2017年01月12日

トランプ政権

トランプはどう動く

トランプ氏については、特に大都市圏リベラル・マスコミからは
大変評判が悪かった。例えば、ニューヨークタイムスだ。
しかし、ブレクジットでもみられたとおり、
そうしたマスコミは民意を反映していなかったわけだ。

というよりも、そうしたマスコミの反トランプキャンペーンが酷くて、
正確なトランプ像が歪められているだろう。

言えるのは、反政治的正義(PC)や反グローバリズムが
アメリカにまきおこっている、ということである。


凄まじい経済格差

グローバリズムは多国籍企業の無国籍化や、
自由貿易および市場主義経済を全地球上に拡大させる思想などを表す。
主に新自由主義経済をさす。

その結果、ウォール街に代表される金持ちと
その他の層とのあまりの経済格差ができたわけだ。

下のグラフのオレンジ色に注目して欲しい。
収入ランクTOP1%に入る人たちがどれだけの富を占めているのか、
を表している。
なんとアメリカは上位1%だけで半分近くを占めるのだ。

経済格差.jpg


次のグラフは、上位1パーセントが持つ資産が、中央値(総データのうち、中央に来るデータ)の何倍かを示すグラフ。
1962⇒2010年では125⇒288倍になっている。
80年代に大きな盛り上がりがあるが、レーガノミクスつまり自由主義経済政策の影響、2010年は大規模な金融緩和の結果と思われる。

経済格差変遷.png


次は製造業従事者の実質所得の変遷である。
major sector productivity は
主要部門の生産性。
real wages of goods-producing workers は
製造部門の労働者の実質賃金。

70年代から実質賃金は増えていない。

実質賃金.jpg


世界一の経済大国といえども、
富を享受するのは摩天楼や超高級住宅地に住む人ばかりで、
大多数のアメリカ人には何の恩恵もなかったわけだ。


逆差別

或いは、反PC(ポリティカル・コレクトネス)
アメリカではレイシズムと言われると大変なダメージを負うという。
レイシズムでないことが知性の証、というわけで、
これがポリティカル・コレクトネスとなる。

このPCのために言いたいこともいえないばかりか、
黒人やセクシャルマイノリティ、移民といったマイナーグループを優遇するために逆差別のような状況も生まれた。

例えば、大学入試に関し、白人・アジア系は入学枠が狭く黒人系は広い、といったことである。結果として、優秀な白人・アジア系が入試に落ち、合格レベルに達しない黒人が合格する。


反移民

ポリティカル・コレクトネスの先にあるのは、移民問題である。
確かに、アメリカは移民によってなりたってきた。

しかし、メキシコからの不法移民はアメリカを英語の国からスペイン語の国にし始めている。
もちろん、911以来のイスラム系住民への警戒は続いている。

これら、反グローバリズム・反PC・反移民というのは、
イギリス・ブレクジットの原因とされるものだ。
世界の潮流となっているのだ。
今年、フランス、フランス、ドイツと立て続けに選挙が行われる。
ここではっきりと欧州の未来がわかる。


トランプ支持者は、アメリカで割を食っている者、
つまり、マイナーではない白人で貧乏な労働者階級が中心だと見られている。
ニューヨークの摩天楼からは、アメリカの真意が見通せなかったわけだ。

大統領選挙中、トランプ氏は言いたい放題であり、
マスコミも反トランプで言いたい放題であったから、
トランプの真意は何なのかは、蓋を開けてみなくてはわからない。

ただ、決定している閣僚の顔ぶれから、
ある程度の推測は可能である。


親露

国務長官レックス・ティラーソン氏
(エクソン・モービル会長兼CEO)

国務長官は、諸外国における外相よりも強力な権限を持ち
実務的には大統領に次ぐ事実上の行政府ナンバー2
ティラーソン氏はロシア(プーチン)と太いパイプを持つ親露派とされる。

トランプ氏はプーチン好きを公言しており、
親露路線は間違いない模様。
トランプ氏はプーチンのようなタフで飾り気のないタイプを好むような気がする。


反イラン、反イスラム、(反IS)

国家安全保障担当大統領補佐官マイケル・フリン氏
国防情報局出身。反イスラム。

国防長官ジェームズ・マティス氏
元海兵隊中将。元中央軍司令官。
イラン核合意反対の強硬派

中央情報局(CIA)長官マイク・ポンペオ氏
陸軍士官学校卒。航空企業経営後2010年に下院議員当選。
イラン核合意の反対を主導

トランプ氏の明らかな意思が伺われる。


反移民

国土安全保障長官ジョン・ケリー氏
米南方軍前司令官・元海兵隊大将
不法移民阻止の強硬派

司法長官:ジェフ・セッションズ氏
共和党上院議員。反不法移民強硬派。移民自体にも消極的。


親ウォール街?

大統領補佐官兼国家経済会議議長ゲーリー・コーン氏
(ゴールドマンサックス社長兼COO)

財務長官スティーブン・ムニューチン氏
(元ゴールドマンサックス幹部)

両者ともにウォール街出身者。反ウォール街はトーンダウン?


親ユダヤ(イスラエル)

ジャレッド・クシュナー氏
トランプ氏の娘婿。大統領選挙参謀で非常に優秀らしい。
縁故採用禁止法の定めにより、政権内では働くことができないが、
信頼できる側近としての立場を維持する見込み。
正統派ユダヤ教徒で、妻のイバンカさんも結婚前にユダヤ教に改宗済。

オバマ現政権はイスラエルにつれなかったが、
トランプ政権は、親イスラエルになるだろうと予測されている。
閣僚にも、金融界(ユダヤ資本)の大物や反イスラム・イラン・ISなど、
イスラエルに益となる布陣だ。


反中(特に経済面で)

大統領補佐官・通商産業政策部長:ピーター・ナバロ氏
(カリフォルニア大教授)
対中強硬派

米通商代表部(USTR)代表ロバート・ライトハイザー氏
(元USTR次席代表)
対中強硬派?

国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長:マシュー・ポッティンジャー氏
ウォール・ストリート・ジャーナルの中国特派員
中国政府によって逮捕され、暴行された経験がある。
その後、海兵隊へ情報将校として活躍。アフガン駐留経験あり。
退役後、コンサルティング会社を起業中国を含む軍事・政治情報の調査に邁進。

中国に関しては、通商関係に厚みをもたせているが、
積極的な反中に至るかどうかは不明。
現状だと、アジア政策が薄くなりそうではある。


「白人至上主義者」?「反ユダヤ主義者」?

反グローバリズム?

首席戦略官兼上級顧問スティーブン・バノン氏
(保守系メディア元最高責任者)

保守系のニュースサイト会長、軍歴あり。選挙対策最高責任者。
トランプ氏の信任はかなり厚いようだが、
彼の評判は、リベラル系マスコミからは極めて評判が悪い。
白人至上主義者、反ユダヤ主義者、反グローバリズム者などと言われる。

確かに、トランプ勝利の背景には、
政治的正義やグローバリズムへの反発があるといわれ、
トランプ勝利の象徴のような人物みたいだ。




posted by DEBUO at 12:00 | 東アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする