2018年02月13日

シリア紛争 石油・天然ガスをめぐる戦い?

シリアの危機の遠因 パイプライン戦争

パイプライン.jpg

シリア危機の大もとはカタールのガスをめぐる米国の戦い

ケネディ元米国大統領の甥のロバート・ケネディ・ジュニア氏が言うには,シリア紛争はアラブの春から始まったのではなく,シリアを通るパイプラインをめぐってのアメリカとシリアの政権争いが発端だという。

経緯はこうだ。2000年にカタールが,サウジアラビア〜ヨルダン〜シリア〜トルコを通るパイプライン(上の図の青い線)を100億ドルで建設する提案。

米国の石油・ガス権益を推進すべく,CIAはシリアで政権交代を起こそうとイスラム過激派を利用,紛争の種を作る。これがケネディ氏の見解。一つの視点ではある。

トルコがシリア北西部のアレッポあたりを攻撃しているのは,そこが軍事戦略上の重要ポイントであるばかりか,パイプラインをめぐった争い,という側面もあるのかもしれない。

※これ以外に,イラク〜イラン〜クルド地区〜トルコの密輸用パイプラインがあるらしい。

アレッポ:紀元前1800年から続く古い都市。ユーフラテス川と地中海の中間にあり,商業・交通の要所。人口はシリア第一。
アレッポ.jpg
クリックすると拡大


油田戦争 シリアVSクルド

シリア北部油田.jpg

上のうす緑色が油田である。イスラム国はこの油田を制圧,それをトルコに密輸して資金源としていたが,それはクルドとて同じだ。

シリアは現在,赤矢印の地点でクルドと争っている。
これはシリア北西部の油田をめぐる争いでもある。

シリア北部.png

赤矢印周辺をもう少し拡大した地図が上の図だ。
DEIR EZ-ZOURの右あたりに油田地帯がある。

また,クルド地区を通ってトルコに向かうパイプラインをめぐる戦いでもある。トルコは中東地区ではエネルギーの大消費地であり,またエネルギーをEUに運ぶルートとしてトルコ経由が都合がいいらしい。

Fig-1-Major-gas-pipelines-in-Eurasia-Source-INOGATE.png
参考,但し10年以上前の地図。クリックで拡大


天然ガス地帯

ガス田.jpg


地中海には資源がないといわれてきたのだが,2009年に大きなガス田が発見されると,周辺各国が活発な動きに。

もっとも熱心なのはイスラエル。少なくとも6つのガス田が発見され,国内消費の数倍の産出量がある。イスラエルは紅海にも面しており,パイプラインや鉄道敷設により,スエズ運河の代替としても注目されている。
※エイラット〜テルアビブ間の350キロを2時間半で結ぶ高速鉄道計画を中国と結んでいる模様。まだ建設に入っていない?参考

キプロス側にもガス田が見つかった。だが,キプロスはトルコと国境/独立で争いがあり,トルコがいちゃもんをつけている。

このガス田がシリア紛争に関わっているのかはわからないが,アメリカのシェールガス革命は2013年。それまではアメリカはエネルギー権益に目を光らせていた。

イスラエルパイプ網.jpg



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posted by DEBUO at 00:00 | 中近東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする