進行する。

それらの政策はインフレ時の政策なのだ。
インフレを抑えるための政策なのである。
デフレの時にデフレを促進させる政策を取る。
そして,その愚に気づかない人は結構いそうだ。

この時期に消費税増税に賛成するような人たちは,
生真面目に日本の未来を憂えている。
しかし,心配すればするほど日本がダメになっていく。
彼らはそれを理解することはない。
むしろ,ますます自分の主張を強めかねない。
そして,ますます日本がダメになっていく。



日本を世界大恐慌及び井上緊縮財政によるデフレから救ったのは,
高橋是清であった。
高橋是清は,金融緩和,財政出動というインフレ策により,
世界でいち早く恐慌から立ち直った。

だが,高橋是清の財政出動は軍備支出を増やすことによって行われた。
後に高橋是清はデフレから脱却したと見るや,軍備支出を抑えたのだが,
これが彼の暗殺につながる。

このように,高橋是清は大戦の暗い記憶と密接につながるため,
批判を受けやすい。


しかし,高橋是清は英雄である。
彼の国家経済運営手腕を高く評価しないで,
いったい誰を評価しろというのだろうか?

安倍政権は,平成の高橋是清を目指している。
さて,いかなるドラマが待っているだろうか。

 VS財務省 当然,財務省は国債発行を嫌がる
 VS日銀  日銀改革はどうなる?
 VSマスコミ マスコミは財務省のいいなりが多いが,
     『信念をもって』健全財政を主張する人も多い。
     『軍靴』を嫌い中国大好きマスコミからの側面射撃も凄そうだ。
 VS生真面目で良心的な人  これが一番やっかい。

安倍政権ができたら,激烈な批判が噴出するだろう。
既に安倍叩きが始まっているぐらいだ。
彼の志はどこまで通じるのか。
TVドラマ等見るよりもずっと見どころ満載である。

  朝日の若宮啓文:安倍叩きは「朝日の社是」
  産経
  中国は完全に安倍外交に屈していた
  BPnet 日下公人

国の未来を憂う必要があるし,
韓国への目配りもしなきゃいけないし,
中国にお伺いをたてなくちゃいけない。
反日マスコミも忙しくなるね。



追記:

公共事業抑制のため,日本の建設業はどんどん衰退している。
20年前に比べて,業界が3分の一になったとかの声もある。
東北震災の復興でも業者が不足して大変だったという。

それでも1週間で道路を復旧したことが世界中で話題となったが,
現状が続けば,そうした熱気・技術がどんどん失われていくことになる。


その5に続く


.


.
posted by DEBUO at 00:00 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月18日

金は天下のまわりもの その3 公共事業2

その2の続き

日経NEEDS
というサービスがある。
経済環境の変化が日本経済にどのような影響を与えるか,
グラフ化してくれるという。

こちらのサイトでは,その日経NEEDSを使って,
いろいろな経済関連データを掲載されている。
  ▼下のグラフを参照

例えば,財政投資毎年50兆円を5年続ける。
すると,5年後には名目GDPが700兆円近くになるのに対して,
インフレ率は12%程度上昇する。
下のグラフを眺めると,思ったほどインフレが進行しない。


『ハイパーインフレになる』と騒ぐ人がいる。
ところが,そういう人に限って数字を出してこない。
つまり,どの程度の金で,いくらインフレになるのか。
そのような指摘がない。

そもそも,ハイパーインフレは経済的には,
月率50%(ケーガン)とか,そういうのを言う。
1年に何十倍・何百倍それ以上に物価が上昇する騒ぎを言うのだ。

ハイパーインフレという言葉を使っている人たちは,
せいぜい年率数10%程度のインフレをイメージしてると推測している。
それがどうであれ,ハイパーインフレを使う人たちの議論は,
曖昧なことが多い。
経済の話なのに数字やグラフが出てこない。

というよりも,彼らはハイパーインフレを
オカルトか何かと勘違いしているんじゃないのか。
  『幽霊が出るぞ』
ハイパーインフレを怖がる輩には,
幽霊騒ぎに通じるものがあるように思える。

実際,ハイパーインフレの次は,
『ユダヤが』『フリーメーソンが』などとなりかねない。
厨二病だ。矢追純一的経済世界に私は興味が無い。

そうじゃない,というのなら,
ハイパーインフレの定義と,
どうすればハイパーインフレがおこるのか,主張すれば良い。

日本政府の債務が増え続ければ,
【ある日突然】金利が上昇して,
手の付けられないようなハイパーインフレが起こる。

こんなのじゃいかんぞ。
この手の言説はうんざりするほど見てきた。
私よりもずっと頭が良さそうな人でもこういう言い方をする。
それでは『幽霊が出るぞ』と変わらない。

それとも,私の理解できないような高等数学かロジックか何かがあって,
ちゃんと計量化できている,とでもいうのだろうか。


財政投資名目GDP.jpg
インフレ率財政投資.jpg

他にも,このサイトにはためになるグラフが載っているが,大事なことは,
複数年の財政出動がないと,効果は一時的,ということだ。

橋本財政でデフレになった1998年,
後を引き継いた小渕総理は財政出動をし,一時的な効果を得たが,
その後,小泉政権の聖域なき構造改革で元の木阿弥になってしまった。

経済的に見れば,2002年の小泉改革は明らかな失敗であり,
日本のデフレを決定づけたと言える。
小渕氏がもう少し元気であったなら,と誠に残念でならない。

※ちなみにバブル崩壊後における私の評価する総理大臣のTOP3は,
麻生氏,小泉氏,そして小渕氏である。
経済面からいえば,麻生氏と小渕氏の二択になる。



その4に続く



.
posted by DEBUO at 00:00 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月17日

金は天下のまわりもの その2 公共事業

その1の続き

現在の日本は金が滞留している。
これをより滑らかに流すには,政府の役割が不可欠だ。

おそらく次期総裁になられる安倍氏の主張である,
金融緩和,日銀法改正,財政投資
この3つについて,私なりにまとめてみる。

激減した,公共投資

このグラフをご覧頂きたい。

GDP内訳.jpg
  上記画像は,このサイトから拝借しました。

GDP,純輸出,個人消費は左の目盛りで,残りは右の目盛りで見る。

GDPは微減している。
その第一の原因は何なのか。一目瞭然だ。
公共事業が,1997年以前に比べて,半分以下に落ちている。
  ※公的資本形成:公共事業
その反面,個人消費や企業投資は横ばいだ。

公共投資だけで,15年間の間に200兆円程度は失われた計算になる。
この200兆円は,企業活動や消費活動をも活発化させたはずだ。
つまり,失われたGDPは200兆円ではすまない。

少なくとも200兆円のGDPが,過去15年の間に失われたのだ。
経済が伸びなくても不思議ではない。


公共事業が抑制された理由は2つ。
  公共事業悪玉論
  国の『借金時計』が止まらないから



公共事業悪玉論

公共投資悪玉論には理由がある。
公共事業には,官僚・政治家の腐敗,利権が絡む。

20年前,あまりに公共投資は醜かった。
車を通らない高速道路,カラオケ施設と化した文化会館,
公共投資に群がる政治家や企業の黒いウワサ。
実際に,官僚も政治家も次々に逮捕されていた。

日本人はうんざりしていたのだ。
時はバブルの後始末に追われている時であり,
土建屋政治手法の幅をきかせている時だった。

日本には大手術が必要だったのだ。
公共事業を抑制させ,
利権構造にメスを入れて膿を出すことが望まれたのである。


しかし,公共投資は本来必要なものである。
特に,災害の多い日本においては公共投資は不可欠だ。

台風,地震,津波対策は日本においては1000年の大計である。
それに意義を唱える日本人はいないだろう。
全国の小学校を耐震化するのに意義を唱える父兄はいないだろう。
東北地方の人ならば,今以上の津波対策に意義を唱える人はいないだろう。

一個人・一企業では到底行い得ない公共性の強いものを
国が行う。
行わなかったら,あっという間にインフラが劣化し,
災害に弱く,道路はガタガタ,橋は崩れかけ,停電は頻発し,
実に住みにくい社会になる。


本来,公共事業は必要なものである。
特に,災害の多い日本は歴史的にも土建国家だ。

それが90年代の公共事業=悪玉のイメージにより,
必要以上に公共事業が抑制されてきた。


国の『借金時計』が止まらない

公共事業悪玉論に深く関わっているのが財務省だ。
政府の債務を抑制するために,
国の債務=国民の債務などというミスリードを煽り,
さも日本がすぐにでも破綻するような悪質な言説をばらまいてきた。

日本においては,90%以上が国の債務=国民の債権
なのである。
銀行に溢れかえる貯金を市場に流通させるために,
国は国債を発行し,
銀行に有り余る貯蓄を吸い上げ,
公共事業によって経済を活性化させてきたのだ。

日本の国債は,金の循環を良くするための仕掛けであり,
個人の借金とは性質が違う。

個人の借金は返すことが前提である。
しかし,日本政府の借金は,
いわば,銀行の貯蓄のようなものである。

銀行に預けられた貯蓄は,銀行にとっては借金(債務)である。
銀行はその借金を貸し出しすることで生業をたてている。
利息が銀行の儲けになるのだ。

国においては,国債の役目とは,
国の価値を増大させることである。

具体的には,国のGDPが増えれば良い。
税金となって戻ってくるからだ。

そうでなくても,国民の利便性を増し,
或いは生命財産を守ることができれば,
国債の使命を果たしたといえる。


これは,円建て国債だから言えることである。
ドルなどの外国通貨建ての国債であれば,
個人の借金と混同しても構わない。

外国通貨建て借金は返さなくてはならない。
しかも外国通貨で。

例えば,韓国が1997年に破綻した時,
国家債務のGDP比率は10%強だったと言われている。
それでも破綻した。外国通貨建てだったからだ。
国家の金庫にドルがなければ,債務がどれだけ少なかろうと,
破綻する。
無いものは払えないからだ。

日本政府の借金は1000兆円もあるが,
破綻しそうどころか,史上空前の活況を呈している。
史上最低金利で推移している(つまりかつて無いほど,国債は人気がある)。

日本の債務は100%円建て債務。
最悪でも,円を刷ればいい。
自国通貨建て債務で破綻しないのは,
国に通貨発行権があるからだ。

また,日本政府の債務は,
銀行に溢れかえる貯蓄を運用するために利用されている。
銀行には運用先がない。貯蓄はふくれあがる一方だ。
だから,安心安全の運用先として,国債を選ぶ。

仮に,国が借金を銀行に返したとしよう。
銀行は1000兆円の借金が帰ってきた。
銀行は喜ぶか?
再び,銀行は日本の国債を買う。
間違いなく。
で,誰かが再び,日本の借金が〜国民一人あたりの借金が〜
と叫ぶわけだ。

どんな喜劇なんだ?


公共事業の予算は?


公共事業のための予算は,銀行にうなるほど眠っている。
銀行には個人・法人預金で3000兆円ほどあるとされる。
その運用先に銀行は困っているのだ。
国は建設国債を発行して公共投資を行えば良い。

利率は史上最低の値を示している。
日本にはほぼ無利息のような資金があふれている。

日本はデフレで,収入が減り,失業者も多い。
みんな困っている。
東北大震災も起こり,復興支援も必要だ。
バブル当時のインフラがヘタリかけている。

これで公共事業をしない理由は何か?


国の債務が増える。
だが,公共投資の結果,国のGDPが増えれば問題はない。
税金となって戻ってくるからだ。

或いは,失われるかもしれない人命を救うことになれば,
金には替えられない価値がある。


繰り返すが,
公共投資には,腐敗や利権がつきまとう。
かつては,その悪い面を払拭するために,
公共投資を抑制する必要があった。

しかし,公共投資は本来,悪玉ではない。
必要不可欠なものである。

公共投資を復活させることは,
未来の日本のためにも必要なことだ。
そのための借金は,将来にツケを回すのではない。
将来のための投資なのである。

その3に続く
.

posted by DEBUO at 00:00 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月16日

金は天下のまわりもの

今回の投稿では次の説明をする。
高校で学ぶような経済の基本だ。
何を今更,とお感じになられる方もいらっしゃると思うが,
現在の私の経済理解の基本として,まとめてみる。

  ◆金は天下のまわりもの  現金をぐるぐる回すことが大事。
  ◆信用創造 銀行がからむと飛躍的に経済活動が活発になる。
  ◆合成の誤謬 現状の日本ではこのサイクルがうまく機能しない。


金は天下のまわりもの
とは。

次はある村の経済活動である。
この村には1万円札が1枚しかない。

  A工員:働いていたE工場から給料1万円をもらう。
     そのお金でB米屋から米1万円を買う。
  B米店:A工員から米1万円の売上。
     そのお金でC農協から1万円の米を仕入れる。
  C農協:B米店から米1万円の売上
     そのお金でD農家から米1万円を仕入れる。
  Dを農家:C農協から1万円の売上
     そのお金でE工場で農機具の修理をしてもらう。費用1万円。
  E工場:D農協から1万円の売上
     そのお金でA工員に1万円の給料を払う。

上記X村では,実際に動いたのは1万札1枚だけである。
その1万円がぐるぐる動いたおかげで,
5つの個人・企業でそれぞれ1万円の収入があった。
この村のGDPは5万円ということになる。

これが,『金は天下のまわりもの』の原型だ。
お金がぐるぐる回っていれば,無限に消費活動が行われる。
赤字企業だろうと現金が回っていれば倒産しない。
黒字企業だろうと現金がなければ倒産する。

金をぐるぐるまわすような環境にすること。
これが大事であり,現状の日本はそれがいたるところで壊れている。


信用創造

この経済活動に大きな役割を示すのが,銀行である。
個人や企業は銀行に貯蓄し,金を借りることによって,
経済活動をどんどん膨らましていく。

ここで,『信用創造』という言葉の解説をしよう。

  A工員:働いていたE工場から給料1万円をもらう。
     そのお金をY銀行に預ける。
  Y銀行:預金が1万円増える。
     0.1万円を預金準備とする。
     0.9万円をB米店に貸す。
  B米店:Y銀行から0.9万円を借りる。
     そのお金でC農協から0.9万円の米を仕入れる。
  C農協:B米店から米0.9万円の売上
     そのお金をY銀行に預ける
  Y銀行:預金が1.9万円になる。
     預金準備1割を除いた0.81万円をD農家に貸す。

Y銀行は,預金が1.9万円,貸し出しが1.61万円,
預金準備(現金)が0.19万円となる。

これを永遠にループすると,最終的に
預金が10万円,貸し出しが9万円,預金準備が1万円となる。
きっかけは,A工員の1万円預金だ。
それが,10万円の預金を生んでいる。

預金は帳簿上のお金だが,実際には現金と同じ役割を果たす。
つまり,A工員の貯金は10倍の実質現金を生み出したのだ。

これを信用創造という。
信用創造をするためには,貸し出しが不可欠だ。
貸し出しをすることにより,飛躍的に現金が増える。
これも『金は天下のまわりもの』である。


合成の誤謬

しかし,現状の日本では貯蓄や借金返済に励むばかりで,
消費や借金には消極的だ。
また,このような景気では銀行も企業に金を貸したがらない。

つまり,銀行ではどんどん貯蓄が増えるばかりになる。
銀行は貸出金利で運営されている。
貯蓄ばかりだと,銀行はやがて倒産する。

また,売上は低迷するから給料が減る。
給料が減れば消費が停滞するし,
ますます貯蓄に励もうとする。
しかし,収入が減っているから貯蓄率は増えても,
実際の貯蓄額は増えないということになりかねない。

企業も売上低迷で投資に回す余力がない。
健全経営のためにも借金を返そうとする。
ところが,健全経営の結果,ますます売上は落ち,
商品の値段を下げざるを得なくなり,
投資も抑制するから,将来性にも疑問がつく。

冒頭に戻り,以下ループとなる。
こうして,デフレスパイラルが完成する。

消費を控え,貯蓄に励み,投資を控え,借金返済に励む。
一個人・一企業としては,正しい行いをしたにも関わらず,
それが全体としてはマイナスになり,
結局,一個人・一企業にマイナスとなって跳ね返ってくる。

これを,『合成の誤謬(ごびゅう)』という。
まさしく,日本の現状である。

消費・借金をしなくなった結果,現金が流通しなくなったのだ。
冒頭で,金は天下のまわりもの,の説明をしたが,
デフレ化では,このループがずたずたになっている。

修復しようにも,一個人,一企業ではなんともしょうがない。
一個人,一企業にとっては,貯蓄や借金返済は『正しい』行いなのだから。


現状の日本では,現金のぐるぐる回るサイクルが,
そこらじゅうで分断されている。
日本経済を復活させるには,そのサイクルを修復する必要がある。


その2に続く

posted by DEBUO at 08:00 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月17日

崖っぷちにいるのは民主党ではない、日本と国民だ

『崖っぷちにいるのは民主党ではない、日本と国民だ』野田首相『恫喝発言許せない』と自民

この野田という首相,代表選前の評判とおり,
あまり主張の強い人物ではない。

いろいろな方向の意見を聞いて,
バランスのとれた政治を目指すタイプのようだ。

優等生タイプである。

この手の人物は,他の政党にもたくさんいるだろう。
というよりも,前の二人が異常だっただけなんだが。


優等生なのはいいが,
この手のタイプでよく見られるのは,
  公共事業反対
  公務員削減
  地方分権
  財政再建(緊縮財政)
  増税推進
  自由主義経済
などで,特に目立つのは,
原理的な増税・財政再建派である。

典型例は,与謝野馨氏じゃないかと思う。
クリーンな印象を与える人物で,
以前なら,三木元首相がそういうタイプなんじゃないか。
庶民の支持を受けやすいタイプである。

問題は,個人と国の財政では考え方が違う,ということである。
多くの人がそれを知らないし,
政治家もそれに理解を示さず,
良識ある市民として,『増税・財政改革』を推進する。

この野田首相も,『良識派』としての信念があるのだろう。
増税・財政改革派のようだ。


ところが,増税・財政改革(緊縮財政)というのは,
それを推進する局面と,
推進してはならない局面がある。

デフレの現在では,増税・緊縮財政をしてはいけない。
収入が増えない,或いは減っている場面で,

  増税・節約
  ⇒使えるお金が減る
  ⇒消費が減る
  ⇒ますます不景気になる
  ⇒GDPが減る
  ⇒税収が減る
  ⇒ますます増税・節約する(以下ループ)

個人が借金すれば,節約し,収入を増やそうとする。
企業も同様だ。

しかし,不景気時には多くの個人・企業が節約し,
借金を控える。
全体で見ると,ますます景気が下がる。

そんな時に政府まで節約に走ったら,ますます不景気になる。
不景気時に政府に望まれるのは,減税とか財政出動なのである。


私は,いつかは増税が必要だろうと思う。
ある程度の福祉や国土の維持を目指すのならば,
現在の財政収入では少なすぎることは明白だ。

自民党はそこをよく理解している。
自民党は増税を掲げているが,
あくまで,『景気回復してから
という条件付きである。

民主党は14年に消費税を導入するとか言っている。

  消費増税案を決定 14年8%・15年10%
  http://www.asahi.com/politics/update/1229/TKY201112290420.html

2年後も景気が回復していなかったどうなるのか。
特に,世界経済がどうなるのかわからないこの段階で,
消費税UPを目指す。

民主党が日本解体を目指したがっている,
という評判がある。

しかし,そうであるならばまだマシな方だ。
そういう能力がある,ということだから。

増税に関してだけではなく,多くの事柄において,
民主党には脳がない。
おそらく,若いころに脳が耳から溶け流れたと思われる。

誰が政治家になっても国は変わらない,
という人がいる。
その強力な反証を,我々は現在進行形で見せつけられている。


この増税案もそうだ。
民主党は増税という政策を理解していない。

世界経済の先行きに大変な暗雲が垂れこめているこの状態で,
長期に渡りデフレに苦しむ日本で
増税を目指す。

野田首相のやろうとしている増税は,
(TPPと合わせて)
日本を崖から追い落とす政策と言える。

  『崖っぷちにいるのは民主党ではない、日本と国民だ』野田首相

まるで他人事のように聞こえる言い草だ。
失言といっていい。

野田氏の頭の中では自分が日本を救う,
という使命感に溢れているのかもしれない。

能力のない人物が身の丈にあわない使命感に燃えている。
たいへん,タチが悪いと言わざるを得ない。


もっとも,この増税案,
公務員人件費や議員定数の削減を実施したうえで、消費増税を実施する
ということらしい。

民主党の地盤の一つは,公務員である。
また,議員定数の削減には猛烈な抵抗があるだろう。

できるわけがない(笑)

要するに,野田政権はアリバイとして,増税をぶちあげたのだろう。
仕事しました,というアリバイである。

私の野田政権に望む唯一のお願いは,解散総選挙,
その一点のみである。



.

posted by DEBUO at 16:44 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月02日

70円台は円高か

初めてドル円が70円台になったのは,1995年である。
超絶円高だった。

現在は77円前後(8月下旬)であるから,
殆どの日本人はとんでもない世の中になった,と考えている。


ただ,90年代の70円台と現在の70円台では意味が違う。
単純に言えば,
  日本はデフレで貨幣価値が上がったのに対して,
  ドルはインフレだったから貨幣価値が下がっている。

90年代の日本は,350円出さないと牛丼が食べられなかったのが,
現在では300円前後で食べることができる。

それに対してアメリカでは,
90年代にビッグマックが3ドルでお釣りがきたのに,
現在では4ドル出す必要がある,ということだ。


95年のドル円80円は,
2011年のドル円55円と同じ価値


消費者物価指数の推移(日米独).jpg

上のグラフをご覧頂きたい。
1995年⇒2011年の物価上昇率は
  アメリカ:1.46倍
  日本:0.99倍

95年のドル円80円は,2011年のドル円55円と同じ価値,
ということになる。


これをサポートするいくつかの指標がある。

ビッグマック指数(英エコノミスト)

  アメリカではビッグマックが4.07ドル
  日本ではビッグマックが4.08ドル(280円)。
  ついでに比は1.74ドル(85ペソ)。
  (2011年)
  エコノミスト・ビッグマック指数
  ビッグマック指数に国民一人あたり所得を加味すると

日本とアメリカのビッグマックの値段は殆ど同じである。
ビッグマック指数なんて,という方にはこちら。


実質実効為替レート

実質実効為替レートは,多国間貿易と物価を加味したもの。
詳しくは,日銀のHPで

実効為替レートの推移.jpg

  グラフはこちらのサイトから

95年の日本円は150。
2011年は100。

数字が大きい方が円高ということだ。
つまり,現在の円は95年よりも3分の2だけ円安である。

95年当時の円高を2011年に再現するためには,
80円×3分の2だけ円高になる必要がある。

つまり,95年の円高は現在の価値になおすと,53.3円である。
まさしく,超絶円高だ。

逆に,現在の77円前後のドル円は,95年当時になおすと,
115円ほどになる。

まさしく,適正価格ではないだろうか。



現在,円高で苦しんでいる業界や企業もあるだろう。
しかし,日本全体ではどうなのだろうか。

95年円高倒産は,105件ASAHI.com,個人のブログで代用
2011年28件(8/7時点)
しかも,28件のうち13件がデリバティブ損失だという。
本業の業績悪化が原因で倒産したのではない,ということだ。参照


こういう指標や数字を見ていくと,
政府や日銀が円高対策に本腰を入れない理由がわかる気もする

いや,民主党はそんなことには頭が回っていないかもしれないし,
日銀にしても,円高より
インフレと戦うことに懸命なのかもしれないが(笑)。

確かに,現在の円水準は政府や日銀の無策にあるのは確かだが,
それと共に,決して目が飛び出るほどの円高でないことも確かなようだ。

この点が,スイスやノルウェーと違うところだ。
特にスイスは,避難通貨として高くなりすぎている。
フランをユーロとペグするかも,と発表したおかげで,
随分とフランは下がったようだが。


ドル円70円台は円高と言える水準ではない。
日本円の60円台は当たり前の時代が来るかもしれないし,
50円台も視野に入れておく必要がある,ということである。


.
posted by DEBUO at 00:00 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月24日

日本の悲劇

現在の日本経済だけではなく、日本の最大の障壁は菅首相である。
そう申し上げて、反論される方はどの位いらっしゃるだろうか。

この人物は無能である。
それは、ずいぶん前からわかっていた。

何しろ、この人物は首相になる前から何をしていたのか
さっぱりわからなかった。

ポッポ政権でかなり重要なポジションにいたはずだが、
まるで目立たない人物だったのだ。

目立たないだけでなく、たまに口を開けば、
その見識の無さに周りが失笑するような状態だった。


それは首相になっても同じだった。
菅政権は実質、仙谷政権とみなされていた。

つまり、そういう薬にも毒にもならない人物であると、
私は理解していた。


しかし、この男は何の見識も世界観も実務能力もないのに、
なぜか民主党のトップの一人と見なされ、
とにもかくにも首相になったのだ。

その理由の一端が最近はよくわかるようになった。
この男は地位に強烈な恋着心がある。

もう一つのこの男の特質は、
常識はずれに面の皮が厚い、ということである。

地位への執着心は傍から見ていて大変醜いものである。

それはこの男の業とでもいうべき種類のものであり、
多くの日本人が嫌悪感を感じるものであるが、
この男にはそんな評価はカエルの面にションベンなんだろう。

いや、通常の感覚を備えていない、というほうが正確かもしれない。


なぜこの男が地位に恋着するのかはわからない。
それだけ、首相の肩書きは蜜の味なのか。

最近のこの男の行動といえば、
  『社会保障と税の一体改革案』読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110621-OYT1T00913.htm
  『再生可能エネルギー特措法』J-CAST
http://www.j-cast.com/2011/06/22099216.html


現状において、政策のプライオリティは、
  1に震災復興
  2にデフレ脱却

ではないかと思う。
この男の頭の中ではそういう優先順位が混乱しているのか。

再生可能エネルギー特措法なんてのは、
急いで法案化するものではない。

じっくりと議論を重ねて遡上にのせるべきものである。
むしろ、急いで法案化しても碌なことにはならない。

そういう性質の法案を、この男は急いで国会に諮ろうとする。
なぜだ。

例によって、この男お得意の思いつきか。
それとも、地位への執着心ゆえか。
無能首相としての評価を少しでも払拭したいのか。


しかも、この議論にはなぜか孫正義氏がからんでいる。
私は孫氏に何の感想もないが、
なぜ一事業家の言うことに、一国のトップが絡みつくのか。

まるで、孫ー菅タッグのように見えるのである。

ちなみに、再生可能エネルギーに関しては、
ネットをググれば、さまざまな評価が出てくる。

  再生可能エネルギーの限界と日本のエネルギー政策の今後
http://agora-web.jp/archives/1334202.html
  

あの池田信夫氏も批判的だ。
池田氏は、経済学者としてはかなりアレであり、
池田信夫(笑)と称されることも多い。

しかし、経済学以外の物言いとしては、稀に注目することをいう。
  再生可能エネルギーは原発の代わりにはならない
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51701378.html
(彼は原発推進派みたいだ)


上記J-CASTという媒体はあまり信頼されていないと思うが、
記事中の現首相に関する評価はその通りだと思う。

『震災以前に(再生エネルギー政策に)大きな意欲を見せたことはないといわれ、
今回退陣条件としたのは唐突だ。』

そもそも、この男には意欲的な政策などないんじゃないか。
ただ単に権力欲にとりつかれた男、という評価以上のものは見当たらない。


見識も世界観も実務能力にも欠ける凡庸な人物、
ただ単に凄まじい権力欲と面の顔の厚さで
曲がりなりにもトップに上り詰めた男。

そうした人物が、この国難の日本で舵取りをする。
これほどの不幸があるだろうか。


よく、『誰が首相をやっても世の中は変わらない』
という評価を聞く。

それは大きな間違いであることを、私は民主党時代になってから実感する。
直前の首相が麻生氏であっただけに、余計、そう感じる。

麻生氏は、経済政策、外交政策共に、
近年では相当な見識を持った首相であったと思う。

  こちらを参照『麻生氏の失政w
  


東北復興とデフレ脱却、
これは実にいい組み合わせである。

東北復興のもと、多少の無茶が許されるだろうから、
デフレ脱却のためにも、『デフレ推進派』を抑える、
絶好のチャンスでもあった。

その絶好のチャンスを
なぜこうも無残にうっちゃることができるのか。
あの男が増税にこだわっているせいのようだ。

この時期に増税を叫ぶ。
社会保障と税の一体改革案』も増税の一種である。

確かにこの男は、『デフレ推進派』の一員であるが、
彼には、経済についてまともな考えはない、と思われる。
財務省のいいなりなんだろう。

しかし、これは間違いなく歴史に刻まれる。

  世界恐慌時のフーバー大統領
  昭和恐慌時の浜口〜若槻政権(井上蔵相)
  阪神大震災後の橋本財政
  東北震災後の菅政権

これら、経済政策の失敗者の系譜に連なる人物として、
後世に語り継がれるであろう。





posted by DEBUO at 09:47 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月22日

対中依存とチャイナリスク

三橋貴明氏の記事『対中依存とチャイナ・リスク(2/3)』で,
マスコミや財界は,やたら日本の対中依存を言い募る,
と指摘している。

これについては,私も以前から思うところがあった。
20年近く前から,日本は中国よりもASEAN重視のほうがいいんじゃないかと
思ってきたのだ。


中国は確かに一つの国だが,地方の力がかなり強い。
地方により,方言も全然違う。
人種も南と北では見た目が違う。
地方政府は場合によっては,独立政府のような動きもする。

だから,中国に進出する,という考えは良くない。
北京に進出するとか,四川に進出するとか,
もっとエリアを狭く捉えないといけないと思う。


対して,ASEANは国も違えば,宗教や言葉も人種も違う。
しかし,ASEANは一つの地域経済として融通のきく体制を模索してきた。

だから,北京−上海−香港−重慶のような関係が,
ジャカルタ−シンガポール−クワラルンプール−バンコクなどにも
あてはまるんじゃないかと思う。

そう考えれば,ASEANには5億人の人間がおり,
ASEANは中国よりもずっと政治的リスクが少ない。
人間の民度も中国人よりも高いんじゃないかと思う。

少なくとも,日本人には中国人の功利主義的なところよりも,
東南アジア人の緩い気質のほうがあう。


実際,日本は昔から東南アジアとの結びつきが強い。

日本の主要国向け直接投資残高 2009年 単位:百万ドル
20101020.png

日本から中国+香港への直接投資は,
  68,093
日本から台湾,シンガポール,タイ,インドネシア,フィリピン,ベトナムへの直接投資は,
  84,752

香港はある程度チャイナリスクを減らせる場所,
つまり,東南アジアよりの地域だとすると,
中国と東南アジアの差はもっと広がる。


日本の貿易相手国,2009年
(資料) 財務省「貿易統計」よりジェトロ経済情報発信課作成。

09貿易相手国.jpg

中国への輸出は全体の18.9%
中国+香港で,     24.4%
対して,ASEANはすべてをあわしても,13.9%。

貿易に関しては,中国に軍配があがる。
ここは,おそらく,中国やASEANの購買力に比例した数字が出ているんだろう。


但し,私は中国市場というものにどれほどの魅力があるのかわからない。
中国は13億人の市場ではない。

もっと,市場を細かく見ないと幻想だけで中国を見がちになる。
例えば,上海2千万人のこのクラスの人間,
そういうセグメンテーションをしてから市場に入ることになる。

すると,日本製品を買うことのできる人数は,上海でせいぜい数十万人。
中国全土でも2千万人ぐらいじゃないか。

しかも,上海でマーケティングして成功したからといって,
それが即ペキンで通用するわけではない。
おそらく,違う国で販売をやり直すような形になると思う。

つまり,まとまりのない2千万人が広大な中国の大地にちらばっているわけだ。
将来,この層がどの程度増えるのかはわからない。


中国の経済成長は多分,せいぜい2020年ぐらいまでだろう。
GDPがアメリカを抜くかどうか,というところで打ち止めじゃないかと思う。

少子化,資源不足,水不足,電気不足,政治の腐敗,所得格差,
保障のない市民生活,水質汚濁,大気汚染,

一体,中国のどこに将来性を描け,というのだろう。
スモッグの中で経済成長を遂げても,楽しいはずがない。


尖閣事件で,チャイナリスクが改めて浮き彫りにされた。
第2のフジタ社員が拘束されるかもしれない。

しかし,次に拘束される企業人は日本からのヘルプは期待できない,
と覚悟しなくちゃいけない。

おそらく,自己責任の非難がネットで飛び交うと思う。

中国に進出した企業は,進出した時点からチャイナリスクについて
真剣に考えてきたと思うが,
できることなら東南アジアに引っ越したほうがいいんじゃないか。


引っ越したくても,中国から引っ越せない中国の恐るべき事情
  ★【チャイナリスク】中国合弁会社幹部が体験した出国停止事件
   三橋貴明氏のブログから


posted by DEBUO at 00:00 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月11日

日銀の金融緩和


マネタリーベース
日本銀行が金融市場で銀行などの金融機関に供給するお金の残高。


先日,日銀がマネタリーベースを35兆円増やす,と発表した。
これでデフレ脱出か,ハイパーインフレが心配だ,などと
気を揉む人もいるかもしれない。

そのマネタリーベースと物価の関係その他を,
私の経済方面の先生である廣宮孝信氏がグラフにしてくれたので,
グラフだけ抜き出した。

詳細は,こちらを御覧ください。
廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ


Snap418.pngSnap419.png
Snap420.png

アメリカも中国も,中央銀行の資金供給は並じゃない。
ところが,物価上昇に連動しているようには見えない。

一般的に,金融政策と財政政策を組み合わせると,インフレになる,
と言われるが,中国の場合は,ものすごい額を供給しているのに,
インフレにもなっていない。
(中国の発表する数字には全く信頼がおけないのだが)


現在の日本のマネタリーベースは,約100兆円。資料日銀
今回投入する額は35兆円。

インフレにするには,1000兆円近い国債を買い取るぐらいの勢いがないと,
難しいのかもd(^^*)

※(ハイパー)インフレにするには,額の大きさとともに,
投入するスピードが大きく関係する。
これは,廣宮孝信氏が上記ブログで指摘している。


なお,日銀の今回の金融緩和策であるが,
◆ゼロ金利回帰
はいいとして,

◆インフレターゲット設定?
は,消費者物価指数(CPI)で1%だという。
これは,CPIの上方バイアス内という批判がある。
 ※測定誤差 参考

◆『国債やCP,社債,上場投資信託などの金融資産
を購入するための5兆円規模の基金創設・・・』
に関しては,額は5兆円と話にならない。

しかし,
 ★日銀券ルールの枠外で長期国債を買い取る
 ★ETFやREITを買い取る
という点に注目すべき,という。参考

日銀券ルールとは,
 ★長期国債をお札の発行残高までしか買い入れない
という,日銀の内部ルール。

今回はこの日銀券ルールの事実上の撤廃?
という見方にもなるし,
或いは日銀は日銀券ルールを破らない
という見方にもつながる。

また,ETF(上場投資信託)買い取りは、日銀が株を買うことであり,
REIT買い取り(不動産投資信託)は,日銀が不動産を間接的に買うこと。

日銀がリスクの高い投資に手を出した,ということで注目される。





posted by DEBUO at 14:50 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月26日

財務省の破綻するする詐欺

三橋氏のブログ,ちょっと驚くべき投稿があった。

日本の財務省とアイルランドとユーロ

この中で,小泉政権初期,欧米格付け機関に格下げを予告された際に,
財務省が各格付け機関に送った意見書の要旨が紹介されていた。


外国格付け会社宛意見書要旨

1.貴社による日本国債の格付けについては、当方としては日本経済の強固なファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠くと考えている。貴社の格付け判定は、従来より定性的な説明が大宗である一方、客観的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。
 従って、以下の諸点に関し、貴社の考え方を具体的・定量的に明らかにされたい。

(1)日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。

(2)格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべきである。
 例えば、以下の要素をどのように評価しているのか。
・マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国
・その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている
・日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高

(3)各国間の格付けの整合性に疑問。次のような例はどのように説明されるのか。
・一人当たりのGDPが日本の1/3でかつ大きな経常赤字国でも、日本より格付けが高い国がある。
・1976年のポンド危機とIMF借入れの僅か2年後(1978年)に発行された英国の外債や双子の赤字の持続性が疑問視された1980年代半ばの米国債はAAA格を維持した。
・日本国債がシングルAに格下げされれば、日本より経済のファンダメンタルズではるかに格差のある新興市場国と同格付けとなる。
 
2.以上の疑問の提示は、日本政府が改革について真剣ではないということでは全くない。政府は実際、財政構造改革をはじめとする各般の構造改革を真摯に遂行している。同時に、格付けについて、市場はより客観性・透明性の高い方法論や基準を必要としている。


財務省のいつもの主張とは正反対のことを外に向かって主張していたわけだ。

ただ,財務省がそう主張していたことに対して,私はさほど驚いているわけではない。
おそらく,今の日本の状態が危機的状況ではないことを,
財務省は知っているのではないか,と常々思っていたからだ。

むしろ,そうにも関わらず,財務省が日本の危機を煽るのは何故か。
その理由を前から考えていた。

私の考えた理由は,

@財務省は,納税額の中で国を運営したいから。
国債に頼る財政は,彼らにとって非常に格好悪いのではないかと。

A大平首相の怨念
赤字国債が出始めた70年代後半,財政に危機を感じた大蔵省は,
消費税の導入を図ろうとした。
その中で,大蔵省出身の大平首相が選挙中に死去。
大平首相の意思を継ぐ上でも,
その他大蔵省・財務省の先輩の顔を建てる意味でも,
健全財政は財務省の悲願。

B馬鹿な政治家や馬鹿や国民に苦々しさを感じている
例えば,健康保険。
保険料ががばがば入ってきたので,初期の頃はばんばん給付したそうだ。
それで健康保険が破綻し始めた,と私の母親がいつも怒っていたw

或いは,箱物行政。車の通らない高速道路。

日本のトップエリート,日本の舵取りをしていると自認する大蔵省・財務省のキャリアが,
人気取りと権益のために予算をぶんどっていく政治家に辟易しているのは,
容易に想像がつく。

C財務省の中に派閥がある。
財政破綻派と財政積極派???

割と人間臭い理由で日本の財政危機を訴えているんじゃないか。


さて,財務省にのっかって日本の危機を訴えているマスコミや自称評論家。

マスコミはいい。
  理解していないか
  財務省の言うがままか
  日本の危機が楽しいか
のどれかだから。

自称評論家はどうだろうか。
  やっぱり理解していないか,
  飯の種だからか(日本が危機じゃないと困る),
  悪巧みを企む外憂勢力か。

やはり,私が前からオススメしている経済評論家たちを先生にした方がいい。
リチャード・クー,三橋貴明,廣宮孝信,小野盛司など各氏だ。


つまり,デフレにはデフレの対策がある。
現在の民主党の主張はインフレ対策。
(増税,健全財政,国債の発行を控える,公務員削減,仕置など)

積極財政をし,成長性の高い分野に投資する。
成長性の高い分野とは,国の価値を高める分野である。

例えば,小学校の耐震化,老朽化した橋の建替え,など。


posted by DEBUO at 22:26 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月31日

国の債務の種類

国の債務の種類

日本が借金する場合,

 @国民から円で
 A外国から円で
 B外国から外国通貨で

の3種類があります。

日本の場合,
@国民から円で
,借金した場合は問題ありません。
政府は日銀を通して円を発行できますから。

金利が上下してもあまり関係ありません。
金利の支払いは国内です。
国富が外国に流出するわけではありません。
ですから,公共事業と同じような効果が生まれます。

支払いができない時の最終手段は,円を刷ること。
(モニターの数字を変更するだけ)

ただ,インフレ,円安になりますから,
景気のいい時は注意する必要があります。

A外国から円で,借金した場合も円建てですから,
支払いには基本的に問題ありません。

ただ,外国の気分に左右されやすい,
金利の上下に影響を受けやすい,
金利支払いを通して国富が海外に流出する
などのデメリットがあります。

Bの外国から外国通貨で借金する場合は,非常に問題があります。

馬鹿マスコミや経済に関心のない人達が良く言う
『借金すれば返すのが当たり前』
というのは,この『外国から外国通貨建ての借金』にあてはまります。

この@〜Bの違いを理解していないマスコミ,経済評論家が多く,
これが日本の経済成長の阻害要因の一つになっています。
と言うよりも,財務省自ら混同させて警告を発しています。
おそらく,わざとです。
理由はよく分かりません。


ユーロの場合は,
 C自国を含めた域内からユーロで
というのが加わります。
CはBの変種ですが,Bよりももっと質が悪いようです。


他には,短期債務,1年以内に返す必要のある債務かどうか,
というのも問題になります。
流動性の高い債務,という言い方をします。

外国通貨建ての外債

さて,皆さんに質問を致します。


  現在,韓国は国の借金が対GDP比で39.4%。
  国債の79%を外国から借金しています。

韓国の状況はいいでしょうか,まずいでしょうか。

判断するのに必要なのは,
  ◆韓国政府の債務総額は5500億ドル程度
  ◆外債は,ドル建てかウォン建てか
   ⇒おそらく,ほとんどがドル建てと考えられる。
    ウォンはハードカレンシーではないから。
    だから,外債は4500億ドル程度
  ◆流動性の高い債務(1年以内に返済する必要のある債務)は?
   ⇒現在いくらかわかりません。2007年の末に債務の50%を突破,
    ひょっとすると,外貨準備高よりも額が大きい,と言われていました。
    おそらく,現在もさほど状況は好転していないと思われます。
    ですから,流動性の高い債務は少なくとも2000億ドル。
    ひょっとすると,2500億ドル以上。
  ◆外貨準備高は,約2800億ドル。
   おそらく,短期債務に標準をあてて数字を出していると思われます。
   ただし,使えるお金はかなり少ないと噂されています。

上記は,結構いい加減な数字を並べていますが,
それでも,誤差は1割ぐらいでしょう。
結論は,韓国は相変わらずヤバイ,ということです。


   ★国の借金、昨年から5年で184兆ウォン増の見通し
   ★ムーディーズ、政府系企業の負債急増を警告

韓国の問題点

韓国の問題点は(多分)
  @外貨建て(ドル)建ての債権が多いこと。
  A短期外債(1年以内に支払う債務)が非常に多い
こと
  Bこれは推測だが,支払いに使えるお金が少ないこと。
です。要するに,韓国は自転車操業です。

08年に韓国では通貨危機が発生しました。
ウォンがあっという間に800w台>>>1500w台にまで下がったのです。

韓国は外貨準備高が世界有数を誇ります。
それでも,資金繰りに行き詰まりました。
外貨準備高はただ数字が大きかっただけで,中身がなかったと言われています。

韓国李大統領は,アメリカ日本中国からスワップ協定,
要するに体の良い借金をしてしのぎました。

日本政府の債務は対GDP比で200%近くありますが,びくともしません。
債務のGDP比など役に立つ指標ではないのです。
問題は,外貨建ての債務がどれだけあって,
それをいつ返すのか,ということです。

  ※内債や円建て債務にも限界がありますが,
    その話はややこしくなるので省きます。


韓国は現在ウォン安が貿易黒字を生み,体質が改善しています。
しかし,根底にある上記状況は変わっていないようです。

しかも,不動産バブルもささやかれています。
日本のかつてのバブルよりもひどいようです。

政府,企業,個人の債務も増加の一途をたどっています。


韓国はPIIGSよりも少しまし,という程度でしょう。
貿易黒字であることが唯一の慰めです。

ということは,ウォン高になればなるほど,
貿易黒字が減り,
韓国は危機に向かっていく,ということです。


最近よく『韓国を学べ』という本とかテレビを見かけます。
失笑ものですね。
確かに,韓国には見習うべき点もあるでしょう。
適当に作っているのに,何故か生産性がいい,とかです。

しかし,5年前にも『サムスンに学べ』という本が書店に並んでいました。
その3年後に韓国は破綻しかけました。

あと数年もすれば,また韓国に危機が訪れる可能性は非常に強いと思います。
韓国は政府も,企業も,国民も借金体質,
上がらない付加価値,日本の真似経済,中国の台頭,
増加する貧富の差,貧弱な内需,増えない国内投資,
などは少しも変わっていませんから。

通貨発行権がある,ということ


ちなみに,日本政府の債務は94%が内債。勿論全て円建て。
最終的には,日銀の輪転機を回せば解決します。
正確には,モニターの数字を変更するだけです。

国に通貨発行権がある,というのは,
無から打ち出の小槌のように通貨を発行できる,ということです。

ただ,この必殺技を使いすぎると,円安になったり,インフレになったりします。
ちょっと劇薬ですので,法律で規制されています。
国会の承認のある時に限り,この技を使ってもいいことになっています。
どうやら,戦前戦費を発行しすぎた反省がそこにあるようです。


珍しく,海外マスコミが正論を論じています。
  ★社説:日本の債務懸念は行き過ぎ 2010.02.10(Wed) Financial Times

この理屈が国民に徹底されると話が早いんですけどね。
日銀からして頑迷な迷信を信じ込んでいるようですから。

ポッポ.jpeg

posted by DEBUO at 00:00 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月20日

相変わらずのIMF。消費税を10%にせよ。


日本の政府債務、2015年にGDP比2.5倍 IMF見通し
IMFは歳入増加策として日本は消費税率を5%引き上げるなどの案を示した。

1997年のアジア通貨危機の時,IMFは危機に陥った数カ国に多額の融資を実行,
それと引換に過酷な財政再建『構造調整プログラム』を要求した。

公営事業の民営化、国有資産の売却、規制緩和と競争促進、外資参入の自由化、
金融市場や国際資本移動の自由化、インフレの沈静化、国際収支赤字の改善、
増税と歳出削減による財政規律の健全化などである。


これには強い批判がある。
果たして,財政再建する必要があったのか,と。
 ◆財政赤字削減⇒公共料金カット⇒特に低所得層に直撃
 ◆失業者が増大するため,不況が深刻化する。
などの批判だ。

また,1997年アジア通貨危機の時のIMFにはこんな批判もある。
韓国がIMF構造調整プログラムに対してトラウマになっており,つい先日,
  ★ 「IMFは韓国人に苦痛を与えた」韓国の企画財政部長官が苦言
などとほざいていた。


韓国人というのは
『自分がやればロマンス,他人がやれば不倫』月見櫓
ということを極めてナチュラルに体現している。

世界でも有数の自己中民族だから,
彼らの言う事を真剣に取り合う必要はない。


しかし,韓国に課した財政再建策は行き過ぎた,
という反省があるのは確かだ。
韓国人の言い分にも1%程度の真実がある。

特に,韓国は国の財政が破綻したというよりも,
銀行や財閥らの放漫経営による債務が
急激な通貨下落により返済できなくなったのが原因である。


ところが,IMFの財政再建策は
むしろ政府の財政を再建するプログラムなのだ。
お腹が痛い,といっているのに脳を手術したような面がある。

その反省からか,IMFの『構造調整プログラム』,
最近は融通が効くようになってきたという。

相変わらずのIMF

しかし,IMFの石頭は健在だった。
『IMFは日本は消費税率を5%引き上げるなどの案を示した。』

これを通常時にやるのであれば私は賛成である。
日本は税金が少ないし,若干いびつだ。

しかし,それを現在のデフレ時に行うのは大反対だ。
かえって税収が減る恐れがある。

もしてや,日本の債務返却のために増税をするのは,
まるっきり本末転倒である。


日本の債務は,94%が内債である。
どこからお金をひっぱってきたかといえば,
日本の金融機関。もとを正せば,国民や企業だ。

国民や企業からお金を借り,
それを返済するために,国民や企業から金を取り立て(税金)るのか?
そして返済する先は,国民や企業w

ものすごい簡単な理屈だと思うのだが。
そもそも,『日本の財政は破綻していない』


返済したいのだったら,お金を刷ればそれで済む。
インフレになる恐れがあるので,
お金を刷るときは,数字を見ながら。
注意するのは,絶対額じゃなく,お金を刷るスピードだ。

仮に長期金利が上昇したとしても,金利の受け取り先は国内だ。
国外に日本の富が流出するわけじゃない。
一種の公共事業になり,GDPが増大する。

貯蓄率が減っている,という声があるが,
貯蓄が減る,ということはその分,国内に何らかの形で
お金が流通する,ということである。
GDPが増大して税収が増える。

無税国家にしろ,という素朴な意見があるが,
デフレの場合は無税国家でもいいかもしれない。
但し,所得再配分効果が薄くなり所得格差が広がったり,
インフレになった時の調整効果をなくしたり,
そういう面があるので,無税国家は難しい。

インフレが怖い,という声がある。
じゃあデフレでいいのか。
デフレで真綿で締めるように失われていく国富と,
インフレで失われる国富とどっちが大きいのか。

  ※内債で考える必要があるものは,
   内債の増加スピードと,価値創出効率じゃないか。

   内債の増加スピードはインフレを監視するため。

   価値創出効率とは,内債は銀行貯蓄に似ているとすると,
   銀行の貸出金利に相当するもの。
   つまり,日本の価値を上げ,GDP,貿易黒字を増加させ,
   最終的には税収をいかに上げるか,という観点。


私の申しあげているような内容は,日本で少しずつ賛同者が増えている。
間違いなく世界で最も日本人に理解されている。
しかし,それにしても一部だ。
経済に関心のある人で半数が理解している程度。

経済に関心のない人はそういう事を考えたこともないんじゃないか。
『家計で借金が増えれば,返すのは当然。』
こういう意識で日本の債務を眺めている。
ごく自然で常識的な眺めだ。

そこへIMFや財務省,マスコミ,経済評論家が次々に提言する。
『財政再建=増税だ』と。

ギリシャがつぶれかかっているため(お前は死んでいる状態),
それを日本にだぶらせ,国民はいたずらに恐怖感をあおられている。

だから,多分国民の声は財政再建の方に傾いているような気がしている。

日本人は欲しいものがなくなったのか

ところで,デフレになった原因は,日本人に欲がなくなったせいだ,
という人がいる。

確かにそういう面があるかもしれない。
周りを見渡してみると,日本はモノに溢れすぎている。

しかし,実は買いたいものをあきらめているだけかもしれない。

もし,次のような商品があったら。
或いは,次のような環境であったら。

東京都内で通勤圏1時間内の3LDK2000万円のマンション。
一定のクォリティがあり,周辺環境は良好。

バカンスに行く時に,交通渋滞がなければ。
いや,大都市の恒常的な通勤ラッシュが緩和されれば。

手頃な価格のハイブリッドとか新世代エンジン車。
安価で安全な国内産の食品。
手頃に利用できるヨットバーバー。

モノじゃなくても,
育児支援。充足した介護。不安のない老後。

日本人が普通に抱く不満。それらは全て需要に結びつく。
ところが,その案件を解消するには,民間だけでは難しい場合が多い。

そこで政治の出番なのだが,政治は各方面の意見調整にとどまり,
骨太の政策を通せないことが大半だ。

それは政治家の実力もあるだろうが,
国民の側にも意識の変革や熟成が必要だ。


日本ではその意識改革が進行中だと思っている。
日本人は急激な改革も得意だが,それは例外中の例外で,
少しずつ改善していくのが性にあっている。

ただ,少しずつ改善していくにせよ,
急激に改革するにせよ,時間が必要だ。
(急激な改革には改革に向けての醸成期間が必要だから)

その時間を稼ぐためにも,
財政改革を繰り返して日本を疲弊させるようなことは
是非とも避けてもらいたいものだ。


posted by DEBUO at 00:00 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月18日

最後の希望,亀井金融相「やらせない」菅財務相の国債抑制論に


亀井金融相「やらせない」菅財務相の国債抑制論に

私の見たところ,
日本では『財政再建』が主流になっているように思います。
政界も財界も国民も。
国債発行額抑制,消費税アップやむなし,です。

一つにはアメリカも欧州も財政再建に乗り出しているから,
ということがあるでしょう。
世界的な財政再建ブームということです。

もう一つは,ギリシャ問題。
ギリシャ問題は日本の問題と全く次元が違うのですが,
財務省とマスコミによるしつこい報道。
『ギリシャの次は日本だ』

だから,どの政党も財政再建を掲げています。


しかし,日本は現在デフレです。
国債発行を抑制し,増税したら結果は明らか。
橋本政権の時の消費税アップ,
小泉内閣02年の国債発行額抑制,
あの時,日本はどうなったかを思い出してもらえばいいでしょう。

典型的な考えを,ネットのレスから抽出しました。
『これは菅が正しいだろう。
一般家庭においても、収入が少ない時に借金増やすのはまさに自殺行為。
本来は支出を切り詰めて耐乏生活するしかない。 』

この人は,家計と国の財政の区別がついていません。
国が特殊なのは,通貨発行権があること。
さらに,家の借金と日本の債務との区別もついていません。

日本の債務は内債。
家の借金(車のローンとか)はいわば外債に相当します。

内債は一般的に考えられている借金とは性格が違います。
滞留しているお金をむんずと掴んで流れるようにすることです。
国民や企業の代わりに国が消費をもり立てているのです。


しかし,多くの政治家,企業人,国民は,
上記コメントを残した人のような理解でしょう。

『借金をすれば,返すのが当たり前。』

この考えを国にもあてはまえると,途端にこけてしまいます。

緊縮財政をやって白河藩を立てなおした松平定信。
その手腕を買われて享保の改革を断行したら,
日本がさらに不景気になって失脚。

今,まさに享保の改革バージョン???をやろうとしています。


消費税をアップさせ,国債発行額を抑制したら,
日本はますます不景気に飲み込まれるでしょう。

しかも,消費税率アップにも関わらず,税収が下がる,
ということがおこるでしょう。橋本政権の時のように。


現在はデフレです。
デフレの時にはデフレの行動がある。

民主党の若手の一部にはそれを理解している人がいるようですが,
内閣の幹部レベルでは,亀井氏ぐらいなもの。

亀井氏は経済政策だけじゃありません。
外国人参政権関連法案でも最後の砦になっています。


課題は,国債の使い道。

車の走らない高速道路建設とか,
でかいカラオケ施設である文化会館を作るとか,
ただのばらまきである子供手当てとか,
そんなんじゃ効果があまりありません。

効果の高い公共事業を考える必要があります。

小学校の耐震補強工事とかね(仕分けされましたが)
がたがたになってきている橋の補強工事,という案も出ています。

大都市圏のインフラ,特に道路関連は更なる拡充が望まれますが,
これはちょっと難しいですね。

結局,国の価値を高める方向にお金を使って欲しいのですが,
そういう大きなデザインを描くことができ,
かつ,実行できる人,というのはなかなか出現しません。


あと,ちょっと時間がかかりますが,規制緩和も。
大都市の建築基準緩和とか。
漁業権の整備とか。
沖縄の経済特区とか。
パチンコを規制してカジノを新たに作るとか。

規制や利権でがんじがらめになっている分野というのは,
日本には数多くありますから,そこにメスをいれることのできるような
そういう内閣が出現して欲しいですね。


posted by DEBUO at 17:44 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月13日

【経済討論第10弾】どうなる!?日本経済の行方[桜H22/4/3]

この動画見てたら暗鬱な気分になってきた・・・
ブルーな気分,おすそ分けしますw

【経済討論第10弾】どうなる!?日本経済の行方[桜H22/4/3]その1


その2


その3


その4



posted by DEBUO at 22:19 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月16日

日本は格差社会だ その2

前回,このような投稿を致しました。

格差社会が到来したのか? ジニ係数のマスコミのミスリードと人々の嫉妬心


この投稿の最後で,


格差社会(不平等社会),つまり社会に問題があることにした方が,
気分が楽,ということです。

そういうと身も蓋もない言い方になってしまいますが,
そう結論づけざるを得ません。


と記しました。

実はこの投稿には続きがあります。
うまく表現できずに,投稿を先延ばしした部分です。

ちょうど,私が毎日訪れているVRAI氏のブログで,
上手に表現されていましたので,引用します。


トップランナーとして走り続ける事の大変さ、
それを強要される日本の労働者、疲れきってる大人たち。


日本は,経済的にトップを争っているだけではありません。
社会全体としても,世界の優等生です。

通信簿で5をずらりと並べ,性格や態度の評定欄でも先生から二重丸をもらう。
或いはそういう風に努力している。

それが日本人です。
抑圧感たるや,並のもんじゃないでしょう。


その精神的負荷がいろいろ変化して現れてきます。
前回の私の投稿でもその部分にチェックを入れたわけです。

『日本は格差社会だ』『平等な社会ではない』
『だからこんなに苦しい』


しかし,それはおかしい,と私のように言い募るのは簡単なんですが,
結局,頑張ってもなかなか成果の現れない現実,というのがあるわけで。

ただ,それを世の中のせいにするのではなく,
上手に発散できないものか,とは思います。

フィリピンに嵌るも良し。
趣味に没頭したり,
早朝野球したり。


結局,もっと楽に生きようよ。
ということが言いたいのですが,文章がまとまりません。

物質的充足感なんて実に薄っぺらくて,
金儲けしたって墓場にもっていけるわけじゃなし。


楽に生きたいんだけど,
特に40代50代の多くのお父さんお母さんたちは,
自分だけのために生きていないという現実ものしかかります。

ならば,余計に発散を上手くやりたいものなんですが。



ただし,VRAI氏のブログで挙げられている,
児童虐待相談件数の増加。

これについてはちょっとかみついておきます。

というのは,
児童虐待相談件数の増加=日本がおかしい
という構図をNHKは意図しているかもしれませんので。



児童虐待件数と虐待による児童死亡数の推移
(以下,全ての画像はクリックすると拡大します)

児童虐待.png
資料

児童虐待相談件数,うなぎのぼりです。

しかし,これをもって児童虐待が増加した,とは結論づけられないでしょう。
児童虐待『相談』が認知されてきた,ということも背景にあるでしょうから。


そこで,児童虐待による死亡数を見てみます。
痛ましい数字に目をそらす方もいらっしゃるかもしれません。
上記グラフの下に数字にご注目下さい。

すると,だいたい年間50人前後で推移しています。
増加傾向にあるわけではありません。

第1次報告は半年,第5次報告は15ヶ月分であることに注意。


2009年だと,

児童ポルノ摘発が過去最多/虐待件数も、死亡は減少 四国新聞社

(2009年度,)死亡した児童は前年より17人減り28人だった



児童虐待,という範疇が比較的新しいと思われますので,
嬰児殺(赤ちゃん殺し)と幼児殺人被害者数統計を見てみましょう。

児童幼児殺害.gif

警察庁「犯罪統計書」による。資料

こちらの資料によれば,戦後〜1995年頃まで,
嬰児殺(赤ちゃん殺し)と幼児殺人被害者数統計は減少傾向にありました。


児童虐待による死亡は決して増加傾向にあるわけではありません。
昔ならば,児童殺害の背景に貧困があったのかもしれませんが,
80年代以降は,そういうことも薄くなったでしょう。

ちなみに,コインロッカーベイビーズ,村上龍著は1980年ぐらいですね,


また,勿論ですが,幼児虐待は日本だけの問題じゃありません。
ひょっとしたら,日本よりも欧米の方が深刻かもしれません。
幼児虐待 欧米

幼児虐待は,先進国だけにおきているわけじゃなく,
ここフィリピンにもある,ということも申し上げておきます。


つまり,日本でおきている痛ましい児童虐待問題は,
世界的問題として解決を図るべきであると。
そういうことです。


.
posted by DEBUO at 04:21 | 日本経済・国債 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする